クリスマスの季節
その87
商売を抱えていますと、何日も宿泊する家族旅行は無理ですから、中一日で帰路のバス。そうなんです。雪が固まったのでしょう、帰りは雪上車はお休みで、宿の前からバスに乗車。ところが、バス道がスキー場と知ったのもバス停でした。早速、父にリュックを預け、括った板をほどき、スキー靴に履き替え、習い覚えたボーゲンでバスと競争。
曲がりくねった下りですから、崖下に転落する機会がない訳ではありません。バスと抜きつ抜かれつですから(だったそうです)衝突事故の危険もあります。難所難所では、立ち往生する帰り客が団子状でしたので、車内の両親は生きた心地がしなかったでしょう。あの時の真剣さと緊張感を、その後も持ち続けていたら、もったマシな人間になれたのですが・・・
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蔵王は家族旅行の最後だったかも知れません。蔵王を教えてくれたのは運動部で合宿したことのある兄です。ジンギスカン鍋を食べに、温泉街の肉屋さんにも誘ってくれました。樹氷原でジャンプしている兄の写真もあります。しかし、競技スキーは練習も技術も優雅な私の滑りとは別物で、とても一緒には滑れませんでした。
本当ですよ。私の滑りは女の子と間違えられるほど優雅でした。ただ、起き上がる時間が滑っている時間を圧倒していたのは否めません。今は走り込んでいますので、足腰に自信はありますが、小学生の子らを二度目か三度目のスキーに連れて行ったのを最後に、十年も二十年もスキー場には出かけていません。
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