折々の文章


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クリスマスの季節 −139−
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今日は二千三年十月十日。

中国東北地域の、高速道路拡張工事は路面部分が先に完成、通
行許可証を入手、走行した結果は快適でした。出発地に戻った
のは数週間後。市内では区画整理の一般道拡張工事で、生まれ
てから華中に越すまでの十一年間、住んでいた五階建ての住宅
街が跡形もなく取り払われ、発つ前に写しておいた建物の写真
を家族に渡しましたところ、誰もが涙を流して見ていました。
古い建物が次々に壊され、出張から帰ったときは知らない町に
変わっていました。

飛行機で頼まれ物を届けるときの、お金を払いましょう」はよ
いものではありません。お手伝いするのは友人としてなのです。
食事に誘われるのは嬉しいですが、あとは気持ち。なんでもお
金で済ませようとする……


 ※

  
額縁は写真で予約、仕上がりは展開催直前の筈が、神田の本店
への持ち込みが予定より早まりました。心身の限界と判断、早
まるように彩色の段取りを変えたのです。新作は草土舎の定期
便で世田谷店へ運んでもらいます。

並列ではないのですね〜現役世代とは。例えば、自治体が主催
する勤労者美術展や文化祭からは、自(みずか)ら立ち去る必要
があると思っているのですよ。現役世代では成し得ない、高年
者だけが表わせる美。←以前にも書いたことがあります、仕掛
かりや未完成状態の完成度について。

食卓に置いた三十号を、手前に引き寄せ、胸に抱えて描きまし
た。伸びをしながら休み休み描くのですが、前屈みの姿勢が上
体を圧迫、少し続けますと胸に痛みが現われます。年に一度の
健康診断では、お医者さまにお薬をいただいている症状と、歳
相応の変化と、何々に気をつけて下さいを除いて、今年も去年
も、治療を要する異常はありませんでした。

橡三で発生した胸の痛みは、作品が仕上がりますと、跡形なく
消えました。今回も長く絵筆が止まりますと、進まない焦りに
苦しみますが、胸の痛みは忘れていました。

絵画展の日程は、作品が完成してから決めればよい、なんて考
えたこともあったのですよ。歳を重ねる不安がなければ、そう
するほうが楽です。しかし描く困難が増せば増すほど、そして
年々、困難は指数曲線を描いて増加、できるのは今回が最後!
の想いで描いていますから、前もって日程を決め会場を予約し
ておきませんと、もう描くのは無理だからなのだろう……

無為に陥る胚芽と希望を絶つ根は、拭っておく必要があります。

高年者が描く作品を、選別できる権威は存在できるのだろうか。
ある自治体の勤美展から、今年も昨年も一昨年も、日本画出展
のお誘いが届きました。審査は厳正です。特別賞や最高賞を設
けた日本画部門で、岩絵の具を一滴も塗らない作品を、入選さ
せる公募展は存在しますか。

橡三の「スペインで乗った観光バス」は完成作です。橡五に向
け、これから描く「スペインの水飲み場」は、下絵だけの日本
画になるかも知れません。その完成作の、甲乙を査定できる権
威があるなら、私は絵画鑑賞からも落ちこぼれてしまいます。
高年者の絵画とは(成熟した社会での晩年の表現とは)存在を
問うことだと思っています。絵画の権威は、ご商売の方便に留
めて欲しい。


 ※

  
昨日(十八日)新作を額縁店に持ち込みホッとしました。今朝
は久し振りに公園を散歩。

園内でも調整池の工事が始まるのでしょう、新たに建てられた
塀は、芝生広場の東部分だけでなく、芝生広場の南側と北
側の路地も遮断、公園を巡ろうとした散歩者は諦(あきら)めて
戻る際に、一人また一人と、区画整理を告げる看板に見入って
いました。

湿地は入れませんでした。芝生広場も想像以上に削られ圧迫感
も。全体が狭まった公園の、芝生広場に開放感を戻すには、園
内の他の緑地を削るしかないですから、区画整理後の地図では、
芝生広場の新たな東端に小さな池と、公園から調整池へ通じる
道に加え、西側の並木花木を芝生に転ずる図式。公園の樹木
さえ削ってしまう関東地方州(ムラ)です。周辺の緑地も減る一
方では?



鋼板




 高台の手前の樹が

 西側の並木や花木





 鋼鈑の奥が湿地





 鋼鈑の奥が芝地と池




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