
昭和16年当時の神田の店です。戦争のため閉鎖中。商人の親族が
出征する際、挨拶に訪れた記念写真。周囲は店に出入りしていた
職方(縫製下請け)です。商人は関東大震災と東京大空襲で店を
焼失、大戦では基盤までくつがえされました。
時代は昭13:国家総動員法公布、昭14:国民徴用令公布施行、国
策会社が盛んに立ち上がる一方で、民間の商工業者は軒並み閉鎖
に追い込まれ、それでは暮らしが成り立ちませんから経済は闇に
移行、敗戦に引き継がれて行きました。その折、混乱に乗じて一
部の個人や一部の組織が、私腹を肥やした経緯は多くの書物で学
べます。
商人は闇に手を染めず、戦争を利用して儲ける才覚もなく、敗戦
時に残った財産は、焼失した神田の店(借地権)と疎開者用建売
住宅だけで、国債と現預金は紙切れ同然になったそうです。
商人はゼロから立ち上げゼロで終わりました。しかし今も次女は、
伴侶の誠意と父親の生涯に誇りを持ち続けています。
The closed wholesale store in Kanda. This photo was taken
in 1941. My grandfather was a leading merchant in Kanda,
but he was obliged to give up his business during the war.
This store was burnt down at the second massive air raid
on Tokyo 1945.
His trade and stores suffered at Great Kanto Earthquake of
1923. He made a note of the calamity of that.