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クリスマスの季節 −215−
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虚実一路、大規模化を目指した事業者を、私がはじめて意識し
たのはお勤め時代、やや迷惑な印象をもってでした。当時は野
に立つ側の事業者に、各業界の既存大手に向けた、反発心がな
かったと言えば嘘になるでしょう。やがて経済界もマスコミも
挙(こぞ)って称える大規模事業者へ。
采国の某社は、新興社会での生産に際して、直接工場を訪れ、
仔細に調査した上で生産を委託、技術と設備と信用だけでなく
タイムカードも点検、最低賃金制遵守の確認、違法な労働行為
の有無を調べ、生産力の合否以前に、労働条件に疑問がある場
合は端(はな)から取引を回避する姿勢。
当然なんです。その当然が、当然でない先進社会もあるのです
ね。←先進と呼ぶほうが不自然。国債の海外での評価は、その
まま社会の評価に通じるかも。
重箱の隅を、楊枝(ようじ)でつつくだけでは気が済まないほど
細部まで点検する社会。朝採りでも萎(しお)れた菜っ葉は返品。
一ミリでも織り傷は不良品。針小でも化粧ムラは不合格。新鮮
で栄養も豊富。とてもお洒落。ひと月すれば判らなくなる。な
のに、資源が浪費されても働きが無駄になってもそう。
見場も実用も、何ら不都合のない新品も、些細な難を理由に外
してしまう社会。では、何なんでしょうね繁華街や道路や住宅
街は。
商品と技術を、ただ単にお金儲けの方便として扱い、土地を錬
金術に変えてしまう商法は、国を破綻に導く一里塚。
労働者は(単に労働者ではなく、誠実に働く労働者は)必要な
残業をすれば割増しの賃金を受け取り、休日は休み、年に何度
か有給休暇を取得する権利が、優良企業だけでなく、派遣労働
者にも業務受託会社にも請け負い会社にもあるのですよ。
下支えする派遣労働者や請け負い事業体の、賃金や就業規則や
社会保険や健康には関与せず、優良会社の社員だけ豊かになれ
ば足れりとする社会が、知と技術を高度化するのではないと思
います。自分だけ儲かればそれでよいとする観念が、経済を高
度化するのでもないと思います。その程度の高度化や先進性は、
やがて後発の経済大国や技術大国に抜かれてしまうでしょう。
何よりも先ず、暮らしの地域的環境と条件を高めるその制約の
厳しさが、知と技術をより高度に育むと思っています。
島嶼の社会は足許への配慮が、壇上も末端も、認識の段階から
抜け落ちているのでは?
○さん! 我が社は違います。
はい、その通りでしょう。だから涙国……
※
二月二十一日は春。三月二十日は冬。今朝(二十三日)は氷雨。
以前は文章の間に画像を嵌(は)め込んでいましたが、今は画像
の頁のずっと手前で文章の頁を埋める状態。
築地の場外市場での出来事です。高校生の年齢でしょう、活き
た貝の売り場で、金縛りの外国人に出合いました。たった一人
で、身動(みじろ)ぎもしないで見入っていました。
背が高く、絞り込むのは無理でしたが、視線はサザエからアワ
ビまでの何かに釘付け。嬉しくなってしまい、貝を見るフリを
してはジロ! 路地の外れで折り返してはジロ! 貝とカニを
まとめて撮るのに邪魔なので、場外市場を歩いた後も、金縛り
は解けていませんでした。
建設的な決定も破壊的な決定も「決めつけ」から始まっていま
す。何々だから非、何々だから改革の、何々が明らかにされま
せん。悪も貢献も、言葉そのものの意味は動きませんから、決
定前に決めつけられますと、是非を判断する材料を失います。
非を除かないと破壊される、何々は機密に関わるので説明でき
ない、約束事と合議体を無効にするのに、このほかの言葉は不
要でしょう。
当面の説明だけでなく、なぜそれが必要になったかの歴史的背
景も示されませんと、決めつけの呪縛は解けません。
新線も、地目の変更も、高さ制限の緩和も、戦争も、一度下さ
れた決定は何世紀もの生活に影響します。
決めつけによる改変と、合議を退(しりぞ)けて突出する歴史が、
二十一世紀の初頭も繰り返されています。
卒業式の季節。
現場に立ち、観察と説明と合議を重ね、決定に際しては対等の
力と競って欲しい。しかし今は
暮らしの現場で、働きを認められた采配者は何人いるのだろう。
観察は現場の属性です。重要な決定事項が、決めつけから始ま
ってしまいますと、約束事も合議体も、追認する儀式に変質し
ます。
茅葺(かやぶ)きは、やはり維持が大変みたいです。屋根の竹に
穴を開けるムシを、燻(いぶ)しても効き目がない家屋。掃いて
も間に合わず、休館日に殺虫剤で燻す家屋。←ヤスデは臭いで
す。カラスが、茅を啄(つい)ばんでしまう家屋。葺(ふ)き替え
ても、昔よりずっと早く傷んでしまう家屋。質のよい茅の手当
ても難しそう。竹林や敷地の欅(けやき)は、葺き替えや建て替
えに備える知恵とか。開園時刻に茅葺きを見学しますと、家屋
を燻す係からこの種のお話。
靖国通りの交差点で、カラスがドサッと落ちました。枯れ木か
ら、枝をくわえたまま落ちますと、体重で枝も折れます。落ち
た枝からもっと細い枝を、今度は嘴(くちばし)でポキッと折っ
ていました。巣作りに使うのでしょう。信号が青に変わるまで
の出来事。
魚 ←「旅」より
辛夷(こぶし)
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