透明な看板
(国営ひたち海浜公園にて)

公園の南ゲートを入って左側に、多少、冷房の
きいた、駅の待合室のような小部屋があって、
椅子にテーブルが数セットと、流しと、アイス
クリームと菓子の自販機が備えてありました。

ゲートを潜って僅かな時間でしたが、公園に隣
接する海浜に向かう途中、すぐに園内の様子を
悟り、同行者を直ちにこの小部屋に案内、暫く
休んでもらい、躊躇なく公園を後にしました。

実は昔、茨城県の阿字ヶ浦に立ち寄った際、建
設中のこの国営公園に出合い、休むのに適当と
考え入園したのですが、強い照り返しのため、
家族の一人の気分が悪くなり、二度と訪れまい
と決めていたのです。行楽案内の素晴らしさに
釣られ、危うく失敗を繰り返すところでした。

隣りのテーブルには先客がありました。三歳位
を頭に年子(としご)でしょうか、三人の男の子
を連れた若い夫婦の会話が聞こえてきました。

お父さん、この子、水も飲まない! 脱水症状
になってしまうわ。スポーツ飲料を飲ませまし
ょうよ。お父さん、せっかくだけど帰ろうよ。
日陰がないもの。遊べないわ。帰りましょう!

若い夫はほとんど口を利きませんでしたが、腕
を組んだままテーブルに伏した顔には、よほど
期待が大きかったのでしょう、落胆と疲労の色
が滲んでいました。折しもゲート真上に・・・

本日は炎天下につき、乳幼児、妊婦、老人、虚
弱者の立ち入りまかりならぬ!と記された、文
字も板も「透明な看板」が上がっていました。

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注)この項について「草原に朝の食卓ML」の
掲示板に書き込んだ記事がこちらにあります。







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