21世紀の森と広場
松戸市千駄堀
日曜の冬の夕暮れ、小学生当時の上の子が、
見知らぬおじいさんに「タクシーを呼んで欲
しい」と頼まれました。何があったのかと、
東隣りの児童公園に走りますと、七十歳を越
えたおじいさんが、しゃがみこんで震えてい
ました。我が家に案内、お茶をいれ、上着に
縫いつけてあった住所に電話しますと、先様
もお礼と一緒に「タクシーを呼んで欲しい」
今度はタクシーの運転手から、おじいさんの
説明ではわからないので一緒に乗って欲しい
と頼まれ、乗り込んでわかったことは、長男
宅で寝起きしながら、おじいさんは今も郷里
に住んでいたのです。街道の給油所で電話を
借り、辿り着いた住所から歩ける距離に、今
から八年ほど前、この公園が開かれました。


庭のクレマチス
先々週、公園のフェンスに巻きついていた赤
紫の花の名前を尋ねられました。生け花で馴
染んだクレマチスは白いテッセン(鉄線)で
したので、華やかな品種が「異郷」に思えた
のでしょう。尋ねた母が、今度は東京都に接
した住宅街で、幼い子連れの母親に公園の所
在を尋ねられ、困ってしまいました。その辺
りは私も毎週末、広域を走っていますが、子
連れの親が歩ける範囲に、公園や緑地はあり
ません。途方に暮れた母親の顔と、手を引か
れた幼児の顔が浮かんできます。日常に緑地
を欠いて、幼児と母親は満ち足りることがで
きるのでしょうか。自動車と「平面を一」に
する通学路同様、実生活の充実が、日々の歓
びと足元の安全が、等閑に付されています。

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