私(管理人)はMS-DOSの頃からパソコンに親しんできましたが、インターネットを始
めてからは、双方向の通信に魅せられてしまい、電子メール三昧----と行きたかった
のですが
我々中高年もパソコン以上に、相性が意志疎通のネックになると思います.ならば、
千の個性には、千人が、千のメーリングリスト(ML)を用意すればよい、と思いつき、
昨年3月、その一つとして私もリストを立ち上げた次第です.人の資質は様々であっ
て、しかも三つ子の魂は百まで長持ちしますから、中高年対象のMLと言っても過大
な期待は抱かず、むしろ参加した結果の失望をバネに、俺も私もと、無数にMLを主
宰して欲しい----が今も昔も正直なところです
はじめは知識人の「歓談」の場を考えておりましたが、予想以上に錯誤錯誤の連続
で、例えば難しい議論に嵌ったり、評論の競作の場と化したり、重役室の託宣を聞く
ような調子まで現われ、私の手には負えなくなってしまいました
私のMLは個人のサロンと位置づけていますので、当初から管理人も文章を流して
いましたが、混乱を重ねるうちに気づいたことは、発言者が不満を感じてやめて行く
中で、やめないROM(読むだけの参加者)がいらっしゃるという事実
取り上げる話題は案内文で断わってあり、出版経験もありましたので、思い切って
連載を始めてみて(今も続いています)管理人もようやく混乱から救われました.し
かし
強いご不満が、発言をご希望の参加者から出たのは当然だったと思います.そこで
改めて「対話の場」として用意したのが「草原に朝の食卓ML」です
現在、わかってきたことは、ROM資質と歓談資質は驚くほど噛み合っていないと
いう事実です.一つは連載の、もう一つは談笑の、MLを主宰してみて、そのことを
はじめて知りました
今は参加者は少ないです.しかし私は「中国での仕事と生活ML」を加え、三つの
MLを主宰、またいろいろ「雑務」もありますので、参加者が少なくても結構多忙、
今ぐらいがよいのかも知れません
余暇の催しも考えておりますが、オフ会は、参加者の中でも賛否がわかれるところ
です.また、より深い充実を得るには、連載や談笑だけではとても不足、しかし先は
闇ですので、とりあえず十年間は試行錯誤と割り切って、何も考えずに先ず歩こうが
私の流儀、連載が単行本になったのも、手探りの中での自然の成り行きに過ぎません.
などと書きますと、頼りないこと限りなしですが、どうぞお気軽にご参加下さい
○「散歩者の夢想メーリングリスト」の告知文[1998年9月末現在]
半世紀を超す経験の重みは床の間に立てかけて、散策と電子郵遞を楽しむ集いです。
このリストでは、主宰者が随想を連載する「散歩者の夢想ML」と、参加者が身近な
自然や散策について話し合う「草原に朝の食卓ML」を用意しました。
参加者は50歳以上が対象ですが、リスト内の連載を本として出版するなど「ML・
ホームページ・書物」の組合せによる文章表現の試みとして、世代に関係なくご参考
になる部分があると思います。
○メーリングリスト内での話法について
私がML内で発言するときは
先ず、相手のことは考えないようにしています
自分のことも、分ってもらおうとは期待せず、相手のことも、分ろうとはしません
普段、親兄弟に接するように、家族の前にいるように、普段着の言葉で自由に話す、
そのように心がけています
その結果、同じように普段着の、相手(つまり私)を意識しない言葉が返ってくると、
ああ、合っているのだなと嬉しくなります
普段着でない言葉ですと、少し時間をかけ、距離を置き、慎重に、しかも再び自分
の側から、普段着の言葉で話しかけるようにしています
先に言葉があり、ですね.理解を求めたり、理解しようとするのではなく、毎朝の
食卓に着くように、無論、ROM好みはROMでよいのですよ----実は私も、黙して
楽しんでいることが多いのです----普段着の言葉で自然に話して欲しい
例えばお招きした若者に対して、相手を理解しようとしたり、相手から理解された
いと願うと、若者は重荷になってしまいます.構えるのではなく、我が家の普段着で
対すれば、若者も、やがて食卓に溶け込んでくれるでしょう.反対に構えてしまうと、
若者だけでなく、こちらもくたびれてしまいます
いろいろな状況下に我々はおります.事業が破綻している人も、職探しの人も----
家族の一人が苦しんでいる時に、そのことを根掘り葉掘り聞かれますと、家族全員
が傷つきます.また親子であっても、相手の苦しみを「理解」することは、とても難
しいと思います
そのような時は、分ろうとはしないで、できるだけ自然に接しようと努めています.
そうすると初めて、ほんの僅かですが、相手の気持ちが見えてくるように思われます.
逆に理解しようとすればするほど、こちらの「我」が噴き出して、相手を追い込んで
しまうことがあります
数少ない経験ですが、盛り上がりを意識したヤリトリはどうも苦手です.お互いの
姿がわからない以上、慎重のうえにも慎重に、と私は考え、だからこそ相手を考えず、
返事を期待せず、普段着の言葉で話す以外、話しようがないのです
○再びML内での発言について
MLという場は未知の領域、まだ試行錯誤の段階です.ルールも習慣も出来上がっ
てはおりません
よく、ネチケットに合っていますか? とか、規則はどうなんでしょう? という
ご質問をいただきますが、実は質問するご本人が、それを創り出さなければならない
のです
日常会話での「傷つける」「理解する」などとは別の、電子メール固有の影響力や
話法を、自分で失敗しながら、会得しなければならないと思います
私のMLでは、既に十数回も案内文を書き換えています.もともと「散歩者の夢想
ML」では、連載など考えもしなかったですし、「草原に朝の食卓ML」は「散歩者
の夢想ML」での挫折をバネに、参加者の要求によって立ち上げたもの、まさかML
が二つなるなんて、夢にも思っていませんでした
はじめの頃から、辛抱強く参加されている僅かな人が、その果実を、私にとっては
失敗になりますが、その果実を、ともにされていらっしゃいます
歓談の喜びはその場限りですが、私の錯誤は、やめられた人にも「他山の石」にな
るのでは?
メーリングリストは、口を出す管理人には重荷になります.だから台所に引っ込み
たい.それだと今よりもうまく行く、というのが一年半の経験から得られた確信です (^^;
Sep 30, 1998 plnssnr@reverie-prmnr
関連発言が編集中記【No.224】にあります
○「散歩者の夢想メーリングリスト」の告知文[1999年11月10日現在]
MailingList(随想の連載)とWebSiteと単行本の組合せによる表現の試みです。既刊
は「随想 繊維問屋にて」「随想 中町にて」。
併せて、随想の胎動期と舞台になった「神田の商家の写真」(大正末〜昭和30年代)
もサイトに掲載しました。長唄やお茶など、日本の伝統文化が生活に溶け込んでいた
時代の、繊維問屋の女性に焦点を合わせています。戦前の神田の商家の、生活観や様
式美を知る手立てとしてお役に立つと思います。
iモード版では「遠い時代のお話」を含む16の短編と24に分割した「美と生活」の
評論を用意しました。
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