――――――――――― 文芸情報紹介 ――――――――――― リストラの時代を生きる父親と家族のために 随想 中町にて ―――――――――――― 新刊予告 ――――――――――――
書 名: 随想 中町にて
著 者: 島田一郎
出版社: 文芸社
体 裁: 四六判 257頁
価 格: 本体 1500円 + 消費税
ISBN : 4-88737-388-0 C0095
発 売: 1999年9月1日
販 路: 全国の書店を通じて販売■メーリングリストで連載した随想が「単行本」になりました。 この随想はインターネット上の「散歩者の夢想メーリングリスト」で1998年7月5日から1999年2月17日の間に連載した投稿をまとめたものです。 内容は、筆者の職業生活を回想した創作と生活哲学であり、1998年に出版した少年時代の回想,「随想 繊維問屋にて」の続篇にあたります。調子のおかしな部分や仮名づかいは改めましたが、多くは投稿時の原文のままです。 この本の筆者は画学生のデッサンになぞらえ、粗い筆跡のままの文章表現を試みていますので、ルビや構成など、編集の一般原則から離れている部分があります。また先入主を交えず読んで欲しいと考え、目次や見出し、解説、著者の略歴も省いてあります。 ■美の新しい可能性を示唆しています。 自由に思い巡らす著者が、穏やかな筆致で綴る鮮烈な感性の軌跡 ■「随想 中町にて」の主題 日常生活には美があふれています。美とは、鑑賞から得られる感動だけでなく、自らが生活の中で選択する営為であり、美術館や自然百選に限ることなく、生活のあらゆる場面で実現できる表現活動です。同時にこの種の美は、我々にとって、何が大切であるかを知る手掛かりともなっています。 ■当事者自らによる文章表現を試みています。 絵画では、本職の画家と一般の勤労者が、自己の作品を同じ壁面で比較することが可能です。画学生はこの比較によって、技量を磨き、表現力を深めて行きます。しかし言葉の表現、特に大量の文章は、金銭的にも、展示の場所も、著しく限られてしまい、一般の人には修得の機会さえありませんでした。 我々の社会は言葉で成り立っています。その最も基本的な技術で表現する媒体を、一般の人は手にできませんでした。インターネット以前は、当事者が自ら表現する機会が、極端に不足していたのです。 インターネットを利用した文章表現は、拍子抜けするほど簡単であり、金銭的にも、利便性でも、本の出版とは比較にならないほど、機会の均等が約束されています。これからは文章表現も、本職と同じ壁面に掲げることができるのです。書き物が飛躍的に増えます。我々一般の人間にも、当事者自らによる文章表現が可能になります。今回の随想は、その試行錯誤の一つと位置づけています。 因みに筆者は、伝統的な本と電子出版は、同じ文章でも「別物」と考えています。もの思いに耽けるとき、蔵書をひもとく味わいを、電子媒体に置き換える理由は、今のところ見出すことができません。 ■補足1【メーリングリスト】 参加者の発信した電子メールが会員全員に配信されるシステム。歓談や連絡に用います。 ■補足2【散歩者の夢想メーリングリスト】 主宰者が随想を連載する場と、参加者が身近な自然について話し合う場を用意しました。参加者は五十歳以上ですが、連載を出版するなど「MLとサイトと書物」の組み合わせによる文章表現の試みとして、世代に関係なくご参考になると思います。 ■補足3【97年3月に開設したこのMLの名前の由来】 J.-J. ルソー著「孤独な散歩者の夢想」今野一雄訳・岩波文庫版(手元にあるのは昭和39年7月10日第5刷)の翻訳者は、管理人の学生時代のフランス語の講師でしたが、未熟な学生を前にして、なぜ先生がこの本をとりあげたかを、今も考えることがあります。 この本の原著者(1712〜1778)は、思想的にいろいろ取り沙汰されている人ですが、実の子を、第一子も、その後に生まれた子も、孤児院に送り込んだことでも知られています。 「孤独な」を取り去って「散歩者の夢想」をリストの名前にしたのは、この行為を意識してのことです。単に「晩年に、自然の中で、散策しながら夢想に耽る」という意味でしたら、古典を連想してしまうこの名前は、とても採用できなかったと思います。リスト内で連載し、98年夏に出版した「随想 繊維問屋にて」も「孤独な」を取り去った「子」に主題を置いています。 ■補足4【「随想 繊維問屋にて」】 神田の繊維問屋で育った男の子の、中学と高校時代の体験と、ヤスサンと呼ばれていた住込従業員の死についての回想です。ML管理人の、波風に不自由しなかった少年時代の逸話が、モザイク画のように嵌めこまれており、生に対する鋭い観察眼と、瑞々しい感性があます所なく表現されています。 「----電子メールの関係か、文章が短く途切れる独特な筆運び、----、淡々とした地味な文章の流れ----、しかし読みすすんで行くうち、次第にその流れの中に引き込まれて行きました。作者の感性と読者の感性が、ある時ふと触れあって、不思議なハーモニーをかなでる瞬間があり、読み終わった後、しみじみとした充足感と回想の快さを感じました。----」(寄せられたご感想より) ■補足5【表紙カバーもカンバスです】 筆者は本の表紙カバーも自分でデザインします。今回は人物のデッサンを家族から調達、副題の文言を考え、絵と文を原寸大で配置、前回の随想(筆者のデザイン)通りの配色で指示しました。 とても本職のようには描けません。それが筆者の素顔です。 ■関連URL パソコン対応サイト:http://homepage2.nifty.com/reverie/ iモード対応サイト:http://homepage2.nifty.com/reverie/i/i_msc.html ※ iモード版はML管理人のエッセイ集です。携帯電話でも十分に楽しめる表現を試みています。開設時は「遠い時代のお話」を含む16の短編と、24に分割した「美と生活」の評論を用意しました。一辺3cmに満たない平面が、言葉の働きで、表現の沃野に変わります。
※この書物のお求めは 最寄の書店でご予約下さい。
※この紹介記事の文責 島田一郎(1999年7月20日付)
u7l8vs@ca2.so-net.ne.jp
※お問い合わせ 株式会社文芸社(本社:東京都 1996年4月設立)
|