1118 展覧会「枕ことば」に出した詩    
 
ふたり
 
 
一緒に寝る事は出来ても
 一緒に眠る事はできない
 
君と僕のどちらかが 必ず先に眠ってしまって 
 君と僕のどちらかが 必ずさびしい
 
二人でいるのに
 一人っきりの夜を送る どちらかが必ず
 
二人でいるのに 二人で寝ているのに 
 どちらかが 必ずさびしい
 
 
だから僕ら 出来るだけ疲れようよ
 一人が取り残されても すぐに後を追えるように
 
二人で協力して
 出来るだけ 疲れようよ
 
 
 

20代の空想
 
 
うまく出来なかった夜の事を たまに思い出す
うまく出来なかった夜の事を たまに思い出す
 
うまく出来なくてあの夜は ただ二人で並んで寝た
うまく出来なくてあの夜は 関係ない話をしてごまかした
申し訳なくて お互い恥ずかしくて
もう一度試してみて それでもやっぱりダメで
本当にダメだった
 
 
あの時 出来ていたら 
僕らはどうなっていたのか
あの時 出来ていたら 
その後もうまくいったのかもしれないと
たまに想像する時がある
もしかしたら まだ一緒にいたのかもしれないと
たまに考える時がある 
とても切ない
 
 
あの夜 うまく出来なかった僕を 君は責めなかった
なんだか困ったような顔で 
もっと複雑な表情で 君は僕を見た
君は何を言いたかったか
君は何を言いたかったのか
あの夜の君の顔を 僕はおぼえている
 
 
うまく出来なかった夜の事を たまに思い出す
それっきりになってしまった君の事を
たまに思い出す
 

 
発熱
 
突然 熱を出して寝込んだ君の近くで
僕はのんびりと歌を考えている
自分以外の人の苦しみや悲しみは
なんだか映画みたいだ
 
 
君が顔を起こして 僕を探す
僕は いてあげることしかできないので 
そこにいるけれど
ただそれだけだ
たまに手をかざしてみたり
念を送ってみたりするけれど
それが何かの役に立っているのかは
定かではない
 
 
君が早く良くなればいいと思う
早く良くなって 
また遊べるといいと思う
 
 

イメージ
 
 
朝になったら
目覚めさせよう
眠っていた やさしい気持ちを
大切な人を揺り起こすように
 
 
日が暮れたら
迎えに行こう
どこか遠くへ行っていた 静かな気持ちを
大切な人と待ち合わせた
いつかの夕暮れのように
 
 
 

後悔
 
 
美しい夢を見た
そして
美しい夢から 醒めてしまった
 
 
悔しいのは
それが夢だったことじゃない
悔しくて
やるせないことは
夢の最中に
気が付いてしまったこと
冷静になって
 
 
これは夢なんだって
 

極北まで
 
時々
愛と暴力の区別がつかなくなる
血が流れる
涙も流れる
叫び声が上がる
このベッドの上で
 
 
時々
喜びとかなしみの区別がつかなくなる
血が流れる
涙が流れる
叫び声が上がる
生命が産まれ
生命が奪われる
 
この地球の上で
 
  
 BACK