僕は毎日ブルーハーツを聞いている
僕の感性を変えたバンドと聞かれれば、
今でも迷わずニューエストモデルとブルーハーツと答える。
大学時代は、どっちも聞かない日はないぐらい聞きまくった。
90年代の半ば頃、
両方とも発展的解消、みたいな感じで無くなってしまった。
ハイロウズも、ソウルフラワーも、すばらしいバンドだけど、
胸ぐらをつかむような衝撃を与えるバンドでは、僕にとっては無かった。
ヒロトが、マーシーが、中川敬が、成長したように
聞き手である僕も、成長したという事なのだろう。
そして、それは決して悪いことではないのだろうけど.......
外は春の雨が降って
僕は部屋にひとりぼっち
夏を告げる雨が降って
僕は部屋にひとりぼっち (ハンマー)
いちばん好きな曲は『ハンマー』だった。
友達に借りたテープではじめて聞いた時から
最初がいつだったかは思い出せないけれど
最後は去年の6月の武道館
になっちゃったみたい
マーシーが叫びだす瞬間にいつも震えた
マーシーのギターが
ヒロトの声が
河ちゃん梶くんのビートが
ブルーハーツがあるから
走りだすことができる
そうじゃなかったら
どこかに消されてしまいそうな
声を上げることさえできないような
ギリギリのところにあるものが
全力で走り出す瞬間
そんな瞬間にいつも震えてきた
ブルーハーツじゃなきゃダメだったんだ
いらないものが多すぎる
と叫ぶのは
何かを切実に必要とするから
何かを切実に必要とする気持ちを
必死で探すから
渇いていた時は
水が飲みたかったよ
だけど
いつか水も足りるようになって
わりと大丈夫になって
もっとおいしい水を求めても
それはあんまりドキドキしないんだ
ギリギリのところで水を渇望した
あの気持ちがもう一度ほしい
今も渇いている
今も僕は
渇いているんだよ
解散の話を聞くのはかなしい
いつだっておいてきぼりだ
本人やマスコミはあっさりと
たいしたことはないんだよって
本当は とってもポジティブな事なんだって
平気な顔をしてるけど
そんな簡単に 僕にはできないよ
新しい夢を見つけた人は輝いていて
それは素晴らしいことだけど
見知らぬ方向に駆け出すそのスピードに
いつもおいてきぼりを食ってきた僕は
最後にまた
後のほうで感傷にとらわれたまま
とり残されている
それは
分かっているけれど
僕は毎日ブルーハーツを聞いている
いま僕はブルーハーツを必要としている
そのことを伝えたくて
この文章を書いている
★マーシーにとって、ブルーハーツでなければならないということの比重が
どんどん低くなっているっていう事なの?
真島昌利「う〜ん。・・・・そうだね。うん。」
★ブルーハーツで演奏するということが、スタイルとしてピークを過ぎているって事があるのかなぁ?
真島昌利「うん、そう思う時もあるね。」
(ロッキングオン・ジャパン/96年6月号)
ヒロトが
マーシーが
ブルーハーツを
必要としなくなっていた
それはやっぱりかなしい
どんなに前向きに考えようとしても
その気持ちは
ごまかす事はできないんだ
いつか僕も
大丈夫になるんだろう
いつかブルーハーツが
いらなくなるんだろう
そんなに勇気を奮わなくても
生活できるようになるんだろう
知らない人と会って
話をしたり
電話をかけたり
そんなことを当たり前のように
やっていけるようになったら
それでもブルーハーツは聞くだろうけど
チェインギャング
をはじめて聞いた時のような
トレイン・トレイン
をはじめて聞いた時のような
TOO MUCH PAIN
をはじめて聞いた時のような
あんな気持ちにはもうならないんだろう
ブルーハーツじゃなきゃダメだったんだ
ブルーハーツじゃなきゃダメだったんだ