会場は町田から横浜線で一駅行った「成瀬駅」
街路表示にも「みなみ・なるせ」とか親切にルビが振ってあったりして、
それだけでいい気持ちで会場の町田市総合体育館に向かう(アホだ)。
学校の体育館より若干広いくらいの会場。そこにアマレスマットが敷いてある。
階級は、−58キロ、−63キロ、69キロ、−76キロ、−85キロ、そして85超級の6階級。
僕の応援するのは、85キロ超級に出場する河野選手。192Bの身長、21歳の好青年だ。(リングスにも興味ありと言う!)
でも、最重量級の彼が出場するのは終盤と言うこともあって、パンフレットを買って出場選手とルールをチェックする。
ルールは打撃無しヒール有りのグラップリングルールに、押さえ込みなどでのポイント制を加えた感じのルール。
面白いのは投げ技に対するポイント。
引用すると「柔道の一本に相当する投げ技に3P。
又、スペクタキュラースロー(バック投げ等の超豪快投げ技)には4Pを与える」(原文ママです)
<超豪快投げ技>って、かなり主観的なような・・・。
そう、全体に木口道場(会長?)の個性なのか、サンボ系独特のノリなのか、
微妙にリングス的「まぁいいじゃないの」テイストがあふれていて、
(アナウンスなどでの微笑ましいミスも多数あり)とても居心地良い空間が形成されていた。
んでもってパンフレットを見て、興味を持った選手が4人。
58キロ級に出場の「田村を極めた男」五木田勝(木口道場)、
63キロ級に出場の「田村の遺伝子を持つ男、あるいはヤノタクに落とされた男」小林悟朗(U−FILE)。
85キロ級に出場は「高阪のデビュー戦の相手」鶴巻伸洋(SAW)。
かなり偏った見方ではあるが、そんな風にしてみないと興味を持てない
(というか、そういう風に見ると圧倒的に面白い)悲しい体質なんです。はい。
あと修斗の大河内衛は、名前だけ知っていたので一応マークしようと思う。
その間も試合はサクサクと進んでいく。
トーナメントの序盤は実力差もあって、かなり早めの決着が続くのだ。で、これがかなり面白い。
飛びつき腕十字で13秒とか、開始5秒でヒールを極める選手なんかもいたりする。
出場選手は、木口道場やGUTSMAN修斗道場から、スネークピットや大学の柔道部や30を越えた社会人までかなり幅広いが、
ルール上、極めの強い選手とアマレス系の押さえ込み中心の選手とに大きく別れる感じ。
軽量級から見ていくと、まず58キロの五木田の圧倒的な強さに驚く。
同じ階級の中でもかなり小柄な選手にも関わらず、なんかその肉体の密度が遠目でもはっきりと分かる感じ。
キャリア的には(良く知らないけど)当たり前なのかもしれないけど、
体格的に上の選手にも全く有利なポジションを許さない。
そして、2回戦腕十字、準決勝アームロック、決勝アキレスと全て一本勝ちでぶっちぎりの優勝。
一言、美しかった。
そして63キロの小林悟朗選手。近くで見るとガタルカナル・タカに似てる。どうでもいいが。体格はもちろんコタムラ。
同じ日のKOKの方に行ってるのか、U−FILE関係者は少なかった。
それでも、小林選手はいつでもニコニコ飄々とした感じ。
自分の試合の間には、他人のセコンドをこなしたりと、良い人オーラを存分に漂わせていた。
でも、試合になるとさすがに格の違いを見せつける。
1回戦はシードで、2回戦はチョーク・3回戦は大差の判定で余裕の勝ち上がり。
この階級では修斗の現役を最近引退した(とゴン格に書いてあった)大河内衛も出場。
彼の試合になると、それまでアップやら何やらしていた場内の人々の視線が一気に会場に集中するのがわかる。
そんな中、大河内は安定したグラウンドコントロールで着実に勝ち上がる。
考えてみれば、こういう大会にプロが参戦するのって結構プレッシャーがあるだろうなぁと思う。
でもプロ選手が参加しているってことで、大会のレベルや雰囲気がすごく引き締まってる感じもあった。
こういう所を修斗の人々はちゃんと考えているのかなぁとか、若干見直したりもする。
んで、この階級の興味はもちろん修斗選手とU−FILE選手の激突だ。
っていうか、田村の遺伝子が元修斗ランカーを圧倒するシーンを見たかったんです。(たちが悪い)
しかし小林悟朗選手は、惜しくも準決勝でパレストラの阿部和也選手にポイント負けを喫してしまう。
この選手、レスリング技術に長けていて、
ネックロックを狙って下になった小林選手をかわして、押さえ込みのポイントをゲット、そのまま逃げ切る。
この階級は阿部選手が決勝でも大河内選手をポイント差で下し、優勝。
実力が均衡してくると、
押さえ込みでのポイント(10秒で1P、20秒で3P、30秒で4P)というのが、かなり勝敗の差を分ける感じだった。
続いての注目はちょっと階級が飛んで、85キロの鶴巻選手。
そうは言っても、高阪のデビュー戦の相手という以外にはSAWの選手だから関節が強いのかなぁくらいの知識しかなかった。
見た感じは、30歳の小太りのおじさんって感じ。日本のヒョードロフおじさんか?などと、また勝手な妄想を膨らます。
対戦相手は長身の甲斐俊光選手(26)。軍人のような短髪で筋肉もしまっているロッキー4のドラゴみたいな感じの選手。
試合が始まるとカニバサミからの足関節とか、鶴巻が色々仕掛けるんだけど、
甲斐選手がかわしてポジションを取って点数を稼いでいく展開。
なかなか強いじゃんと思いながら、プロフィールを見ると静岡で「静岡茶園」に勤める26歳。そして「レスリング三段」とある。
レスリングに段位があるとは全く知らなかったので、ちょっと笑う。
で試合はそのままの展開で続く。最後に鶴巻が渾身のアキレスを極めかけてかなり盛り上がったが、それも凌がれて鶴巻選手、緒戦敗退。
この階級ではもう一人、全然知らないけれどすげー強い選手がいました。
それは三浦広光選手。大東文化大の20歳で柔道二段、正力杯16位というキャリア。いやマジで凄かったっす。
圧倒的なグラウンドパワーで1回戦30秒、2回戦35秒、いずれも腕十字で完封。
裸なのに柔道着を着てるかのようにグイグイ極めていく。
決勝では鶴巻選手に勝った甲斐選手とあたり、
レスリングで食い下がる甲斐選手に若干てこずるけど、全く危なげ無しで腕十字を極めてしまう。
僕は一人で「リングスにスカウトだー」と盛り上がる。
いやほんと、もうその世界では有名なのかもしんないすけど、リングス来ないかなぁ。面構えも不敵でいい感じ。
あと注目だった選手は69キロ級の尾藤広光選手。34歳。自営業。
パンクロッカーのような風貌に、両手を前に突き出した達人風の構え。漫画の主人公のようだった。
そんで試合は、回転しながらいつのまにか片足タックルに入ってるアマレステクと、
34歳とは思えない驚異的な粘りと心の強さで僅差の判定で勝ち上がる。
1ポイントを争う闘いになった時の執念のテイクダウンは本当に感動的だった。
アマチュアの試合にこんなに感情を動かされるなんて思ってなかったので、びっくりしてしまう。
結局、決勝でも逆転の押さえ込みを決めて、最も出場者の多い階級で優勝してしまった。
そしていよいよ85キロ超級の浜口道場の河野君の出番がやってくる。
こういう総合系の大会の重量級って、
「アマレスかじった巨漢(っていうか○○)」みたいな人同士の盛り上がらない試合になることが多いんだけど、
河野君はその中でもかなり良い体格。まだ若干21歳ってこともあり、浜口道場期待の星って感じの青年。
「パレストラ」とか「U−FILE」とか格好良い名前の中で
「アニマル浜口道場」ってコールされると相当恰好良いのだけど、今回は道場名のコールが無く残念。
相手は宮沢誠選手。後で知ったのですが、この人、元ニーハオなんですね(どんなレスラーなのかは知らないんです)。
会場では「ぽっちゃりとした人」くらいの印象しか無かったっす。
試合は、河野君が結構押しているようにも見えたんだけど、2−1のポイントで敗れる。
どこでポイントを取られたのかはよくわからなかった。
この階級はそのまま宮沢選手が優勝。
あと
この階級には高田道場の選手も出場していて豊永稔の姿も見えました。
いつでも穏和に笑う彼の周りが会場内で最もほのぼのしていた。
大会は10時に試合開始で決勝が終わったのは5時くらい。
それでも全82試合、全く退屈しませんでした。
元々はお目当ての選手以外はどうでもいいやって感じだったのに、
闘いぶりを見てるうちに引き込まれていって応援しようって思う選手が何人も出来てきたのは、かなり驚きでした。
最初はちょっと違和感の合ったポイント制も、レベルの高い選手同士が1ポイントをめぐる争いになると本当に興奮してきて、
このまま自分が修斗主義者とかになってしまったらどうしようかと思いました。(なぜ心配する)。
トーナメント序盤は、実力差から秒殺が相次ぐ爽快感があり、
準決勝、決勝になると、実力伯仲のなかで、気持ちの強い選手が紙一重を制して1ポイントを奪って勝っていく見応えがありました。
やる側にとっても「技術」と「ハート」の両面の強さが必要となるいいルールだったんじゃないかと思いました。
いただけなかったのは、
大会の途中に「ここでちょっと、アマレス世界選手権に出場する・・選手が挨拶します」などと始めてしまう自由自在な大会進行と
アトラクションの麻布大学太極拳同好会の演舞(やる気ゼロ)だけでした。
58キロ級 優勝:五木田勝(木口道場)
準優勝:竹沢弘晃(フリー)
63キロ級 優勝:阿部和也(パレストラ東京)
準優勝:大河内衛(GUTSMAN修斗道場)
69キロ級 優勝:尾藤弘光(フリー)
準優勝:富山浩宇(P'S LAB横浜)
76キロ級 優勝:小島弘之(フリー)
準優勝:原島宏幸(フリー)
85キロ級 優勝:三浦広光(大東文化大学)
準優勝:甲斐俊光(養正館)
85キロ超級 優勝: 宮沢誠(荒武者)
準優勝: 斉藤武(YMC)