金曜日の夜に飲み過ぎて、なんだか節々が痛む身体で起きる。
朝11時。慎重にTシャツを選ぶ。
オーソドックスにリングスオフィシャルTか、デザインを重視してTK日本語バージョンか。
初のVTに挑む佐々木恭介を応援する意味でU−FILE Tシャツか。
はたまた名古屋を意識して小路A3ジムシャツという手もある。
洋服ダンスの前にて、考える事30秒。10周年の時に自作したTシャツ(高阪のサイン入り)を選択する。
朝起きた時から、試合は始まっているのである。
外は暖かなお出かけ日和。そして私の第2Rが始まる。
こんな良い日に、一人で名古屋往復。ウィズアウト奥さん。微妙な舵取りを誤ると大変な事になる。
まずは、フレッシュネスバーガーにお買い物に走る。
退屈させない為にレンタルビデオ屋に寄るのも忘れない。口元には嘘臭い笑み。
繰り返す。闘っているのは選手だけではないのである。
大好きなアメリカンドラマ「フレンズ」でニコニコしている奥さんを尻目にパッキング。
忘れてはならないのは双眼鏡。数々の試合を共にしてきた一番の相棒である。
思えば、田村が前田を越えた試合も、田村が山本を下した試合も、田村がヘンゾに激勝した試合も
そして田村がシウバに砕け散った試合も、全てこの双眼鏡を通じて見てきたのである。
いや、別にセンチメンタルになる必要は全然無いのであるが、今日も頑張ろう、相棒。
んで今日は珍しくPCも携帯。といっても黒のパワーブック。とてもモバイルとは言い難い大きさである。
でも何だか文章を書きたい気分を大切にする為に、重いのを我慢。
そしてIPOD。私の大好きな曲が897曲も入っている。ハイロウズからU2まで。
とても分かり易い趣味のアーティスト達が897曲(ネットで入手したバスコのテーマも含む)。
早速プレイ。
1曲目は「青春」2曲目は「SUNDAY BLOODY SUNDAY」ここまでは完璧な試合運びである。
新幹線は意外に混んでいて、通路に中腰でPCをパコパコと打つ。
おそらく内蔵バッテリーは行き帰りの4時間くらいが精一杯だろう。携帯モバイルなんぞはできないから、
公衆電話からアップしようと思う。
(速報できないのに持っていく意味があるのかとか言ってはいけません)
新横浜駅からは本格的に座り込む。
やたら揺れるひかり号。そのうち気持ち悪くなりそうな気もする。
持参した紙プロを広げる。
面白い月の紙プロは常に持参してビール飲みながら読んだりするので、
すぐにボロボロになったり醤油でくっついたりする。
今月号もそうだ。
チーム・アライアンスってなんかサラ金みたいだなーとか、辻結花はかわいいなーとか、
奥さんが不安になるような事を考えながら小田原あたりを通過する。
今日のディープは全12試合。
前田日明的な言い方をすれば「リングス名古屋大会+パンクラスPROOFツアー」っていう事でしょうか?
佐々木恭介や長南なんかはUの第何世代にあたるんだろう?
そんな事を考えるのも楽しい。
でも本当に、これが前田日明の成果でなくて何だろう。
もう前田日明は「上がって」もいいんじゃないか。そんな気持ちさえした。
プレミアムチャレンジには解説として参加すると言う。
そういった「名誉職」としての存在になっても良いのではないか。
リングスを再開させるにしても、
同じレベルで選手の取り合いをして、新たな興行を打つ必要は無いのではないか。
前田日明はいつまで孤独な悪戦苦闘を続ける、続けられるのだろうか。
「俺は朝起きて寝るまで前田日明だから」
そんな言葉をふいに思いだす。
それもある意味きつい話である。
列車は長いトンネルに入った。
昔見たボクシングのビデオで、歴代のチャンプ達に投げかけられた質問があった。
「あなたは、どんな存在として人々の記憶に残りたいですか」
前田日明にも聞いてみたいと思う事がある。
列車がトンネルを抜ける。傾いた日差しがスクリーンに反射する。
もうすぐ名古屋に着く。
バッテリーも順調に減っている。帰り道の事を考えると、そろそろブレイクしなければ。
心がいい感じで泳いでくる。
こんな感じで興行に向かうのも久しぶりだ。
思いは拡散していくばかりだけれど、それをそのままにしておく。
ただワクワクしていればいい感じ。
それが何よりも心地よい。
たぶん名古屋駅に着いたら、意味もなくあわてて地下鉄に向かうんだろう。
ダフ屋の誘いに「いや、ここで買っても興行の助けにはならない」などと考えたりして、(でも揺らいだりして)
思いがけなく高いチケットを購入してしまうかもしれない。
それもこれも含めて、本当に久しぶりの感覚だ。
同じような思いの観客が同じ列車に何人かは乗ってるであろう事を考えると、車内放送をしたくなる。
「お客さまの中に、リングスファンはいらっしゃいますか?」なんてスチュワーデスが回ったりしてさ。
そこで一首
リングスの妄想極まる僕の為、
新幹線よ真面目に走れ。(福島泰樹風)
(帰り道編に続く)