U-STYLEはどこに向かうのか 


四月の中旬に紙プロの人にメールをもらい、2日で書いた文章。 結構、忙しい時だったんだけど、やっぱり田村について書いている時、 そしてなにかアイデアを思い付いて、乗ってきた時は至福の時間でした。   ちょっと他の人の意見や試合展開を思い出そうとして、スポナビを見ようとしたら、 奥さんが鋭く「カンニングはダメだ。あんたの思った事だけでいいじゃないのよ」と 珍しく鋭い事を言いました。 そのおかげで試合展開の記述が全く無い文章になりました。   酔ってたからねぇ。試合の事は具体的に覚えて無いのよ。
   

 
U-STYLEはどこに向かうのか」 
 
U-STYLEはどこに向かうのか。
なんで旗揚げ大会より2回大会の後の方が不鮮明になっているんだろうか。
わっけわからん、と田村になってつぶやいてみる。
 
2週間が過ぎて、鮮明に憶えている試合はメインだけだ。
田村対三島の一戦。それは最高級のプロレスリングの試合だった。それは間違いない。
プロレスか格闘技か、とか余計な事を考える必要はない、
どんなに田村が嫌いな人間でも引込む事ができる問答無用の面白さ。これがU-STYLEという試合だった。
でもそれが出来るのは田村だけだ。その事を確認するような大会だったようにも思う。
上山と滑川の怪我が、今回の大会を地味にした。
そんな声もあったけれど、もし彼らがいたとしても本質的に変わりはなかったんじゃないか。そんな気持ちがする。
滑川であっても上山であっても、もしかしたら坂田であっても田村抜きではU-STYLEはできないんじゃないか。
試合後半、ヘロヘロになっていく三島の姿を見ていた時、伝わってきたのは田村の強さではない。
田村が田村の目指す道を一人で歩き続けている姿、ただそれだけだ。
現在のU-STYLEは「田村による田村スタイル」それ以上でも、それ以下でもない。
それは極上のものである事は間違いないが、周囲を巻き込んで何か大きなうねりを作りだす雰囲気があったかと言えば、それはNOだ。
でもそれはなぜなのだろう。
 
第2回大会の後に聞かれた声。
「なんでもっと自由にやらせないんだ」「村浜や三島を次につなげるような展開をなんで作らないんだ」
「大会を通じて何を見せたかったのか、伝わってこない」
みなもっともだ。
もしかしたら参加した選手でさえ、何か腑に落ちていないんじゃないかと思える試合が続いた。
U-STYLEとは何か。何を目指すのか。それはまだ田村と他の選手の間で共有されていない。
それでも旗揚げ大会には、それぞれの選手がその答えを探して行こうとする熱があった。
しかし今回見られたのは、見つけきれなかった未完成な答えを、すでに模倣しようとしている姿だ。
それが今回の奇妙な停滞の理由だと思う。決してマッチメイクだけの責任ではない。
 
U-STYLEとは何か。
もし僕が田村にインタビューしたとする。
田村はおそらく言うだろう「逆にあなたはどう思います?」
逆にじゃない!と逆切れしてる場合ではない。最近は変なインタビューかわしの技を身に付けつつある田村だけど、
そもそも田村は自らの方向性を明確な言葉にする事が苦手なタイプであるのだ。
だからこそ僕らは田村の行動にしばしば首を傾げてきたのだ。
最近こそ美濃輪戦から高田戦へ、そしてU-STYLE旗揚げと、絵に描いたようにファンの期待に沿ってきたから
なんか同じ感覚を持っているような気もしているが、
ちょっと記憶を戻せば突然のサップ戦であり、成瀬への対戦要求であり、
「言いたい事があります」がベルト作ってくれ、だったりしたのだ。
田村のやろうとする事がわからない、という事はそんなに珍しい事ではないのだ。
 
おそらく田村の中でも言語化されていないであろう「U-STYLEとは何か」というテーマ。
しかし田村の非凡な所は、自分でも言語化できていない答えを闘いの中で表現できる事だ。
坂田との試合、三島との試合。どれもあのKOK直前の高阪戦やヤマノリ戦を思い出させるキラ星の輝きを放っていた。
圧倒的な身体のキレと、技と痛みの説得力。言葉で分解していっても、その理由はつかみきれない。
たとえば高阪が新日でやった試合と何が違うのか。村浜が「これこそがU-STYLEだ」と胸を張る闘いとどこが違うのか。
明確には語る事はできない。しかし明らかにそれは別物である。
田村だけが、プロレスからVTへの方向で語られる時間軸から自由でいる事が許されている。
これが全試合並べば無敵だろう。でもそれが不可能であるという現実から、U-STYLEと田村は始めなければいけない。
 
極端な話をすれば、U-STYLEが田村の1試合だけだったとしても、僕はその為に金を払う。
そして、田村の幸福と不幸はそこに存在する。
田村の試合の中だけにある「U-STYLEの完成形」を読み解く事ができるかどうか。
U-STYLEの未来はその一点にかかっている。

 

 

 

 
 

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