1月8日 成田 〜 アムステルダム 〜 バルセロナ
1日目はひたすら飛行機に乗っていました。
前夜は、朝4時までかかって準備。
そして当日は朝6時起き。タクシーで上野駅に向かいました。
しかし、たちの悪い運転手で(待ちのメーターが明らかに過剰)上野まで4000円も取られた。
飛行機はKLMオランダ航空。これがまた狭いこと狭いこと。
僕は通路側でかろうじて助かる。
窓側にはセイン・カミユのような美青年が座っていた。
カミユはチョコケーキをおかわりして3個も食べていた。
さすがオランダの航空会社、機内のビールはハイネケンの250ml缶が出てくる。
昔のコーラみたいな細長い缶なんだけど丁度良い量でした。食事ごとに3回くらい飲んだのかな。
飛行機はリングス・オランダのふるさとアムスでトランジット。
まぁ1時間くらいでしたけどね。一応ハイネケンの生は飲みましたよ。
グラス生で2.1ユーロ(280円くらい)だったか。
そして1時間半くらいのフライトでバルセロナへ。
日本より若干暖かいくらいの感じでしょうか。
そして再びタクシー運転手にぼられてホテルへ(怒)。
今日の宿ホテルEXPOは一応4つ星なのですが、まぁシンプルな駅前ビジネスホテルという感じ。
マックの接続やら(わたし)、お風呂で洗濯やら(奥さん)で一日は終わろうとしています。
時差ぼけはあるのか無いのかよくわからじ。
覚え書きみたいになってしまいましたが、まぁそんな一日。
明日はガウディだ。
1月9日 バルセロナ市内
元気なんすよ。
いつもの僕の長期休暇は大概、過酷な勤務の後に給付される事が多く、
旅行にでかける時は、その疲労のぶり返しのまっただ中という事が多く、
それが何をもたらすかと言うと、旅行していても暇さえあれば寝ているという事になりがちなのですが、
今回は正月休みが間に入った分、かなーり体力に余裕があるのでした。
そんな私なのですが、今日は疲れました。
現在は午前3時、日本時間の午前11時です。
8時くらいにホテルに戻り「ちょっと横になろうか」なんてベッドに寝たら、六時間くらい寝てしまいました。
夢も2話くらい見ました。そのうち一つは仕事の夢でした。なんか悔しいな。
えー、なんで疲れたかと言うと、ガウディですよ。桜田ファミリアですよ。大変な目に遇いました。
最初は普通に見ていたんですね。下の方から。
確かにすごいっすよ。
ネスカフェの違いのわかる男のCMに出てきた人がやったのはどこなのかなぁとか、
現在も建設中だってのに、なんで平日に作業して無いんだろうとか、
鳩ってのは、文化遺産だろうがお構い無しだなぁ、聖人の頭にとまって楽しそうだなぁとか、
そんな事を考えていたんですよ。
で、グルグル見てるうちにエレベーターで上に行ける事がわかったんですね。
僕は高い所って好きなんですよ。なんつっても高校はワンゲル部ですからね。
ワンダーフォーゲル、訳すると「さまよえる雲」ですよ。いいでしょ。
というわけで地上75Mくらいの所まで行ったんすよ。いやー眺めは良かったですよ。
見上げていた鐘楼が間近に迫り、その先にバルセロナ市内が一望できました。
町中の建物が岩っていうか、レンガっていうか、なんかわからないけれど同じ原材料のもので出来ているので、
見下ろす風景は肌色で統一されていて、ほんと中世っていうか、宮崎駿っていうか、そんな感じでした。
で、そっから階段で下ったのですが、それがどこまでも続く螺旋階段なんですね。
しかも中心側には手すりもないので、果てしない下に吸い込まれて落ちてしまいそうな感じ。
それが延々と続くんですよ。
足はガクガクになるわ、目は回るわ、落ちそうで怖いわ、ですよ。
さらに空元気を出してしまい、
もう片側の鐘楼に今度は昇りも徒歩で行きましたので(登る時は大丈夫な気もしていたんだな)
もうタップ寸前でした。
というのが、いろいーろ見て回った2日目の午後の出来事で、
この日の他の出来事としては、朝から旧市街の教会や聖堂なんかを見たり(すばらしい!)
ジョセップ市場を冷やかして歩き、サンドイッチを食べたり(おいしい! そして市場のお姉さんは可愛かった!)
さらにモンジュイックの丘に登り、眺望を楽しんだり(寒かった!)
昼御飯はドングリを食べて育った最高級の(と、店が言う)イベリコ豚の生ハムを食べたり(うまい!)
市内のガウディの他の建造物を見たりしていました(ふしぎな建物だ!)。
そうそう、桜田の後にはFCバルセロナの本拠地、カンプノウスタジアムに行ってきましたよ。
バルサはスペインリーグではレアル・マドリードの宿敵、野球で言えば阪神とかレッドソックスみたいなもの、
なんだそうです。(もちろん付け焼き刃)
スタジアムの観客席にだけ入る事が出来たのですが、
9万8千人収容のスタジアムは迫力があり、そして機能的で美しかったです。
ソシオと呼ばれる、市民の補助だけで運営されているバルサ。
素晴らしいスタジアムも、チームが所有しているんですよ。
スタジアムの脇では、観客が群がっている所を見ると一軍の選手だと思われる人たちが練習していて
同じ敷地では、ユースチームや、もっと幼い子供達のミニサッカーなんかが行われていました。
僕はサッカーが、そんなに全員で手離しで絶賛するほど(見て)面白いスポーツだとはどうにも思えないし、
サッカーの周り騒いでる軽薄な人たちは大嫌いなんですが(偏見度98%)、
こういう文化として根付いている姿は、確かに悪く無いなぁと思いました。
遠く考えていたのはもちろんリングスの事です。
僕がネットを始めた初期の頃、NIFTYのリングス会議室の人たちが楽しく盛り上がっていて、
その人たちの会場での集合場所は、試合後のチケット売り場の前だったんです。
僕はまだオフに参加する勇気が無く、いつも楽しそうに集まっている人たちを横目で見ながら
家路に向かっていたのですが(あるいはひとり酒場で反芻タイム)
あの頃の、なんか大人が集まってわいわい楽しんでいる感じがリングスの最初の魅力だったんですよ。
楽しい大人になりたいなぁみたいなぁとか、
大人になっても真剣に熱中しながら楽しむ事が出来る事があったらいいなぁとか、
そんな事を考えていたな、27、8の頃。
職場以外で大人はどうやって友達を作るのか、わからなかったもんなぁ。
うむむ、どうまとめていいのかわからん。
明日はバルセロナ近郊のモンセラットという街に行きます。
その後、寝台でセビリアに移動なんで、更新はいつになるかわかりませーん。
1月10日 バルセロナ近郊モンセラット → 夜行電車
と、いうわけで大分、旅も進んでしまいましたが
ようやくのんびりとした夜がやってきたので、思い返しつつ書いてみますよ。気力の続く限り。
えーと。だいぶん忘れかけていますね。
そう、3日目はバルセロナから電車で1時間程のモンセラットという岩山に行ってきたんすよ。
なんつーか、都会から1時間でいける山というと箱根とか高尾山とかいう感じかですが、
なかなか凄かったすよ。まじで。(なぜか後輩口調)
奇岩ていうか、巨岩っていうか、なんていうか異様にでかい岩で山が出来てるんすよ。
グランドキャニオンみたいな感じ。
駅から降り、その山をかなり急勾配のロープウェイで登って行くと、
標高1000mくらいの所に修道院があるんすよ。よくもまぁ、こんな所に作ったなって感じの所です。
なんだか中世からの聖地らしく、今でも80人くらいの修道士が暮らしているそうです。
その修道院の少年達の聖歌の合唱を聞いたり、
さらにケーブルカーで進み、山道に飾られたガウディの彫刻を見たりしたんですね。
なんか文章にしてみたら全然感動が伝わってない気もしますが、
とにかくその立地の凄さと、そこからの風景の圧倒的なパノラマ。
そんでもって、そこに「どうやってこんなもん作ったの?」っていう建物が並ぶ様は圧巻でした。
そこから市内に戻ってきたのが午後四時半くらい。
ガウディの作った不思議なグエル公園に向かいました。
モンセラットで結構な山歩きをした事と、昨日の桜田の疲れが残っていたせいで、
後半はかなりヘロヘロでした。
夜はこの地方独特のスタイルのバル(酒場)
カウンターには、クラッカーの上に魚や貝などを乗っけて楊子で止めたピンチョスというつまみが並んでいて
勝手にそれを取って食べるというスタイル。ピンチョス1つが1ユーロ(130円くらい)
会計は皿に残った楊子の数を見せて計算してもらうんですよ。
ずるしようと思えばいくらでも出来そうなんだけど、
なんか客を信用したその感じがとても良かったっす。
将来リングス飲み屋の開業を遠く夢見る私にも、参考になったとかならなかったとか。
この日の宿は夜行電車。
一応一等の個室にしたのですが、果てしなく昔のブルートレインという感じでした。
それはそれで懐かしかったけど。
揺れる電車に合わせて、夢をたくさん見ました。
1月11日 セビリヤ
夜行がセビリヤに着いたのが朝の8時。
全体的に日本の時間感覚と2時間くらいのずれがあるスペインでは、まだ早朝って感じ。
とりあえず駅のカフェテリアでサンドイッチとコーヒーを飲みました。
ちょっと落ち着いたら、タクシーで市内へ。ホテルが午前中からチェックイン出来たので
荷物を置いて、少し休んでから出かけました。
スペイン第4の都市セビリヤ。
いよいよアンダルシア地方に入りました。
中世にイスラムの長い支配を受けていたこの地方、
レコンキスタでキリスト教国が奪い返した時に、イスラム建築を完全に破壊しないで、
そこに継ぎ木/融合する形で新たな文化を作っていた感じがとても面白い(80%受け売り)。
そしてこの日あたりから、天気がメチャメチャ素晴らしくなってきて、
それが建物や庭園を本当に美しく彩っていました。
パティオに切り取られた青空と、白い壁のコントラストは本当に最高。
私の語彙では伝え切れません。そのうちにデジカメの写真で見て下さいな。
この日のハイライトはなんと言っても、スペインサッカーでした。
セビリアのホームチーム「レアル・ベティス」と「マラガ」の対戦。
まぁ、ズバリ言ってサッカーには積極的に興味の無かった私、
去年までうちの会社が中継権を持っていたスペインリーグの知識は限り無くゼロに近かったんですが
いや、面白かったですよ。
攻撃的サッカーが特徴とガイドには書いてありましたが、その通りな印象でした。
スピード感とか個人技とかは勿論なんだけど、
ボールを持ったらパスを考える前に、まず自分でどこまで切り込めるか勝負を賭ける感じが
なんかとても潔いというか、男らしい感じ。
かように世界再高レベルのスペインリーグなんですが、
笑ったのは球場スタッフの乏しさです。
ボールがラインを割っても、誰も替わりのボールを投げ込まないんですよ。
とりあえず、遠くに行ったボールや、観客席に入ったボールが帰ってくるのをひたすら待つ。
あるいは選手が自ら遠くにまで取りに行く。昼休みのサッカーのように。
客席に入ったボールを子供が持って逃げようとしたら、観客が子供を説得。説得完了までゲームは中断(笑)。
最高だったのは観客席との間に作られた水の入った堀(たぶん興奮したファンをさえぎる為)に
ボールがぽちゃんと落ちた時。
どうするのかなぁと見てたら、網で水の中からボールをすくって
そのままゴールキックしてましたからね。
各国の代表レベルの選手が集まったリーグで、どぶに落ちたボール使ってるとは思いませんでした(素敵)
試合は地元のベティスが3−0で圧勝し、スタジアムは大熱狂。
日本から来たにわかファンも便乗して大興奮。
「あんた日本でサッカーなんか見て無かったじゃん」と
冷ややかな視線が、なぜか頬に突き刺さっていました。
1月12日 セビリヤ → コルトバ → グラナダ
スペインの新幹線AVEでコルトバへ。メスキータというとんでもなく大きな宮殿を見る。
昼食は本場のガスパッチョ。ちょっと外れが続いていた食事に久しぶりに当たる。
そしてバスでグラナダへと移動。
1月13日 グラナダ → マラガ
今回の旅の一つのハイライト。アルハンブラ宮殿を見る。水と空を巧みに使って構築された美。すごい。
今日も快晴でなお素晴らしい。
夕方、バスで海岸の都市マラガへ。パラドールという国の経営する豪華ホテルに宿を取る。
古城に隣接したホテル。素晴らしい立地と施設。
メキシコ以降、豪華なホテルの滞在も好きになった。
でもひとり1万強の宿泊料は異様に安い。
衣服がぼろいので、食事の時は恥ずかしかった。
1月14日 マラガ近郊 ネルハ
ネルハはマラガからバスで一時間。
ヨーロッパのバルコニーと呼ばれる美しい海岸を見に行く。
初めて見る地中海。青くて冷たかった。
ギネスブックにも載った世界一の広さと言う洞窟にも行く。
実は洞窟にはうるさい私。
なかなかの広さではあったが、深さが足りないな。あと地中湖が無いのも惜しい。
秋吉洞や竜泉洞には負けるなと勝手な診断を下す。
++++++++++++++++++++++++++++++
なんて、ここまで何日間かの旅行記を書いてみた。
最後の方はやる気が無くなって、短くなってしまった。
今は夜の1時。東京は朝の9時だとマックが告げている。
冷蔵庫のミニバーの酒を飲みながら、ぽちぽちとキーを叩いている。奥さんは眠っている。
早く寝た方がいいのかなと考えながら、ひとりの時間を楽しんでいる。
なんだか罪悪感のようなものも感じながら。
外国にいるとなぜか、自分の店を開く事を夢想する。
長距離バスに揺られている時なんかに、特にそうなる事が多い。
車窓に映る畑や家並み、そこに暮らす人々の姿を見ていると、
自分の生活が、とても根拠のないものに思えてくる。
もっとシンプルに社会に関わる仕事に就く事を考える。
お金を稼いでいる実感というのは、生きている実感ととても密接なもののように思う。
どこかにしっかりとした自分の場所を作って、そこを守る事に一生を捧げるような生き方。
現実感がないほど遠い場所に旅に来て、そんな事を求めているのはなんだか滑稽だ。
今、自分がいる場所や、自分が関わっている仕事や、自分の周りにいる人々の事を大切に出来ずに
そんな事ばかりを考えているのは不遜な事なのだろう。
本当に色々なしがらみから自分を解き放つ、そんな勇気は持っていない人の旅だ。
強い日ざしが中途半端な人を笑う。
迷いの無い空の青と、迷いのない海の青。
通り過ぎるスペインの家々は、白やオレンジのきっぱりとした単色で塗り込まれていた。
何かに対峙するように、あるいは何かと調和させる為に。
旅行はもう少しだけ続く。