帝国劇場  「ダンスオブヴァンパイア」   06/07/06

 音楽  ジム・スタインマン
脚本・歌詞 ミヒャエル・クンツェ
 原作 ロマン・ポランスキー 映画「The Fearless Vampire Killers」

 演出  山田 和也

   
    翻訳 迫光   翻訳・訳詞 竜真知子   音楽監督 甲斐正人   歌唱指導 矢部玲司
  振付 上島雪夫   装置 堀尾幸男   照明 服部基   衣裳 有村淳    指揮 西野淳



 トランシルバニア地方(現ルーマニア)の雪深い村、村人はニンニクを首にぶら下げ踊り歌っている。教授(市村正親)とその助手アルフレート(泉見洋平/浦井健治)はヴァンパイアの研究のためにこの地にやってきたが、遭難寸前の目にあう。 ようやくたどりついた、宿屋- 主人シャガール(佐藤正宏)とその女房レベッカ(阿知波悟美)達のもてなしを受け生き返る。 宿のお風呂場で美人の娘サラ(大塚ちひろ/剱持たまき)に出合ったアルフレートは一目で恋に落ちてしまう。
そんな宿屋に怪しい影! ヴァンパイア・クロロック伯爵(山口祐一郎)が居城で催す舞踏会への招待のためにサラを迎えにやってくる。 ヴァンパイア退治に執念を燃やす教授とサラを助け出したい助手のアルフレート。 クロロックに魅せられ、居城に導かれるサラ、。 居城では、舞踏会がはじまる・・・・・。

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 ( 以下かなりネタばれあります、これからご覧になる方はお気をつけくださいませ )

 音楽は綺麗で素敵な曲も多く、また楽しく明るい曲もあり、耳に心地よく、爽快感がありました。 ( でも何故かわからないけれど、次の日帰りの飛行機の中などでメロディが耳に流れてきたのは、あれ、この曲、何?と思ったら、月組版「薔薇の封印」の曲ばかりでした、不思議でしたが )

 初見は昼間、1階E列30番代 - 浦井、ちひろ。  夜は2階B席最後列 - 泉見、たまき ( 敬称略 )で観劇。

 初見が表情がよくみえた席だったためか、笑えました。 コメディ作品だったのね、この作品。 ネオ・ゴシック・ホラーと謳っていたけれど、どこかにコメディとも書かれていたような気がしたので、どんな作品なんだろうと思っていたのですが、、少しイメージが違いました。

 一番笑えたのが、ヘルさま !  もうおかしすぎ !  あの衣装で真面目に踊る姿がおかしいのと、まじめにそこここでアルフに迫るシーンがまじ面白いです。 ここまでやっていいの〜吉野さん〜 !  この役のキャラとして一番に思い浮かぶのは、とコンボイの舘形比呂氏 と ニイロ君的妖しさなのですが、結構たくましい吉野さんが、メイクに指のしぐさに、お尻使い(^^;に、初日あけての公演でもこれだけ受けていたので、これからもっともっとになっていくのかと思うと、期待したいですね〜(^^;

 それとラスト近くの垂れ幕、ゆうさまの大きなお顔、これも笑えましたね〜、、(^^; ( これって賛否両論になるかもしれませんが、、)

 あとは、教授の間とか、しぐさもさすがに笑わせてもらえましたし、また相棒のアルフの可愛さ、純真さもよかったです。

 出演者の客席おりもかなり多く、伯爵の登場も客席からだったでしょうか?( ちょっとあやふや(^^; ) ほとんどの方が客席におりていたような印象があります。 教授も私の通路はさんで隣のあいている席に座られたりもしていましたし、2階席にも伯爵の影?ドラキュラの方たちが暗闇の中、歩かれていました。

 

 面白かったです、曲もよかったし、山口さんの歌声は変わらず、美声でした、、若者二人のデュエットソングも美しいものでした、、アンサンブルの歌声も素敵でした。 歯をつけて表情を少し変えるだけで、それなりにヴァンパイアにみえるのも面白かったです。

 けれど、全体を通して、もっとどうにかならないのかな〜、もう少しあちらこちらを変えたらもっとよくなるのでは?という想いが残り、面白さとは裏腹にちょっとした違和感も残りました。 演出のせいでしょうか?  この作品にしては帝劇が大きすぎるのでしょうか?

 ヴァンパイア物にしては、全然、妖しくなかったですね、衣装、セット、色使い、etc。 もうそちらに関しては、断然、小池ワールドの方がいいです。 インパクトが全然ない。 ( 照明のみに頼っているかんじ ) 

 月組「 薔薇の封印 」 あのオープニングのうわ〜! 美しい、お耽美〜! というようなわくわく感が全く感じられなかったのはつらかったです。 山田さんの美的センスそして魅せ方のセンスを疑いますね。

 宿屋のおやじが吸血鬼になって、女中の吸血をする場面も魅せ方が今ひとつだな〜という気がしました。

 確かに、伯爵のクレーン登場、こうもりの羽で、びゅーっと上に跳ぶところは面白かったけれど、上にあがるだけで、少し寂しかったです。 教授の雪の中での凍死しそうな登場のしかたも不思議感を感じさせてもらえましたし、悪夢の場面での、ヴァンパイアダンサーの登場のしかたや、去り方は面白いというか稀有な面もありましたし、鏡の用い方も面白かったのですが、反面、伯爵家のバスルームもちゃちなものでしたし、舞踏会のシーンだったかででてくる階段は、某ディズニーのエレクトロニクスパレード?から借りてきたのかと思いましたし、、霊廟からでてくるヴァンパイアたち? それもころがって這いずってでてくるさまや、おまけにくもの巣みたいなのが衣装や頭についているのも、エリザベートからそのまま借りてきたのか?という雰囲気ですし、同じくらいお金をかけているだろうに、エリザベートのセットとはどうしてこうも違うのだろう?と唖然とするばかりでした。

 オープニングもここは映画館かと思うようなオープニングで、それはそれでよかったけれど、雪もアンナカレーニナのような消える雪にしていただいた方が情緒がありましたよね。

  また衣装も、ヴァンパイアダンサーが着ているものに代表されるように、インパクトが全然ない衣装。 あの衣装ももう少しどうにかならなかったものでしょうか?

 ヴァンパイアダンサーは、外国でもこのようなかんじだったのでしょうか?

 統一性がないというか、もちろんそれぞれのダンスはよかったと思うのですが、人数が多すぎるのと、やはり衣装のせいもあるのでしょうか? なんだか、舞台とダンス場面がマッチしてはいないような、、。  ダンスオブと謳っていることもあって、フィナーレとかの扱いなどもダンサーの方たちはよかったのですが、芝居の中でのダンサーの場面はそれほど、インパクトに残らず、( ソロ場面はのぞく ) もったいない使い方だな〜という印象です。 よほどトートダンサーの方がインパクトが残ります。

 加えて、悪夢の場面の歌、ブラッドソング( 題名は違うかもしれません )- その曲はどういう使われ方というか、どの役の方が歌うのかと思って期待していましたが、あれでよかったのでしょうか? 

 はじめは男性がソロでシャウトしながら歌い、男女4人( どのかたが歌っているのかわかりませんでした )が、歌っていくのですが、声でていたのでしょうか? 4人の歌声あっていますか? 私が聞いた時がよくなかったのかな〜?  元歌もああいうかんじの歌い方なのでしょうか? もちろん、もっとうまいとは思いますが、、、。 あれならば、ソロ歌で聴かせてくれた方がよっぽどよかった。 せっかくのいいメロディの曲で、この作品のポイントのひとつとなっている曲でしょうに、、。 最後のアンサンブルはよかったけれど、、かなりがっかりしてしまいました。  また間奏も長くて、ベットの周囲もしくは上でのダンスなので、限られてくるせいかあまりダンスもよくみえませんでしたね。 なので、長く面白みのない単調な場面に感じてしまいました。 

 シャウトシンガーあまり歌声が綺麗ではなくて、はもりが美しいとも思えない、、。 イメージとしては、中川君あたりの歌声のイメージだったのですが、、。

 安蘭けいがディナーショーの中で歌っている歌声と、アレンジの方がよっぽどインパクトがありました、私には(^^;、、。 

 

そして一番よくわからなかったのが、2幕後半。 ラストにかけて。

 2回見ても紗幕の後ろで殺された( のですよね?) のは誰?というか、その場面を注意してみることができませんでしたし、「サラはまだ生きている」のあとの教授の台詞が2回とも聞き取れなかったのもあるのかもしれませんが、。

 サラが何故、死ななかったのか、そしてラストの意味合いがよくわかりませんでした。

 最初みたときは、舞台の近くでみていたので、教授が、二人に関して気づいていたと思ったのですが、2回目にみたときには、これは教授は気づいていない設定なのだなと感じたのですが、その演出の意図がどちらなのか、おそらく、気づいていない設定だと思うのですが、とてもわかりにくい、、、。

 そして、二人で客席に下りて走り去って終わり。 、、だからどうなの? というラストの締め方になっているので、意味が全然わからない、、、。 

 そしてわからないままに、フィナーレに突入していて、ますますど〜なっちゃったの〜? これで終わりなの〜? 誰かおせ〜て ! ! というかんじ、、。

けむに巻かれたまま、黒( 一部アクセントカラーも入っていましたが ) の現代的衣装 パンツルックでしたか? の出演者が皆でてきて、踊りだし、客席の拍手を促す、、。

 まあ、わからないけど、面白くて笑えたし、ヘルさまは最高だったし、いいか、という気になって、手拍子を始めて、のってしまって終わりです。

 

 

 ネットでみてみると、元のミュージカルは、ラスト、研究に没頭している教授の後ろで、吸血鬼になったばかりのアルフレートが、教授の血を吸おうとするけれど、サラが、あんなまずいのはやめておきなさいと言わんばかりにとめて、他にあんなにたくさん人間がいるじゃないと、村のほう(客席)のほうを見回して指さす- そして2人は客席に降りて、教授が気が付かないうちに、客席まで巻き込んで、世界がヴァンパイアだらけになっちゃうというオチで、ヴァンパイアでいっぱいのフィナーレのダンスにつながる、、、、らしいですね。

 全然違うじゃん!!

そんな簡単な設定なのに、どうして変えてしまったの〜? どうしてわからなくしてしまったの〜? 信じられない、、、というかんじですね。

 

 もう一箇所、教授とアルフが、ヴァンパイア退治をしようと、ヴァンパイアが眠る霊廟近くまで行くのだけれど、結局、アルフが伯爵と、その息子の胸にくいを打つことができず、あっさりと退散してしまうという設定も、なんだかな〜と思ったのですが、そこも変更しているのでしょうか?

 全体的に、曲ではめりはりがついている芝居と曲の流れなのに、演出面がそれについていっていなくて、間延びしてしまうというか、魅せきれていないというような傾向にも思えました。

 

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クロロック伯爵<山口祐一郎>   吸血鬼伯爵。吸血鬼たちの親玉? ややお茶目?。登場とともに朗々と歌い上げる。 思ったより出番は少ない。 

 普通に話しているはずなのに、一言が何故か笑えてしまう伯爵でした。 似合った役です。 声が少しわれているようにも感じたのは、音響のせいでしょうか? いつもどおりの美声ですが、山口さんの歌声としては、あまり印象に残るような楽曲がなかったような気もします。 こうもりの羽をつけて飛び立つ場面では、後ろでにつかまっているのか、手の振りがなくてよかったですね(^^;

 

†サラ<劔持たまき 大塚ちひろ>  ヒロイン。お風呂大好きで、何度かの入浴シーンではヌーブラに肌色のパンツのみ( おそらく(^^; )なので、遠めには裸にみえてかなりセクシー、もちろんなかなかみえそうでみえない風にはなっていますが、、。 伯爵に誘惑されたり、誘拐されるのも入浴時。 アルフレートに恋をしたかのようにみえたのに、変わり身が早い。 やはりアルフレートの若さより伯爵のお金と地位?に魅了されたのか?

 ちひろちゃんはよかったです。大きく成長した印象です。( シンデレラストーリーの頃からみると ) 博多座でのコンスタンツェという大きな箱での大きな役をえて、帝劇スターへの道を着実に歩んできた印象。 声もよくでていて、可愛らしく、はりもあるように感じられました。 この役の染まっていない純真さ、若さが醸し出す色気、決して計算や作り出そうとしたものではない - みたいなものがよくでていました。 ドレスのすそさばきは、おいおいそんなにあげてしまっていいのかい?膝〜太ももまでみえてしまうよ〜というかんじで、ドレスさばきも一長一短にはできないものだな〜と思わされましたが、、。

 

 たまきちゃんは、もっと歌えるのかな〜と思っていたのですが、席の関係( B席最後列 )もあるのか、歌声、声量がいまひとつに感じられました、オペラでみると顔も可愛いし、スリムだけれど、ナイスボディでいいのですが、伝わってくるものが弱く心があまり届いてきませんでした。 ラスト?のドレスももっと似合う型のものにしてあげたらいいのにな〜という印象です。

 

 それにしても、あの浴室シーンを身近でみることのできる、伯爵、アルフ、親父は、涎物だろうな〜(^^;

 

†アプロシウス教授<市村正親>  有名な吸血鬼研究者。完璧にコミックキャラ?。 喋り方や動きから笑いが入る。でも歌唱力は必要。

 さすがに芸が細かい市村さん、その動きなど、笑わせてもらえましたし、歌もよくて似合った役でした。

 


†アルフレート<泉見洋平・浦井健治>  一番出番や歌が多い。 ヒロインの相手役? クロロックの息子ヘルベルトに迫られる。

 浦井君は、開演アナウンスから惚れました。今更ながら甘いいい声ですね〜。 人のいいお坊ちゃまという雰囲気がよくでていて、歌も聴かせてもらえました。 可愛かったです、とてもよくあった役に思えました。

 泉見さんの開演アナウンスでは、アニメ声のようで、いい声なのですが、アニメの中の主人公のように感じてしまいました。 暑くて大変そうでしたね〜。 この方も庶民的で素朴なやさしい青年という雰囲気がよくでてました。



† ヘルベルト<吉野圭吾>  クロロック伯爵の息子でゲイ?。アルフレートに迫る時の衣装は、黒のスケスケブラウス-両脇が短くお尻が隠れるくらいの長さ。その下は、黒のTバックのみ !

 

 もうあのお尻に惚れました(^^; あの姿でまじめにダンスを踊ったり、台詞をいうのがおかしくて、、他の場面でも、アルフにお尻をつきだしたり、背後からぴたっとふっついていたり、熱い視線を送っていたりと、もうでてくるだけで笑いをとっていました。 化粧とか、爪とか、手とか、色々工夫されているようでした。

 2幕、伯爵と二人ででてくる登場の場面では、なんだかふたりとも妖しい魅力にあふれていて、それっぽくてとてもよかったです。 歌も妖しく歌われていました。

 出番は少なかったと思うのですが、インパクトは大でしたね〜。

 

†シャガール<佐藤正宏>  宿屋の亭主。サラの父親。 誘拐された娘を救うためクロロック伯爵の城に向かい、吸血鬼と化してしまう。お笑い担当キャラ。

 コメディ部門担当だからこの方になったのだと思うのですが、確かに、軽妙さはでていたと思うのですが、歌がやはり弱いのと、芝居もこれでいいのかな〜と疑問に感じる部分もありました。

 


†レベッカ<阿知波悟美>  宿屋の女将。シャガールの妻で、サラの母親。

 さすがに芝居、歌ともにうまくて安心して聞いていられました。 母親役3発目? 他の役でもいい芝居されるだろうにな〜と感じます。



†マクダ<宮本裕子)>  シャガールの宿屋の女中。シャガールの愛人。

 綺麗でセクシーなかんじはあるのですが、う〜ん、この方、歌こんなかんじでいいのでしょうか? 特にフィナーレ、歌部門のリーダー的存在で歌われていたように思うのですが、結構きつかったですね。 ストレートプレイの方が本領発揮できそうな気がしますね。



†クーコル<駒田一>  せむし男。歌うどころかセリフもほとんどない。

 せむし男に徹していましたが、歌もせりふもほとんどなくてとても残念でした。

 

†ヴァンパイアダンサー 男 新上裕也

 短いながらもソロ場面も何箇所かあって、魅せてもらえましたね。 センターでのピルエット?は少し芯がぶれていたような気もしますが、伯爵の後ろでのコンテンポラリー系ダンス?はせつなさを感じさせてもらえました。

†ヴァンパイアダンサー 女 加賀谷香

 1幕、2幕サラの影として躍られていましたが、さすがに綺麗な足先でした。 最初見たときの1幕では、サラとの入れ替わりに途中まで気づかなくて、すご〜い、ちひろちゃんてバレリーナなんだ〜!! と思っていたのですが、入れ替わっていたのですね。

 

 女性アンサンブル として 秋園 美緒- そんちゃんも出演されていましたが、台詞、ソロ歌ともになかったようでした。 最初の宿屋登場では、最上手側、ラスト付近では、白っぽい大きなふわふわの髪型をされていました。

 

 

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 初日あけてまだそれほど日がたっていないので、これからますます面白くなり、パワーがでてくる舞台だと思われます。 楽近くだとかなり変わっていることでしょうね〜。