20世紀少年 第20巻 「人類の勝負」
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<あらすじ> ともだち暦3年の東京。ユキジは柔道場を開き、少年少女に柔道を指導していたが、ある日突然閉鎖を告げる。その日、ユキジの家にカンナ、オッチョ、ヨシツネがやってきた。ユキジはすでにカンナの決意を知っていた。ユキジはあえて止めず、同行するという。ただし、カンナの母=遠藤貴理子に会うように言う。そこへ、市原節子弁護士が加わった。市原はキリコの消息を探っていたのだ。 2015年、アメリカの製薬工場爆発事件発生。ウィルスのワクチンを大量生産する予定だったが、テロリストによって爆破されたことになっている。しかし、これは“ともだち”による破壊工作で、工場でワクチンの開発を行っていたキリコは “ともだち”に拉致された。その後キリコは帰国。現在は東村山の共同体で生活しているという。 しかし、カンナはキリコに会わずに“ともだち”と決着をつけに行くという。オッチョとユキジも同行することになり、ヨシツネに後を任せた。ヨシツネは「絶対にかえってこいよ」と送りだす。 |
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| 東村山へはマルオが向かっていた。そこには一面のそば畑が・・・・ケロヨンがいたのだ。 2000年、ケロヨンの元にもケンヂから戦いに加わってほしいという連絡が入っていた。しかしケロヨンは無視し続けた。そして「血の大みそか」が起こる。ケンヂを無視した自分を許すことができなくなったケロヨンは、アメリカへ渡り、そばの腕を磨いた。そこへ2015年のアメリカ・ミシガン州の製薬工場委爆破事件。ケロヨンは工場に乗り込み、キリコを救出する。その後キリコとともに拉致されるが、なぜか解放された。ただし、キリコによると、「世界の主要都市上空に空飛ぶ円盤が襲来し、地球最後の日を迎える」という。今も自分を責め続けるケロヨンに、マルオは「俺達と戦おう」と言う。 キリコの回想・・・・1997年、フクベエと結ばれ、女の子を出産する。しかしフクベエには不審な行動が多かった。後をつけたキリコは、フクベエが“ともだち”と名乗り、人類滅亡という危険な予言を行っていることを知る。フクベエの元を逃げ出したキリコは、カンナをケンヂに預け、警察に“ともだち”に関するすべてを告発する。しかし、警察はすでに“ともだち”の支配下にあった。そしてワクチン開発の日々、山根博士との対決、製薬工場爆破事件、帰国・・・・。 キリコは東村山でも新たなワクチンの開発を行っていた。そして自らワクチンを打ち、ウィルスに冒されるという人体実験を試みていた。 一方、カンナたち3人は“ともだち”の本部へやってきた。万丈目胤舟の配下にある「親友隊」によりすんなりと検問を突破するが、カンナはオッチョとユキジを巻きぞえにしないために、あえて二人をとらえさせる。 ついに“ともだち”と対峙するカンナだったが、“ともだち”が本当の“ともだち”ではないことを見抜く。カンナをだまし続けることができないと判断した“ともだち”は、即座に部下に「絶交」を命じる。次の瞬間、カンナは“ともだち”に手榴弾を向け人質にとり、脱出をはかった。正体は誰と迫るカンナに、“ともだち”は「ケンヂが知っている。僕こそが20世紀少年だ」と告げる。 一方、とらえられたオッチョとユキジは、万丈目の部屋へ案内される。そこには万丈目の死体があった。自ら「せいぼ」となる野心を抱いた高須光代によって殺害されていたのだ。これによって、「親友隊」のクーデターも葬り去られた。二人は脱出をはかるが、その途中、「空飛ぶ円盤」を発見する。“ともだち”の自作自演の宇宙人襲来計画を見抜く二人。その前に現れたのは、科学技術省長官であるマー坊だった。過去の裏切り行為を許せないオッチョに対し、マー坊は企業の論理を説く。しかし、今は万丈目派となっていた。マー坊は、Y&Mコーポレーションの代表者であるヤン坊のもとへ二人を案内する。 ヤン坊マー坊は、修理屋を営む敷島教授のところへ通っていた。教授は、「血の大みそか」で使われた巨大ロボットを開発した自分を責め続けていた。その教授に、ヤン坊マー坊は、もう一度ロボットを作らないかと誘う。“ともだち”の「空飛ぶ円盤」に対抗するためだった。マー坊に案内されてオッチョとユキジが教授のもとへついたとき、新しいロボットは完成していた。 人体実験が進行中の中、マルオとケロヨンは必死にキリコを励まし、また実験を中止させようとしていた。それを振り切るキリコ。マルオは、キリコに、「現在の“ともだち”はフクベエとは別の人物か」と問う。答えは、カンナの直感と同じだった。では現在の“ともだち”はいったい誰なのか・・・・キリコは、“ともだち”がまだサークル程度の団体だった頃、フクベエが同年代らしき人物に頻繁に電話をかけていたことを思い出した。さらに、小学校時代のフクベエが、サダキヨ、山根、そしてもう一人のお面をかぶった少年がいたことを思い出す。いったい、誰なのか!? キリコの症状はますます悪化したが、ついに24時間が経過した。キリコの作ったワクチンがウィルスに勝った瞬間だった。 |
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<Monthry's Eye>
キリコの告白により、謎の大半が明らかになった(というか、整理された)。それにしても、依然として残るもっとも大きな謎=“ともだち”。今現在の“ともだち”および小学校時代の“ともだち”に関する謎は残されたままである。今現在の“ともだち”の正体としてクローズアップされたのが、サダキヨではない「お面をかぶった少年」である。新たな登場人物なのか、それとも・・・・!?
ストーリーも、主要登場人物がほぼ再結集した。“ともだち”の内部はますますほころびをみせるものの、高須の暗殺により結束をとりもどすのか、混乱は大きくなるのか。いずれにしても、クライマックスは近い。
<登場するロックミュージシャンとアルバム>
・第8話「僕こそは」 151ページ
「僕こそが・・・・20世紀少年(20th Century Boy)だ」
この話のタイトルでもあり、登場するロックの中でも最重要曲がついに“ともだち”自身の口から話された。自らを「20世紀少年」と名乗った“ともだち”の真意は!?
→この曲の解説はこちらで。
<その他>
第9話「どっちがどっち!?」 154ページ
「空飛ぶ円盤だ・・・・!!」
見開きで描かれているUFOは「アダムスキー型」と呼ばれるもっともポピュラーなタイプである。以下、と学会(山本弘、志水一夫、皆神龍太郎)著「トンデモ超常現象99の真相」(1997年)を参考にしながら解説してみたい。
これは、1952年にジョージ・アダムスキーが、金星人とコンタクトし、その際に撮影したとして公開されたタイプである。言うまでもなく、全部インチキである。アダムスキーの語った話は、聖書等の文献のパクリであることも確認されている。
現在、というか、UFOがアメリカで騒がれはじめて以来(1947年くらいからでしょうか)、UFOは金儲けのタネとなっており、「UFO業界」を形成している。つまりでっち上げの話をテレビ局やマスコミに売り込み、それをおもしろがって取り上げる、という構図である。日本でも同じで、私の年代ならば「川口探検隊」と同じく「UFO特番」を覚えていらっしゃる方も多いのではないだろうか。
そのUFO業界の構築に一役買ったと思われるのがアダムスキーである。まず、彼の話はいわゆる「コンタクティー」や「チャネリング」といったタネを生み出した。すなわち「宇宙意志」があなたの未来を予言する、といったやつである。もう一つは、「UFO教」の元祖的なところがある。現在のUFOは先ほどの「業界」とは別に、カルト宗教的になった団体もある。数年前にクローン人間の赤ちゃんを産み出したとして騒がれた団体を覚えておられるだろうか、あれもUFOカルトの一つである。
それにしても、最近のUFO業界はネタ切れだろうか、さっぱりおもしろくない。特番自体も減ってしまったし、たま〜に放送されても、私が中学校くらいの頃にやっていたネタの焼き直しばかりである。たとえば、
・相も変わらずのロズウェルUFO墜落事件の蒸し返し
・アメリカ政府は宇宙人と密約を結んでいるという陰謀説
・出てくる宇宙人はリトル・グレイタイプばっかり(飽きましたよ・・・・)
・宇宙人は地球の環境破壊に対して警鐘を出している(宇宙人は慈善家か!?)
せいぜい、これらに「火星の人面岩(これも古いネタ)」や「フォトンベルト接近で地球が壊滅」などを組み合わせているだけである。手抜きも甚だしい。
UFO番組は、大手テレビ局が大まじめ(な顔をして)にホラ話を放送してくれるのが楽しいのである(信じてはいけませんよ)。こんな使い古されたネタや、環境問題などはどうでもいいから、もっと大きなウソをついてほしい。
ちなみに、第20巻では、“ともだち”による「火星移住計画」が出てくるが、これもUFO話の亜流の一つにある。1977年、イギリスで「第3の選択」という科学ドキュメンタリーを装ったSFドラマが放送された。地球温暖化が進み、数十年後に地球は大洪水で破滅するのは不可避。このため、NASA(またNASAか)がエリートだけを火星に移住させる計画を密かに進めているという。
あくまでもSFドラマだが、これがUFO話や陰謀説と結びつき、信じてしまった人がいるらしい。私も、中学校くらいの時にUFO特番で見た。すでにNASAは有人宇宙船を1960年代に火星に送り込んでおり、火星の生物まで撮影していた(笑)。
(参考書籍)
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と学会(山本弘+志水一夫+皆神龍太郎)
「トンデモUFO入門」 (2005) UFO業界のウソを解明する本は何冊か出ているが、もっとも新しく(2005年8月発売)、かつおもしろいこの本を紹介したい。はい、例によってと学会である。 このほんの作者陣も私と同じく、「最近のUFO話はつまらない」と考えているようで、そこかしこに嘆きが見られる(笑)。また、古今東西の歴史的なUFO話から現在の潮流までスポットを当てているので、この手の話に弱い人にもおすすめできる。巻頭の口絵は、昔の科学図鑑風で懐かしさも演出している。 |