ベスト盤を求めて珍道中

<初の漁盤ツアー・・・・その成果やいかに!?>

89年の2月のこと、アルバイトの帰りに見つけたレンタルCD屋をのぞいてみた。すると見たことないマイケル・マクドナルドのCDが置いてある。よく見るとベスト盤でしかも輸入盤だった。他のミュージシャンも含めて当時の輸入CD事情は日本未CD化作品はもちろんのこと、このマイケルのベスト盤のように輸入盤でしか手に入らない編集盤も多数あった。
さらに選曲をチェックすると、他のミュージシャンとのデュエット作品やアルバム未収録のシングル作品なども収録されている。これは絶対にほしい。

そこで私はいきなり「東京の巨大なCDショップなら置いてあるはずだ」と思い立ち、東京へ行くことにした。私の住んでいた近辺に輸入CD店が全くなかった訳ではない。神戸・三宮にある国内盤と輸入盤を両方扱っている中規模店で輸入CDを購入したこともあったし、大阪・梅田の小規模店はいつものぞいていたくらいだ。
ところがどこで聞いていたのか、渋谷には巨大なタワーレコードがあることを知っていた。そこで確実に買おうと思っていたのだろか・・・・いや、違う。単に東京へ行きたかっただけだったに違いない。
とはいえ、アルバイト代から往復の新幹線代を捻出するのは無理である。ここは若さに任せて往復ともに夜行列車という強行軍に出た。今なら絶対に無理な行程である。

3月7日、アルバイトを早めに終わらせてもらって19時過ぎの大阪発米原方面行きの快速に乗り、途中1回乗り換えて東京行きの夜行快速の始発である大垣駅についた。なんと、ホームには夜行待ちの行列が出来ており危うく座れないところだった。夜行列車は以前にも数回乗ったことがあったが、東京行きというのは初めてだ。仕事で遅くなったとおぼしき男性・女性のサラリーマン、お年寄りなど色んな人が乗っており満員だ。立っている人もいる。
それにしても寒い。前日まで小春日和の暖かい日が続いていたので薄手のコートだけにしたのが間違いだったようだ。それにしても暖房は効いていないのだろうか、電車の中なのに凍えそうだ。近くの席で楽しそうにしているサークルの団体さんがやけにうらやましい。

結局ほとんど眠ることができず、朝の4時半過ぎに東京駅に着いた。寒いしおなかが減っているのだがこんな時間にキオスクは開いているはずもない。仕方なく自動販売機で缶入りコーンスープを2つ買って飲んだ。
予定も立てずに来たのでどうしようかと思ったら、時刻表を見ると鎌倉方面行きの快速があったので行ってみることにした。鎌倉に着いたのは6時半くらいだったようだ。鎌倉大仏へはバスもあるようなのだが、どうせ暇なので歩いていくことにした。大仏様がどんなだったかはもう思い出せない。しかし寒空の中、ただ1人で大仏様を見上げていると、「CD1枚3,000円。しかし往復の交通費とかかった時間を考えるといくらになるか、悟りなさい」と説教されているようで早々に引き上げることにした(笑)。鎌倉駅前のマクドナルドで朝食をとり、やっと一息つくことが出来た。
東京へもどる途中で、横浜の中華街にも寄ってみることにした。ここから歩いて「山下公園」なる有名スポットへ行けるようだ。行ってみてわかったのだが、山下公園は港の公園だった。潮風が冷たい中、アベックがいちゃついている。それを見ていると、寒さがさらに身に堪えるような気がしてさっさと引き上げることにした(笑)。確か中華街で豚まんを2つほおばって、それを昼食代わりにした気がする。

さあ、いよいよ本日のメインイベント、タワーレコードである! 
山の手線を乗り継ぎ初めて渋谷駅へ降り立つ。タワーの場所はわからないので(2001年現在の場所とは違う、もっとわかりにくい場所にあった)、あらかじめ案内を頼んでおいた東京で下宿している友人氏と落ち合い案内を頼んだ。行きしなにWAVEがあったのでついでにのぞいてみたが、この店舗ですでに圧倒されてしまった。とにかく広い。が、目当てのベスト盤はなかったので本命タワーへ向かうことにした。

私の記憶では当時のタワーレコード渋谷店は2階か3階建てで洋楽ロックは2階だったと思う。ワクワクしながらドアを開けると、おおWAVEより広い! しかもすごい品揃えである。「A」のコーナーから順に見ていったのだが、知らないミュージシャンが大半であった。それでも「ああ、さすがは東京(涙)」と感激したのであった。「Yirdbirds」のコーナーにはなにやら見たことのない編集盤がたくさん置いてある。いずれ買おうかな・・・・
と思いつつ、いよいよ「M」のコーナーである。「Michael McDonald」・・・・ない、ベスト盤だけがない!

・・・・と、長々と前フリを書いておいてオチはこれだけなのである。結局何も買わずにかえってきた。たくさんありすぎて何を買ったらよいものやら、わからなかったという事情もある。やはり買い出しにくるときはある程度ほしいもの想定してから来るべきだった。今なら新宿の輸入CD店をチェックするのだが、当時は新宿にレコード街があることを知らなかった。
結局この後は友人氏のパチンコにつきあって、新宿駅でお好み焼きを食べて再び夜行で買えることにした。帰りも行きと同じくらい寒い。ガチガチ震えながら「ぐっすり眠りたい」とそればっかり考えていた。寒かった思い出しか残っていないのだ。おしまい。

(後日談)
このマイケル・マクドナルドのベスト盤ですが、東京から帰ってきた後に上でも触れた行きつけの大阪・梅田の小規模輸入盤店にダメ元で注文してみたところ「在庫がありますよ」とのことで2日で購入できました。(2001年11月)

↓東京行きに使用した周遊券が残っていました



<洋楽ロックのベスト盤について思うこと>

メジャーどころの洋楽ロックはオリジナルアルバムから聞くのが基本だ、といわれている。私も同意見である。私自身、好きなミュージシャンのベスト盤は、収録曲のほとんどを持っているのであまり買うことはない。しかし、ベスト盤にはベスト盤の意義があるのではないだろうか。
ベスト盤を発表できるミュージシャンはそれなりに名前を残す実力派が多い。その彼らの代表曲をまずは手軽に聞いてみるというのは、特に洋楽に触れる機会が少ない方の場合にはリスナーとミュージシャン双方に大きなメリットがあると思う。また日本でも人気のあるミュージシャン、例えばカーペンターズやクイーンならベスト盤に収録されているヒット曲の魅力を楽しむというのも一興である。ビーチボーイズなら60年代のビッグヒットの数々をベスト盤で聞いてから名作「ペットサウンズ」へ向かうというのは、決して回り道ではない。
一方、国内盤ではオリジナルアルバムがCD化されていない70年代のミュージシャンの輸入ベスト盤などを探して聞いてみるというのも実に楽しい。こういうミュージシャンは輸入盤でも未CD化作品が多いものの、逆にベスト盤が何枚も編集されていることがある。
ところで、最近編集されるベスト盤にはCD未収録曲や別バージョンが収録されることが多くなってきた。わずか1,2曲のためにそうしたベスト盤を買うべきか否か、これまた非常に苦しい選択である(笑)。

ついでに最近のJ-POPについても一言述べておきたい。最近のJ-POPはシングルでヒットの実績を作り、オリジナルアルバムにはそのヒットシングルを4〜5曲も収録した作りが多いようだ。その方がアルバムの売上げもよくなるらしい。
しかしこれではオリジナルアルバムなのかベスト盤なのか、よくわからない。またオリジナルアルバムにはシングルにはならないよい曲が収録されるものなのだが、この作り方ではそういう曲に全く日が当たらなくなるような気がする。J-POPの製作者の方には、是非オリジナルアルバムとベスト盤それぞれの魅力を再確認してもらってアルバムを作って欲しいものである。(2001年12月)


<関連作品>

Michael McDonald   「Sweet Freedom」  (1986)
01. Sweet Freedom   02. (I 'll Be Your)Angel    03. Yah Mo B There(with James Ingram)
04. I Gotta Try   05. I Keep Forgettin'   06. Our Love (Remix)    07. On My Own (with Patti Labelle)
08. No Lookin' Back   09. Any Foolish Thing   10. That's Why 
11.What A Fool Believes (with The Doobie Brothers)   12. I Can Let Go Now
Michael McDonald   「The Voice Of Michael McDonald」  (2000)
国内盤 ワーナー(WPCR-10818)
01. Takin' It To The Streets   02. It Keeps You Runnin'    03. You Belong To Me   04. What A Fool Believes
05. I Keep Forgettin' (Every Time You're Near)    06. No Lookin' Back    07. I Gotta Try 
 08. Yah Mo B There (with James Ingram)    09. On My Own (with Patti LaBelle)    10. By Heart
11. Sweet Freeedom   12. I Just Can't Let Go (with David Pack & James Ingram)    13. Take It To Heart 
14. Ever Changing Times (with Aretha Franklin)    15. Minute By Minute    16. Higher Ground 
17. Blink Of An Eye    18. Tell It Like It Is


本文で触れたマイケルのベスト盤というのが写真上段の「Sweet Freedom」である。
彼の1stソロから4,5,10,12、2ndソロから2,6,8,9、シングル曲の1、他ミュージシャンとのデュエット3,7、そしてドゥービー時代の11から収録されている。
1曲目「Sweet Freedom」は映画「Running Scared〜夢見て走れ」の主題歌。珍しくトロピカルリゾートな雰囲気をもつ楽しい楽曲となっている。
3曲目「Yah Mo B There」ジェイムス・イングラムとの、7曲目「On My Own」パティ・ラベルとのデュエットでどちらも全米で大ヒットした。ソウルミュージック界の大物ボーカリストに一歩もひけをとらず互角に張り合うマイケルのボーカルが素晴らしい。前者はダンサブルに、後者はアダルトは仕上がりである。特に「On My Own」での、マイケルのファルセットボイスの熱唱は是非聴いていただきたい。
ソロ曲については1stアルバムの曲について述べておきたい。5曲目「I Keep Forgettin'」はソロとしての初ヒット曲。控えめながらもバックに流れるクラビネット(グレッグ・フィリンゲインズが演奏)がリズムを支えている。ブリッジからサビへのいかにもマイケルらしい展開はドゥービー時代に培ったものからソロとしての個性への脱却もかいま見える。10曲目「That's Why」は個人的に大好きな1曲である。これもブリッジでのマイケルのボーカルがたまらない。マイケルのリズミカルなエレピも名だたるスタジオミュージシャンに負けてしまうことなく個性を発揮している。

ところがこのベスト盤はもう廃盤になってしまったようだ。代わりに2000年に発売された新しいベスト盤「The Voice Of Michael McDonald」(写真下段)がある。収録曲数、選曲ともにこちらの方がお勧めできる。また全曲リマスター化されている。
収録は、ドゥービー時代の1〜4、1stソロの5,7、2ndソロの6,10、3rdソロの13、4thソロの17、シングルの11、未発表曲の16,18、他のミュージシャンとの共演である8,9,12,14,15からなっている。「Sweet Freedom」には収録されていない曲について述べてみたい。
その前にお断り・・・・私はこのベスト盤に収録されている曲のほとんどをもってるため買うのをためらってしまった(笑)。あしからずご了承ください。
まずは多くのレコーディングに参加してきた彼らしく、他のミュージシャンとの共演作品を。12曲目「I Just Can't Let Go」は盟友デビッド・パックのソロ作品「ANYWHERE YOU GO」(1985)に収録されている。リードボーカルはパックだが、サビではマイケル、イングラムとともに鉄壁のハーモニーを聞かせるバラード。マイケルファンのみならずAORファンの方にも是非チェックしてもらいたい。14曲目「Ever Changing Times」は私の持っていない曲なのだが、91年のアレサ・フランクリンのアルバムに参加したときの1曲。15曲目「Minute By Minute」、ドゥービーのクレジットがないのでドナルド・フェイゲンがホストを務めたライブ盤「THE NEW YORK ROCK & SOUL REVUE」(1991)での演奏と思われる。最近友人に聞かせていただいたのだが、ドゥービー時代のライブとは異なり、分厚いブラスセクションが入り、サックスソロのフィーチュア、思いもかけずこの曲がR&B的に仕上がっているのが驚いた。彼のソロライブでもこういう編成での演奏はなかなかないはずだ。とてもよい演奏である。
次に未発表曲。16曲目「Higher Ground」はCDシングルに収録されていたもので、スティービー・ワンダーのカバーで、私が見た来日公演でも演奏していた。このCDシングルには「Plain Of Jars」という曲も収録されており、マイケルらしいブリッジ部分が何とも素晴らしい曲なのだが今回収録されず残念だ。そしてもう1曲がラストの「Tell It Like It Is」。これが持っていない曲なので、当然ながらどんな曲なのかさっぱりわからない(笑)。教えてもらったところでは、5thアルバム「Blue Obsession」のアウトテイクとのことである。

Spencer Davis Group   「The Best Of The Spencer Davis Group」  (1987)
01. Gimme Some Lovin'   02. Searchin'   03. Keep On Running    04. I Can''t Stand It 
05. Strong Love   06. Every Little Bit Hurts   07. I'm A Man   08. Back Into My Life Again 
09. Trampoline   10. Somebody Help Me   11. When I Come Home    12. Stevie's Blues 
13. This Hammer (The Hammer Song)    14. Waltz For Lumumba    15. Goodbye Stevie 

(類似選曲の国内盤が入手可能です)

スペンサー・デイビス・グループ(以下SDG)はスティーブ・ウィンウッドがプロデビューを飾ったバンドである。この時ウィンウッドは弱冠16歳、しかしボーカル、オルガン、ギターと全てにおいて天才ぶりを発揮している。
まずはヒット曲に注目したい。1曲目「Gimme Some Lovin'」は今でもウィンウッドのライブのハイライトとなる代表曲である。月並みな言い方だが、とにかく素晴らしいノリである。ブルース・ブラザーズもカバーも有名だ。3曲目「Keep On Running」は印象的なベースラインからはじまるR&Bスタイルの曲。ウィンウッドの鋭いギターがアクセントになっている。1曲目とともにウィンウッドとバックコーラスのかけ合いが楽しい。7曲目「I'm A Man」はパーカッシブなドラムにウィンウッドのこれまたかっこいいオルガンプレイが光るスリリングなロック。このロックスタイルの曲にウィンウッドのソウルフルなボーカルがのると、彼ならではの曲になるのである。
一方、SDGにはヤードバーズらと共にブリティッシュ・ビート・グループのムーブメントを支えたという側面もあるようだ。4,5,8,10曲目などはその典型であろう。
インスト曲も収録されている。9曲目「Trampoline」はウィンウッドのオルガンを中心にした軽快なビート感あふれる1曲。14曲目「Waltz For Lumumba」はベースとドラムの繰り出す循環リズムに、やはりオルガンを中心にして渋く演奏している。この曲でもそうなのだが、SDGのドラムは全体的ににぎやかな音を叩き出している。
ウィンウッドのルーツが強く出た曲もある。6曲目「Strong Love」はバックに流れるストリングスをはじめとして完全にソウルミュージックに偏重している。ウィンウッドのファルセットボイスが何とも魅力的だ。12曲目「Stevie's Blues」はタイトル通りヘビーなブルース。これも60年代のイギリスという時代の雰囲気を強く感じさせる。
私はこの時代のイギリス系にてんで弱いのでSDGの魅力を十分に伝えきれないのだが、ウィンウッドの初期の魅力にあふれ、また60年代のイギリスを楽しく聞いて知ることができるという点で、とてもよいベスト盤だと思う。
ところでSDGは、ウィンウッドのソロ活動やトラフィックに比較して決してメジャーとは言えない。なぜ私がこのバンドを知っているのかと言えば、ソニーMTVの懐かしプロモビデオ特集で放送された3曲目の「Keep On Runnnin'」を見たためである。実は本文にあるタワーレコードへ行ったときにSDGのベスト盤も探したのだがやはり見つからなかった。その後、大阪・難波に出来たタワーレコードで購入することができた。

Eric Clapton   「Cream Of Eric Clapton」  (1987)
01. Layla   02. Badge   03. I Feel Free  04. Sunshine Of Your Love   05. Crossroads   
06. Strange Brew   07. White Room   08. Cocaine   09. I Shot The Sheriff   10. Behind The Mask
11. Forever Man   12. Lay Down Sally   13. Knockin' On Heaven's Door   14. Wonderful Tonight
15. Let It Grow   16. Promises   17. I've Got AS Rock'n'Roll Heart

(類似選曲の国内盤が入手可能です)

エリック・クラプトンのクリーム時代から80年代のソロ活動までから選曲された輸入ベスト盤。
デレク&ドミノス時代の曲でE.C.の最も有名な曲である1曲目「Layla」を筆頭に、クリームの2〜7、70年代のソロから8,9,12〜16、80年代のソロから10,11,17が収録されている。ファンにはおなじみの曲がばかりだが、ベスト盤にはあまり収録されない曲もある。
10曲目「Behind The Mask」は86年「August」に収録されている坂本龍一のYMO時代の代表曲のカバー。例によって熱心なファンからは無視される曲であるが(笑)、E.C.本人はまじめに歌いギターを弾いており私は好きだ。フィル・コリンズが個性丸出しのドラムを叩いているのもおもしろい。17曲目「I've Got AS Rock'n'Roll Heart」は83年「Money & Cigarettes」に収録されたもの。E.C.がアコースティック感覚で、軽いテンポで楽しく歌いギターを弾く、シンプルなロックンロール賛歌だ。E.C.はなぜこういうよい曲を埋もれさせてしまうのか、残念でならない。来日公演のアンコールあたりで演奏してくれればとてもよいと思うのだが。
また、あまりにも切ない15曲目「Let It Grow」を初めて聞いて今まで知らなかったE.C.の魅力に触れて感動し、次に購入するのはこの曲が収録されている74年「461 Ocean Boulevard」だと決めた覚えがある。
このCDは輸入盤のみで発売され、本文にあるマイケル・マクドナルドのベスト盤を注文した輸入盤店で購入した。その頃はE.C.のアルバムをあまり持っていなかったのでかなり聞き込んだ覚えがある。その後、このCDに収録されている曲のほとんどを揃えてしまい何度か中古屋に売りに出そうか考えたが、どうしても売る気にはなれなかった。E.C.のイロハを私に教えてくれたこのCDは永久保存にすることに決めた。

Three Dog Night   「The Best Of 3 Dog Night」  (1982?)
01. Joy To The World   02. Easy To Be Hard   03. Family Of Man   04. Sure As I'm Sittin' Here
05. Old Fashioned Love Song   06. Mama Told Me (Not To Come)   07. Try A Little Tenderness
08. Shambala   09. Let Me Serenade You   10. Never Been To Spain   11. Black And White
12. Pieces Of April   13. Liar   14. Out In The Country   15. The Show Must Go On   16. Eli's Coming
17. One Man Band  18. One   19. Play Something Sweet (Brickyard Blues)   20. Celebrate

(類似選曲の国内盤が入手可能です)

スリー・ドッグ・ナイトは70年代前半にアメリカでヒット曲を連発したグループである。なぜかその後忘れ去られてしまい(ヒット曲にカバー曲が多かったためのようだ)、ロックの解説本にもほとんど登場しない。私がこのグループを知ったのは、SDGと同じく懐かしプロモビデオ特集で18曲目「One」を見てからである。
彼らの特徴は3人のリードボーカリストが曲に応じて三者三様の魅力で歌うところだろう。もちろんコーラスの魅力も十分に活かしている。楽器演奏はシンプルながら、オルガンやリズムセクションが印象的な曲もある。
1曲目は大ヒット曲「Joy To The World」。日本でも数年前にビールのCMソングとしてリバイバルした。それくらいはつらつとした楽しさにあふれている。この曲のように私は彼らの楽しい曲が好きだ。3曲目「Family Of Man」は間奏でのリズムセクションとボーカルを巧みに組み合わせているところがよい。余談になるが、この曲は米米クラブの何とかという曲に影響を与えている気がしてならないのだが。
5曲目「Old Fashioned Love Song」は名曲。エレピが奏でるもの哀しげなメロディの前半から、コーラスを従えて静かに盛り上がっていくところが素晴らしい。6曲目「Mama Told Me」ニルソンなる人物の曲。渋谷陽一氏(五十嵐正氏かもしれません)がロック解説本の中で取り上げていたが、ニルソンの曲を早くから注目していたのも彼らの良さだそうだ。7曲目「Try A Little Tenderness」オーティス・レディングのカバー。ボーカルには一段と気合いが入り、コーラス抜きで勝負している。18曲目「One」は彼らの初期のヒットでやはりニルソンの曲。これもエレピのイントロに始まりサビではコーラスで一気に盛り上げるやたらかっこいい曲となっている。
この感想文を書くにあたって久しぶりに聞いてみると、いくつか発見がある。
10曲目「Never Been To Spain」はギターの演奏にも力が入っている。14曲目「Out In The Country」はしみじみとよい曲だと思ったら、ロジャー・ニコルス&ポール・ウィリアムスの曲だった(5曲目もウィリアムスの曲)。15曲目「The Show Must Go On」はやたら大げさなイントロが楽しいエンターテイナー色にあふれている。ボーカルとコーラスも遊び心にあふれている。作者に「L.Sayer」とあるが、あのレオ・レイヤーなのだろうか?
(2001年11月22日 追記)
カバー曲で有名な3DNだが、エルトン・ジョンの代表曲「Your Song」もカバーしている。このベスト盤に収録されなかったのが残念だ。
また、上記で触れた「L.Sayer」はやはりレオ・セイヤーとのことであった。(H・Tさんより情報をいただきました。感謝!)


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