<ヒューイ・ルイス&ザ・ニュース 待望のライブ盤発売!>

 Huey Lewis & The News  「Live At 25」 (2005)
輸入盤 Rhino(R2.74630) 発売中
国内盤 ワーナー(WPCR12129) 7月27日発売予定
01. The Heart Of Rock & Roll   02. So Little Kindness   03. Thank You #19
04. I Want A New Drug / Small World   05. If This Is It
06. The Power Of Love   07. Do You Believe In Love
08. Some Of My Lies Are True   09. It's All Right   10. Bad Is Bad
11. Heart And Soul   12. But It's Alright   13. Hip to Be Square
14. We're Not Here For A Long Time   15. Back In Time   16. Doing It All For My Baby

メンバー:ヒューイ・ルイス(vo、ハーモニカ)、ジョニー・コラ(g、sax)、ビル・ギブソン(ds)、シーン・ホッパー(key)、
      ジョン・ピース(b)、ステフ・バーンズ(g)、マービン・マクファドン(tr)、ロン・ストリングス(sax)、
      ロブ・サダス(sax)

プロデューサー:ヒューイ・ルイス&ジョニー・コラ

ヒューイ・ルイス&ザ・ニュース(以下、L&N)の4年ぶりの新譜は待望のライブ盤となった。L&Nはライブに力をいれるバンドで、ライブ盤の発売は遅すぎるくらいである。私が購入したのは輸入盤のため、詳しいデータが書いてないのだが、2004年12月にカリフォルニアで行われた25周年記念ライブを収録しているようだ。満を持しての発売、選曲も演奏も申し分ないものである。
とはいえ、最初に聴いたときはとまどった。冒頭にはライブ盤らしく観客の歓声から始まるのだが、声が近い。プラケース裏の写真を見ると客席が近い。7月に発売されるDVDを見ないとなんとも言えないが、小さな会場のようだ。
私のよく知るL&Nは83年「Sports」の大ヒット以降、ライブといえばアリーナ級、恐らくはスタジアムでもやっていたはずだ。来日時も大阪球場や大阪城ホールでの公演だった。その彼らが、小さな会場で・・・・これはショックだった。確かに、90年代半ば以降はヒット曲もなく人気も落ちていただろう。
しかし、そんな心配も聴き進むにつれてふっとんでしまった。私はL&Nを3回みており、またFMでよくライブを放送してくれたので、それを録音して聴いている。そのころと、なんら変わらないL&N節を繰り出している。そう、会場の大小に関係なく、月日が経っても、常に全力投球なのである。「愛するファンのためにライブを」、昔から変わらないL&Nを感じることができた。

さて、ルイスを強力にバッキングするニュースの面々だが、2001年「プランB」からさらにメンバーが変わった。オリジナルメンバーのギターの一人が交代し、オリジナルメンバーはルイスを含めて4人、その後に加わったメンバー5人の9人編成である。彼らの姿はジャケット写真にばっちりと映っているが、貫禄を感じさせるデザインで、これも気に入っている。
そのニュースの演奏、久しぶりに聴くと改めて「堅実さ」を感じた。これは小さく縮こまっているという意味ではなく、「ロックンロールの職人技を見せる」という風にとらえていただきたい。決して派手さはないものの、L&Nならではのグルーブをしっかりと全面に出している。これにブラス隊が一体感のある演奏を加え、主役であるルイス、そしてコーラスワークを盛り上げるのである。まさにL&Nの黄
金律である。

1曲目はL&Nの真髄「The Heart Of Rock & Roll」。やはりオープニングはこれでなければならない。久しぶりに聴くルイスのライブボーカル、繰り返しになるが、全盛期から何ら衰えはない。熱く、そして兄貴風を吹かせるたまらないボーカルである。演奏はブラス隊を全面に出し、間奏はもちろん「Johnny!!」のかけ声から始まるジョニー・コラのサックスソロだ。アウトロはルイスのハーモニカをフィーチュアしている。2,3曲目は2001年の「プランB」から。このアルバムからは3曲収録されており、単なるグレイテストヒッツの選曲に終わらせないところも意気込みを感じる。特に2曲目「So Little Kindness」は私の好きな曲で、ムードたっぷりのギターにブラス隊がからむバックにルイスが小技を取り入れつつ、迫力あるボーカルを乗せる。
4曲目はユニークである。「I Want A New Drug」」「Small World」の2曲をメドレーでつないでいるが、この2曲はいずれもアンコール手前の曲の定番だった。当時は長いジャムセッションを取り入れていたが、今回はコンパクトにまとめている。それでも、間奏ではブラス隊とシーン・ホッパーの隠し味をきかせたバックに、ギターが自由にソロを聴かせる展開。そこから「Small World」へと突入する。その「Small World」、ブラス隊とリズムセクションのやはりさりげないビート感がよい。スタジオテイクでは感じなかったよさを出している。5曲目「あなたを夢見て」は、ブラス隊が甘く、それでいてオールドスタイルのR&B感を演出し、そしてサビのコーラスワークが素晴らしい。思わずコーラスパートを一緒に歌ってしまう。L&Nの真髄がここでも発揮されている。6曲目は大ヒット曲「The Power Of Love」。否応なしに盛り上がりますね。

7曲目「Do You Believe In Love」は私の大好きな1曲なのだが、意表をつくアレンジだった。演奏を控えめに、すこしテンポを落として甘く仕上げている。コーラスも控えめにしてルイスはじっくり歌い、そのうまさを実感できる。だが少し寂しい。私は、西海岸の風を運んでくれるような、初期の曲に見られるパワフルなポップ感が好きだったのだが。
しかしその分、8曲目「Some Of My Lies Are True」がしっかりと補ってくれる。まさに初期のはつらつとした演奏を全面に出している。ギターもガッツのある音を出し、2ndバースやサビのコーラスワークも実に楽しい。この曲、1stアルバムに収録されているようだ。私は聴いたことがなかった。不覚である(苦笑)。9曲目「It's All Right」は、L&Nの十八番アカペラ。10曲目「Bad Is Bad」もコーラスワークを全面に出した曲だが、ポップ、ロックな曲を中心にするバンドであって、こういう曲をさらりとできるところが、L&Nの強みでもあると思う。苦手な曲ではあるが、逆に強力なアクセントになる。手堅いコーラスをバックに、ルイスも力強いボーカルを披露している。

11曲目はこれもL&Nの真髄といえるだろう、「Heart And Soul」。ここではなんといってもファンの熱気が素晴らしい。L&Nの演奏と強力な一体感を見せ、はっきりいって「The Power Of Love」以上の盛り上がりを見せるのが実に頼もしい。12曲目「But It's Alright」は94年のカバー集「Four Chords & Several Years Ago」に収録されている。私はこれも苦手なアルバムなのでほとんど聴いていないが、今回はブラス隊を全面に出し、やはりR&Bを意識した演奏となっている。ルイスもルーツを歌っているためか、楽しそうなボーカルを聴かせる。

13曲目「Hip to Be Square」からはギアがトップに入りっぱなしになる。スピード感あふれる演奏、ブラス隊、サックスソロともに吹きまくり。それを煽りまくるビル・ギブソンのドラムもここぞとばかりに手数が多くなっている。もちろん、ルイスのボーカルも観客の熱狂に油を注ぐようだ。14曲目「We're Not Here For A Long Time」は「プランB」から。一体感のある楽しげな演奏、エンディングはギターソロ〜サックスソロとつなぎ、ここでもギブソンが力強いドラムを見せる。
15曲目「Back In Time」はアンコールの定番曲。最後は人気の高いバラード「Doing It All For My Baby」で、甘く締める。甘いといってもコーラスワークがしっかりしているのはさすが。できれば、「Workin' For A Livin'」で締めてほしかったが、これはDVDに期待するとしよう。

現役バンドとしての自信と貫禄、そして熱気を感じさせる素晴らしいライブだった。だから毎度お馴染みの言葉(笑)でこの感想文を締めるとしたい。是非とも来日を! 必ず見に行きます。

 

2005年12月12日追記 DVD版

<DVD版>

Huey Lewis & The News   「Live At 25」 (2005)
国内盤 ワーナー(WPBR90478)
(収録予定曲)
01. The Heart of Rock & Roll   02. So Little Kindness   03. Thank You #19
04 I Want a New Drug / Small World   05. If This Is It   06. The Power Of Love
07. Do You Believe In Love   08. Some of My Lies Are True   09. It's All Right
10. Bad Is Bad   11. Um, Um, Um, Um, Um, Um   12. Heart And Soul
13. But It's Alright   14. Hip to Be Square   15. We're Not Here for a Long Time
16. Back In Time   17. Doing It All for My Baby   18. Workin' For A Livin'
(bonus track)
19. Rhythm Ranch   20. Trouble In Paradise   21. Stuck With You
22. Buzz Buzz Buzz 

発売から時間が経ってしまったが、やっと見ることができた。全体の感想はCD版と同じなので、DVDを見て気がついたことを中心に書いてみたい。
会場はやはり小さいライブハウスのようだ。しかし、私が過去3回見たライブでの熱気、メンバーの真摯な姿勢は全く変わっていない。また会場の盛り上がりも十分である。ベテランミュージシャンのライブでは、客席は座っておとなしく聞いているというのも多いが、これは全員が最初から総立ち(といっても、オールスタンディングの会場だからでもありますが)。
2曲目「So Little Kindness」や3曲目「Thank You #19」を見ていると、CDよりブラス隊のグルーブが伝わってくる。また「Thank You #19」では、ジョニー・コラがリズムギターを弾き、新加入のステフ・バーンズがソロを弾いている。アウトロはブラス隊をバックに熱いソロを披露。このライブではソロはバーンズに任せることが多いようだ。
4曲目「I Want a New Drug / Small World」は、ルイスのブルースハーブとコラのサックスのデュオがやはり絵になる。もともとニュースというバンドは派手さはないが、堅実な演奏が売りだった。ここでも、ビル・ギブソンのツボを押さえたドラムが地味ながら、光っている。
さて、主役のルイス。ステージアクションに全く衰えはない。顔のしわは以前より深く刻まれているが(笑)、円熟味を増したということでもある。5曲目「あなたを夢見て」でも、派手な動きこそしないが、全身で歌い上げるような思いが伝わってくる。6曲目「The Power Of Love」では、確かに高音がつらくなったかなという部分もあるが、そこをおなじみのスタイルで、そしてハートで乗り切る

7曲目「Do You Believe In Love」はCDと印象が変わった。演奏を始める前に、ルイスが長年のファンへの謝辞を述べるのだ。そしてこのスローテンポでの演奏。そう、ファンへの感謝を込めた曲にしていたのだ。納得である。9曲目「It's All Right」では、ルイス、バーンズ、ギブソン、コラ、シーン・ホッパーの5人が並んでアカペラ。CDよりよりライブの情景が伝わってくる。11曲目「Um, Um, Um, Um, Um, Um」はCD未収録曲。ブラス隊とギターをバックに、またまた5人でアカペラ。カバーということだが、R&Bをベースにした楽しい演奏、そして楽しい歌声を堪能できる。これもまた、L&Nのライブの醍醐味である。

12曲目「Heart And Soul」以降のロックンロールを全面に出した展開は、わかっていたとはいえやはり燃える。14曲目「Hip to Be Square」は、ブラス隊の勝利だと実感。15曲目「We're Not Here for a Long Time」では、演奏だけではなく、会場も本当に一体になっている。私はライブではことさら一体感を重視するので本当にうれしい演奏だ。
CDではわかりにくかったが、16曲目「Back In Time」からがアンコールだった。ルイスのボーカルは、「The Power Of Love」でこそやや苦しいところがあるが、他の曲では申し分ない迫力と声量を見せている。アンコールに入ってからも健在で、ギターソロにあわせてノリのよい合いの手を次々と入れてくる。最後はCD未収録の「Workin' For A Livin'」。おおっと、ルイスお得意のジャンプでスタート! 最後ということでメンバーの演奏も、より気合いが入っている。
見終えた後の感想・・・・やはりロックンロールのステージはこうであってほしいと思った。とにかく楽しい。年月を経ても、ルイス節、ニュースの繰り出すグルーブは不変である。

DVDにはボーナス映像として、4曲追加されている。
「Rhythm Ranch」:このライブの未収録曲。「Plan B」からの選曲である。ここでは、シーン・ホッパーのピアノが間奏で活躍する。本編に入れてもよかったのではないだろうか。
「Trouble In Paradise」:85年のライブ映像。メンバーがみな若い(笑)。会場もアリーナ級だった。それにしても、コーラスの楽しさは変わっていない。ブラス隊が5人もいるが、タワー・オブ・パワーのホーンセクションだろうか。
「Stuck With You」:87年のライブ映像。ちょうどこのころ、私は初めて来日公演を見た。
「Buzz Buzz Buzz」:82年のテレビ出演の映像。ちょうどバンドが上昇気流に乗る頃である。

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