<ヒューイ・ルイス&ザ・ニュースの新譜「Plan B」発売中>

 「Plan B」 (2001)
輸入盤 米Silvertone Records (01241417672)
01. We're Not Here For A Long Time (We're Here For A Good Time)    02. My Other Woman 
03. I Ain't Perfect    04. When I Write The Book    05. I'm Not In Love Yet (With Wynonna) 
06. Thank You #19    07. Plan B    08. The Rhythm Ranch    09. Let Her Go And Start Over 
10. I Never Think About You    11. So Little Kindness 

国内盤 ゾンバ・レコーズ・ジャパン (ZJCI13007)
上記11曲にボーナストラック1曲追加
12. Plan B  (live)

ヒューイ・ルイス&ニュース(以下HL&N)の、待望の新譜がついに発売になった。彼らのアルバムとしては94年の「Four Chords & Several Years Ago」があるがこれは彼らのルーツとするロックンロールやR&Bのカバー集であった。その前は91年の「Hard At Play」である。実に10年ぶりの新譜と呼んでもよいのではないだろうか

そしてこのアルバムではバンドの強化を図っている。まずは96年のベスト盤収録の新曲よりマリオ・シポリナからスイッチしたベースのジョン・ピース、そしてその時にホーンセクションとしてクレジットされていた3人が新たに正式メンバーとなった。
曲作りには今まで以上に新旧メンバーが積極的に参加しており、ほぼ全曲にルイスと共に曲の作者に名前を連ねている。
プロデュースはルイスとジョニー・コラ。そのコラはエンジニアも担当しており、サウンドクリエイト面での貢献が大きいようだ。

今回の新譜は新メンバーの活躍が大きく貢献している。シンプルなリズムの中から厚みのあるホーンセクションがブカブカと迫ってくるグルーブ感がロックンロールやR&Bを渋く、かっこよく伝えてくれる。つまりサウンドは86年の「Fore!」に見られる強力な売れ線路線を押さえ気味にして、83年の「Sports」を主軸に前出の「Hard At Play」や88年の「Small World」のエッセンスを加えた感じだ。

1曲目「We're Not Here For A Long Time 」は疑似ライブのような作りにし、各パートの見せ場も多い、「ルイスはこれでなくっちゃ!」と思わせる楽しいオープニングだ。歌詞が「さあ、辛い日常から離れて楽しもう!」というこれまた彼ららしいものである。
3曲目「I Ain't Perfect」はホーンセクションがアダルトに迫りつつ、クリス・ヘイズのギターとシーン・ホッパーのさりげないシンセが絶妙に絡む。これにルイスがちょっと緩急つけた歌い方を披露している。
4曲目「When I Write The Book」がおもしろい。なんとニック・ロウデイブ・エドモンズの作曲である。このアルバムのために用意されたものではなく、カバーであろう。この曲をHL&Nとしか言いようのないポップなロックンロールに仕上げており実に見事だ。80年代のヒット曲を思い起こさせてくれる1曲でもある。
5曲目「I'm Not In Love Yet」はルイスと"Wynonna"なる女性歌手とのデュエット。HL&Nのアルバムでデュエットが収録されるのは初めてである。意表をつくアダルトなラヴァーズソウルである。ルイスにこういう芸当が出来るとはさすが、芸達者な男だ。また"Wynonna"もさらりと、それでいてムーディに歌い上げている。有名なシンガーなのだろうか?(済みません、最近の音楽シーンにとんと疎いもので)

このアルバムにはライブ映えする曲が多いが7曲目であるタイトル曲はまさに真骨頂を見せる。彼らの強み、そして復活を強くアピールする頼もしい1曲。R&Bをベースにしつつ、曲中に「プランB!」と叫ぶ場面を用意してくれており、ホーンセクションも大活躍、ライブへの期待が否応なしに高まる。
8曲目「The Rhythm Ranch」はアメリカンミュージックを敬愛する彼らならではの曲。ルーズなロックンロールに乗せて、先達たちへの賛歌を歌っている。

最後の「So Little Kindness」、これも大好きな1曲になりそうだ。締めくくりにふさわしくルイスのボーカルにも気合いがより一層気合いが入っている。ヘイズのギターも軽快でよい。

このアルバムは80年代の彼らのヒット曲に比べると若干地味に聞こえるかもしれない。しかし今から考えると「Sports」も相当地味な作品だった(笑)。その「Sports」と同様、長く聴くことができるアルバムに違いない。また昨年のドゥービー・ブラザーズの新譜に共通するようなキャリア相応の円熟味も感じさせてくれる。
(2001年8月)

2001年10月5日 追記
国内盤にはボーナストラックとして「Plan B」のライブバージョンが追加収録されています。

 (裏ジャケットより、9人編成となった現在のメンバー)


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