■海外研修日記


●スペイン(1)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
#1327 海外研修日記(24)
新さん 1991/11/15 19:54
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

さてスペインであります。

フランス国境を越えると、いきなりオートルートにおじさんが風呂敷かついで歩いていて、なるほどここはスペインだ。道が悪くなる。今までまったくの平地だったのがいきなり山道になる。ピレネーだ。

うんうんうなりながら山を登ると急に開けた台地になる。スペインは台地の国だということがよく解る。車で走ると地形の変化、民家の作り、人の顔の変わり方までよく分かる。思わずマイフェアレディの"Rains on Plain in Spain"を口ずさんでしまう。ここまでの道は気持ち良かったなあ。


途中ブルゴスに寄る。ここには大きなゴシック様式の聖堂がある。ちょうど日曜日で皮ジャン着た兄ちゃんや着飾った子供達やおじさんもおばさんもみんな教会に行くのだった。スペインは熱心なカトリック教徒なんだ。

教会の前に人だかりがしている。なんだろう。いやにみんなめかしてるなあ。女の人は一張羅の毛皮のコートを着ている。結婚式だ。待ってると花嫁花婿が出てきた。一斉に米が投げられる。隣のお兄さんが米をくれたので私も投げた。白い車に白い大きな花束をつけて二人は新婚旅行に出かけた。いいなあ。

さて、高速に戻る。今日の昼飯はフランスの弟のところで用意してくれたお弁当だ。パーキングの静かなピクニックテーブルで広げる。袋の中身は、バゲット、チーズ2切れ(これが大きいの)、サラミ、赤葡萄酒(夕べの残り)、それに洋梨。買ったばっかりのお百姓が使うナイフで食べる。フランスの農民の典型的な昼飯だ。うまかったよう。

スペインの北はDrySpainといわれる。荒れ地だ。どこかでみた風景だ。そうだ、カリフォルニアだ。地名のLaSienegaとかLasParomasとかも聞いたことがあるぞ。赤い不毛の地、なんにもない荒れ地。スペイン人がアメリカ西海岸を発見したとき、彼らはそこに祖国を見たのではないだろうか。

高速を走ってるとさーっと雲が切れて日が射す。おお、これはグレコの光ではないか。しかし、快調に走ってると突然高速が終わって、予告もなしに普通の田舎道になるのはかなわんなあ。ここを又猛烈な勢いで追い越してくんだ。すごいよ。 さて。





マドリドは思いのほか広い。成熟した女のような街だ。古い良い街だ。スペインもなかなかだぞ。しかし天気が悪い。どんより曇ったままだ。去年は2カ月も日が照らなかったそうだ。たまらんなあ。

世界5大美術館の一つ、プラド美術館で1日過ごす。今回は「モナ・ウインク」という美術書を持ってきた。ヨーロッパの主要美術館の所蔵品を展示順に詳しく説明してくれるありがたい本だ。1枚の絵ごとにその歴史、美術史における位置、絵の構成、絵筆のタッチに至るまで解説してある。しかも、前書きで、必要なところだけ切りとって持参しろとある。ガイドブックのお手本みたいな本ではないか。絵が実によく解る。

ここにはこのガイドブック片手に延べ7時間居た。堪能しました。少なくとも大事なものは全て見た。良かったのはベラスケス、ゴヤ。特にゴヤは作品を年を追ってみることが出来る。この人は絨毯の下絵から始まって、宮廷画家、有名な「裸のマヤ」。そして革命の絵、晩年の自宅に描きなぐった壮絶な絵に至るまで、波乱の絵画生活を送っているので、こうやって通してみるとよく解る。

(スペイン続く)

[Back] [Index] [Next]