●カバンが旅を変える

荷物は少ないほど、軽いほど快適な旅が出来る。これはいくら言っても言い過ぎることはないだろう。「荷物は機内に持ち込めるバッグ一つだけ」が旅の鉄則だ。ビジネス旅行でも、家族旅行でも、個人旅行でもそれは変わらない。機内持ち込みのカバン一つで旅をしたら、もう元には戻れないだろう。

持っていく服とスーツケースを前に途方に暮れたことはないだろうか。どうやったらこんなに沢山の荷物をパッキング出来るんだろう。

「ひょっとしたら症候群」にかかってはいないだろうか。ひょっとしたらアイロンが必要になるかも、ひょっとしたらダイビングをするかもしれない、ひょっとしたらホテルにテニスコートがあるかもしれない、ひょっとしてトイレットペーパーがなかったらどうしよう。ひょっとして晩餐会に呼ばれたら。ああ、どうしよう。
出張の帰りにビーチリゾートに立ち寄りたい、旅行で真冬の南半球に行くことになった、旅の途中でトレッキングをする予定だ、サイクリングもしてみたい。どんどん荷物が増えていく。鞄一つなんかに絶対収まらないよ。
でも、大丈夫。「機内持ち込み用バッグ」でどんなシチュエーションでも、どんな場所への旅行でも、何週間の旅行でもこれ一つで大丈夫。一度、機内持ち込みバッグで旅をすると二度と思い荷物を引きずって旅をしたくなる。旅のスタイルそのものまで変わってしまうはずだ。

●なぜ「機内持ち込みバッグ」か

現在年間6億個以上の鞄が飛行機で運ばれている。その内の何%かは確実にロストする。航空会社の名誉のために言うと本当にどこを探しても預けたバッグが出てこないケースは年間3万件あるかないかだという。毎日世界中で飛んでいる飛行機の数を考えると悪くない数字だ。

でも、預けたバッグがスリランカやアンカレッジに行ってしまうことは頻繁に起きる。どこかに行ってしまった荷物を取り返すのには時間がかかる。私はLAで3日間荷物が来なかったことがある。その間、ずっと同じものを着続けていた。しようがないので会社にもジーンズで通い、パンツだけ買ってしのいだ。

荷物を自分で機内に持ち込めばそんな心配はなくなる。もっといいことに機内で寒かったらバッグの中からセーターを出して着ることも出来る。歯も磨ける。

実は機内に持ち込むと盗難を避けることも出来る。預けたバッグを盗まれたり、バッグを開けられて貴重品を盗まれる事故は後をたたない。ベルトに乗ってチェックインカウンターの裏に消えていった自分の荷物を守るすべはない。

しかも、その裏側に回ってみると自分の荷物がいかに乱暴に扱われているかに唖然とするだろう。それも無理はないのだ。全ては自動的にてきぱきと能率的に処理される。あなたの大事なバッグなど誰が構ってくれようか。自分のバッグを守るには自分で持ち込むしかない。

機内持ち込み荷物の最大の利点は素早い空港からの離脱だ。さっと荷物を担いで税関を通り抜けよう。あなたが市内に向かうバスに乗る頃、他の客はまだ出てこない荷物を待ってカールセルの前でいらいらしているだろう。私は飛行機が成田に着陸して20分後にはもう東京行きのリムジンバスに乗っている。

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