ダクトファン無尾翼機ペリカン

<事の始まり>
自転車つながりの知り合いに「箱犬Puppy」氏という方がいる。紙を使って色々なものを作って楽しでいる人物なのだ。
彼が企画した紙飛行機を以前お会いしたときに飛ばさせていただいた事が忘れられず、それならRC化しようと勝手に立ち上がったのだった。
これには最終目標があって、自転車の荷台にひょいと積んで、広場があったら飛ばすという計画…実現は遠いかも。
早速、氏のサイトから図面をダウンロードしRC向けの図にCADを使ってモディファイを試みた。
持ち運びと飛びを考慮し、スパンを500mmに設定し仮組みした機体。
見守っている四角い顔は箱犬のパピー君だ。
素材はEPPで補強部分にはアイエムのスーパー発泡と、カーボンロッドを仕込んだ。
フルプランクのEPP機というわけで、モーターは50クラス、電源はリチウムポリマー7.4V/480mA。
操舵はラダーを廃してサーボ2個作動によるエレボン仕様。
とりあえず翼の形状はクラークYにしてみた。
さて…飛行はいかに。
そんでもって結局はテスト飛行で墜落中破した「ペリカン号」
墜落したということは飛んだということなので素晴らしい事なのですぞ。
モーター全開で手を離れた機体は、そのまま右に捩れながら墜落。
色々調整しても同じなのでエルロンで修正を加えつつ思い切り投げ上げてみた。
結果は写真の通り…自慢の鼻がつぶれ、胴体は上下で泣き別れ…とほほ。
無尾翼プッシャー式の飛行機は色々とお約束があるようで、なんだか勉強する内に全てを変更しなくてはならない予感。
飛ぶまで頑張ろう〜。
前回は箱ボディにクラークY形状の主翼、それにプッシャー式で挑んだ「ペリカン号」。
壊れた機体を直すより作った方が早いという航空工廠の判断から新造機を投入した。
その際先ずは飛行する機体を製作し、それを出来るだけ小型化するという方向に路線変更。
実験機ということで今回は製作も修理も簡単な板形状でのリトライだ。翼はへの字キャンバーにカーボンスパーになった。
色々研究し、諸先輩の意見を聞きつつ翼端だけ跳ね上げてナンチャッテS字キャンバー翼型にしてある。
動翼は当然エレボンだ。
今回最大の改良点は動力を50クラスプッシャープロペラから350クラスダクテッドファンにしたこと。
これは重心の集中化を行うと共に、機体を大型化(スパン600mm)したため出来たこと。先ずは飛ばすのだ。
換気扇の様なファンでジェット機まがいに気流を噴出して飛行するのがダクテッドファン。
初速は必要だと思うが、扱いはしやすそうだし、テストで回すと引きも十分にあった。
バッテリーはリチウムポリマーの7,4V/730mAに容量を大きく変更した。
本体の補強にはホゾ組でクロスにデコパネを入れた。主翼もデコパネだ。
車輪は着陸用で、ラダーが無いので滑走離陸は無理。
なかなか精悍な姿。これで飛んでくれりゃあ言うことなし!
推力は十分あるようだし、重心もしっかり予想位置に測りつつ組み上げたので今度は飛ぶはずだ。
無尾翼機の特性も「ラジコン技術」誌で読んだ(笑
なんとしてでも今回の飛行ではリベンジを果たしたいものである。
早朝5時30分。人気の全く無い日曜日専用飛行訓練場の真ん中に立った。
今日は「ペリカン2号」初飛行の日。どんな飛行機でも初飛行は緊張するが、今日は特に緊張した。
無尾翼機、動力はダクテッドファン、動翼はエレボン…と初めて尽くしの初飛行だからだ。この頃慣れのせいでポカミスが多い。プロポ機種選択の誤り、アンテナの伸ばし忘れ…。
そんな事の無いように、慎重に舵の動きをを確かめ、辺りもよく観察し、飛行ルートをイメージしながら準備を整えた。
いよいよ其の時がやってきた。
ダクテッドファンは初速が大切のような気がするので、出来るだけ走って早く水平に押し出す…イメージしつつ疾走開始。
ンパッ!と手を離すと…おぉ!まっすぐに飛んで行くぞ!ダクテッドファン独特の音を響かせながら少しづつ高度を上げてゆく。
よしよし…ここで第一旋回…とエルロンを左に切った瞬間…機体は水平スピンに突入、その後一気に頭を下げて墜落…う〜ん、こんなイメージでは無かったはず。
その後は、動翼を上げたり下げたり、重心を前にしたり後ろにしたりしたが、最初の飛行が一番出来が良い…という体たらく。
なかなか一筋縄では行かないなぁ…と、言うわけで、次回は上半角を加えたS字キャンバー翼でリベンジのリベンジをするぞ!と心に誓うのであった…。
前回。直線番長だったペリカン2号機であったが、これを更に作り直し全くの新型機となったペリカン3号機なのである。
今回はへの字キャンバーを廃し、新たにラジコン師匠のサイトに載っていた翼型を使用した。
厚翼のS字キャンバー翼の為、作り易さを優先し翼端を直線に設計変更。
オリジナルの設計とは違ってしまっているが、飛行しなければ唯の発泡スチロール。
リブとスパーには5mmデコパネを使用し、補強には1mmカーボン丸棒を使用。翼全体を3mmEPPでプランクしてある。
本体の補強ホゾ組みを廃し、全体に梱包テープを貼って補強とした。
ホゾが空力に影響を与えないための考慮のつもり。
サーポもアンプも手持ちで一番軽いものを使用し、タイヤも廃止。
動翼はスパン全体に及び、ダクトの後流が強く当たる部分のみ空けてある。
機体が垂直安定板の役を果たすと考え、翼上の垂直安定板の拡大率をオリジナルにも戻す。
1号機500mm、2号機600mmだったスパンを3号機では700mmに拡大。
グライダーっぽい飛行を目指しているのだがハテサテ如何だろうか。
最初の主旨である、自転車で手軽に持ち運べる…からはいささか外れるが…。
飛んでから縮小することにしたので先ずは飛んでくれないと…。
早速ペリカン3号機のテスト飛行。
前回と違って手投げでも滑空の感触が良い…これは上手く飛びそうな気配。翼型は大事なのだと改めて思い知らされた。
ファンの音も軽快に手投げ発航させると、バランスよく呆気なく上昇してゆく。
少し頭上げだったので、受重心を再度調整すると上手く飛ぶようになった。
が…どうにも旋回がモッタリしすぎ。フルエルロンを切ってもかなり大きな旋回なのだ。上半角の付けすぎか?
そんなことは無いと思うが。
上空を飛ばしていて、スロットルを絞ると、まだフラットスピンに入る時が多い…前よりはかなりマシだが。
ピッチ方向の安定は非常に良くなったが…いったい何が悪いんだ??
写真は発航を待つペリカン3号機とGWSタイガーモス改。
昨晩、今日のフライトに向けて今までの飛行の癖を思い出しながら調整した。
先ずは思い切って重心を前翼端より5mmほど前に持ってこようと、嫌っていたウェイトを20g程追加した。
重量は嵩むが、前回のデコパネへの字キャンバーよりこの翼は軽いのでOK。漸く計れた装備重量は220gとなった。
エルロンの効きを良くするため翼端に舵面を追加。ますますオリジナルから遠くなるが飛んでなんぼ。
更にアドヴァイス頂いたダクテットファンのダウンスラスト追加…とやれることは全てやった…。
いよいよ発進。無動力手投げの感覚では前回よりさらに良さそう!スーッと頭下げ気味に滑空して行く。
満を持してモーター80%の推力で手投げ発航!
飛んだ飛んだ!!
どうも失速臭い前回の飛行を踏まえて、思い切って重心を前にしたのが大正解。先輩諸氏の言うとおりだった。
多少左に旋回癖が残ったものの、トリム調整範囲内で呆気なく上昇。ぐんぐんと高度をとって行く。
ピッチ方向の安定性は非常に良く、エレベータも効いている。問題は旋回。
しかし思うに、トリムで傾きが取れると言うことはエルロンが効いている証拠。
失速も無く、横滑りもせずにモーターグライダー並みの旋回をしている。こんなもんで良しとしましょう。
思い切って傾け、垂直旋回に入れる。 失速もスピンなく、アドバンストヨーも発生の兆し無し。
中スローで水平飛行可能で飛行速度は非常にゆっくりだ。
次は失速のチェック。
回転数をそのままにエレベーターをアップで吊り上げてゆく。
左右に翼端失速することなく、ある程度で機首が一気に落ちる。リカバリも容易。
そのままスロットルを絞り、着陸態勢に持って行く。
スロットルにとても素直な印象。翼の抵抗が大きいせいだろうが扱いやすい。
今回は降着輪がない替わりに機体下面に5mm×t1mmカーボンがソリの様に貼ってある。
滑り込む様に一旦着陸させる。
フレアーを少しかけただけで弾むことも無く、地面効果で少し行き足が伸びたが足元に軟着陸。
心臓バクバクもようやく収まり、一息ついたのだった…。
気を取り直して今度はグライドのテスト。
推力全開で手投げ発進。上空20m程にあげてモーターオフ。全開だと少し頭上げのようだ。
やはり翼の抵抗が大きいようで、滑空はとても良い…とはいえないが、なかなかのもの。
吊り気味に8の字旋回をさせる。地上から見ると唯の四角い板が飛んでいる様にみえる。
滑空させるとそのままサーマルハントが出来そうなくらい、ゆっくりと飛んでいる。
上空には少し風が吹いているようで、風上に向けると止っているように見える。
保有機の中でも飛びの良い機体の部類に大昇格!
その後ローパスをさせたり、失速反転させたりして遊んでみる。
いずれの場合も危なげない飛行で、飛ばしていて安心できる機体に仕上がった様子。
パピィさんの紙飛行機が前身なだけあって、居合わせたペーパーフライヤーの皆さんウケが良い。
「無尾翼なのによく飛ぶねぇ」「真似して紙飛行機で作ってみよう」…と大盛況。
スケール機やファンフライには興味を示さない皆さんだが、無尾翼は好きなんだなぁ。
さあ!後はこれを如何に小さくし、携帯に便利でどこでも飛ばせる飛行機にするかだ!
色々ご指導頂いた皆様。本当にありがとう御座いました。
次回チャレンジは小型化への挑戦となるでしょう〜!