リフォームをしよう!


屋根を直したい

そもそものきっかけは、平成14年5月中ごろ、電柱か何かの工事関係者が「工事でしばらく迷惑をおかけします」と家に挨拶に来たことだった。 


「最近は粗品を持っていっても喜ばれないので、雨どいを掃除させていただきます」とおっしゃったそうで、母も「じゃ、お願いします。」と頼んだ。 すると、「雨どいはきれいでしたが屋根がひどいので修理されたほうがいいですよ」とのアドバイス。 デジカメで撮った画像をウチのテレビにつないで見せてくれたところ、瓦はうねり、下の板はずれているわで、よく雨漏りしなかったなと思うほどだったらしい。 そこで「以前頼んだことのある屋根やさんに来てもらいます」と、さっそく修理を依頼。


お願いした川崎市高津区に住むY住建のTさんは、「これはもう、家自体が古いし、屋根の下地そのものが悪いから、例え屋根瓦を全部とりかえてもダメ。 応急修理だけにしておきましょう。」と、5千円でやってくれたそうだ。 そして、向かいにあるアパートの外階段の2階に母を連れて行って、いろいろ説明をしてくれたらしい。 


更に、母が「玄関ドアを変えたくて、去年の夏、建具やさんに頼んだのに放ったらかしにされている。 キッチンセットも交換したい」とこぼしたら、「家が古いから玄関ドアはこのままでいいんじゃないの? おたくんちサイズ(要は安アパート並みってこと (^^;) )のキッチンセットなら安いのがあるし、簡単にできるから、私がやってあげますよ。 じゃ、土曜日にカタログを持ってきましょう」


ここも、あそこも

帰宅して、その話を聞かされた私が、「それならトイレも奥行きを広げてもらって、(和式の水洗トイレから)ウォッシュレットにしようよ」と言ったところ、「じゃあ土曜日に一緒に話を聞こう」ということになった。


Tさんは、10数年前、痴呆性の母親を新潟の実家から引き取って介護した経験があり、その時に新築の屋根の仕事ができなくなったのを機会に、簡単なリフォームができる資格をとったという。


Tさんに「トイレをウオッシュレットにしたい。 本当はお風呂もユニットバスを入れたいんだけど、それは我慢する」などと不満な点をあげて話しているうち、だんだん話が大きくなってきた。
「この部屋の窓側の部分を1/4間(けん)分出窓みたいに道路側に出すだけでも、ずいぶん部屋が広く使えますよ」
「ふーん、そんな風にできるんですか」
「この家は幸い角地に建っているし、(敷地に)多少のスペースがあるからできますよ。 それより、この家はかなり古いから、部分的に手直しするより、いっそのこと建替えたらどうですか?」
「もう年だから引越がいやなのよ。 仮住まいだと2度も引越をしなくちゃいけないでしょ」


更に 『ああしたい、こうしたい』 という希望が次から次へと出てきた。 でも、『たぶん、これは法的に無理だろう』と思うものもいくつかあり、「これはあきらめるけど、これはこうしたい」と言うと、「ご予算は?」 「ローンなしで1千万円くらい」と母がいう。 私は 『へぇ〜、大盤振る舞いだなぁ』 と思いながら聞いていたのだが、金額を聞いてTさんの目の色が変わってしまった。 その日、2時間ほど居たと記憶しているが、「来週、他の設備関係のカタログをいろいろ持ってきます」と帰っていった。


提案された工法

次の週末、Tさんは大工の棟梁 Wさんを伴ってやってきた。 この人は日本における「2×4住宅」を手がけたパイオニアである日本ホームズの仕事をしている工務店の社長さん。 「三井ホームズよりウチの方が早くはじめたんだ。 兄貴が1年間アメリカに住んで教わってきたんだから(30年以上前)」と言っていました。 故竹下登元首相の自宅や、元大臣の河野洋平さんの自宅も、Wさんのところで手がけたそうだ。 大きくて(最低でも建坪100坪以上)高級な住宅を専門に建てているらしい。 そんな人が、仕事仲間のTさんに頼まれて、我が家のリフォームをやってくれようというのか(@_@;)。 これってラッキーなのかも。


Tさんの説明によると、「着物をきせて帽子をかぶせるように作る」。 意味不明(?_?)。 説明を受けてビックリ。 本当に(違法建築なんだけど)そんなことできるの?!



聞けば、知り合いの大工さんがこのやり方で自宅を直したらしい。 我が家は増築しているので、提案されたやり方でサイズアップすると完璧に違法建築になるというのが気がかりではあったものの、完成すれば新築のツーバイフォーの家になる!という誘惑には打ち勝てず、「やっていただけるなら、よろしくお願いします」。


間取りプラン

新聞の折り込み広告で、住宅やマンションの間取り図を見るのが好きな人は多いと思いますが、ご多分に漏れず私もそうなのです。 だって、いつかは!と思っていたから。 Tさんに、 「希望の間取りだけそちらで考えてください」 と言われたので、さっそくインターネットで間取り図作成のフリーソフト 「イエスマ」 をダウンロードし、あーでもない、こーでもない、とプランを練る。 ただ、この無料版のソフトでは図面をそのままプリントすることができないという致命的な欠点がある(シェアウエア版の方はできる)。 それで、ウインドウズの中のアクセサリに入っている 「ペイント」 にコピー & ペーストし、印刷して家族に見せるという手順で、何度も何度も作り直した。


なんたってツーバーフォーなのだ。 我が家のように狭小な家なら丸ごと一つの部屋にしても大丈夫らしい。 実際、この間Wさんが貸してくれたのは、数ヶ月前に横浜市青葉区で引き渡したという豪邸の図面(A3見開き)。 お茶の先生の家なので、茶室もあるのだが、地下にはジムとバスルームとワインセラーまである! そのジムだけで我が家はスッポリ入り、しかもまだゆとりがある(^^;)。 世の中には金持ちって大勢いるものなのね〜。


家族で「これがいいんじゃない」と意見の一致を見たのは、玄関の位置は今と変えずに、両親の部屋・トイレ・浴室・洗面所兼脱衣所を1階に、キッチンとLD、トイレ、私の部屋を2階、納戸と弟の部屋を屋根裏にというプランでした。 ガラリと間取りを変えて親にボケられても困るしね。 TさんにPCの画面を見せながら、彼のアドバイスでところどころ修正し、プリントして渡す。


ところが、Tさんが工務店のWさんに見せると「これはこういう風に変更できないか?」と言われるらしく、数日後「すいませんが、ちょっと考えてみてください」と直しが入る。 70坪の敷地に40坪の家を建てるのなら簡単なのでしょうが、こちとら20坪弱しかないんですからね・・・(^^;;)


そんなことが数度あり、「この人、自分では図面を引けないんだな。 技術的にできるのと、我が家の条件でもできうるかは全く違う。 この人に頼んで本当に大丈夫かしら?」と不信感が芽生える。 でも、母は「できるって言うんだから、任せておけばいいのよ。 お金もあまりかからないし、いいじゃない。」とお気楽モード。


そんな中、電気屋さん、水道工事の人、プロパンガス会社の工事の人等々が見積のためにやって来た。 一応間取り図のコピーを渡したものの、「これは未確定なので、変更の可能性があります」と念を押す。 私が「床暖房を入れたい!」とか、「階段昇降機を取り付ける予定」とか、「キッチンの換気扇は『ハイキエース』にしたい!」等と言い出した為、Tさんが「そこらへんはオプション扱いでお願いします」。 もちろん、そのつもり。


「Tさんはああ言うけど、本当に我が家みたいに幅の狭い家で屋根裏なんか作れるのかなぁ?」と疑心暗鬼だったので、Tさんが自宅の屋根裏を見せてくれた。 彼の家は正方形に近い形なので、ちゃんとした階段を上がって屋根裏にのぼることができる。 でも、我が家の場合、ロフトみたいに梯子で上り下りするのはイヤだし、かといって階段を作る位置も難しい。 それに、長方形の我が家では、幅は1間程度しか取れないだろうな。 とりあえず、弟がエアコンを1日中つけさせてくれればOKというので、なんとか工夫してみようということになった。 でも、建物の幅が最低3間(けん)はないと、納戸として使い物にならないと思うんだけど。


住宅設備ショールーム巡り

設備を新しくして、憧れの生活を! というわけで、毎週末ショールーム巡りをした。 


浴室は、私達はユニットバスを希望したけど、Tさんが「在来工法の方がいいですよ」と主張するので、そこは妥協することにした。 でも、電気やらガスやらの工事をする人は「浴室内と脱衣所の間の敷居のあたりから腐ってくるから、10年もするとリフォームが必要」だという。 きっと、Tさんが仕事仲間のタイル職人にも仕事をあげたい気持ちで言ったのだろう。 


メーカーのショールームを何箇所も見に行ったが、最新のユニットバスはいろいろ工夫もされているし便利そうだなという気がした。 特に、建築関係の仕事をしている友人から聞いたことがきっかけで、東京・成城にある住宅展示場内のセキスイの介護用住宅や設備を見に行って、人間工学に基づき、実際にテストを繰り返しながら開発されたバスタブの中に実際に入ってみたりした結果、「建築士に設計してもらうわけじゃないから、センスの悪いデザインで在来工法のお風呂をつくるより、使い勝手のよさそうなこのユニットバスの方がいい! 第一、在来工法で1か月以上もかかるのは嫌だ!!」と、施主のわがままを通そうと決めた。


シャワートイレも、タンクのない水道直結型を2台つけるとなると、やはり高い。 でも、壁のリモコンパネルで操作できるようにしたいしね。


システムキッチンには食器洗い乾燥機が欲しいし、パネルは掃除の楽な鏡面仕上げがいいなぁ〜。 同じ理由で、換気扇は手入れの楽なハイキエース


階段昇降機は、我が家の場合、直線階段なので一番安くできるのだけど、どのメーカーのものも座る部分の座面が結構高い。45センチなんて、私でも爪先立ちになりそうだから、背の低い(足の短い)両親には不安定じゃないかなと思っていた。 でも、東京ビッグサイトでの介護用品の展示会を見に行ったときに見つけた「クマリフト」というメーカーのものは、工事のときに座面を3つの高さから指定でき、一番低いのは37センチに設定できるのだ。


そんなこんなで、基本工事は1千万円では収まらないだろうと最初から思っていたので2割増し、設備・家具関連は工事費も含めて500万円位はみておかなくちゃ。 予算が大きくふくらんだ。 親からも「お前もうん百万円は負担しなさい」とお達しがでた。


私が作った間取り図では、階段の幅を120センチにしたり、トイレなどを広めにとっている。 そうすると、しわ寄せは居室にくるのだ。 クローゼットやタンスを造りつけてもらうか、買わなくてはならない。 狭い我が家で30年以上も住み続けてこられたのは、押入れ収納がたくさんあるためだ。 押入れの半間は作りつけの洋服ダンスになっていて、下に2段の引き出し、クローゼット部分にはパイプを2本渡してあるので、結構たくさん洋服を吊るすことができる。 残りの半間は上段に布団をしまい、下段に押入れダンスを置いている。 家族の不満は「リフォームすると今よりも部屋が狭くなる(ー”ー;)」ことと、道路側(つまり窓がとれて明るい側)に洗面脱衣室・浴室・トイレが並ぶため、隣家側にある玄関ホールは暗くなるだろうということです。 玄関が暗いのって気分もよくありませんよね。


お流れ

何回も何回も間取りを作り直させられてが、ようやく『結局、最初のプランとほとんど同じ』プランでいこうと決まり、「じゃあ、これで見積を出しましょう。 CADで図面をひいてもらって見積と一緒に持ってきます」と言われ一安心。 だって、このTさん、6月当時仕事がよっぽど無かったとみえて、「この仕事は絶対とる」という決意をしたのだろうが、見積も提出しないうちに、『リフォームでご迷惑をおかけしますが、よろしく』という内容の案内状と粗品を近所に配ってしまったのだ。


ところが、その日を最後にバッタリ顔を見せなくなった。 その少し前、「11月引渡しで一軒リフォームを引き受けた」と聞いていたのだが、敷地の狭い我が家で、基礎のために掘ったり、取り外した瓦屋根を砕いて基礎に敷くなどという廃物利用、更には住みながらのリフォームだから、養生シートをしながら古屋の部分を手で壊さなくてはならない等が面倒くさくなったのかもしれない。


私達が「これは無理じゃないか」と思ったことを「いや、大丈夫。 できますよ」と太鼓判を押したくせに、我が家で実際にできるかどうかという肝心なことが自分でわかってなかったんじゃないだろうか。 きっと仕事欲しさで調子のいいことを言ったのだろう。 母までが「ひどいわね」と言い出す始末。


たぶんこの話は白紙に戻るだろうと見極めをつけたうえで、一応「見積を○月×日までにください」と奥さんに伝言しておいたが、予想通り何の連絡もないままで、締切期限が過ぎてしまった。



新築マンションを買おう!」に続く