●54社が賛同●「Googleブック検索和解案反対」・「オプトアウト宣言」賛同社リスト
「Googleブック検索和解案への反対」の意思表明
「和解からのオプトアウト宣言」通告のよびかけ(2009年8月24日)
●来日原告団との意見交換、会長コメント
(2009年6月2日)
●Google和解問題、記者会見●5月18日(月)14時〜
すべての著作者、出版社へ
── Google和解から離脱(オプトアウト)しても「道」はある──
記者会見●配付資料/Google和解問題について
●速報●【グーグル問題】
最終期限を9月4日に延長●米司法省、Google和解で独禁法違反の調査開始
『New
York Times』(2009年4月29日)によれば、
アメリカ司法省が、Googleブックサーチサービスにおける、著者と出版者とGoogleの和解に関して、
和解に反対するthe Internet ArchiveとConsumer Watchdog(消費者団体)などから意見を聴いた
結果、独禁法違反で調査開始することを決定、和解当事者に通告した。
また、28日に、グーグル和解を監督する連邦地方裁判所のデニーChin判事は、和解離脱の最終期限を、
和解を理解するには時間がかかるとして、4か月延長することを決定した模様。
和解当事者からはいずれも、現時点でコメントが出ていない、とのこと。
出版物(自社の本)は、自分で守っていこう●Google和解案にとるべき道
(2009年4月20日)
●声明●アマゾンの値引き販売の中止を求め、再販契約の遵守を求める(2009年3月5日)
●緊急保証制度・対象業種への追加指定を中小企業庁に要請
・ブログをテスト開設 http://ameblo.jp/ryuutai/──こんな本があります、いま
・電子タグ装着にあたって、出版界がふまえるべきこと ●流対協見解●
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「Googleブック検索和解案反対」・「オプトアウト宣言」賛同社リスト
「Googleブック検索和解案への反対」の意思表明 @
「和解からのオプトアウト宣言」通告 A
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(賛同社一覧・2009年8月28日・正午現在)
あけび書房・久保則之
梓出版社・本谷高哲
アスラン書房・藤本和秀※
ありな書房・松村豊
イザラ書房・澁澤浩子
インパクト出版会・深田卓
凱風社・小木章男
海鳴社・辻信行
海象社・山田一志
影書房・松本昌次※
雁思社・吉村三郎
気天舎・西岡泰和
健康と良い友だち・市川玲子
現代書館・菊地泰博
現代人文社・成沢壽信 《@のみ》
合同出版・上野良治
コスモの本・石田伸哉
子どもの未来社・奥川隆※
コモンズ・大江正章
彩流社・竹内淳夫
桜井書店・桜井香
三元社・石田俊二
ショパン・内藤克洋※
新宿書房・村山恒夫
新泉社・石垣雅設
水声社・鈴木宏
すずさわ書店・青木大兄※
スタジオタッククリエイティブ・高橋矩彦
生活思想社・五十嵐美那子※
世織書房・伊藤晶宣※
せりか書房・船橋純一郎
創土社・酒井武史
蒼土舎・内藤克洋※
大蔵出版・青山賢治
知泉書館・小山光夫
筑波書房・鶴見治彦
柘植書房新社・上浦英俊
同時代社・川上徹
七つ森書館・中里英章
白澤社・吉田朋子※
晩成書房・水野久
ひかり書房・野崎渡※
美乃美※
批評社・佐藤英之
本の泉社・比留川洋
道出版・佐藤彰
めこん・桑原晨
木犀社・遠藤真広
唯学書房・村田浩司
雄渾社※
有志舎・永滝稔
リベルタ出版・田悟恒雄
緑風出版・高須次郎
ルック・国吉真栄※
(出版社名50音順/※印は会員外出版社)
出版流通対策協議会(会員99社/会長・高須次郎=緑風出版)
(賛同される社は至急、
流対協事務局
/FAX 03-6279-7104 まで
●8月28日第一次締切●10月7日現地公聴会の直前まで継続)
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「Googleブック検索和解案への反対」の意思表明
「和解からのオプトアウト宣言」通告のよびかけ
私たちは、今回のGoogleブック検索和解案に反対し、和解参加を拒否、和解からオプトアウトします。
9月4日に迫ったオプトアウト期限にあわせて、私たちの意志を伝えるため、ニューヨーク南部地区連邦地裁判事とGoogle本社のCEO、日本法人、和解管理者に以下の文書を送付することにしました。多くの出版社が賛同され、連名されるよう、呼びかけます。
オプトアウトした出版社はもちろんのこと、オプトアウトを予定している出版社、和解に対してどう対処するか決めかねている出版社、いろいろな事情があるとは思いますが、最終期限の前に、私たち出版社の意志を、アメリカの当事者に伝えていきたい思います。
●参加希望社は至急、流対協事務局/FAX:03-6279-7104
まで
●8月28日締切、当日送付予定
《よびかけ人●16社》
イザラ書房・澁澤浩子
インパクト出版会・深田卓
凱風社・小木章男
現代書館・菊地泰博
コモンズ・大江正章
彩流社・竹内淳夫
桜井書店・桜井香
新宿書房・村山恒夫
水声社・鈴木宏
創土社・酒井武史
大蔵出版・青山賢治
柘植書房新社・上浦英俊
晩成書房・水野久
批評社・佐藤英之
唯学書房・村田浩司
緑風出版・高須次郎
《以上、出版社名・代表者名/出版社名で50音順》
出版流通対策協議会(会員社99社/会長・高須次郎=緑風出版)
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ニューヨーク南部地区連邦地裁 連邦判事 Denny Chin 殿
●Googleブック検索和解案に反対です!
われわれ日本の出版社は、日本の出版文化をGoogleから防衛するため「Googleブック検索和解案」に反対する。
Googleが商業目的で本の版面を出版社や著者に無断で組織的かつ大規模にスキャンした行為は、著作権法違反の違法行為であることは明白である。したがってそのような行為に基づいた「Googleブック検索和解案」は受け容れられない。
絶版本をデジタル化して読者に提供するという謳い文句と実体は、まったく異なっている。現実には、日本の出版社の販売中の大量の本がすでにデジタル化されている。また、日本においても著作権者が不明な「Orphan
Books」は大量にあり、「和解案」が成立してしまえば、それらの使用権などが、無条件でGoogleに与えられてしまうことになる。これは、「Orphan
Books」について条項を設けている日本の著作権法に抵触する。
「Googleブック検索和解案」は、アメリカ国外の著作権者について、まったく配慮していない。日本の権利者にはいまだに、和解管理者からの正式な通知はされておらず、和解案全文の日本語訳も提供されていない。
日本の出版社と著作権者の権利は、アメリカ国内においても、ベルヌ条約によって厳に保護されていることを、われわれは確信している。
われわれは、Googleによってもたらされた損害に対して、賠償請求権を放棄しないことを通告するとともに、「Googleブック検索和解案」に参加しないことを表明する。
貴裁判所が、かかる和解案を却下することを求める。
2009年 8月28日
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Google, Inc CEO Eric Emerson Schmidt 殿
Google, Inc 日本法人・代表取締役社長 辻野晃一郎 殿
Googleブック検索和解管理者, Rust Consulting, Inc. 御中
●Googleブック検索和解案からオプトアウトします!
われわれ日本の出版社は、日本の出版文化をGoogleから防衛するため「Googleブック検索和解案」に反対する。
Googleが商業目的で本の版面を出版社や著者に無断で組織的かつ大規模にスキャンした行為は、著作権法違反の違法行為であることは明白である。したがってそのような行為に基づいた「Googleブック検索和解案」は受け容れられない。
絶版本をデジタル化して読者に提供するという謳い文句と実体は、まったく異なっている。現実には、日本の出版社の販売中の大量の本がすでにデジタル化されている。また、日本においても著作権者が不明な「Orphan
Books」は大量にあり、「和解案」が成立してしまえば、それらの使用権などが、無条件でGoogleに与えられてしまうことになる。これは、「Orphan
Books」について条項を設けている日本の著作権法に抵触する。
「Googleブック検索和解案」は、アメリカ国外の著作権者について、まったく配慮していない。日本の権利者にはいまだに、和解管理者からの正式な通知はされておらず、和解案全文の日本語訳も提供されていない。
日本の出版社と著作権者の権利は、アメリカ国内においても、ベルヌ条約によって厳に保護されていることを、われわれは確信している。
われわれは、Googleによってもたらされたあらゆる損害に対して、賠償請求権を放棄しないことを通告するとともに、「Googleブック検索和解案」からオプトアウトすることを、ブック検索和解管理者の指定する方法にしたがうことなく、わたしたちの流儀で表明する。
2009年 8月28日
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来日原告団との意見交換、会長コメント
2009年 6月 2日
流対協は5月28日11時から帝国ホテルで、来日中のGoogleブック検索和解の原告側法律顧問らと2時間にわたって意見交換した。出席したのは、
全米出版協会(AAP)法律顧問ジェフリー・P・クナード弁護士、全米作家組合(AG)法律顧問マイケル・ボニ弁護士、流対協は高須次郎会長(緑風出版)、上浦英俊経営委員長(柘植書房新社)、木下郁事務局長。またオブザーバーとして日本文藝家協会の坂上弘理事長らが出席した。
席上、クナード氏らは、つぎのように述べた。
1 日本文藝家協会の招きで来日した。
2 今回の来日での一連の発言は、和解案の修正ではない。和解の規定の、解釈を明確にしたということである。書協、Amazon.co.jp、紀伊國屋ブックウエッブ、日外で「入手可能」とあった場合は、「inprint」(刊行中)とみなすということ。和解案では、(入手)方法についてどのデータを利用するかは、特定されていない。各国の状況にあわせて、どのデータを使うのがいいか、調べることも来日の目的である。
3 市販されている書籍とは、米国内の伝統的販売経路で販売されていることとの定義について、1つ以上のその時点における伝統的販売経路というGoogleの日本訳がおかしい。「one
or more then-customary channels of trade」は「その時点おける習慣的というか一般的な販売経路」ということで、伝統的と訳すのはおかしい。書店だけでなく、インターネット販売も含む。
4 米国内というのは、本が米国内で物理的に販売されているということを必ずしも意味しない。米国に住んでいる人が注文して入手できればいいわけで、例えば米国の図書館がネットで日本のAmazon.co.jpや紀伊國屋ブックウエッブを使ってオンラインで注文して米国内で購入できれば市販されていることになる。
5 Googleはデータを整備中でAmazon.co.jpや紀伊國屋ブックウエッブのデータに加え、書協のBooks.or.jpも購入しているので、そうした点を考慮して数週間以内にデータ上で、それらの本は刊行中と表示されることになる。
6 図書館プロジェクトは第一に、絶版書籍が対象なのだが、Googleは刊行中の書籍もスキャンしていて、それは包括的な書籍のビブリオグラフィーをつくることが目的だからだ。第二に現在刊行中の本でも時間が経てば絶版となる可能性があるからだ。出版社が絶版にした本は商業的に入手が不可能になる。Googleはそうした本をデジタル化して読者に提供できる。和解がない状態では、あらゆる書籍がスニペット表示されていたが、和解(という枠組みができたこと)によって権利者はそれらをコントロールできるようになった。こうしたことで、出版社は和解に応じた。
7 和解案における書籍の概念はISBNを基準と考えればいいのかとの質問には以下のように答えた。
例えば、ISBN付きの雑誌(月刊であれ季刊であれ)については定期刊行物なので、書籍ではない。
・ISBN付きの単行本の漫画については書籍である。ISBN付きの漫画が期限を決めずに毎月とか毎週とか定期的に刊行されていれば定期刊行物になる。しかし、雑誌連載を巻数ものとして刊行した場合は書籍となる。ただ、Googleは権利者の申し出は尊重する。
ISBNは米国ではポスターなどにも使われているため、ISBNイコール書籍とはならない、ISBN導入以前の書籍も多数あるわけで、この点は注意してほしい。あくまでハードコピーという和解案の規定によって決まっている。
8 著作権者がオプトアウトしても、Googleがスキャンをしたり、スニペット表示をしていた場合、著作権者は個々の書籍についてそれを止めるよう求めても、Googleはそれをやめる法的義務はない。しかしGoogleはそれ(著作権者のオプトアウトの意志)に従うということをポリシーとして表明している。
9 オプトアウトは、著作権者に関することなので、書籍ごとにオプトアウトすることはできない。オプトアウトによって得られる唯一の利益は、Googleが書籍をスキャンしたり、ディスプレイ表示したりすることに対して、米国において米国法の下でGoogleに対して訴訟を起こす権利があるということだ。もしもそのようにオプトアウトをして米国に置いて訴訟をおこしたとしたら、フェアユース規定に関わる訴訟で、何百万ドルものお金がかかることになる。今日の説明を聞いてもオプトアウトするのかとのクナード氏の質問には、そうすると答えた。
流対協は和解案に会員社の市販されている本の90%以上がリスト化され、10%以上がデジタル化されていることを問題視し、その原因が、米国内の伝統的販売経路で販売していない本は市販されていないとし、市販されていないものは絶版書籍となってしまうという和解案の問題点を指摘、このままいくと日本の本はほとんどが絶版扱いとなると警鐘をならし、NHKをはじめマスコミにも積極的にアピールしてきた。そしてオプトアウトの手続きを出版社として行うとともに、ニューヨーク南部地区連邦地裁への和解案棄却の要請文送付、Google本社への和解案反対の文書送付なども行ってきた。
これと並行して、日本ビジュアル著作権協会など著作者団体の和解案反対や抗議ともあいまって、日本での和解案へ反対の機運がたかまった。
●高須次郎流対協会長のコメント
流対協との懇談で明らかになったとおり、グーグル和解案の当事者たちは、日本の反発に譲歩し、これまで考慮すらしてこなかった日本の書誌データを用いることとし、和解リストに絶版と表示していたものを、刊行中と変えることを表明した。これは私たちの活動の一定の成果といえるが、和解案そのものが修正された訳ではない。したがって和解案に止まることの問題点が解決されたわけでもない。
その問題点とは、以下の通りである。
1 和解案に参加すれば契約図書館から提供された書籍を休みなくデジタル化していく作業が中断されることはない。和解案に参加することは、著作権法違反のデジタル化を認めることになり、和解案が成立すればそうした“デジタル万引き的行為”が合法化される。
2 Googleは図書館プロジェクトを世界に広めようと考えているので、米国に限った問題ではなく、遠からず日本に上陸して、制度面でIT時代への対応の遅れている日本の出版界に大きな脅威となる。参加をすればその際、裁判などで争う大義名分を失う可能性がある。
こうした点を踏まえれば、図書館プロジェクトの目的に照らしても、絶版書籍が刊行中と表示されると約束された今こそ、和解案からオプトアウトをし、和解案そのものに反対する必要がある。
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| ●最終期限延長、9月4日に向けて●
すべての著作者、出版社へ
── Google和解から離脱(オプトアウト)しても「道」はある──
5月5日の最終期限が、9月4日に延長され、
米司法省が独禁法での調査を開始した。
アメリカでは、和解そのものが揺れ始めている。
イギリス、ドイツ、フランスからもGoogle和解に反対の声があがっている。
では、日本ではどうか?
書協はいち早く和解への参加で逃げてしまった。
著作者からは、日本文藝家協会、日本ペンクラブが反対を表明、
日本ビジュアル著作権協会の180人の会員などが反対、離脱=オプトアウトを表明。
出版社団体では唯一、私たち流対協だけが、反対を表明、
離脱=オプトアウトを勧めていこうとしている。
ようやくGoogle和解の「正体」が垣間見えてきた。
「知の共有」を大義とした、アメリカによる犯罪的な「知の独占」計画、
Google、アメリカ出版協会、著作者ギルド、協力大学図書館……
彼らは皆、今回の問題の共犯者である。
Googleは「フェアユース」を公言、眠っている著作物(絶版本など)を蘇らせたというのだから、
現在、「刊行中の書籍」は和解の対象外であり、離脱=オプトアウトしたとしても、
除外するのは当然のことだろう。
年に7万冊の著作物が出版されているなか、
各出版社が今回の事態を連絡した著作者は、ほんの一部にすぎない。
出版社は自らの権利および著作権者の権利を守る必要があり、
Google和解への対応を、曖昧なものとしてはならない。
いままさに、著作者と出版社が力を合わせて、Google和解に立ち向かっていく必要がある。
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▼最終期限までに、私たち日本の出版社、著作者にできることは、
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@「刊行中の書籍」を確実に除外する(和解の外に出す)こと
A膨大な「孤児作品」(orphan books)は、共有可能な「知的財産」として、
Google和解から救い出すこと
BGoogle和解に異議のある「すべての著作者と出版社」が連携していくこと
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●日時/5月18日(月)14時から
●場所/文京シビックセンター
(文京区春日1-16-21)
3F・障害者会館/会議室A
●主催/出版流通対策協議会(流対協)
※問い合わせ先/流対協事務局(木下)
03-6279-7103/090-1731-1954
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●出版流通対策協議会(流対協)は、1979年に設立、
98社の中小出版社で構成する出版社団体です
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●よびかけ●
出版物(自社の本)は、自分で守っていこう
──Google和解案にとるべき道──
2009年4月20日
今回のGoogle「和解案」は、今後の出版界にとって非常に大きな影響を及ぼすものである。
しかも、私たち日本の出版者・著作権者にとって、見過ごすことのできない重大な問題をはらみつつ、5月5日の期限までに行動を起こさなければ、自動的に「和解案」に参加することを認めたことになるという、乱暴・理不尽なものである。日本の出版文化を守る観点から、我々は、ニューヨーク南地区連邦地裁が和解案を却下するように求める。
流対協は、Google「和解案」に反対するとともに、会員各社および、すべての出版者に対し、自らの権利を守るための行動をとるよう呼びかける。
また、各社の行動の判断資料として、このGoogle「和解案」について、現在私たちが知りえた情報・分析を添えた。
なお、見落としてならないことは、現在、Googleが日本語ブック検索において、日本における著作権者の権利、出版社の財産権などの権利を明らかに侵害していることである。このことに対しても、自らの権利を守るための対応を検討しなくてはならない。
Google「和解案」への流対協の提案と具体的行動のよびかけ
──まず、「出版者」として今の段階からできることを列挙する──
1 ニューヨーク南地区連邦地裁に、日本の出版社の、出版社団体の率直な声を届けよう。
「和解案」に参加するにせよ、拒否するにせよ、Googleの不法行為に沈黙している必要は全 くないのだ。そして、販売中の本が多数に上るのだ。5月5日という期限が、そもそも、理不 尽なのである。6月の審問会に、参加できなくても、意見を届けることはできる。
下記が、担当判事の連絡先である。
Office of the Clerk
J.Michael McMahon
U.S District Court for the Southern District of New York
500 Pearl Street
New York, New York 1007
UNITED STATES OF AMERICA
2 販売中の本は、基本的に「オプトアウト(除外)=和解不参加」しよう。そのことをホームページ上で公開し、広く、著者と読者に理解を求めよう。
3 Google「和解」管理者に強く警告しよう。
5月5日までに、「和解案」に参加しなければ、権利者に不利益があるかのような文書は、クラスアクションのいう「民主主義の論理」ではない。
4 権利関係と販売中であるかどうかで判断していこう。
出版社は、全出版物に権利を持っている。
一つの出版社で、
・期限内に和解参加をせざるを得ないもの
・一旦は、「オプトアウト」できるもの
・期限後に参加するにしても、表示除外するもの、部分表示するもの
などがある。
5 著作権法上に明記される「出版社の権利」を我々はめざそう。
しかし、それがすぐに実現するとは考えていない。出版界が権利獲得に意見が一致するという幻想もない。しかし、実質的な権利の保全、出版物を守る権利は、各々の出版社で実現可能である。
6「第三者利用許諾の権利」を含む出版契約を普及させていこう。
一度産声を上げたデータベースは、自己増殖していく。Google「和解」は、一過性の問題ではない。著作権のアナログ、デジタル利用にかかわりなく、「第三者利用許諾の権利」を含む出版契約の普及によって、自社出版物をしっかり守っていこう。
──以下は、「今回の事態」の現状認識と解釈である──
Googleは何をしたのか
1 Googleは、世界の特定の図書館と契約を結び、その蔵書を無断でデジタル化(スキャニング)、ブック検索において表示使用し、現在もなお、その行為を続けている。それは現在700 万冊にのぼり、数百万冊が今後数年間で行われるとしている(JPCA=日本出版著作権協会への「和解」代理人からの文書より)。
2 流対協会員社の調査によれば、Google「和解」検索のリストには自社発行図書の80〜90%がリストアップされ、10%以上がすでにデジタル化されている。
3 これほど大規模・広範で意識的な著作権法に反する行為は、Googleが初めてであり、被害にあっている販売中の日本語書籍は多数にのぼる。絶版本を中心にしたというGoogleの主張は作為的であり、マスコミ報道も全くの事実誤認である。
Google「和解案」とは何か
公開資料、JPCAへの「和解」代理人からの文書によれば、
4「和解」の対象となる書籍は、2009年1月5日以前に世界中で出版されたものである。
5「和解」の効力は、アメリカ国内の利用のみの適用である。
6「和解」は、裁判所によって承認されなければならない。
7 裁判所に承認されれば、「和解」は「オプトアウト(除外)」していない書籍すべてに拘束力を持つ。
8「和解案」によれば、「オプトアウト(除外)」の期限を2009年5月5日としている。
9 連邦地裁による「和解」の審問は、2009年6月11日を予定している。
以上である。
10 Google「和解案」は、Googleの無断スキャニングの行為を不問にするための金銭解決である(一冊60ドル)。
11 Google「和解案」が効力を発揮するためには、連邦地裁判事に、全世界の著作権者からの合意がとれていると証明しなければならない。
書協(日本書籍出版協会)の態度
12 書協から公表された文書ならびに会員説明会での資料によれば、書協は、情報収集をIPA(国際出版連合・在スイス)から行っている。Google「和解」代理人、また裁判の原告であるアメリカ出版協会からの情報収集をしていないのか。書協から開示された情報は、すべて間接情報である。正しい情報収集とはいえない。
13 書協は、グーグルは一体何をし、日本の出版社と著者がいかなる損害を被ったのかをあきらかにしていない。
14 書協は、仕方がないとして、「和解」参加を前提にすることで、「和解案」に対する論議を回避してしまっている。
15 書協は、Google「和解案」が出版社に権利が移っていることを前提にした書式であるので、著者の「和解」手続の事務代行を出版社がになうことで、出版社があたかも権利者としてふるまえる、と考えたと推察する。
16 以上からして、書協は、一時しのぎの策を会員社に勧めることになっている。
17 結果的に、書協は、「和解案」に抵抗するどころか、「和解」が成立するように会員社を誘導していることになる。そうであるなら、率直に「和解案」に賛成だというべきではないか。
18 書協は、当事者としての出版社という立場を一度も主張することはなかった。
19 書協の立場でいえば、たとえ、販売中の本でも、著者の理解がなければ、出版社はなんら発言権がないということを認めてしまったことになる。この態度は、将来、禍根を残すこと になる。
Googleが行ったことの我々の解釈
20 著作権法は、無形のものを保護する法律である。そして、無形の財産は、伝統的には本という有形の財産で流通してきた。Googleの無断スキャニングは、著者のオリジナルテキストから行ったものではない。本という有形の財産を不当に利用して行われたのである。
21 Googleの行為で何が棄損されたのか。無形の財産である著者の著作権と、その本の販売に権利をもつ出版社の財産権の両方が棄損されたのである。
日本の出版社の置かれた立場
22 日本の出版社は、著作権法上の権利を何ももっていない、というのは正しいのか。
間違ってはいないが、決して正しい説明ではない。
以下の三項のいずれかにあてはまる対象物は、著作権上の当事者として、出版社は存在する。
(1)当該出版社の編集部による出版は、当該出版社がその著作権をもっているのが普通である。出版社が著者であり、それゆえ著者の権利を持っている例はいくらでもある。
(2)海外の本の日本語版の発行の権利を取得しているものは、日本の取得出版社がもっている。そして、今回のGoogleのリストには、日本語版が多数存在している。
(3)著者より、当該著作権の「第三者利用許諾の権利」を委託された本については、その当事者である。
23 書協は、以上の説明を、会員社に行ったのであろうか。JPCA(日本出版著作権協会)の推進する「第三者利用許諾の権利」を含む出版契約を結んでいる出版社は少なからず存在する。また、書協会員社である医学系の出版社でも、第三者への利用許諾を含む例があると伝聞する。なぜ、そういう例を公表しないのだろうか。
24 日本の出版社は、
・著作権法にいう、著者の権利を持っている本、委託された権利を持っている本
・すべての出版物について商品としての財産権
を持っている。だから、グーグル「和解案」に対して、当然にも、当事者として対処する立場にあると考える。
2009年5月5日という期限は、速やかに「和解案」から「和解」にするためのものである
25 Google「和解」代理人の最大の眼目は、6月11日のニューヨーク南地区連邦地裁判事の審問をクリアすることである。そのためには審問がすむまで無事平穏にかつ速やかに事態が推 移することを望んでいる。
26 だから、2009年5月5日なのである。大規模な「オプトアウト」や反対の声がなければ、「和解案」が全世界の著作権者の理解を得たと主張できるからである。
日本の出版社が考慮すべきこと
27 Google「和解案」に、諸手を上げて賛成する出版社が、日本に存在するのであろうか。もし、反対であるか、あるいは、和解参加をせざるを得ない本があったとしても、唯々諾々と 審問を迎える必要はない。
28 和解に参加しないと、和解金がとれなくなるのではないかとの心配の声がある。これは、杞憂である。なぜなら、「和解案」がクラスアクションだと自己規定しているからである。
29 たとえ、「和解案」が正式の和解として拘束力を持ってからも、期限後の和解参加に不利益は存在しない。不利益が存在すること自身がクラスアクションではなくなってしまう。
30 Googleの一方的な行為と日本の出版社が被るであろう損害に、心配する著者(=著作権者)も多い。著者の理解をいっそう求めていこう。
31 当事者としての出版社の立場を早急に強化していかなければならない。そうでなければ、デジタル化時代を乗り切っていくことはできない。一時しのぎではなにも解決したことにならない。
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●声明●
アマゾンの値引き販売の中止を求め、再販契約の遵守を求める
2009年3月5日
本の売り上げ日本一のアマゾンは、昨年12月末から、早稲田大学と提携して、同大学の学生、教職員、校友を対象に専用のIDを発行し、アマゾンサイトでの和書購入について、学生、教職員、校友(早稲田カード会員)8%、その他の校友3%、通常より安く買える値引きサービスをはじめた。
独禁法23条第5項は、再販契約を適用されない事業者として、例外的に生協などを指定して、これを根拠に大学生協は10%程度の値引き販売を行ってきた。アマゾンとしては、これに比べれば、適正と主張しているが、アマゾンは独禁法23条第5項の適用事業者ではなく、再販契約に拘束されるネット書店であり、再販契約を遵守すべき立場にある。これをきっかけに、全国の大学関係者に値引きが波及し、それに対抗して、一般書店が値引き合戦に突入すれば、再販制度が内部から崩壊するのは必至である。
また出版社も、再販契約によって書店に定価販売を強制しながら、「謝恩価格本ネット販売フェア」、「東京国際ブックフェア」などで、大幅な値引き販売をするなど、弾力運用の名目で手前勝手な行為が目立っていて、書店の不信を招いていることを、厳しく認識しなくてはならない。
こうした値引きは、いっけん消費者利益にかなうようにみえるが、値引き原資は、取次店、出版社に転嫁され、本の定価の値上げにつながり、結局は消費者の負担を増すことになる。大不況下でそれでなくとも苦しい書店や出版社は倒産、廃業に追い込まれかねない。
多様な出版物を地域格差なく適正な「定価」で提供することこそが読者の利益であり、再販制度は出版文化を支える基盤である。流対協は、再販契約違反の値引きサービスを直ちに中止することを、契約当事者である当該の取次店、およびアマゾンに要請する。また、各出版社が再販制度の意義を改めて確認し、値引き販売に反対するよう求める。
※2009年3月5日に開催された定期総会(会員数98社●出席38社・委任状33社)において、賛成多数のもと、総会議決として上記の声明を出しました
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| ●緊急保証制度・対象業種への追加指定を中小企業庁に要請
経済産業省 中小企業庁 御中
2008年12月3日
出版流通対策協議会
12月2日付『朝日新聞』によれば、政府の中小企業向け緊急保証制度について、618業種が指定されているにもかかわらず、貴庁がまだ、出版業(書籍・雑誌)を指定していないとのことです。
至急、出版業を追加指定されることを要請します。
当会は、95社の小規模出版社で構成されている出版業界団体です(『出版年鑑 2008年版』によれば、3,611社の出版社のうち、従業員10名以下が2,137社、約6割)。
出版業では、原油価格高騰等にともなう紙などの仕入価格、輸送運賃、倉庫料などの上昇の影響を受け、新刊の出版点数および部数、いずれも減少し、極端な販売不振に落ち入っています。
なかでも、従業員数の少ない零細出版社は、金融機関から融資を受けようとしても、担保や信用が障壁になって、門前払いにされているのが現状です。
出版業界にかかわる書籍・雑誌小売業(書店)、倉庫業、印刷業、紙・紙製品卸業、広告代理業などが指定を受けているにもかかわらず、出版業はなぜか指定されていません。その大部分の売上を書店の売上から得ている出版業がはずれていることは、産業構造に対する認識不足と思われます。
また、新聞報道によれば、「出版は再販制度で競争から除外されてきた業界。歴史的にみて産業保護の対象にはなじまない」という経済産業省の見当違いのコメントが掲載されています。残念ながら、経済産業省のこの認識は、再販制度(公正取引委員会は最近になって「制度」ではないと前言をひるがえしていますが)の歴史的経緯を見誤ってるとしか言いようがありません。現在の再販制度で小規模出版社が保護されているという事実はなく、競争除外とは次元の異なる文化的必要性から存続されてきているのであり、当然、産業として保護されるべき業種です。再販制度下においても、出版業は倒産・廃業に追い込まれ、他業種同様、不況に苦しんでいます。
以上、最後に改めて、今回の緊急保証制度に関して、出版業を指定されることを求めます。
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未曾有の出版業界不況のなか、できるだけ多くの読者に、会員社の出版物に触れ
てもらえる機会を提供できたらと、ブログを開設してみました。
@会員出版社が発行している出版物(書籍・雑誌など)の書評、パブリシティ情報、
イベント情報などの掲載
A会員出版社のメンバー(最初は幹事が担当)による、週替わり日誌
B出版業界ネタ
http://ameblo.jp/ryuutai/──こんな本があります、いま
| ●見解●
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電子タグ装着にあたって、出版界がふまえるべきこと
2008年10月23日
出版流通対策協議会
現在、日本出版インフラセンター(JPO)を中心にして、書籍への電子タグ(ICタグ・RFタグ)の装着が準備されつつある。
また、近く、小学館でも、一部書籍への電子タグの装着が行われるという。
これから、電子タグの装着が広まっていくかどうかは、まだ未確定要素が数多く、先行きは不明であるが、電子タグ装着の様々な実験的取組みが、今後予想されるため、我々の見解を公表する。
1 電子タグが、読者まで渡ることの意味
まずは、電子タグ装着が、読者に渡ることを前提にするかどうかで事態は決定的に違うことを、ふまえるべきである。
業界内で電子タグが循環し、書店購入の際に取り外す仕様であるなら、電子タグの装着がもたらす潜在的な危険性は業界内に留まる。そのため、電子タグの装着がもらたす危険性は、当事者間での負担が可能と思われる。
しかし、2007年7月の「中間報告書」(JPO・出版関連業界電子タグ標準化委員会)に書かれている構想はそうではない。読者に電子タグが渡ることを前提にしている。ここには、大きな危険性が存在している。読者が電子タグの装着本を持ち歩く中で、電子タグのデータがスキミングなどで予期せざる他者に漏れる可能性が大いにあることは否定できない。路面に面している書店のタグリーダーも同様である。タグリーダーはより強い電磁波を出して、電子タグを探す仕様だからである。
電子タグには、基本的な書誌情報しか入っていないから、特定の個人と結びつくことはないと主張するのは、無定見である。実際の利用では、会員番号、クレジットカード、あるいはスイカ、お財布携帯など、様々な特定可能なひもつきデータとなっていくのが実際である。
2007年11月13日、モバイルSuicaの中の会員番号がスキミングされ、なりすましによるクレジットカード複製の被害が報告されている。
2 電子タグを最終消費者に渡すためには、「社会的利益」が必要
「電子タグに関するプライバシー保護ガイドライン」(2004年6月8日/総務省、経済産業省)によれば、電子タグを装着したまま消費者に渡される場合のことも例外的に想定されており、その場合、「何らかの消費者利益の確保」あるいは「社会的必要性」が求められている。
電子タグの装着を視野に入れている出版社は、タグ装着によって、消費者(読者)にはどんな利益があるのか、あるいは、社会的にどうして必要なのかを、書籍を購入する人々に、あらかじめあきらかにする必要がある。
巷間、業界三者にとって、電子タグは有用であると言われている。しかしなによりも、最終消費者である読者に、なぜ、付けたままにしてほしいのかを、説明し納得してもらわなければならない。
そうでなければ、「保護ガイドライン」を遵守していることにはならない。
電子タグを装着したままにすることは、読者にデータを予期せぬ人に読まれてしまうという危険性を負担させることである。そうするには、「消費者利益の確保」のためなのか、「社会的必要性」のためなのか、読者が納得できる理由が必要である。
3「保護ガイドライン」を守ることは、最低限の基準
電子タグに、最低限の情報しか搭載されていなくても、電子タグを持ち歩くことで招来する危険性は、「電子タグに関するプライバシー保護ガイドライン」策定の際に、すでに充分認識されていた。
電子タグに搭載されるさまざまな「情報保護機能」は、読まれにくくするためのものであり、絶対に読まれることはないと保証するものではない。だから、「高度な」電子タグを装着しているから「安全である」と主張することは、電子タグが渡される最終消費者を無防備にすることであり、かえって危険を招くことになる。
電子タグ装着のままでいいのか、それとも取り外してほしいのか、読者が判断できる理由が、電子タグ書籍には、明示されていなければならない。
「電子タグ装着の商品です」と表示しているだけでは、読者の選択権を認めていることにはならない。
「保護ガイドライン」を拡大解釈するのではなく、遵守することが最低限の基準である。
4 書籍(本)という商品の持つ特殊性の自覚
書籍を選択し、購入するという行為は、その人の思想、性癖、趣味など全人格を濃密に表わすものだ。どこの産地のダイコンを購入したのか、あるいは、どこのメーカーのどの車種を購入したのかとも違うものを表わす。図書館での貸し出し履歴も同様である。その行為そのものが、注意すべきプライバシーである。
持ち歩いている電子タグがスキミングされることは、装着されている本とある個人が特定されるということだ。電子タグには、個人情報は含まれないから、装着した責任はないのだと、言い張ることはできない。
他の商品に、電子タグを装着するということと、書籍に電子タグを装着するということの違いについて、我々は鈍感であってはならないはずである。
5 電子タグは書店での万引き防止に効果があると主張することについて
実際に、電子タグを書籍に装着させ、流通させていくためには、電子タグ自身のコスト、装着コスト、データベース・システム運用費用、廃棄本の電子タグ回収など越えなければならない多くの壁がある。しかし、一番の壁は、読者の理解ではないだろうか。なぜなら、そのコストを支払うのは最終的には読者だからである。
確かに、電子タグ装着の本が流通すれば、アナウンス効果も含めて万引きの抑止効果はあるかもしれない。しかしながら、それを声高に主張することによって、全国の書店の切実な願いとは裏腹に、読者の反撥を受けてしまうことを危惧する。一部の不正を予防するために正規の全読者がそのコストを負担してくれるはずだと期待すべきではないだろう。
電子タグ装着による万引き防止は、書店の電子タグ導入の理解を得るためであるとしても、それは、あくまでも、副次的効果というべきである。
6 電子タグを考える基本
新しい技術を導入する時には、利便性と安全性のバランスをどう考えていくかという問題に常に直面する。しかし、電子タグ導入の議論において、その前提になるべき読者の利便性が果たして、提案されているのだろうか。まずは、そのことが必要なのではないか。
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●出版の自由が危ない! 連続セミナー
【オリコン訴訟】
9月1日、東京地裁・高裁の司法記者クラブで、呼びかけ人が記者会見を行ないました。
声明には、最終的に133名が名を連ねることになりました。
下記の文書を発表、会見後、高裁の書記官に声明を手渡しました。
●オリコン訴訟東京地裁判決に抗議し、高裁での公正な審理を求める声明(PDF)
●「オリコン訴訟東京地裁判決に抗議し、高裁での公正な審理を求める声明」発表にあたって(報道向文書・PDF)
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控訴審・第一回公判(口頭弁論)
9月16日午前10時/東京高裁820法廷(8F)
●呼びかけ●【オリコン訴訟】 「高裁での公正な審理を求める声明」への賛同要請スタート
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●呼びかけ●
「オリコン訴訟東京地裁判決に抗議し、高裁での公正な審理を求める声明」へのご賛同呼びかけ
出版社代表 各位
時下、ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
さて、各位ご承知のとおり、東京地裁で争われていましたオリコン訴訟の判決が、去る4月22日に下されました。
オリコン社側の主張をほぼ全面的に認め、烏賀陽(うがや)弘道さんに100万円の支払いを命じました。と同時に、「オリコンの提訴は裁判制度を悪用した恫喝的訴訟であり、違法」とする烏賀陽さんの反訴を棄却しました。
各方面からかねてより指摘されていましたとおり、オリコン訴訟は、「言論、執筆活動を抑圧又は牽制するために訴訟を提起した行為は違法」と司法によって断罪された武富士訴訟よりさらに問題点の多い「高額訴訟による言論封じ」「個人に的を絞った恫喝訴訟」「取材源そのものへの攻撃」であり、憲法で保障された取材の自由、出版・言論の自由、国民の知る権利に関る重大な問題です。
ところが、東京地裁は、本件の問題点や特異性をほとんど吟味することなく、「今までに経験したことのない不誠実さ」(烏賀陽さん代理人)で常軌を逸した不当判決を下しました。
各方面から東京地裁判決への抗議、批判が噴出しています。
ところで、早ければ8月下旬には東京高裁での審理が始まります。高裁はまさに正念場です。私たちは充分にして公正な審理を高裁に求めたいと考えます。
昨年3月に私たちは出版社代表57人連名で「オリコン訴訟を危惧する見解」(同封しましたのでご参照ください)を発表しました。今般再び、私たち出版社を営む者が連名で添付の「声明」を高裁審理開始前の7月末〜8月半ば頃に発表したいと考えています。
本日は、各位に声明発表に賛同していただきたく、お願い申し上げる次第です。
ご賛同していただける場合は、別紙にご記入のうえ、呼びかけ人まで、6月20日までにFAXまたはメールにてご回答くださるよう、よろしくお願いいたします。
なお、各位、あくまで個人的な立場での賛同となります(ただし、名前の後ろに括弧でくくって小さな文字で社名肩書きを記させていただくこととします)。
2008年6月吉日
呼びかけ人一同(五十音順)
上野良治(合同出版代表)、梅田正己(高文研代表)、大江正章(コモンズ代表)、
菊地泰博(現代書館代表)、久保則之(あけび書房代表)、桜井香(桜井書店代表)、
高須次郎(緑風出版代表)、中川進(大月書店代表)、深田卓(インパクト出版会代表)
*この取り組みには代表者は置きません。どの呼びかけ人でも結構ですので、お問い合わせ、ご連絡、ご回答をいただければ幸いです。なお、便宜上の連絡事務局は久保則之(あけび書房代表、電話03・3234・2571、FAX03・3234・2609、akebi@s.email.ne.jp)となっていますので、そちらへお問い合わせなどいただいても結構です。
*東京地裁判決文をお求めの方は、呼びかけ人までご用命ください。PDFデータ(A4判61頁、2MB)でお送りいたします。また、烏賀陽さん本人のホームページ(http://ugaya.com/index.html)に、東京地裁判決文、それに対する烏賀陽見解、『サイゾー』記事、訴状、反訴状、各方面の声など本件に関する大半の資料が掲載されていますし、そこから他の関連諸サイトにジャンプもできます。
※賛同申込書
※声明
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●声明●
オリコン名誉棄損裁判の不当判決に抗議する
2008年 4月25日
2006年11月に音楽市場調査会社「オリコン」が、月刊誌「サイゾー」に掲載されたコメントで名誉を傷つけられたとして、取材に応じてコメントしたフリージャーナリストの烏賀陽(うがや)弘道氏に5,000万円の損害賠償を求めた裁判で、東京地裁は08年4月22日、烏賀陽氏に100万円を支払うよう命じました。また、オリコンの提訴そのものを違法とした烏賀陽氏の反訴も棄却しました。
烏賀陽氏が月刊誌「サイゾー」の電話取材に答えて語ったコメントは、「オリコンはランキングの調査方法をほとんど明らかにしていない」「オリコンは予約枚数をもカウントしている」というものです。これに対し、東京地裁の綿引裁判長は「コメントがそのままの形で掲載されることに同意していた。コメントは真実でなく、真実と信じた理由も認められない以上、コメントそのもので名誉棄損の対象になる」とし、烏賀陽氏の取材に基づく反論証拠を、取材源が明らかにされていないという理由でほとんど否定しています。この判決文を読むと、大手企業に対する批判・論評は許されないのではないかという危惧を抱かざるを得ませんし、今後自由なコメントや取材ができなくなる恐れを強く感じさせます。
さらに、当該記事に対して、オリコンは出版元を訴えるのではなく、いきなり個人の烏賀陽氏だけを訴訟しました。個人に的をしぼっての高額訴訟は異例であり、訴訟に名を借りた言論封じであると言わざるを得ません。
烏賀陽氏の反訴に対しても、判決は5,000万円の高額訴訟は、名誉毀損訴訟においては高額の請求も通常であり違法ではないとしています。これは、今後の言論抑圧につながる恐れが強くあります。
この判決は、言論を封殺するために個人を被告として高額請求するという裁判制度の悪用を是認、言論出版の自由を抑圧する常軌を逸した不当判決であり、断固として裁判所に抗議します。
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●「オリコン裁判」で烏賀陽氏に有罪判決!(2008年4月22日)
4月22日(火)13時10分、東京地裁は、オリコン裁判において、
名誉毀損を認め、烏賀陽氏に損害賠償100万円という判決を下した。
(烏賀陽氏の反訴は棄却)
判決内容は、烏賀陽氏側の証拠をことごとく退け、
オリコン側に立った判決になっているとのこと。
烏賀陽氏と弁護人は記者会見、不当な判決であり、
表現の自由をさまたげる判例となることも指摘、控訴を表明。
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──「オリコン訴訟を危惧する出版社代表57人連名声明」の呼びかけ人の一人からの傍聴報告
先刻(本日午後1時半)、東京地裁でオリコン訴訟の判決が言い渡されました。
オリコン側の主張をほぼ全面的に認め、烏賀陽さんにオリコン社へ100万円の支払いを命じる判決です。
また、烏賀陽さんのオリコン社に対する「訴訟権の濫用で、恫喝的訴訟」との反訴は棄却されました。
判決後に、烏賀陽さんおよび弁護団は次のように語りました。
「判決の不当性はもちろん、判決理由の不当性に驚いている。
こちらの提起した証拠などをほとんど検証することなく、予断で退けるなど、実に不誠実な判決だ。
判決文には説得力のかけらもなく、このような判決内容は今までに経験したことがない。
取材源をつぶす手法、恫喝訴訟がまかり通る前例を許すわけにはいかない。
この不当判決が覆るまで闘い続ける」
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4月22日(火)、18時30分から、出版労連主催で、
文京シビックセンター(4Fシルバーセンター/会議室B)で裁判の報告集会が行われます。
流対協としては、出版の自由委員会で判決の問題点を検討、
早急に声明を出す方向で準備中。
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●出版の自由が危ない 連続セミナー
──第五回●講談社『僕パパ』問題 ●2008年7月2日(水)
出版を規制しようとする動きが様々なかたちで相次いでいる。
今回のセミナーは、講談社の調査委員会にかかわった吉岡氏を招いて、
出版業界の危うい現状を話してもらうことに
●講師/吉岡忍氏(作家、講談社草薙本の第三者委員会・元委員、日本ペンクラブ常務理事)
会場/文京区民センター3F・3D、定員30名、18時30分から
※参加費/会員500円(会員外1000円)※参加申込先/流対協事務局
──第四回●「裁判員制度」って、どうなの? ●2008年6月4日(水)
来年5月21日スタートで準備が進められている「裁判員制度」
裁判に対する不信感も増大、事件に関する過剰報道はエスカレートの一途
そんななか、メディアの報道、出版の自由は侵害されない?
●講師/臺宏士氏(毎日新聞記者)
山田健太氏(専修大准教授、講談社草薙本の第三者委員会・元委員、自由人権協会事務局長、
日本ペンクラブ言論表現委員長)
※参加費/会員500円(会員外1000円)※参加申込先/流対協事務局
●出版の自由が危ない 連続セミナー
──第一回●松文館「わいせつ」裁判●2007年10月16日(火)
──第二回●名誉毀損と出版・表現の自由●2008年1月23日(水)
──第三回●オリコン裁判●2008年5月23日(金)
●声明●
「僕はパパを殺すことに決めた」に関連して、奈良地検による精神科医の逮捕および起訴に抗議する─2007年11月6日
朝日・読売・毎日・日経・産経・中日による「プリンセス・マサコ」(第三書館)広告掲載拒否に抗議する─2007年10月
4日
「僕はパパを殺すことに決めた」への奈良地検による強制捜査に抗議する─2007年10月
4日
●申し入れ●
古書の返品混入防止でマーキングのルール作成を!─
2007年12月18日/2007年10月31日
| 古書の返品混入防止でマーキングのルール作成を!
2007年12月18日
※株式会社 トーハン/日本出版販売株式会社/株式会社 大阪屋
それぞれの代表取締役社長宛に送付
日頃は会員各社をお引き立ていただき御礼申し上げます。
さて、業界紙等で話題になっている古書等を併売する小売店につき、返品に古書などの非再販商品が混入する畏れがあるなどの指摘があり、そうしたことを防止するため、以下のような方法を取っていただきたく、申し入れます。
非再販商品(中古として区分される古書、新古書、ユーズド本など)の正常ルートへの混入返品を防止するため、古書等を併売する小売店に対して、非再販商品の仕入れ時に、再販商品と区別できるような押印等のマーキングを本体の「地」の部分にするよう指導徹底すること。
たとえば、押印等は「B本」の朱赤と区別が付きやすいように色を青とか緑にし、 used本ということで「マルU」印等とする。
以上の申し入れにつき、速やかに対処されるようお願い致します。
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2007年10月31日
※太洋社の代表取締役社長宛に手渡し
日頃は会員各社をお引き立ていただき御礼申し上げます。
さて、業界紙等で話題になっている、貴社取引先の株式会社ブックオフオンラインや他の古書等を併売する小売店につき、返品に古書などの非再販商品が混入する畏れがあるなどの指摘があり、そうしたことを防止するため、以下のような方法を取っていただきたく、申し入れいたします。
非再販商品(中古として区分される古書、新古書、ユーズド本など)の正常ルートへの混入返品を防止するため、古書等を併売する小売店に対して、非再販商品の仕入れ時に、再販商品と区別できるような押印等のマーキングを本体の「地」の部分にするよう指導徹底すること。
たとえば、押印等はB本の朱赤と区別が付きやすいように色を青とか緑にし、us ed本ということでマルU印等とする。
以上の申し入れにつき、速やかに対処されるようお願い致します。
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●出版の自由が危ない 連続セミナーA
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★☆★──『ルーシー事件』の著者、松垣 透 氏も講師として参加決定!──★☆★
最近、社会的なテーマを扱う出版が名誉毀損で訴えられるケースが続発しています。
しかも、名誉毀損の損害賠償額が高額化の傾向にあります。
そういう事態はいまや他人事ではありません。
弱小出版社にとって、損害賠償の高額訴訟は
経済的にも精神的にも大きな負担になります。
実際に名誉毀損の裁判を闘った弁護士と当該出版社の経験を聞いて、
今後予測される訴訟の頻繁化と異常事態にどう備えたらいいか、
また、それに伴う言論・出版の自由の危機について考えます。
●日時/1月23日(水)18時30分から
●場所/文京区民センター 2F・2B会議室
●講師/
樋渡 俊一弁護士(御殿場RDF名誉毀損裁判※弁護人)
高須 次郎氏(御殿場RDF名誉毀損裁判被告/緑風出版)
竹内 淳夫氏(『ルーシー事件―闇を食う人びと』出版差し止め、名誉毀損事件被告/彩流社)
松垣 透 氏(『ルーシー事件―闇を食う人びと』著者)
※御殿場RDF名誉毀損裁判
元御殿場市長が緑風出版発行の『崩壊したごみリサイクル』で
名誉毀損されたとして訴えた裁判
●参加費/500円
(会員外1,000円)
| 「僕はパパを殺すことに決めた」に関連して、奈良地検による精神科医の逮捕および起訴に抗議する
2007年11月 6日
1 多くの抗議、疑問の声があったにも関わらず、10月14日、奈良地検は秘密漏示 容疑で、精神科医を逮捕し、11月2日起訴した。
「秘密漏示罪」は親告罪であり、法務省人権擁護局は、少年の父親から「被害申告」 があったとする。
プライバシーが大切な人権の一つの柱であることは間違いない。それと同時に、 言論・出版の自由という権利もまた、私たちの人権の欠くべからざるものである。 法務省、検察庁が関わる、この間の強制捜査から逮捕に至る経緯は、果たして人権 擁護の名に値するものなのか。「人権」の名を借りた、法務省・検察当局の強権の 発動と言わざるをえない。私たちは、この逮捕・起訴に強く抗議する。
2 逮捕された精神科医は事実関係を認めており、かつ逃亡の可能性もない。在宅起 訴ですむものを逮捕したのはメディアに対する恫喝の意図が働いたとしか思えない。 そこには「国民に開かれた」という裁判員制度導入を前にし、逆に、じつは裁判報 道自体を閉じていこうという意図が透けて見える。まさに今回の逮捕劇は政治的に 行われたメディアに対する恫喝といえ、権力の濫用に改めて抗議する。
3 この間、プライバシーの保護を大義名分とした名誉毀損訴訟の損害請求額が高額 化している。この高額提訴は、権力や企業の横暴を批判する出版物にも波及、中小 出版社および執筆者にとっても脅威となっている。
出版に携わるものとして、出版にあたってプライバシーと人権に十分に配慮して いるかどうか、もう一度、自問自答すべきである。
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| 朝日・読売・毎日・日経・産経・中日による「プリンセス・マサコ」(第三書館)広告掲載拒否に抗議する
2007年10月 4日
第三書館より、「完訳 プリンセス・マサコ」(ベン・ヒルズ著)が8月に出版された。あわせて、「プリンセス・マサコ」の講談社発売中止を追った「『プリンセス・マサコ』の真実」も出版されたが、主要な新聞に広告を拒否されている事態が起こっている。
私たち出版流通対策協議会は、この事態に、強く抗議し、各新聞社に広告拒否の撤回を要請する。
朝日新聞社広告局の回答によれば、「他を中傷、ひぼうするもの」に該当するという。その理由は、「『事実無根の内容が多数含まれ、皇室を侮辱している』として外務省ならびに宮内庁が抗議を行っている」としている。
また、産経新聞社によれば、「筆者であるベン・ヒルズ氏が、外務省、宮内庁からの抗議に対し、明確な回答がなされたという事実が確認されておりません。このため、広告掲載を保留している」としている。
つまり、外務省、宮内庁による抗議が、広告掲載拒否の理由となっているといわざるを得ない。これでは、宮内庁に批判的な書籍で、宮内庁に抗議を受けたものは、広告できないという事態になりかねない。
果たして、新聞社の広告掲載の判断基準として、この態度が妥当といえるのだろうか。まして、主要紙が横並びに判断を一致させているというのは、責任ある判断といえるのだろうか。
出版社は、明らかな事実誤認については、訂正したとしている。
広告掲載を拒否した新聞社は、具体的に、どこが基準に抵触しているのか、具体的にのべることがメディアの責任であるはずだ。
関係各新聞社は、このような広告拒否を直ちに撤回し、言論・出版の自由を担保するよう強く求める。
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| 「僕はパパを殺すことに決めた」への奈良地検による強制捜査に抗議する
2007年10月 4日
本年5月、昨年6月に奈良県で起きた母子三人焼死事件を題材にした『僕はパパを殺すことに決めた』(草薙厚子著、講談社)が出版された。
出版直後、長勢甚遠法相(当時)は、少年の供述調書が書籍に引用されたことは「少年法の趣旨に反する」と批判し、東京法務局は、著者と出版社に対し、6月12日、「被害拡大防止等を検討するよう」勧告を出した。
この勧告に対して、日本ペンクラブは、8月30日、「自由な表現活動を擁護する立場から、このたびの法務省が行った措置に抗議する」声明を発表している。
しかし、9月14日には、奈良地検により刑法の秘密漏示容疑で関係者への強制捜査が行われ、現在に至って、強制捜査の範囲が拡大している。また、一部図書館では閲覧の制限という権力にへつらった事態まで起きている。
法務省人権擁護局調査救済課は、少年の父親から「被害申告」があったとする。
そうであるなら、被害者は父親と少年であり、発売した出版社と執筆した著者との間で、プライバシーに関して十分な配慮があったかどうかで、争われるべき問題である。検察が介入し、強制捜査するべきものではない。
今、奈良地検、法務省によって行われていることは、人権侵害に名を借りた、公的情報の漏えいに対するメディア関係者への恫喝である。当局が認める情報しか開示することは許さないという恫喝である。
私たち出版流通対策協議会は、現在起こっている事態を看過することは出来ない。
奈良地検による強制捜査に抗議すると共に、出版・言論への規制の中止を強く要求する。
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●出版の自由が危ない 連続セミナー@
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出版業界の構造的不況が益々深刻になっていくなか、
さまざまなトラブルにさらされる時代になっています。
高額化する名誉毀損
出版差し止め仮処分申請の乱発
司法等の表現への介入
そういう事態に巻き込まれたとき、
中小出版社にとっては、死活問題になりかねません。
一回目はまず、最高裁で上告棄却、敗訴した松文館裁判を取り上げ、
法的な問題点、業界としての問題点、出版社が立たされた苦境……
3つの視点から、クローズアップしてみたいと思います。
▼第1回▼
松文館「わいせつ」裁判
最高裁第一小法廷は6月14日、過激な性描写のある成人向け漫画を販売したとして、
わいせつ図画頒布の罪に問われた松文館・貴志元則氏の上告を棄却した。
「摘発されたコミック『蜜室』は、成年マークを表紙に印刷し18歳未満への販売を自主規制し、
業界ルールに従いビニールでくるむなどのゾーニング販売をしていた図書で、
一般的に店頭に並べて販売していたものではない。また他の書籍との相対的な関係か
らみて「わいせつ」とは言い難い。本書をわいせつ物として 摘発したこと自体が異常である。」
(『松文館裁判−最高裁上告棄却への抗議声明』より)
●日時/10月16日(火)18時30分から
●場所/文京区民センター 3F・3D会議室
●講師/
山口 貴士弁護士(主任弁護士/リンク総合法律事務所)
長岡 義幸氏(インディペンデント記者/道出版より松文館裁判の本を2点出版)
貴志 元則氏(松文館社長)
●参加費/500円
(会員外1,000円)
| 松文館裁判−最高裁上告棄却への抗議声明
2007年 7月19日
日頃は、出版流通対策協議会会員社をお引き立てくださり、誠にありがとうございます。
最高裁第一小法廷(才口千晴裁判長)は6月14日、過激な性描写のある成人向け漫画を販売したとして、わいせつ図画頒布の罪に問われた松文館・貴志元則さんの上告を棄却する決定をした。
私たち出版流通対策協議会がこれまで主張してきたように、摘発されたコミック『蜜室』は、成年マークを表紙に印刷し18歳未満への販売を自主規制し、業界ルールに従いビニールでくるむなどのゾーニング販売をしていた図書で、一般的に店頭に並べて販売していたものではない。また他の書籍との相対的な関係からみて「わいせつ」とは言い難い。本書をわいせつ物として
摘発したこと自体が異常である。
また、わいせつ物頒布を処罰する刑法175条は明らかに違憲である。あらゆる表現は原則的に自由であり、表現の規制は人間性と民主主義の否定である。その表現が、差別や教唆によって人を傷つける場合、人権を守る立場からのみ他の法律で規制・訴追されることはありうるが、公権力がわいせつの基準を判断し刑を科すことは誤りである。
この判決は、警察当局による恣意的な「わいせつ」認定を肯定するものであり、さまざまな分野の表現者・出版者に直接、間接に規制を強いる作用を及ぼす。
出版するしないは出版者の、買う買わないは読者の手にゆだねられ、社会によって淘汰されるべきであり、国・地方の行政機関が出版を管理し、規制しようというのは根本的に間違っている。
私たち出版流通対策協議会は、言論・出版・表現の自由への大きな萎縮・抑制効果を持つこの上告棄却判決に強く抗議する。
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不利益条件の強要についての申し入れ
2007年5月21日
日頃は、出版流通対策協議会会員社をお引き立てくださり、誠にありがとうございます。
このところ、DVD付等の複合商品(書籍・雑誌)、ニューメディア対象商品であると取次が判断する書籍、また雑誌であると取次が判断する書籍、発売元を引き受けている場合など、見本出しのときに取次の仕入窓口で、一方的に歩戻し(2%〜5%)を求められるという事態が見られます。
その際、「すべての社に適用している」という、事実と異なる理由を持ち出し、不利益条件を受諾させようとしている事態も生じています。
出版社としては、このような取次の対応に対し、配本できない事態をおそれて、その条件をやむをえず承諾してしまうことが多いのが現状です。
このような一方的な条件変更は、公正取引委員会が「不公正な取引方法の禁止」として戒めている行為に当たるおそれがあり、強要すれば「優越的地位の濫用」にあたることになりかねません。
取次が公正取引委員会の監視対象とされている現在、審査対象となるおそれのある行為は、慎まれるべきだと思います。
記
1 今後、取次の判断による一方的な不利益変更を求めないこと。
2 すでに、上記の理由で歩戻しを課せられてしまっている出版社については今後、 該当する歩戻しを撤回すること。
以上
※トーハン、日販、大阪屋、太洋社、栗田、日教販、中央社に送付
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| ●声明●
オリコン社に提訴取り下げを求める
2007年3月28日
私たちは中小出版社107社の団体です。
昨年11月17日に、ヒットチャートで知られるオリコン株式会社(以下オリコン社)が「事実誤認に基づく名誉棄損行為に対する5000万円の損害賠償と謝罪」を求めて、烏賀陽弘道氏を東京地裁に提訴しました。
事件は、昨年4月に刊行された月刊誌『サイゾー』(株式会社インフォバーン)に烏賀陽氏が『サイゾー』からの電話取材に応えて語った22行の記事、つまり「“オリコンはランキングの調査方法をほとんど明らかにしていない”“オリコンは予約枚数をもカウントしている”」(「ジャーナリスト烏賀陽氏への提訴についての要点整理」オリコン社企業広報部 2月7日)という部分が、オリコン社の逆鱗に触れたことに始まります。
当該記事に対して、オリコン社は出版元を除外して、コメントをした烏賀陽氏だけを訴訟の対象にしました。烏賀陽氏がコメントした内容に、言論機関(オリコン社企業広報部によればメディア企業)であるにも関わらず応えることをせず、警告も何もなく高額訴訟を起こすのは、烏賀陽氏の口封じを狙ったものです。この行為は、高額訴訟であらゆる言論の否定を行えることにつながりかねません。
烏賀陽氏はこれに対し、「裁判を悪用した表現の自由の破壊」だとして、オリコンを2月8日に反訴しています。
オリコン社の提訴は、言論に対して言論で応えず、フリージャーナリストを突然法廷に引きずり出し、高額訴訟で口を封じるという、言論・表現を圧殺する行為であり、私たち出版人として黙認することはできません。
加えて、この訴訟自身が、今後、言論人によるさまざまな意見の表明という、言論の自由の前提を阻害しかねないことに、非常な危機感をおぼえます。
ただちに提訴を取り下げ、言論に対しては言論で応えることをオリコン社に求めます。
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| ●出版社代表による見解●
オリコン社による烏賀陽弘道氏提訴についての見解
音楽ヒットチャートで知られるオリコン株式会社(小池恒社長、以下オリコン社)が、2006年11月17日付で「事実誤認に基づく名誉棄損行為に対する5000万円の損害賠償と謝罪」を求めて、フリージャーナリストの烏賀陽弘道氏を東京地裁に提訴しました。訴訟の対象になっているのは、月刊誌『サイゾー』(株式会社インフォバーン発行)の電話取材に応じて烏賀陽氏が答えた20行ほどのコメントに対してです(同誌2006年4月号掲載)。
私たちは出版社を営む者ですが、オリコン社の今回の行為に対して、以下の諸点で「言論・表現の自由」に深くかかわる事柄として重大な関心を抱き、大きな危惧・疑念を抱かざるを得ないことを表明するものです。
@ 本件の特異性は、月刊誌『サイゾー』やその発行元を訴えるのではなく、まったくの個人である烏賀陽氏に対して、いきなり5000万円もの高額な賠償を提訴したことにあります。先頃、武富士などのいわゆる「高額訴訟」が自らに都合の悪い言論封じの手段として問題になり、「言論、執筆活動を抑圧又は牽制するために訴訟を提起した行為は違法」と司法によっても断罪されていますが、本件はそれよりもさらに重大な問題です。もし、月刊誌『サイゾー』の記事が名誉を毀損しているのならば、月刊誌『サイゾー』やその発行元を訴えるのが筋です。個人に的を絞っての高額訴訟は「訴訟に名を借りた言論封じ」との危惧を抱かざるを得ません。
A 『サイゾー』記事に事実誤認があるとするならば、言論人・出版者でもあるオリコン社はまずは自らのメディアで反論を展開すべきでしょう。先の武富士裁判でも東京地裁判決で、「言論による批判に対しては、民主主義社会においては、資料の裏付けのある言論で応酬することが求められている」としているところです。いきなりの提訴は言論人・出版者としてなじまない行為と言わざるを得ません。
B 『サイゾー』という報道媒体を提訴するのではなく、取材源そのものを提訴したことに、言論・出版にかかわる私たちは重大な危惧を抱きます。このようなことがまかり通れば、取材における大きな抑圧となりますし、取材源・情報発信者にとっても大きな脅威となり、「国民の知る権利」を損なうことになります。
烏賀陽氏は「名誉毀損ではない」「司法を悪用した脅迫であり、断じて許せない」として、2月8日にオリコン社を反訴しました。また、『サイゾー』編集長と発行元インフォバーン社は「記事へのコメント提供者のみを訴訟対象にした本訴訟には違和感を拭えず、言論機関と情報提供者との関係性、ひいては表現および報道の自由を保持・保障するうえで、本件は極めて重要な意味を持つものと考えます。よって、弊誌は本訴訟において烏賀陽氏をできうる限りバックアップをしていきたいと考えています」との声明を発表しています。
私たちは重大な関心を持って、本件を見守ることを表明するものです。
2007年3月27日
青山賢治(大蔵出版代表) 安藤節子(芽ばえ社代表)
石井秀樹(インスプレス代表) 石田俊二(三元社代表)
上野良治(合同出版代表) 梅田正己(高文研代表)
浦松祥子(山吹書店代表) 江村信晴(白順社代表)
遠藤真広(木犀社代表) 大江正章(コモンズ代表)
小木章男(凱風社代表) 奥川 隆(子どもの未来社代表)
小野利和(東京シューレ出版代表) 霞和三郎(学習の友社代表)
上浦英俊(柘植書房新社代表) 川上 徹(同時代社代表)
菊地泰博(現代書館代表) 貴志元則(道出版代表)
清田義昭(出版ニュース社代表) 久保則之(あけび書房代表)
栗原哲也(日本経済評論社代表) 桑原 晨(めこん代表)
高 二三(新幹社代表) 小林健治(にんげん出版代表)
小林 力(リサイクル文化社代表) 駒木明仁(教育史料出版会代表)
小山光夫(知泉書館代表) 相良景行(時潮社代表)
桜井 香(桜井書店代表) 佐藤英之(批評社代表)
沢田健太郎(民衆社代表) 篠田健三(晩香書屋代表)
鈴木 誠(れんが書房新社代表) 高須次郎(緑風出版代表)
高橋矩彦(スタジオタッククリエイティブ代表)
高橋 栄(風濤社代表) 竹内淳夫(彩流社代表)
竹村正治(かもがわ出版代表) 鶴田 實(五月書房代表)
田悟恒雄(リベルタ出版代表) 中川 進(大月書店代表)
中里英章(七つ森書館代表) 中村吉郎(草の根出版会)
名古屋研一(ひとなる書房代表) 成澤壽信(現代人文社代表)
新沼光太郎(いかだ社代表) 西岡泰和(気天舎代表)
羽田ゆみ子(梨の木舎代表) 林 雅行(クリエイティブ21代表)
原嶋正司(績文堂出版代表) 平田 勝(花伝社代表)
比留川洋(本の泉社代表) 深田 卓(インパクト出版会代表)
松田健二(社会評論社代表) 水野 久(晩成書房代表)
森下紀夫(論創社代表) 吉村親義(アテネ社代表)
計57名
●オリコン社による烏賀陽弘道氏提訴についての見解(PDFファイル)
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| ●声明●
『崩壊したごみリサイクル』名誉毀損事件の却下を求める
2006年12月22日
出版の自由委員会委員長 中里英章
本件は、内海重忠御殿場市長が現職であった当時、推進してきた御殿場市小山町広域行政組合(同氏が管理者をつとめる)のごみ固形化燃料施設(RDF)について論じた『崩壊したごみリサイクル──御殿場RDF処理の実態』(米山昭良著、緑風出版刊)の記述が、名誉を毀損したとして、内海氏が著者の米山昭良氏(死去のため米山恵子氏が承継)と出版者である高須次郎氏(株式会社緑風出版代表取締役)を静岡地方裁判所沼津支部に訴えたものである。
訴状では、「被告らの原告に対する名誉毀損行為」として9項目にわたって同書の記述を引用して、「架空の事実関係を捏造したものである」としている。
そもそも行政が行う事業について、住民やジャーナリストがその妥当性を論じ、報道し、出版する権利は、言論・出版・表現の自由として日本国憲法で保証されている。にもかかわらず、本件のように事業の妥当性を論じた書籍が、いきなり名誉毀損であるとして司法の場にひきずり出されることは、著しく妥当性を欠くものである。言論に対しては言論をもって対抗すべきであり、自由な発言によって論争すべき課題である。
また、同書が2004年6月に発行されていたにもかかわらず、半年も経った2005年1月になって、原告である内海氏が立候補した市長選のさなかに告訴したという事実は、選挙目当てとの誹りを免れないだろう。
本件が名誉毀損であると認められるならば、言論・出版・表現の自由は著しく侵害される。
本件は却下されるべき事件であり、公の場において論争すべきであると訴えるものである。
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▼再販制度──日販のCRM構想「Honya
Club」に反対!(2006年8月)
──複合商品の価格表示問題──書協(『新文化』上野氏の寄稿)への反論(2006年8月)
──アマゾンのDVD付書籍「5%値引」に対する申し入れ(2006年5,6月)
──スタンプサービス導入決定に反対します(2006年3月)
▼「差別取引」の解消へ!──公開申入書に対する取次からの回答へのコメント(2006年7月)
──取次に対する公開申入書(2006年3月)
──「差別取引」の解消に向けた取り組みスタート(2006年1月)
▼共謀罪反対!──声明●“天下の悪法”である「共謀罪」法案は断念すべきである(2006年4月)
| ●声明●
日販のCRM構想「Honya Club」に反対!
2006年 8月28日
日販は先日、CRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)構想「Honya Club」の始動を発表した。それによると、CRMは情報システムを応用して企業が顧客との長期的な関係を築くことで収益を上げていく手法で、そのためには前提条件として顧客情報の取得が必要であり、顧客の個人情報を取得する「対価」として「ポイント」を付与する「ポイントプログラム」という手法が一般的である。「Honya
Club」は得られた顧客情報と購買履歴データを活用して様々な提案を行い、顧客を書店店頭へ誘導し、書店の売上を伸ばすことを目指しているという。
出版流通対策協議会は、これまでスタンプサービス(景表法の枠内でのポイントサービス。値引きではなく景品とされている)も含め、ポイント・カードに対しては、再販契約違反の値引き行為であるため、一貫して反対してきた。再販制度下においては、本の低価格、多様性、供給の利便性、迅速性などによって読者サービスを行なうのが原則である。売上増につながるからと言って、再販制度を危機に陥れていいはずはない。かかるシステムが導入されれば、導入していない取次店や書店は対抗的な措置にでるのは必至である。CRM構想「Honya
Club」は、こうした観点から見たとき、どのような目的があろうとも、取次店によるポイント・カード・サービスの組織的導入である。もしこれが拡大すれば、目論見とは裏腹に、神田ポイント戦争の全国化を引き起こし、再販制度の実質的崩壊を将来するであろう。
出版流通対策協議会は、日販のCRM構想「Honya Club」の中止を求めるものである。
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| ●上野幹夫(昭和図書顧問)氏が『新文化』(二〇〇六年六月二十九日付)に寄稿した「複合雑誌の「価格」表記、徹底を」への意見●
2006年 8月
上野幹夫(昭和図書顧問)氏が新文化(二〇〇六年六月二十九日付)「複合雑誌の「価格」表記、徹底を」との寄稿を寄せている。出版流通対策協議会として、この寄稿をふくめ複合商品の問題点を指摘しておきたい。
寄稿によれば、平成十六年六月三十日の第四回著作物再販協議会で、公取委がDVDなどを付けた複合出版物(著作物再販契約対象商品と非対象商品とのセット商品)について再販契約上の表示である『定価』表記をした場合、独占禁止法違反の恐れがでてくるとの口頭注意をしたため、書協としても「複合商品の価格表記」説明会などを開催したが、このほど実態調査をしたところ、いまだに雑誌の「九割近くが『定価』表記のまま」であることが分かり、理由も「従来からの生活習慣に漫然と表記を『価格』とせず、『定価』としてきたきらいがある」ので、「価格」表記の徹底を呼びかけたというのである。
上野氏の主張は、書協や雑協の現在の姿勢を反映したものなのであろう。書協はこの間(再販制度が当面存置とされた二〇〇一年三月以前もそれ以後も)、公正取引委員会の口頭による再販制度廃止の脅しの前に畏縮したまま、ともすれば迎合的な姿勢をとるようになってしまっている。公取委に弾力的運用を評価されたことに喜び、日書連の活動が共同行為的であると警告されれば公取委に同調し、「セット商品」(複合商品)の価格表記に問題があると指摘されれば「定価」を「価格」へと変更することに懸命になる。
書協・雑協は二〇〇一年(平成十三年)に出した『再販制度弾力運用の手引き 改訂版』で、すべての書籍・雑誌を再販商品とすることが必要かとの公取委の質問に対し、その必要はないとし、発行者が自主的に判断することであり、複合出版物、多少なりともわいせつ感を表現者が認めるもの、など五種類の出版物を「時限・部分再販の検討対象になると思われる」と業界指導を行なっている。これを一歩すすめて、第四回著作物再販協議会での公取委の複合商品は非再販品とする「指導」は、値引きを招くだけであろう。
その結果、現実には何がおきているのか? 「公取委は出版社が『定価』を改め『価格』と表記した場合にも、再販商品と同様の流通を確保するよう取次会社に要請し、理解を得てある」としているが、例えばアマゾンでは「価格」表記であること、公取委が再販対象外としていることを根拠に、「目玉」として複合商品の「五%値引き」がWEB上で展開されている。
「価格」と表記することで何の不都合も変化もないと言って「価格」表記を推進した書協は、この事態をどう見ているのだろうか。「価格」表記の商品をアマゾンが値引き販売しても、誰も文句を言うことができなくしてしまった(「定価」表記の商品については、流対協は違反行為であるから取りやめるようアマゾンに申し入れしている)。「同様の流通」(同じ正味)であるにもかかわらず「五%値引き」できるということは、マージン率の低い中小書店には真似のできないことであり、アマゾンにしかできなくなっている現状も、別の意味で問題があるのではないか。価格表記という再販制度の根本にかかわることを安易に放棄してしまったツケと言わざるをえない。
これまで雑誌や書籍は付録があっても定価表記が行なわれている再販商品である。それを著作物再販契約対象商品と非対象商品との「セット商品」を販売する場合は、「複合商品」として「価格」表記させ、一律に非再販品とするのには、はっきりした理由が必要であろう。「複合商品」に該当する書籍、雑誌の多様性の現実を見ないで、一律にただ、非再販商品が付いているという理由で「価格表記」=非再販品と判断をするのはおかしいのではないか。どちらが主でどちらが従かで判断するという考えもあるはずだ。
確かに公取委が指摘するように、TVで宣伝を繰り返していたような玩具系の「複合商品」に代表されるように、誰が見ても付録が主体というものもないわけではなかった。それらの存在が公取委の指摘を誘引したのであれば、公取委の指摘の内容を正しく分析し、それこそ実態調査をしたうえで、法的根拠を質し、主張することは主張し公取委と話し合うべきではないか。そのうえで子どもの夢からマニアの嗜好などを充足させる「付録」の「多様性」を一律に「複合」とせず、「再販制度に対する国民の信頼」を得るために、「納得のいく線引き」を行ない、上記のような明らかな逸脱行為に限定して「価格」表記をすべきではないか。そしていずれにしても発行者の自主的判断に任せるべきであろう。
また、上野氏は「再販制度に対する国民の信頼をうるためには……法律規則を遵守する出版社の姿勢が問われる」いう。しかし、法律を遵守することにやぶさかではないが、「わいせつ表現」をめぐる論争ばかりではなく、治安維持法よりひどいといわれる共謀罪法案が日程に上がっている時代に、言論・出版・表現の自由と法律とが抵触する場面は十二分に予想される。よくよくとなれば再販制度より言論・出版・表現の自由のほうが出版社にとって大事なのはいうまでもない。
歴代の公取委の取引企画課長は、再販問題に関して、エポックとなる発言を繰り返してきた。和泉沢発言しかり、最近の野口発言しかりで、その度に出版四団体は振り回されてきた気がする。そろそろ公取委の一課長の恣意に翻弄されるのは止めにした方がいいのではないだろうか。
公取委が「セット商品」(複合商品)は再販対象外と言おうが、「第四回著作物再販協議会」の議事録にそれが明文化されようが、それに唯々諾々と従う必要はまったくない。流対協は、消費税導入直後(一九八九年)、公取委を相手どって「消費税定価訴訟」を起こし、十年かけて最高裁まで争い、九八年十二月十八日に「敗訴」したが、「(消費税導入時に公取委が発表した定価表示のガイドラインが)公表文にすぎず、何ら法的拘束力もない」という地裁判決が確定し(同年十月二十七日付け内閣答弁書でも政府はこのことを事前に認めている)、事実上「勝訴」した。この長い裁判闘争の結果、消費税率の引き上げの際に、出版業界はようやく、内税から外税表示へと移行することになったわけである。また、消費税総額表示の義務化に対しても、流対協は総額表示を一切拒否している。公取委の一課長の発言に法的拘束力などはなく、絶対視する必要はないのだ。
公取委は一貫して再販制度を廃止する意向とみられ、法改正による撤廃は二〇〇一年三月時点で断念せざるを得なかったものの、弾力的運用の拡大などによって制度自体を有名無実化してしまい、改めて再販制度の存廃が俎上にあがったときには、食管法と米の販売自由化がそうだったように、何の議論をするまでもなく、法改正するまでもなく、著作物再販制度を消し去ろうとしているのではないか。
とすれば、再販制度を何とか護持したいという思いからではあるだろうが、書協はこの間、公取委のこうした思惑に踊らされているとしか思えない。特殊指定廃止を公取委に断念させた新聞協会の毅然とした対応に学ぶべきではないだろうか?
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●再販問題/DVD付書籍「5%値引」の中止申し入れ●
A回答を受け、改めて申し入れます
2006年 6月23日
回答、ありがとうございました。
最初に、会員社の申し入れに迅速な対応をされ、「販売価格を自由に決定する」などという弁明をされずに、速やかに値引き対象外にされたことには謝意を表明しておきます。
ところで、1項についてですが、貴社に多少、誤解があるように思われます。当会は「定価」表示となっている書籍等を値引き対象外にすることを求めただけであり、貴社が「価格」表示の書籍等を値引き販売することについては今回、一切問題にしていません。
出版者が価格を拘束する再販制度のもとでは、「定価」と表示されてる以上、再販維持契約を締結している貴社には、「販売価格を自由に決定する」法的権利はありません。現在もなお、当該出版社から申し入れのなかった「定価」表示の書籍等に関して値引き販売を続けているとすれば、明らかな違法行為となることを申し添えておきます。
また、2項の価格表示については、回答いただけていないようです。
再度、「Amazon.co.jp」の価格表示について、異議を申し立てるとともに、再販制度の対象となる商品については「定価」と表示されるよう、改善を求めます。
今回の回答における貴社の見解(「複合商品」は再販対象ではない)について、当会の見解を述べさせていただきます。
貴社は「(公正取引委員会が)再販対象とはならないという見解を明確に公表しています」と認識されているようですが、公取委のいかなる文書、発言をもとにそう明言されているのでしょうか。当会が把握しているかぎり、公正取引委員会の担当官が業界関係者にそのように言ったというだけのことであり、これは行政指導ではもちろんなく、悪名高い公表文にもなっていない、公取委の担当部署の法的拘束力のまったくない無責任な見解にすぎません。それを誤解して「価格」表示を推進した業界関係者の責任は多大なものがあります。
ご存じのように、再販制度の見直しにおいて、公取委は「再販制度は廃止すべきである」という姿勢を堅持し、業界関係者に対し絶えず脅しをかけ続けてきました。その当時の担当官の姿勢は明らかに再販廃止、その発言等には「(書籍は)再販対象とはならないという見解を明確に公表」と誤認しかねないようなものがしばしば見受けられました。
しかし、結局は業界の再販堅持の姿勢を打ち砕くことができないまま、2001年3月、公取委は20年余にも及ぶ再販制度見直しに終止符を打ち、「再販制度は廃止すべきであるが、当面存置する」という曖昧な結論を発表しました。ところが、その後も公取委は、弾力的運用などという恣意的なガイドラインを持ち出し、一貫して再販制度の事実上の崩壊を画策しているわけです。
当会では消費税が導入された1989年、公取委を相手どって「消費税定価訴訟」を起こしました。10年かけて最高裁まで争い、98年に「敗訴」しますが、「(消費税導入時に公取委が発表したガイドラインが)公表文にすぎず、何ら法的拘束力もない」という画期的な判決を獲得、事実上、「勝訴」したと当会では認識しています。この長い裁判闘争の結果、消費税率の引き上げの際、出版業界はようやく、内税から外税へと移行することになったわけです。
ここで、念のため当会の「定価」の概念について申し添えておきます。当会では、税額は再販事業者が決定できないから再販価格は税抜きでなければならない、したがって「「本体価格」が「定価」である」と主張、「定価○○○円+税」という価格表示を堅持してきました。消費税総額表示を義務づける悪法に対しても一切対応せず、異議を申し立て続けています。
最後に、蛇足ではありますが、当会の再販制度の維持を求める行為(声明・申入・要望など)は、「(集団行為にあたらず独占禁止法に抵触しない)という見解を(担当官は)明確に公表」しています。
お手数ですが、この申入れに対する貴社の回答ないし見解を、7月5日までに文書でいただけるようお願いいたします。
@アマゾン ジャパンへの申入書
2006年 5月19日
平素は会員社をお引き立て頂き御礼申し上げます。
さて、貴社のインターネットサイト「Amazon.co.jp」では、「DVD付き商品」を5%値引販売されていますが、「定価」と表示されている流対協会員社の書籍(DVD付)も値引き対象となっております。ご承知のように、これは明らかに再販契約に違反する行為であり、法律に抵触することになります。
「DVD付き商品」等の「複合商品」については、公正取引委員会の「『DVD付き商品』等の『複合商品』は再販対象外」という発言(これは行政指導でもなんでもないただの「発言」なのですが)に出版業界の一部が萎縮してしまい、「複合商品」を再販対象外の「価格」表示とする方向でミスリードし、大手中堅版元がこれに追随することになってしまいました。その結果、今回のような事態を招いてしまい、出版社自らが再販制度を混乱させてしまったことについては、当該出版社の安易な姿勢が問題であったと言わざるを得ません。
貴社は現行の再販契約を遵守されて書籍の販売を行なっておられると思いますので、下記の2点について早急に対応されることを求めます。
1.「Amazon.co.jp」における「DVD付き商品」等の5%値引き販売について、表 示が「定価」となっている書籍をその対象から速やかに外すこと。
2.「Amazon.co.jp」の価格表示について、「定価」と表示されている再販対象書籍 については、「価格」という表示を「定価」と変更すること。また、再販対象外の 「価格」等の表示をしている書籍については、「参考価格」という表示を「価格」 と変更すること。
(値引き対象書籍について貴社は「参考価格」という曖昧な表示をされていますが、 出版業界において「参考価格」という表示は使用されておりません)
お手数ですが、この申入れに対する貴社の回答を6月5日までに文書でいただけるようお願いいたします。
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●「差別取引」の解消へ!●
公開申入書に対する取次からの回答へのコメント
2006年 7月 5日
当会は3月29日、取次7社に対して「公開申入書」を送付した。
それに対しトーハン、日販、大阪屋、日教販の4社から、別紙のとおりの回答が寄せられた。不思議なことにいずれもほぼ同文で、「取引は個々」であるから、取引条件については交渉を希望する出版社と個別に話し合うという。
公開申入書に対する回答なので、われわれのコメントも公開することにした。
「話し合いに応じる」という明文の回答が得られたのは、会員社が一斉に取引条件改善の要望を提出した成果であった。事実、会員社の中にはこの間の交渉で、何らかの「改善」を獲得したり、改善への手がかりを得たところがある。会員各社にはぜひ、今回だけにとどまらず恒常的に交渉を提起・継続していただきたい。
しかしその反面、各取次が新規取引出版社に課している「正味67%、歩戻5%、支払保留30%6か月、納返品の運賃負担」という「標準的」取引条件についてはまったく言及がない。以前からわれわれが主張しているように、これは強者による取引条件の強要であり、新規取引希望社に対する「門前払い」に等しいと言わざるをえない。なぜ、こうした条件が横並びで要求され、適用されるのか。われわれの関知できないところで「基準」「標準」ができあがっているのではないかという疑念が、現段階ではやはりぬぐえない。
取引を開始しようという出版社にとって、窓口で「この条件を飲まなければ口座を開設しない」と言われれば、受け入れる以外に道はない。これは銀行が借り手に強要する各種の付帯条件や、家屋の賃貸契約時に大家が要求する「敷金」「現状復帰」と通底する「優越的地位」の行使ではないのか。「取引が順調に推移すれば条件変更に応ずる」という主旨の説明はあるようだが、どういう「条件」になれば変更されるのかは明示されていない。
当会が行なった会員アンケート調査で判明したが、ここ四半世紀以上、取引開始年によって正味は「定価別段階正味」から「一本正味」へ、そして「70%」から「67%」へと、取次各社すべてで、なぜか「一斉に」「はっきりと」変更・適用されてきている。
われわれが回答をもとめた不明瞭・不健康な取引慣行は依然として存在している。
(1)なぜ取引条件は、例外なく横並びで統一されているのか。
(2)「取引は個々」といいながら、トーハン、日販のいずれかが取引を開始しないかぎり、その他の取次は取引開始を検討さえしないのか(神田村等の例外を除いて)。
(3)歩戻・支払保留を課す理由をなぜ、明らかにできないのか
(4)歩戻・支払保留という差別的条件は、「取引約定書」に記載されておらず、取次が持っている「基本台帳」にだけ記されている。これは対等な「契約」とは言えないのではないか。
(5)契約に際して取次に有利な各種保全・保留措置をとりながら、取引開設時になぜ連帯保証人を必須の条件とするのか。「世間でいう連帯保証人とは違う」というが、納得のいく説明をぜひうかがいたい。
当会は主要取次であるトーハン、日販、大阪屋の3社の責任者に対して、あらためて別紙のとおり、面談による話し合いを求める要望書を送付した。取引条件の基準が明らかにできないということは、とりもなおさずその基準に「合理性」がないことにほかならない。今回の当会の更なる申し入れに対して、各取次が真摯かつ合理的な対応をされることを、切に希望する次第である。
これら憂慮すべき事態はどうやら中小零細版元の問題には限られないらしい。大手出版社の中からも優越的地位の濫用を危惧する声が聞こえてくる。出版業界の風通しが悪くなり、構造的なアンバランスが増大しつつあることをひしひしと感じる。期せずして日書連が「取引改善」を重点活動項目にしたように、取次による取引条件の強要は、業界全体の発展に負の影響を及ぼしているのではないか。
当会は、以上のような「非合理的な条件」の是正に向けて必要最小限の合意を、業界全体として形成したいと考えてこれまで活動してきた。言うまでもなく、新規出版社の参入と既存出版社・既存書店の経営が阻害され続けるならば、この業界に「明日」はない。
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●声明●
強権的で暗鬱な管理社会への扉を開けるのは誰だ!
“天下の悪法”である「共謀罪」法案は断念すべきである
2006年 4月24日
多くの市民やメディア関係者などの強い反対のために、これまで三回も廃案になった「共謀罪」の審議が、またもや衆議院法務委員会で開始された。われわれは、憲法によって保障された「言論・出版・表現の自由」を侵す法案であるので、その立法化を断念し、ただちに廃案にすべきであると訴えてきた。
「共謀罪」の問題点とわれわれの主張を再度述べよう。
「共謀罪」が対象とする犯罪は、殺人などの重大犯罪を取り締まる刑法にとどまらず、道路交通法や消費税法、水道法など、市民社会の全般にわたる600余の犯罪である。対象となる組織は、組織的犯罪集団だけでなく市民団体、労働組合に及び、企業でさえもが対象となる。
「共謀罪」の正式名称は「犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理の高度化に対処するための刑法等の一部を改正する法律案」で、国連「越境組織犯罪防止条約」批准のための国内法整備にともなうものとの名目である。あたかも国際的な組織犯罪と情報管理の対策を装っているかのようである。しかし、その実体は人間同士が法に触れる恐れがあることを話し合って合意しただけで、罪に問われるというものである。犯罪を準備したか、実行したかではなく、話し合ったり表現したりする想像の世界をも取り締まる無謀きわまりな法案である。
また、市民の国際的な活動までもが制限されるだろう。イラク戦争に反対する市民の活動が世界中を駆けめぐり、おおきな一つの声となって共同行動を盛り上げたことは記憶に新しいが、このような市民的自由も制限されかねない。強権的で暗鬱な管理社会が目論まれているのだ。
われわれの出版活動では、自由な創作活動において犯罪を題材にとりあげることもあり得るが、その表現自体が罪に問われるおそれがある。「思想・良心の自由」や「内心の自由」をいちじるしく阻害するのである。「話し合うことが罪になる共謀罪」は、自由な議論、自由な発想にもとづく多様な表現を制限するのであるから、われわれ出版人の「言論・出版の自由」「表現の自由」への重大な挑戦であり、市民の「知る権利」への挑戦である。
これを“天下の悪法”と言わずに、なんと表現するのだろうか。
われわれは、何度でも言う。このような“天下の悪法”は今国会においても廃案にすべきであるばかりでなく、ただちに断念すべきである。
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※公開申入書
<トーハン、日販、大阪屋、栗田、洋社、中央社、日教販>
上記7取次の社長宛に送付
2006年 3月29日
拝啓
平素は会員社をお引き立て頂き御礼申し上げます。
さて、流対協の取引条件改善の要望について、貴社からのご回答をいただきました。それによりますと、貴社のご見解は「取引は個々に決定しているので、要望出版社と個々に相談する」という趣旨であると理解しますが、貴社ご回答は当会の質問への直接的な返事とはなっておりません。
お申し越しの内容を当会幹事会ならびに会員有志と検討しました結果、下記の理由から再度、貴社のお考えをご開示くださるよう、改めて申し入れる次第です。
@ 流対協は中小出版社の業界団体であり、交渉当事者として会員出版社104社の要望をとりまとめ、会員社を代表して取引ガイドラインを決定すべく、個別条件の決定基準の開示を貴社に求めました。貴社は流対協に対し、具体的かつ誠意ある回答をする責務があると考えます。
A 流対協の申し入れは、中小出版社の活性化と新規出版社の参入を促すことで、右肩下がりに低迷する出版業界の活性化を期する観点で申し入れたものです。出版流通を担う取次店として、貴社は当会の要望に応える責務があると考えます。
B 流対協は、新規出版社の参入に際して「差別的」条件を課さず、また、書店に対する差別的取引条件も撤廃するよう強く要請し、業界ならびに一般読者に対しこの点を広く訴えていく所存であり、出版流通を担う取次店として、こうした観点からの流対協の申し入れに回答する責務があると考えます。
また、以下の事項につき改めて、文書をもって4月20日までにご回答くださるよう要求します。
なお、この申し入れは、出版界全体の健全な発展を前提として、「優越的地位の濫用による不公正な取引」を排し、「公正な取引」の確立ならびに出版社の「公平・公正な競争」を促進することを目的としたものです。
以上、再度ご検討のうえ期限までにご回答くださるよう、お願い申し上げます。
敬具
記
1 注文支払い保留は、具体的にいかなる理由、いかなる契約条項に基づいて課されているのかを明らかにしてください。
2 「歩戻し」と称される「値引きの強制」はいかなる理由、いかなる契約条項に基づいて課されているのか明らかにしてください。歩戻しは委託のみならず、延勘・長期・常備など取引条件によってまちまちに課されているようですが、これについても基準を明らかにしてください。
3 貴社の現行の業務処理基準並びに会員社の取引条件の内容を、希望する版元には書面でご開示くださるよう、お約束ください。
4 正味の内容が不明朗です。出版界の正味は互いの流通コストを含んで決定されているものと理解しますが、納品・返品ともその運賃を版元が負担しているケースがあります。これが「優越的地位」によって強制されたものでないとすれば、その理由と基準をご説明ください。
5 今後、取引条件の合意については、書面にして相互に保持するようにしてください。
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| スタンプサービス導入決定に反対します
2006年 3月22日
スタンプサービスの導入が、出版物小売業公正取引協議会(小売公取協)の臨時総会で強硬な反対を押し切って可決されたことについて、遺憾の意を表明します。
流対協がかねてから反対していたように、このサービスの導入は実質的な値引きの容認となり、再販制度の崩壊を招きかねないと危惧せざるをえません。書店の景品規約が改訂を重ねて7%まで拡大されたことや、「初年度1%・2年目より2%・3年後に見直し」という妥結が示すように、このサービスもいずれ拡大運用されていくことになるのは必至でしょう。
今回、小売公取協が苦渋の選択をとらざるをえなかったことについては、公正取引委員会の果たした役割が大きく、再販制度の当面存置の結論を出しておきながら、それをないがしろにするような公取委の一方的な介入(行政指導なのか曖昧にしたままの圧力)については、強く批判されなければなりません。
今後とも、流対協は、再販制度を原則的に維持していく姿勢を堅持し、弾力的運用を口実としたポイントカードには低率であっても反対し続けていくとともに、景品に名を借りたスタンプサービスについてもその率にかかわらず反対し続けていきます。
また、このようなサービスが現実的に実施されてしまわないよう、書店各位が賢明な選択をされることを要請します。
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※「差別取引」の解消に向けた取り組みをスタートさせました
●要望書
(トーハン、日販、大阪屋、太洋社、栗田、日教販、中央社に送付)
<主要7取次>
<代表取締役社長>殿
2006年1月27日
日頃は、出版流通対策協議会会員社をお引き立てくださり、誠にありがとうございます。
さて、このたび会員社から取引条件のこれ以上の悪化は耐えられないという要望が相次ぎ、検討の結果、最低の取引条件につき、下記の通り要望致します。
記
1 注文品支払い保留については、ただちに無条件で撤廃すること。
2 委託歩戻しについては、3%を上限として調整すること。
3 取引正味については最低68%ととし、希望出版社には定価別正味を適用すること。
なお、はなはだ勝手ながら2月末日までに文書をもってご回答ください。
※取次側の言い分では、取引は個別なので、各社がそれぞれの要望書を取次に提出する必要があります。
流対協としては、取次のやり方が、優越的の地位の濫用、不公正取引にあたるのではないかという視点で、公正取引委員会とも情報交換しながら、会員社の取引条件の改善をめざしています。
流対協の会員でない方々もぜひ、この機会に取引条件の見直しに取り組んでみませんか?
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第2回 差別取引撤廃!! 会員集会
<当日の飛び入り参加、会員外の参加も大歓迎!>
●日時/12月12日(月)18時30分から
●場所/文京区民センター3F・3C会議室
(文京区本郷 4-15-14)
取次の仕入窓口から条件改悪の強要、されていませんか?
DVD・CD付書籍、書籍コードの雑誌等について、歩引きされていませんか?
この間、返品率の悪化等を口実にした取次の横暴な姿勢が目立つようです。
「優越的地位の濫用」にあたるのではないかと、公正取引員会も注目しているようです。
出版共同流通の所沢、トーハンの桶川……業界の流通改善と言いながらも、
取次にとっての合理化、データ収集が主眼であり、
出版社、書店、倉庫業者にとっては、負担だけが増大、デメリットになっているのでは?
前回、7月の集会には24社が集まり、
参加した会員社がいかに苛酷な取引条件を強要されているか、
時間が限られていましたが、有意義な情報交換ができたと思います。
今回はさらに一歩踏み込んで、取引条件の改善に向けて、
それぞれの社でできることは何か、具体的にどうしていけばいいのか、
業界全体に問題提起していけるような意見集約ができればと。
●目標●
「支払い保留」の撤廃、
「歩戻し」(原則的に認める訳ではありませんが)基準策定
▼出版の自由・表現の自由を侵す「共謀罪」は、
ただちに廃案にすべきである
2005年 10月21日
衆議院法務委員会で審議が開始された「共謀罪」は、憲法によって保障された「出版・表現の自由」を侵す極めて危険な法案であるので、その立法化を断念し、ただちに廃案にすべきである。
「共謀罪」は、国連「越境組織犯罪防止条約」批准のための国内法整備のためと称しているが、正式名称は「犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理の高度化に対処するための刑法等の一部を改正する法律案」である。その目的は、組織犯罪と情報管理の対策であるかのようだが、実体は人間同士が法に触れる恐れがあることを話し合って合意しただけで、罪に問われるというものである。犯罪を準備したか、実行したかではなく、話し合ったり表現したりする想像の世界をも取り締まる無謀きわまりない悪法である。
600を越える犯罪が対象となるのだが、殺人などの重大犯罪を取り締まる刑法にとどまらず、道路交通法や消費税法、水道法など、市民社会の全般にわたる。また、対象となる組織は、組織的犯罪集団だけでなく市民団体、労働組合に及ぶ。企業でさえもが対象となるのである。強権的な管理社会が目論まれているのだ。
加えて、「思想・良心の自由」や「内心としての自由」をいちじるしく阻害する。自由な創作活動において、犯罪を題材にとりあげることはあり得ることであるが、その表現自体が罪に問われることがないとも限らない。自由な議論、自由な発想が多様な表現を支えていることは論を待たないが、「話し合うことが罪になる共謀罪」は、われわれ出版人の「出版の自由」「表現の自由」への脅威であり、市民の「知る権利」への脅威である。
「共謀罪」は、多くの市民やメディア関係者などの強い反対のために、二度も廃案になっている。
われわれは、このような稀代の悪法は、今国会においてもただちに廃案にすべきである、と訴える。
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▼「文化審議会著作権分科会法制問題小委員会 審議の経過」に対する意見
2005年 10月 7日
文化庁長官官房著作権課法規 係 御中
特許審査手続き、および薬事行政に関わる権利制限について
図書館における権利制限について
学校教育での権利制限について
出版流通対策協議会としての意見を述べる。
●特許審査手続き、および薬事行政に関わる権利制限について
権利制限が必要と主張する論点について、共通して言及されているのは、公共の福祉
のためには、各種手続きの迅速化が必要ということである。
まず、この点に反論する。
1 国の各級機関、および地方行政が担っている様々な行政手続きについて、公共の
福祉を伴わないものが存在するのか。もし、存在するとすれば、その行政機関が行っ
ている行政手続きこそ、速やかに廃止するのが、公共の福祉にかなうものである。
2 特許権が、排他的独占権として極めて強力な権利である、という位置づけについ
ては、同意する。しかし、そのために、著作権が制限されることがあり得る、という
論拠にはならない。
「人間の知的創造活動の成果としては、独創的なアイデアである「発明」や「考案」、
ユニークなデザインである「意匠」、音楽や小説、絵画などの「著作物」などがあり、
それぞれが特許法、実用新案法、意匠法、著作権法によって保護されています。」と
いうように、どちらかが優先されるという性質のものではない。
特許審査が、長期にわたるため、その迅速化が求められていることは、承知してい
る。しかし、それは、特許行政全般にわたる問題であり、著作権に関わる分野につい
て、特に行政手続きが遅滞しているという具体的事例は報告されていない。
もし、そういう事例が極めて多く存在するということであれば、特許庁による著作
権管理団体への情報開示と、意見交換こそ必要なのではないか。
3 国民の健康ならびに生命に直接関与する分野については、すべからく優先される
のか。
医薬品等の顕著な有用性についての積極的な情報提供は、医薬品等の製造販売業者が、日々、努力していることは、周知の事実である。
一方、医薬品等の当該の副作用情報が迅速に情報提供されていないということが、著作権保護によってもたらされた手続きの煩雑さに求められるというのは、一般国民の常識からずれた論議であるといわねばならない。薬害エイズがもたらした貴重な一例の反省がされていないのではないか。
以上により、
特許審査手続きならびに薬事行政における権利制限の拡大に、反対である。
●図書館における権利制限について
現在、いわゆる図書館は、かつての、蔵書し、貸し出すという単一のサ?ビスから、ネットワーク構築による蔵書の活用、書誌データベースの整備から全文データベースへの進化へと、サービスと機能を多角化させてきている。また、蔵書には、いわゆる書籍、雑誌には限らない分野が含まれている。
また、今日ほど、大学と企業が密接に研究開発を行っている時代はなく、それに基づき、大学図書館もその役割を変えて来ている。
公的ではあるが、限定的であったが故に、図書館での利用については、権利制限が認められて来たはずである。
利用者のニーズにより、多角化したサービスにも権利制限を適用していくという論理は逆さまである。
このことが認められていくと、先達の成果の上に、新たな著作物が作られるという知的循環の構造に極めた大きな影響を与える。なぜなら、その供給先である、著作者とその供給の主な担い手である出版社の存立の基盤を危うくするからである。
新たなサービスには、それに見合う著作権保護のありようを作り出すことが、本筋で
ある。
よって
1 図書館等に設置されたコンピュータ端末において、調査研究目的でインターネット上の情報を利用者がプリントアウトすること、について反対である。
2 ファクシミリ、インターネット等を利用して著作物の複製物を送付すること、について反対である。
●学校教育での権利制限について
学校教育の現場では、著作物の利用について、著作権は保護されるというルールが、ようやく定着の兆しが、見え始めた段階である。
よって、権利制限の見直しという手法での解決の仕方は、現在の流れに、逆行するものである。
「教育利用全般について補償金制度の導入を考えるべき時期に来ているのではないか」という、2005年7月5日に文化審議会著作権分科会法制問題小委員会に提出された著作権制限規定の見直し審議についての要望については、(図書館、障害者福祉、学校教育関連)(社団法人 日本書籍出版協会以下5団体)に同意する。
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▼返品問題情報交換会
どうなってるんだ? 返品!!
――返品の問題について、いろいろ情報交換しませんか?
●経営委員会/主催●
●日時/9月28日(水)18時30分から
●場所/飯田橋 東京しごとセンター
(千代田区飯田橋3-10-3/旧シニアワーク東京)
5F・第一セミナー室
日販の返品が無伝返品(書店・取次間)となり、
所沢の出版共同流通に移行して以来、
さまざまなトラブルが発生しているようです
バケット返品か、結束返品か…
検品に要する手間の異常な増大
返品運賃の計算基準の変更
常備返品の混乱、誤配送等のミス
了解返品についての扱い
返品データ提供の問題
また、書店現場においても、逆送、逆送手数料の問題がクローズアップ、
返品作業がより煩雑となり、負担も大きくなっているようです
このままでは、手間のかかる出版社本は扱いたくない、ということになりかねません
今後、大阪屋、太洋社、栗田、日教販も出版共同流通に合流
トーハンも桶川で同様に、無伝返品をスタート、オリコン返品へ移行します
取次はいずれも、出版社に迷惑はかけないようにするとしながらも、
実際にはさまざまレベルで、出版社、書店に負担増を強いている現状があります
返品運賃ひとつとっても、一冊あたり0円から10円前後までとかなり幅があり、
「取引は個々」という常套句のなかで、優越的地位の濫用がはびこっています
情報を交換しておかないと、不利益を押しつけられたままになってしまいます
この機会にぜひ、いろいろ情報交換、意見交換しましょう
●会員でない出版社の方々もぜひ、ふるってご参加ください●
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●声明●
▼鹿砦社代表の起訴に断固抗議する
2005年 8月10日
去る7月12日、神戸地検特別刑事部は鹿砦社代表取締役松岡利康氏を逮捕し、
8月1日に起訴した。容疑は「名誉毀損」である。本日現在、接見禁止の勾留が続い
ている。
われわれは、出版社の代表を名誉毀損事件で逮捕し起訴に及んだことの一点にお
いて断固抗議する。加えて、さしたる理由もなく長期勾留を続けることは、司法当局に
よる「出版の自由」「表現の自由」「国民の知る権利」に対する重大な挑戦であると受
けとめる。このようなことが罷り通るならば、戦前の治安維持法下の言論弾圧が再現さ
れるであろう。
容疑とされた鹿砦社の出版物は、裁判において係争中である。また、名誉毀損・プ
ライバシーの侵害などの事案は、刑事事件として争うというより、民事事件として扱われ
るのが司法界の趨勢であることを考えると、今回の逮捕の不当性が一層明らかになる
だろう。
われわれは、個人の名誉とプライバシーは当然守られる権利としてあると考える。それ
は鋭意な精神をもって日々の出版活動において検証されるものである。
司法当局による不当逮捕・起訴に断固抗議する。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
▼松文館裁判、控訴棄却・有罪判決に抗議する
2005年6月16日
6月16日、東京高裁(田尾健二郎裁判長)はわいせつ図画頒布
の罪に問われていた松文館貴志元則さんに対して、再度有罪判
決を下した。
摘発されたコミック『蜜室』は、成年マークを表紙に印刷し18
歳未満への販売を自主規制し、業界ルールに従いビニールでく
るむなどのゾーニング販売していた図書で、一般的に店頭に並
べて販売していたものではない。また他の書籍との相対的な関
係からみて「わいせつ」とは言い難い。本書をわいせつ物とし
て摘発したこと自体が異常である。
また、警察は社長・編集長・漫画家を逮捕し、長期に及ぶ接見
禁止をつけて、代用監獄で「自白」を強要し、罪に陥れたので
ある。
また、わいせつ物頒布を処罰する刑法175条は明らかに違憲で
ある。あらゆる表現は自由であり、表現の規制は人間性の否定
である。その表現が、差別や教唆によって人を傷つける場合、
人権を守る立場からのみ他の法律で訴追されることはありうる
が、公権力がわいせつの基準を判断し刑を科すことは誤りであ
る。出版するしないは版元の、買う買わないは読者の手にゆだ
ねられ、社会によって淘汰されるべきだ。権力が出版を管理し
、規制しようというのは根本的に間違っている。
わたしたち出版流通対策協議会はこの有罪判決に抗議する。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
▼読者向けリーフレット
ポイントカードは読者・消費者のためになるのでしょうか?
●声明●ポイントカードによる本の販売中止を求める
●緊急企画●個人情報保護法対策セミナー
▼改めて「個人情報保護法」に異議を申し立てる
▼緊急声明●政治家によるメディアへの圧力を許さない
▼『週刊ヤング・ジャンプ』(集英社刊)連載『国が燃える』(本宮ひろ志著)の休載について
▼トーハン桶川計画に関する基本的考え方
▼著作権等管理事業法に対する意見
▼著作権法改正要望について
▼ポイントカード問題
<再販制度>
▼ポイントカードは読者・消費者のためになるのでしょうか?
2005年 5月
今はどんなところでも商品を買うと ポイントカードがついてきます。貯まればあとで使えてちょっと得をした気分になります。もう少しで500円分となると、思わずそこで買い物をしたりしてしまいます。すごいのになると同じ店ですぐ使えるところもあります。でも私たちは本のポイントカードには反対なのです。消費者のそんなささやかな楽しみに反対なんて、ちょっとおかしいんじゃないの?といわれそうですが、本については反対なのです。それはなぜか? 私たちの言い分も聞いてください。
●本はどうして定価販売なの?
Q 本や雑誌は、なんで定価販売なの? ずるくない?
A 同じものなら東京でも札幌でも沖縄でも同じ定価。他の商品は、安売りありでいろいろな価格がついているのにおかしく思われるのもわかります。 実は本や雑誌、新聞などは、販売価格を出版社などのメーカーが決めることを許されているからです。再販売価格維持制度(再販制度)と呼ばれるこの制度は、本来は消費者の利益にならないことが多く、いまではおもに文化的な配慮から著作物についてだけ独占禁止法で認められています。全国どこでも同じ値段で買えるということが、本などが担っている、知識や文化の伝播機能を地域の格差なしに提供することになり、社会の公正な発展に役立つと考えられているからです。
●本は安い
Q 再販制度で本の値段を出版社が勝手に決められるとなると、本の値段は上がりませんか?
A そう思うのが普通ですね。ところが本は物価の優等生といわれるほど他の商品に比べとても安いのです。2003年現在新刊書籍の平均定価は1965年に比べて3.1倍の上昇ですが、新聞購読料は6.8倍、郵便はがき10倍、もりそばは7.5倍、お米(標準米10キロ)3.3倍、新幹線運賃(東京〜大阪)は5.1倍の上昇となっています。ほぼお米とおなじです。しかも2003年現在の本の平均定価は1999年に比べ12パーセントも下がっています。
●ポイントカードくらいいいんじゃない!?
Q ポイントカードはせいぜい5%くらいなのだから、読者サービスでいいんじゃない?
A 東京の神田駅近くのある全国チェーン書店がポイントカードを数年前に始めました。近くの小さな書店さんたちも対抗上、やむなくポイントカードをはじめました。どうなったかといいますと、小さな書店さんは続けられなくなってお店を閉めてしまいました。もともと書店のマージンはとても少なく、とくに小さな書店さんほど不利なのです。統計でも営業利益率はマイナスになっています。
●でも公正取引委員会は賛成だと聞きました…
Q ポイントカードに出版業界が反対しているけど、公正取引委員会は賛成だと聞きました。
A 書店は出版社との再販契約によってもともと定価販売をしなければならず、値引きにあたるポイントカードはやれませんし、ほとんどの書店はやっていません。公正取引委員会もポイントカードは値引きにあたると言って来ました。ところがポイントカードを止めない全国チェーン書店があるため、再販契約を守ってポイントカードを実施していない書店から不満が出てきました。なぜなら正直者が馬鹿を見るということだからです。そこで書店や取次店や出版社が、ポイントカードはやめようと動き出したところ、肝心の公正取引委員会が、低率のものならいいといいだし、混乱がはじまりました。反対していたところも諦めたり、対抗してポイントカードを導入しようという動きもあります。
●それじゃあしょうがないじゃないですか?
Q 業界の中にやりたい人がいるんだから、しょうがないんじやない?
A ほとんどの書店はポイントカードを始めるとお互いにポイントの還元率を競いあって共倒れになるということで本当は反対です。しかしそれがチャンスと考えている書店があることも事実ですし、価格決定権を持っている出版社のなかにもどうでもいいやと思っている出版社がいることも事実です。でも、ポイントカードを導入できない街の小さな書店はどんどん廃業に追い込まれていきます。またポイントカードをが広まっていくと、読者も結局損をすることになります。
●ポイントカードをどんどんやれば読者は助かりますが…
Q ポイントカードが広まると読者は助かると思うのですが、どうして損になるのですか?
A ポイントカードが広まると、書店はその負担を出版社に求めるようになり、本の値段が上がってしまいます。たとえば3%なら9%、5%なら15%と値上がるとなると、読者=消費者の利益にならないと思います。しかもポイントカードによる値引きが一般化すると、再販制度が不要ということになってしまいます。定価販売がなくなれば売れない専門書などはますます市場原理で値段を叩かれて出版がしにくくなり、出版物の多様性が失われて、知識や文化の伝播機能が低下してしまいます。目先のポイントをとるか、永い目で本の安さをとるか、本当はどちらが得なのでしょうか?
私たち出版流通対策協議会(中小出版社98社で構成する出版業界団体)は、ポイントカードに反対しています。また自分たちの発行する本はポイントカードの対象から外してほしいと思っています。ぜひ
ご理解ください。
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▼ポイントカードによる本の販売中止を求める
2005年 4月28日
出版物は、文化的配慮等から、出版社が小売価格を決定できる再販売価格維持行為を独占禁止法によって許されている法定再販商品であり、これに基づき出版社、取次店、書店は再販契約を結び、その遵守を約している。現在、問題となっているポイントカードについては、これまで公正取引委員会は値引きと判断しており、その「ポイントカードの提供が、再販価格維持行為について定めた事業者間の契約に反するかどうかについては、当該事業者間において判断されるべき問題である」(大脇雅子参議院議員の質問主意書に対する2001年7月31日付け小泉内閣総理大臣の答弁書)として、国は出版社、取次店、書店相互の協議決定にまかせるとしている。
これを受け、これまで関係当事者は、ポイントカードが再販契約に違反する値引きであることを表明するとともに、再販契約を結んでいる書店がポイントカードを提供することは、
@他の再販契約を遵守している書店を一方的に不利な立場に追いこみ、契約を守り 法律を守る「正直者が馬鹿をみる」結果となっているだけでなく、甚だしくは被 害書店を廃業にまで追い込む
Aポイント率の競争=値引き競争が結局は本の値上げを惹起し、読者の利益=消費 者の利益を侵すことになる
としてその中止を求めてきた。
ところが、公正取引委員会は低率のポイントカードを容認し、ポイントカード実施書店に対する関係当事者による中止要請活動が共同行為にあたるなどとして圧力をかけ、再販制度の実質的切り崩しを図ってきた。
出版流通対策協議会は、改めてポイントカードが再販売価格維持契約に反する値引き行為であることを表明しその中止を求めるとともに、会員各社の出版物の販売について、ポイントカード実施書店におかれてはポイント対象商品から除外する措置をとられることを要請し、知の伝達物である出版物の定価販売への読者=消費者のご理解をお願いするものである。
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▼個人情報保護法対策セミナー
●緊急企画●
4月1日全面施行!!
個人情報保護法の対策、貴社は、万全ですか!?
「個人情報保護法」の対象になる「個人情報取扱業者」は
5000名以上の生存する個人が特定できる情報をデータベース化している場合です。
今回のセミナーでは、
対象となる社にとって、テキストを読んだだけではわかりにくいポイントを、
テキストにそってわかりやすく解説します。
また、対象とならない社であっても、「個人情報保護法」を理解しておかないと、
思わぬところで違法行為をしてしまうことがあるかもしれません。
担当の部署の人だけが熟知していれば対応できるというものではなく、
個人情報を取り扱う社員全員が、理解しておく必要があります。
●日時/
3月25日(金)18時30分から
●場所/
文京シビックセンター
B2・消費生活センター研修室A+B(定員60名)
http://www.city.bunkyo.lg.jp/shisetsu/civic/index.html
●講師/
冨田 烈氏(東京フレックス法律事務所所属弁護士)
伊藤 毅氏(東京フレックス法律事務所所属弁護士)
『SE+法務・総務部すぐできる個人情報保護法対策』の執筆者
(上記書籍をテキストとして使用します/現代人文社刊・本体価格1,600円)
●会費/
テキスト付2,000円(会員外3,000円)
1社から2名以上参加の場合、二人目から1,000円(会員外2,000円)
※すでにテキストをお持ちの場合は当日、ご持参ください。
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▼個人情報保護法対策セミナー 参加申し込みます
(※先着順で受付させていただきます)
●出版社名
●参加者名
※事前に質問を受け付けますので、事務局宛にメール、FAX等でお寄せください。
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改めて「個人情報保護法」に異議を申し立てる
2005年3月4日
出版流通対策協議会
会長 高須 次郎
本年4月1日、「個人情報保護法」が全面施行されます。同法に対して、当初から出版流通対策協議会は、個人情報を保護するという美名のもとに個人を国家の管理下に置き、監視社会化をさらに押し進めるメディア規制法・監視社会法にほかならないとして批判してきました。
同法は2003年に成立しましたが、私たちはその際、「出版の自由が妨げられることはないかのようにも読める付帯決議の採択があっても、この法の本質は何ら変わるものではありません。この法案の成立は私たち出版を生業とするものの職業倫理に反し、私たちの存在を否定するものです」という声明を発表しました。
同法の全面施行により、あらゆる人たちのパソコン、インターネットが法規制の対象となり、監視下に置かれることとなります。同法の成立以降も、メディアを駆使したイラク人質への「自己責任」という名のバッシング、すべての人に番号を付与した住民基本台帳ネットワーク、全国的に展開されている防犯カメラと称する監視カメラ網、ビラまき・落書きに対する行き過ぎた法の適用、過剰な法規制等々、この社会は監視社会への道を突き進んでいると言わざるを得ません。
個人情報を保護するのは必要なことですが、出版言論の自由に関して、同法はあまりにも大きな危険性を孕んでいます。
改めてまた、「個人情報保護法」の全面施行に断固として異議を申し立て、この悪法の全面的見直しを求めるものです。
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●緊急声明●
政治家によるメディアへの圧力を許さない
2005年1月24日
出版流通対策協議会
会長 高須 次郎
1月12日、朝日新聞は、4年前のNHK「ETV2001 戦争をどう裁くか」の第2回「問われる戦時性暴力」に対して、安倍晋三(当時内閣官房副長官)・中川昭一両自民党国会議員から圧力があったことを報じた。
この日の報道以降、安倍氏側は次のように主張している。
@ NHKを呼びつけてはいない。
A NHKの予算審議を控えていた時期にNHK側が説明に来たのでこの番組が「ひどい内容 になっていると側聞していたので公平公正にちゃんとやってくれ」と言った、圧力はかけて いない。
これを政治的圧力と言わずに、なんと言うのだろうか。「公共放送」を標榜するNHKというメディアに、政府与党の政治家が権力を背景にして「ひどい内容」「公平公正に」と発言したこと自体が、番組への介入である。このあとNHKは放映前日に異例の局長試写をし、番組を再編集させているではないか。
またNHKが強大な権力を握っている政府与党の政治家に、未放映の番組内容についての釈明をすること自体、報道機関としての自殺行為だとの誹りはまぬがれないだろう。財源を視聴料に頼る公共放送ならば、視聴者にこそ顔を向けるべきである。にもかかわらず、一部政治家と癒着し、報道への政治の介入を招くことはメディアとしての腐敗であり、まさに自殺行為である。
今回の事態は、NHKの長井暁チーフプロデューサーの勇気ある内部告発によって明るみに出た。内部告発者である長井氏は決して不利益を被ってはならない。氏の立場は、報道の自由の名において守られるべきである。
私たち出版流通対策協議会は、NHKのような巨大メディアではない。しかし出版という同じメディアの世界に携わる者として、NHKのこうした対応を看過できない。政治権力に対して自立した立場を持ち、誤った行為に対しては批判的な主張を掲げる姿勢を堅持するのが、メディアに携わる者の最低限の責務ではないか。そうすることなしに、出版の自由・報道の自由・表現の自由は十全に機能するものではない。
私たちは、NHKのこの間の対応に大きな怒りと危機感を持つ。私たちは政治権力のメディアへのいかなる介入も許してはならない。
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『週刊ヤング・ジャンプ』(集英社刊)連載『国が燃える』(本宮ひろ志著)の休載について
2004年12月 1日
出版流通対策協議会
会長 高須 次郎
『週刊ヤング・ジャンプ』(集英社刊)に連載されている漫画『国が燃える』(本宮ひろ志著)第88話に描かれた南京虐殺の描写について、集英社と作者は、南京虐殺は「ないという強力な証拠があるものの、あるという確証がない」という立場をとる勢力から抗議を受けた。抗議の主旨は、
○南京虐殺について諸説があるにもかかわらず戦争の真実として描いていること
○素材に使った写真の真偽は定かではなく百人斬りを事実として記載していること
○歴史的認識が確立されていない青少年に大きな影響を与え心を傷つけ、また日本国・国民 の誇りを傷つけるものであって、フィクションと記載した漫画であっても許されない
というものである。
これに対して、すぐさま集英社の週刊ヤングジャンプ編集部と作者である本宮ひろ志氏は、連名で、「読者の皆様へ――本誌第42号、43号(平成16年9月16日、22日発売号)掲載の『国が燃える』について、読者の皆様から様々なご意見を頂きました」という文書を2ページにわたって掲載し、「適切でないと思われるシーン」の削除・修正を発表するとともに、漫画を第4部の準備期間ということで休載とした。削除・修正および休載の理由は、
○百人斬りについては戦犯として処罰された者の遺族が裁判で係争中なのに誤解を生じる表 現をした
○「描かれたシーンが過剰な虐殺のイメージを想起させる」と考えた
○参考にした写真の真偽について明確な結論が出ていないものを使った
というものである。「深くお詫び」し、単行本化にあたっては、第43号・第88話掲載の19頁中8頁を削除、10頁を修正すると発表したのである。驚くべきことに無傷で残ったのは1頁だけだ。
この事態は、出版の自由・表現の自由にとって、きわめて重大な問題である。
まず、抗議した勢力は、集英社本社前に街宣車を繰り出したり、不買運動をちらつかせるなど様々な圧力を企図した。どのような交渉をもったか想像に難くないが、「言論には言論をもって議論する」というのが民主主義のルールではないのか。このような行動は、厳に戒められるべきである。
つぎに、私たち出版に関わるものとしては、今回の集英社と本宮ひろ志氏の対応に大きな危惧を持つ。そもそも、歴史的事件や人物を素材に作者が独自の創作活動によって作品を作り上げていくことは通常行われていることであり、出版の自由・表現の自由にとって重要な要素である。日本が中国戦線で多くの人々の命を奪ったことは歴史が証明していることであって、深い自省の念を持ってこの問題をとらえて深化することなしに、出版の自由・表現の自由を守ることはできない。
本来、きちんとした議論が必要な問題であるにもかかわらず、安易な措置をとったことは、その場逃れの誹りをまぬがれないであろう。私たちは、こうした対応をしたことは出版の自由・表現の自由の幅を自ら大きく狭める行為であり、出版人のとるべき道ではなかったと考える。
今後もあり得るであろうこうした事態へ対して、毅然とした態度で臨むことを、全出版人に訴えるものである。
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トーハン桶川計画に関する基本的考え方
株式会社 トーハン
代表取締役社長 小林 辰三郎 殿
2004年 9月 7日
出版流通対策協議会
会長 高須 次郎
桶川計画が発表されてから、約2ヶ月、今回の計画が、壮大な割には細部を詰め切れていない情況での“見切り発車”的なスタートであったように思われる。というのは、計画の実施段階で生起するさまざまな問題にトーハンとしての統一見解が示されず、個別交渉や先送り事項が多々あるからである。
トーハンにとっては「トーハン始まって以来、最大のインフラ整備」であることは、間違いないところであり、自ら言う「出版界の未来を拓く計画」に関しても、読者への迅速な配送、流通の無駄の排除、書誌情報、在庫情報の充実・提供など現在の業界が抱える問題の改善策の一つであることも確かである。
しかしながら、一方ではこの計画には、出版という、市場原理だけでは成り立たない“特殊な業界”を支える思想ないしは哲学の裏打ちが薄く、単なる“効率化”第一主義と言わざるをえないと思う。
現在、出版界が抱える基本的な問題は、読者の活字離れと言って嘆き、縮小したパイを単に取り合うというだけでなく、如何に読者を増やすか、大都市に集中しつつある市場を地方にも拡大するかにあり、また同時に新しい読者ニーズに応える書物を提供できるかにかかっている。その意味では、川下である地方の“無医村”ならぬ“無書店町村”を作ってはならず、川上の小零細出版社の出版活動が保障され、新規参入がしやすい情況を作って、業界全体の活性化を計ることが目標とされなければならない。
そうしたなかで、流対協は流通上における「差別取り引きの撤廃」が基本原則であり、公平の立場で“競争”をするのがあるべき姿だと考えている。
以上が現在における基本認識である。それに照らして以下に、現時点での認識、要望を述べる。
1 今回の計画は、トーハンの都合による移転であるから、これに伴う取引関係における負担を版元に転嫁しないこと。また、差別的取引条件の拡大は絶対に許容できない。同時に小零細版元の出版活動の実態的な底上げに配慮すること。
・計画の目玉でもある読者への迅速な届けを可能にする“計画納品”を大前提にする流通改革であるならば、希望する版元には「毎日集品」が保障されなければならないし、その実現を基本的に要望する。
・現在行われている納品・返品業務を無条件で継続すること。
・届け版元の場合、自社での桶川納品は経済的・時間的負担が大きすぎ、現在の会員社ではほぼ不可能であり、計画搬入及び注文品の迅速処理の面からも桶川計画の主旨に沿わない。従って、集品業務を拡大し、効率的な物流を確保して頂きたい。
・業者搬入をしている会員社に関しては、現状の搬入コストを増大させないこと。大幅なコストアップが出る場合は、そのアップ分を何らかの形で補填すること。
2 SCMセンターの設置に伴う受発注の効率化はプラス面を持つが、完全なオンライン化には、前述の物流の現実と併せて、版元の負担と時差があることを配慮されたい。
3 短冊発注を廃止し、銘柄別合計冊数発注方式を導入する場合、そのデータ(書店名、冊数、客注名等)を即日、無料で提供すること。
4 版元受注データのトーハンへの提出問題について
・注文受注のデータをSCMセンターに送り、一括管理によって、再注文を受けて納品となれば、時間的なロスを生じる事は確実で、非集品版元や納品頻度の低い小零細版元ほど、そのロスははげしくなる。従って、それを実行するとすれば、非集品版元も集品対象に加えて計画納品への一歩にすること。
・事前注文品のデータ提出に関して ダブり配本等のロスを防ぐ面では評価できるが、現実には会員社の注文は新刊のパターン配本の実績部数を前提に書店で注文を出している場合が多く、過重な重複は無いと考えられる。注文データを提出し、無調整の指定配本がなされる場合は、歩戻しや内払い等の条件を前向きに検討する。少なくとも、事前注文分に関しては歩戻しの対象としないことを望む。
・版元の営業活動による注文品は、基本的にトーハンの調整対象(版元と書店の契約である)になく、データ提出によっても「満数出荷」を保障すること。
5 QRセンターについて
・倉庫代行業としての新会社に関しては、意見を述べる立場にないが、参加を求める仕方としては公平を期すよう配慮を求めたい。
・QRセンターの倉庫業務の他、流対協会員社の売れ行き良好書を集めた“拡大流通倉庫”案を提案したい。在庫のデータ管理もままならない版元にとってこの拡大流通倉庫案が実現されれば、迅速流通・計画納品のまさに成果になるものと考えられる。
6 その他 この桶川計画に伴うIT化、データのやりとりに関する費用等については版元に新たな負担を強いることのないよう配慮されたい。仮に、各版元に費用負担を求める考えならば、出来るだけ早く個別コスト案を提示して頂きたい。
7 桶川計画に関する情報について 今回の計画が業界全体を左右するものでもあり、各版元に関わる情報については積極的に逐次公開し、版元の不安を除去するよう求める。
以 上
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著作権等管理事業法に対する意見
※文化庁長官官房著作権課からの「著作権等管理事業法の施行状況等に関する意見募集」に対して、
2004年9月30日付で、下記の「著作権等管理事業法に対する意見」を提出しました。
著作権等管理事業法に対する意見
2004年 9月30日
出版流通対策協議会
会長 高須 次郎
1 日本複写権センターの公益性、開放性について
日本複写権センターは、本来、複写権についての唯一の集中的処理機構として設立され、著作権仲介業務法による許可事業として新規参入を制限する独占的性格を有する組織であった。したがって、その設立の主旨からすれば、構成団体、あるいはそこへの新規加入など、開かれたものでなければならなかったはずである。しかしながら、事の経緯は、必ずしもそうではなかった。高額な入会金・年会費は、中小出版者およびその団体にとっては非現実的であり、新規加入を阻むものだった。そのため参加出版社数、委託著作物数とも、発行者、発行物の一部にとどまった。
著作権等管理事業法が施行されたことにより、一部未加入の著作権者、並びに、その代理人に対する日本複写権センターの閉鎖性という問題については、別の著作権等管理事業者を設立するという形で一応の解決の方向が開かれた。
しかしながら、歴史的経緯、利用者の認知度を考えると、日本複写権センターの公的責任は依然として大きいものがある。公益性、新規加入希望者への開放性等、日本複写権センターが解決しなければならない問題は積み残したままであり、入会金・年会費の是正を含め、文化庁が十分留意されるよう要請する。
2 出版分野における著作権の前提とされるべきこと
日本複写権センターの運営にも見られる閉鎖性は、貸与権使用料徴収に関するビジネスモデルの構築(貸与権センター)の準備過程においても、色濃くみられている。
例えば2003年11月14日の第6回文化審議会著作権分科会法制問題小委員会での「貸与権の集中管理を行う管理センターに入っていない出版社等は、管理センターで取り決められたルールに拘束されるのか、また、管理センターは何らかの指導等を行うのか。」との質問に対し、出版社側代表委員は「(貸与権)管理センターに入っていない権利者は管理センターにおけるルールに拘束はされないし、指導することはできない。権利者の意思によるものと考える。」と答えている。
同小委員会でのこの応答は、主要な出版者団体で構成できれば事足りるとする、旧来の思考が残ったものといわざるをえない。すべての著作権者が、法の平等のもとにその権利を公平に享受出来るという原則を基本にしているとは、少なくとも思われない。
貸与権は、これからの出発であるからこそ、日本複写権センターに見られた閉鎖性をクリアする努力が、当事者に必要であるとともに、文化庁の注意深い働きかけが肝要と思われる。
3 出版分野における著作権等管理事業者の意見の調整
現在、出版分野の著作権等管理事業者は、日本複写権センター、日本出版著作権協会、日本著作出版権管理システム、学術著作権協会の4団体が存在している。また、貸与権センターも近く設立されると認識している。
複写使用分野、貸与権利用分野、あるいは著作権全般と、性格は様々であるが、出版分野の著作権の今後を考える際、互いの意見交換が必要と思われる。
同時に、利用者の利便性をどう確保していくのか、著作権者並びに出版者の権利をどう保証していくのか、共通の問題が存在しているのであるから、当会を含む出版社団体などから広く意見を聴取し、適宜協議の場を創り出すことを、文化庁に要請するものである。
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著作権法改正要望について
(文化庁著作権課法規係に提出/2004年8月31日)
要望その1―著作隣接権の要望
要望の主旨/ 著作隣接権(複製権・送信可能化権・公衆送信権・貸与権・譲渡権)を出版者に認めること
法改正を必要とする理由/ 著作物の公衆への伝達に重要な役割を果たしているに者に与えられる権利である著作隣接権が、歴史的に最も古くからその役割を担っている出版者に与えられていない。出版者の発意と責任において、もっぱら個人の知的営為の産物である著作物を、企画・立案から編集、宣伝、販売まで、組織的に商業的に、出版
物として公衆へ伝達し普及する役割を担っている出版者に、この権利が与えられるのは当然である。しかもコピー機器は言うまでもなく、近年のインターネッ
ト等よる複製・送信技術の驚異的発展は、出版者の存立を危うくするだけでなく、ひいては著作権者の権利を侵害するものといえる。従って出版者の固有の権利保護のために早急な法改正の必要がある。
改正条項および内容(略)
要望その2―デジタル複写補償金の要望
要望の主旨/デジタル方式による録音録画に補償金制度に準じ、スキャナーおよび、スキャニング機能を備えたデジタル複合機について、デジタル複写補償金を受ける権利を出版者に認めること
法改正を必要とする理由/アナログ複写利用については、複写使用料が認められ、日本複写権センターが設置された。しかし、IT技術の発達は、デジタル複写という新しい利用技術をもたらした。アナログ複写の利用は、一時的なものが大半であるが、デジタル複写利用は、画像での固定、再複製のみならず、テキスト抽出、それを元にしたデータベースの作成など、著作権者の権利とは無関係に、著作物の高度な利用が可能である。家庭用のスキャナーでさえ、OCRソフトが必ず添付されており、文書の複写はテキスト抽出を前提としている。また、今後もさらにデジタル複写利用の傾向は増大することは必然であり、著作権者の保護の対策が必要である。
改正条項および内容(略)
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日本人イラク人質事件と言論・出版・表現の自由について
イラクにおいて人質にされた日本人3人が解放されて以来、「自己責任」に名を借りたバッシングが続いている。人質バッシングの許し難い非人間性、日本政府の非人道的ともいえる対応、その政府の意図を代行するマスコミなど、問題とすべき事例は多々あるが、私たちはとりわけ言論・出版・表現の自由の問題として危機感を覚える。
3人の人質、後に人質となった2人のうち、3人がジャーナリストであり、2人がNGOボランティアである。1人がストリートチルドレンのために活動し、他の1人は米兵・自衛官の人権保護のために活動していたという。まず、イラク国民の抵抗が続く戦時下的状況のイラクにおいて人道支援のために活動するボランティアの活動家はもとより、何人に対しても邦人保護の義務がある日本政府によって保護されるのは当然であって、人質になったからといって個人の「自己責任」が問われる性質のものではない。また、ジャーナリストは、イラクで何が起こっているかを私たちが知ろうとする権利に応えて、言論・出版・表現の自由のもとで行動するのであるから、同様に個人の「自己責任」が問われるものではないのは当然であろう。
そもそも、人質事件が私たちに問いかけた根本的な問題は何であったか。それは、自衛隊イラク派兵の是非、真の人道支援とは何か、言論・出版・表現の自由とは何か、ということであろう。自衛隊が駐留するサマワの新聞の世論調査によると、派遣直前の1月には「自衛隊派遣に賛成」が90%だったものが、3月末から4月初めの調査では49%に激減したと報じている。自衛隊の駐留が人道支援に及ぶべくもなく、アメリカの軍事支援にすぎないことをイラクの人たちが見抜き始めている証左であり、人質事件の元凶といってよいだろう。
また、本年初頭、石破防衛庁長官がイラクでの自衛隊の取材について報道自粛を要請し、多くのマスコミがこれに応えた。報道統制を強める政府の姿勢は厳しく批判されるべきであって、イラク現地で取材するジャーナリストの言論・出版・表現の自由は守られなければならない。
5人の人質の方々が身をもって問いかけたのは、まさにこれらのことであろう。正面から論じられるのを恐れた政府が、警察・公安をも大動員して自作自演説や自己責任論をふりまき、マスコミもそれに乗じた。このように、言論・出版・表現の自由がないがしろにされる事態が招来されてはならない。
私たちは、「自己責任」に名を借りて言論・出版・表現の自由および知る権利を侵害する日本政府の姿勢を厳しく批判するものである。
2004年 5月10日
出版流通対策協議会
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週刊文春の出版差し止め事件について
去る3月16日、東京地裁は田中真紀子衆議院議員の長女のプライバシーを侵害したとして、『週刊文春』3月25日号の出版差し止めの仮処分決定をしました。これに対し、(株)文藝春秋が異議を申し立てましたが、19日、東京地裁は異議をしりぞけたため、同社は東京高裁に抗告、31日、同高裁はこの東京地裁の決定を取り消し、田中氏側が最高裁へ特別抗告しなかったため、取り消しが確定し、審理は民事裁判の場へ移されました。
私たち出版流通対策協議会は、地裁段階で出版差し止めの判断が、いともかんたんに出されたことに強い危機感をもって注目してきました。
(株)文藝春秋の異議に対して東京地裁が審尋の後、出版差し止めの維持を決定したことは、国家権力によって言論・出版・表現の自由が侵害されたことを意味し、言論・出版・表現の自由への侵害であると同時に、知る権利を奪う行為であると言わざるをえません。東京高裁で決定の取り消しがなされとはいえ、かんたんに出版差し止めが行われたというこの事実は消しようもありません。
また、東京高裁の決定においても当該記事のプライバシーの侵害が認められていますが、この程度の記事によってプライバシーの侵害が認定されるならば、出版業界への強迫的な萎縮効果が強く懸念されます。
民主主義社会において、言論・出版・表現の自由および知る権利は、国家権力によって侵害されてはならない権利です。また、個人情報をはじめとした個人のプライバシーも固く守られるべき権利です。これらふたつの権利は矛盾するものではなく、出版をはじめ表現行為にかかわるすべての人びとの不断の努力によって守られるべき権利であると考えます。また、言論・出版・表現の内容にかかわる判断は、広く議論にゆだねられるべきものです。
今回の出版差し止めは、東京高裁の取り消し決定によって最悪の事態はまぬがれましたが、今後、司法当局はプライバシーの侵害を理由として、事実上の事前検閲にあたる出版差し止めを行わないよう強く求めるものです。
2004年 4月 7日
出版流通対策協議会
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出版の自由を圧殺する
東京都青少年健全育成条例の改悪に反対する
東京都青少年健全育成条例が、またもや改悪される。
2001年3月に、東京都の東京都青少年条例が改悪されたと私たちは以下のような抗議声明を発した。
「東京都青少年条例の改定案が可決・成立したことは、出版・表現の自由の束縛に向かって大きな一歩を踏み出すものとして、私たちは非常な危惧と怒りを感じています。/青少年の健全な育成のために、という名目であれ、行政機関が出版物を選別する事は間違っています。それも、「自殺・犯罪」に関するものも「不健全図書」の対象にし、それを非公開の場で選定していくというのでは、歯止めなき言論・表現規制に道を開いたものというしかありません。/また中小零細書店へのなんの配慮もなく、罰則を振りかざしての区分陳列の強制も暴挙であるといえます。/管理と罰則で社会を治めようという方向にまた大きな一歩を踏み出したこの改正案の成立に対して、私たちは抗議します。」
そして昨2003年10月に東京都の緊急治安対策本部のもとに置かれた副知事の諮問機関が青少年条例の「改正」を提言、石原都知事が青少年問題協議会に「不健全」図書類の効果的規制のあり方を検討するよう諮問、青少協は条例強化するようにという答申をまとめる。それを受ける形で東京都は条例改正案を作成、3月22日文教委員会で可決、3月30日の本会議で可決成立へと、かつてないはやさで、大幅改悪に向かっている。
その内容は、4年前の改悪をステップとして、さらにひどいものになっている。
まず「不健全図書」の区分陳列どころではなく、包装義務化と罰則が新設され、東京都知事が「自主規制」を版元に勧告する権利を付与するなど、規制強化・厳罰化に向かっている。また青少年の閲覧・観覧が不適当との表示を要する「表示図書」が梱包・区分陳列されて売られているか、あるいは貸し出しされているかどうかを、都の職員のみならず民間の「青少年健全育成協力委員」が書店・コンビニへ立ち入り調査するようになる。
これは言論・表現の自由への権力の介入以外の何ものでもない。
そして、条例では、2年以下の懲役あるいは100万円以下の罰金が科されるというのを筆頭とした罰則規定が明記されているが、その規定による陳列を行わなかったものは30万円以下の罰金が科される。
これはもう、取締りの恫喝で出版の自由を圧殺することに他ならない。
出版物を行政機関が選別することは絶対やってはならないことである。
わたしたち出版流通対策協議会は、この条例改定に強く反対するものである。
2004年 3月25日
出版流通対策協議会
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▼ポイントカードについての申し入れ
(2003年12月15日付/トーハン、日販、大阪屋、栗田、太洋社、中央社、日教販に申し入れ)
貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。平素は特段のご厚情を賜り、深く御礼申し上げます。
また、著作物再販制度擁護、および再販売価格維持契約遵守のために、日頃、貴社が果たされています多大なご尽力に深く敬意を表するものです。
さて、本日は、出版界で大きな問題となっておりますポイントカードについての申し入れをさせていただく次第です。
ポイントカードは、公正取引委員会も「再販制度違反の値引きに類する行為」とみなしている行為であり、また、取引の正常なルールを守るために出版社・取次・書店間で締結している「再販売価格維持契約」に反する行為であることは、既に論を待つまでもないかと存じます。出版界全体のこの間の努力の結果、ポイントカードのそれらの問題点が広く認識されるに至り、多くのポイントカード実施店で改善がなされてきました。しかし、未だにポイントカード実施店が散見されますことははなはだ遺憾といわざるを得ません。ポイントカードを許すならば、再販制度が崩壊することは明らかです。
今日、ポイントカード問題は重大な局面を迎えております。再販制度擁護・取引ルール遵守の要であります貴社が果たされる役割はきわめて多大かと存じます。つきましては以下の諸点を強く申し入れる次第です。
@ 昨年、貴社広報誌などを通じてされたように、貴帳合の全書店に対して、ポイントカードが「再販売価格維持契約違反行為」であることを、改めて広く周知させていただきたいこと。
A ポイントカード実施店に対しては、直ちにそれを中止するよう指導していただきたいこと。
B 指導に応じない書店に対しては、再販売価格維持契約に基づく更なる改善指導をしていただきたいこと。
以上
▼消費税「総額表示」義務化に反対!
●総額表示反対の集会開く
去る7月25日に流対協と出版労連などの関係者が中心になって呼びかけた「消費税総額表示に反対する集会」が飯田橋のシニアワーク東京で開かれた。ノンフィクション作家の佐野眞一氏が「消費税のからくりと出版危機」との演題で講演をおこない、流対協の菊地泰博会長、出版労連の新村恭委員長、出版社の代表者が数名、総額表示反対を口々に訴えた。80人ほどの参加者ではあったが、総額表示反対の初めての集会と言っていい。
書店で本を見てみると、新刊から大手はすでに「現実対応」ということで、スリップへの総額表示をはじめている。いわゆる坊主に総額を表示しているところもある。来年4月までに出る新刊は、昨年の発行ペース(7万2000点)で推測すると8月から8カ月で4万8000点という計算になる。これらが仮にすべて総額表示に切り替わったとしても、これでは書協Books
or jp.の収録点数が63万点、紀伊國屋書店のBOOKWEB収録170万点など既刊書の出回り点数から考えると、ごく一部に表示がされることにしかならない。既刊本に金をかけてまでこんな表示をするバカはいまい。本1冊あたりスリップの印刷に4〜5円、差し替え4〜5円となると、10万冊で80万から100万かかる計算になる。結局、総額表示は部分表示で、完全表示にはならないのだ。
しかも、国の財政破綻で消費税が毎年のようにあがりはじめるのは目に見えている。わたしも消費税の値上げには反対だが、昨今の政治情勢を考えれば値上げが見送られたり、出版物が例外的に据え置きされるとはあまり期待できない。常備品などは税率引き上げ時をまたぐことは必至である。たとえば総額表示は5%と6%が共存する事態となりかねない。それに税抜き表示が混在するとどうなるか。1050円、1060円、1000円+税……、財務省のいうように消費者には総額がはっきりし、「消費者の便宜」が図られることになる? ほんとにニホンの役人は頭がいい! ボクちゃんにハナマル3重丸!
アホな法律に従う必要はないのだ。「現実対応」派も「どうせ役人が本を1冊1冊見るわけはないから、取りあえずやっとけば」程度なのかもしれない。
6月25日の書協と財務省主税局との話し合いで本の価格表示の責任が版元にあることを財務省は認めている(新文化7月31日付)。書店も総額表示でない本は扱えないとか言わない方がいい。取次も総額表示でない新刊は扱えないなどと言わない方がいい。そういう理屈を言いだせば常備だってフェア品だって全部そうしなければならなくなる。おたがい首を絞めあうことはない。「責任は版元が取って下さいね」と言って扱えばいいのだ。
(副会長・高須次郎/FAX新刊選「ほんのひとこと」より)
☆FAX新刊選スタート!
新刊選は今月号から、紙媒体のDMからFAXに変身しました。今後ともよろしくお願い
致します。次号からは会員社の新刊案内(○月に出る本情報)を掲載、また随時、「号外」として新刊・企画ものチラ
シをお送りいたしますので、ぜひご注目ください。配本数減少の昨今、店頭の品揃えに活用していただければと。
●消費税総額表示に反対する集会
2003年 7月25日(金)/18:30〜21:00
飯田橋・シニアワーク東京(地下講堂)
●参加費/500円
●講演
「消費税総額表示のからくりと出版危機」
──出版業界の抱える問題点を斬る
佐野 眞一 氏
●呼びかけ人
新村 恭(出版労連委員長代行) 菊地泰博(現代書館)
明珍美紀(新聞労連委員長) 高須次郎(緑風出版)
木下 修(セゾン総合研究所) 久保則之(あけび書房)
元木昌彦(web現代) 篠田博之(創出版)
栗原哲也(日本経済評論社) 小木章男(凱風社)
●連絡先
出版流通対策協議会(事務局長・木下)03-3221-1094/ryuutai@netlaputa.ne.jp
日本出版労働組合連合会(産業対策部・青山)03-5956-3291/hn5k-aoym@asahi-net.or.jp
●スリップ表示は時期尚早<消費税総額表示>
流対協事務局通信<2003.6.10 by 木下>収録
●消費税の「総額表示」方式義務付けの撤回を求める申し入れ
2003年2月19日付(財務大臣
塩川 正十郎あて)
●「総額表示」方式の撤回を求める申し入れ
2003年1月17日付(自民党税制調査会会長 相沢英之あて)
▼悪法「個人情報保護法」拒否!
●個人情報保護法案の成立に抗議する
2003年5月23日付
●〈反戦と表現の自由〉大爆発! ピース・テント 悪法おだぶつ村
2003年 3月27日〜30日/光源寺(駒込大観音)

●個人情報保護新法案の国会上程を批判する 2003年3月28日付
●個人情報保護法与党三党修正案に反対する 2003年2月10日付
●「11・8有事法制・メディア規制反対1000名大集会」へのメッセージ 2002年11月8日付
▼ポイントカード問題
<再販制度>
個人情報保護法案の成立に抗議する
本日(5月23日)、個人情保護法案は、参議院本会議で可決され、成立したことに抗議します。
私たちは、これまで個人情報保護法案が、個人を国家の管理下に置き、監視社会化をさらに押し進めるメディア規制法・監視社会法にほかならないとして再三にわたって批判してきました。
そして幅広い人々による反対運動で、昨年、一旦この法案は廃案となったにもかかわらず、化粧直しをして今国会に再登場してきたものです。
出版の自由が妨げられることはないかのようにも読める付帯決議の採択があっても、この法の本質は何ら変わるものではありません。この法案の成立は私たち出版を生業とするものの職業倫理に反し、私たちの存在を否定するものです。
この法案の成立に断固として抗議すると共に、この法の運用を厳しく監視していくことを宣言します。
2003年 5月23日
出版流通対策協議会
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消費税の「総額表示」方式義務付けの撤回を求める申し入れ
財務大臣 塩川 正十郎 殿
出版業界のなかで、書籍は多品種少部数を商品の特性として有しており、現在市場に60万アイテムの書籍が流通し、年間7万アイテムの新刊が供給されている。日本には現在、およそ4千5百社の出版社が存在し、書籍総売上1兆円に満たない小規模の業界である。このように多くの出版社が存在することによって、多様な出版物が刊行され、書籍に対する人々の選択も幅を拡げ、一大文化を形成しているといえる。
政府は2003年度税制改正で、「事業者がその相手方である消費者に対して商品の販売、役務の提供等の取引を行うに際し、予めその取引価格を表示する場合には、消費税額(含む地方消費税額)を含めた価格を表示することを義務付け」(併せて税額を表示することは差し支えない)、2004年4月から実施することを内容とする、「消費税法の一部改正」を含む「所得税法等の一部を改正する法律案」を国会に上程した。
これは消費税の今後の税率引き上げにともない、価格表示を「総額表示」、つまり税込み表示の内税方式を義務付け、消費税を国民に見えにくくすることによって「痛税感」を回避し、国民の不満をはぐらかそうという極めて姑息な手段と言わざるを得ない。
とりわけ、再販制度によって定価表示、定価販売が行なわれている出版物については、1989年4月消費税導入の際に公取委が「定価には消費税が含まれる」と定価表示のガイドライン(公表文)を示したことによって、業界内の税表示と取引基準の深刻な分裂を経験し、その間、カバーの刷り直し、既刊本への価格シール貼り、商品の入れ替えなど莫大な経費の無駄遣いが行なわれ、膨大な点数の書籍が絶版処分となり、流通は混乱を重ねた。これに対し、出版流通対策協議会の有志二十数社は、この公取委のミスリードの責任を問う裁判を提訴、10年あまり争う事態となった。そして97年4月の5%への税率引き上げにともない、書籍に関してはようやく税別表示・外税取引の定着が実現して、決着がついた経過がある。
消費税率の連続的引き上げが日程にのぼるようなときに、総額表示方式の義務化は全く合理性がなく、流通の混乱と無駄を招くだけで、89年の消費税導入後、新価格表示のための経費が捻出できずに2万アイテム以上の書籍が絶版・断裁処分に追い込まれた二の舞が起こることは必至であり、日本の出版文化への悪影響は憂慮すべきものがあり、百害あって一利もない。直ちに総額表示方式の義務化を撤回することを求める。
同時に、私たちは消費税率の安易な引き上げに断固反対することも表明する。
2003年 2月19日
出版流通対策協議会
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「総額表示」方式の撤回を求める申し入れ
自民党税制調査会会長 相沢英之殿
自民党税制調査会は二〇〇三年度税制改正で消費税の今後の税率引き上げにともない、二〇〇四年四月から価格表示を「総額表示」、つまり税込み表示の内税方式とすることを義務化する方針を決めた。しかしこれは、消費税を国民に見えなくすることによって「痛税感」を回避し、国民の不満をはぐらかそうという極めて姑息な手段と言わざるを得ない。
とりわけ、再販制度によって定価表示、定価販売が行なわれている出版物については、一九八九年四月の消費税の導入の際に公取委が定価には消費税が含まれるとして定価表示を行政指導したことによって、業界内の税表示と取引基準の深刻な分裂を経験し、その間、カバーの刷り直し、既刊本への価格シール貼りなど莫大な経費の無駄遣いが行なわれ、膨大な点数の書籍が絶版処分となり、また、消費税導入時の税込み取引に伴う出版社の卸値の実質切り下げによる損失などをめぐって流通に混乱を重ねた。そして九七年四月の五%への税率引き上げにともない、ようやく税別表示・外税取引の定着が実現して、決着がついた経過がある。
一方で消費税率の連続的引き上げが日程にのぼるようなときに、総額表示方式の義務化は全く合理性がなく、流通の混乱と無駄を招くだけで、百害あって一利もない。直ちに総額表示方式の義務化を撤回することを求める。
同時に、私たちは消費税率の引き上げに断固反対することも表明し、貴調査会にその方針の撤回も求めるものである。
2003年 1月17日
出版流通対策協議会
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●個人情報保護法与党三党修正案に反対する
四度の国会審議で昨年末、廃案となったにもかかわらず、個人情報保護法案が、適用除外に一部のメディアや著述業、ジャーナリストを加えることによって、あたかもこの悪法の本質が変わったかのような装いをこらして修正案として今国会に再上程されようとしている。
もともと個人情報保護法案は、情報化社会の到来の中で、EUから日本への個人情報保護措置の要請をきっかけに、もう一つは住民基本台帳ネットワークによる国民一人一人へ11桁の情報の一元化にたいして個人情報を保護するために、との目的から出発したものであった。にもかかわらず、前回上程された個人情報保護法案は本来の目的である個人情報の保護を口実に、その矛先は行政や国というより、メディアへの規制であり、かつ個人情報取扱事業者としての市民へ向けられたものであった。
幅広い反対運動によって廃案になったにもかかわらず、再び上程されようとしている与党修正案を見る限り、その本質は、全く変わるものではない。私たちは修正案上程に断固反対するものである。
また、私たちは、個人情報保護法与党三党修正案に断固反対すると共に、本来の個人情報の保護がなされていないにもかかわらず、住民基本台帳ネットワークが稼働することにも反対するものである。
2003年2月10日
出版流通対策協議会
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●「11・8有事法制・メディア規制反対1000名大集会」へのメッセージ
本日の集会に集まられた皆さんに、出版流通対策協議会として連帯の挨拶を送ります。
昨年の9.11以降、この国はますます戦争の出来る国への道を加速度的に進めています。軍事や政治、外交の問題に止まらず、有事法制を支える日常の隅々まで、管理・監視の目を張りめぐらそうとしています。それが個人情報保護法案などのいわゆるメディア規制3法案や住民基本台帳ネットワーク、国連越境組織犯罪防止条約などであり、これらは平和・国際貢献・人権・自由といった言葉を動員しながら進行しています。
そして民主主義を支える根幹は自由で多様な言論が保証されることであり、そのためのメディアが規制されないことです。このことが今危機に瀕していると、私たちは断じざるをえないところまで今の時代は来てしまった。
私たち出版流通対策協議会は中小出版社90社の団体です。出版人として、まずこの時代の危険な曲がり角にきちんと目を向け、私たちの作っているメディアを通して警鐘を鳴らし、そして具体的に反対の声を上げて、みなさんと共に闘っていきたいと思います。
2002年11月8日
出版流通対策協議会
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●消費税総額表示に反対する集会
2003年 7月25日(金)/18:30〜21:00
飯田橋・シニアワーク東京(地下講堂)
●参加費/500円
●講演
「消費税総額表示のからくりと出版危機」
──出版業界の抱える問題点を斬る
佐野 眞一
氏
●呼びかけ人からのアピール
自民党税制調査会は「2003年度における税制改革についての答申」において、消費税を「消費者の便宜のため総額表示が促進されるよう配慮していく必要がある」として、総額表示の義務づけを答申しました。政府は答申をうけ、3月28日に国会で「所得税法の一部改正の法律案」として可決し、2004年4月から適用しようとしています。
しかし、現状の外税方式になんら問題がないにもかかわらず、この内税表示の義務化は、消費税率の引き上げを視野に入れた、国民の痛税感をごまかす手段以外のなにものでもありません。再販商品である出版物は出版社が定価を決めますが、表示方式が変更になれば出版社がその対応を迫られることになります。
1989年消費税導入に際し、出版業界は内税方式を採用したため、出版社は、書店・取次の在庫も含め、在庫品に対してカバー・帯・スリップの新たな作成、あるいはシール張り等過大な出費を余儀なくされ、1社あたり3623万円(書籍出版協会調べ)という多額の負担となりました。中にはやむを得ず絶版、断裁処分にせざるを得なかった商品もあり、文化的にも多くの損失をもたらしました。こうした経験をもとに、96年の税率変更に際しては本体価格を基本とした外税方式を採用し、税率の変更があったとしても業界全体として今後の新たな大きな負担をしないで済む道を開きました。
今回の税額表示の義務化は89年の再現となり、現在のスリップ等の価格表示をすべて変更せざるを得なくなります。さらに、消費税率変更のたびに同様の措置が必要になり、出版社は大きな負担を強いられることになります。生産性のない新たな負担が、経営危機に拍車をかける怖れも強く、出版業界は混乱に陥る危険性があります。こういう事態は結果的に出版物の多様性を阻害することになり、読者にとってもなんらメリットはありません。
今回、業界4団体は、これからの新刊、重版のスリップに総額表示をするという案を先行させています。しかし、一度受け入れてしまえば、いずれカバーに、という道を切り開いてしまうことになりかねません。また、消費税がスライド的に増税される可能性が大きいことを考えると、安易なスリップ表示への早期移行には問題があります。
そもそも価格表示方式は国会で決めることではなく、それぞれの業界が決めるべき問題であります。私たちは、混乱と負担だけを強いる総額表示方式には反対であり、この義務化を阻止するために、反対集会を開きます。
※つきましては集会への参加、集会呼びかけ人としての賛同をお願い申し上げます。
●呼びかけ人
新村 恭(出版労連委員長代行) 菊地泰博(現代書館)
明珍美紀(新聞労連委員長) 高須次郎(緑風出版)
木下 修(セゾン総合研究所) 久保則之(あけび書房)
元木昌彦(web現代) 篠田博之(創出版)
栗原哲也(日本経済評論社) 小木章男(凱風社)
●連絡先
出版流通対策協議会(事務局長・木下)03-3221-1094/ryuutai@netlaputa.ne.jp
日本出版労働組合連合会(産業対策部・青山)03-5956-3291/hn5k-aoym@asahi-net.or.jp
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●スリップ表示は時期尚早<消費税総額表示>
流対協事務局通信<2003.6.10 by 木下>収録
消費税総額表示問題、業界紙による報道、小学館の「スリップ総額表示」先行が話題になって、会員社の中にも、先行して対応した方がいい? と悩んでいる方、いらっしゃいませんか?
同封した『新刊選』113号「今月のひとこと」の高須副会長の文章を読んでいただければおわかりになるとはおもいますが、多少、事務局からも補足しておきます。
かつての総額表示は業界の都合でしたが、今回の消費税法改正によって「消費税総額」の「表示」が義務づけられたわけで、その施行は来年の4月1日から。それを先取りして、今から「スリップ総額表示」をするということは、出版社として消費税法改正を「法の施行前」に受け入れることになってしまいます。しかも、このスリップ表示、将来的にもずっと認められる可能性は微妙です。いま財務省からお墨付きをもらったからといって、どうみても「表示」にならない「スリップ総額表示」──読者はスリップを見る習慣はないし、存在すら知らない人だっているでしょう──が長続きする保証はどこにもありません。大臣や担当者が代われば、「スリップ総額表示」では問題にならない、ということになりかねず、そうなると、法を受け入れてしまった側は弱い立場に立たされることになるでしょう。
となると、流対協として姿勢はあくまでも正攻法、「総額表示撤回」をかかげ、法律の再改正、あるいは法の施行の停止を求めていくことになります。もちろん、勝てる見込みはほとんどないでしょうが、やるべきことをやったうえで、来年4月以降、表示を拒否するという筋道をしかないと、「悪法も法なり」という意見に対して説得力を持たないと思われます。違法な米の安売り販売によってはじめて食管法を事実上なくしてしまうことができたように、「悪法」に対抗するには、法を遵守しないことしかないでしょう。
いずれにせよ、施行はあくまでも来年4月から、運動する時間も、検討する時間もまだまだあります。拙速に「スリップ総額表示」することのないように、お願いしたいものです。
FAX同報値下げ合戦にいよいよ、リクルートFNXが参戦、「基本料金なしの12円」(注:現在では11円?)という料金体系がではじめたみたいです。会員社のところにも案内がいくことになるかもしれませんが、取引条件は個別だとはいうものの、「基本料金なし」は流対協会員社には適用するとのこと。こうなると、エキスパダイト、日本テレネットとの三つどもえになって値下げ合戦が再燃、いくらまで下がるんでしょうか。
この2年間かかわってきた「個人情報保護法案拒否! 共同アピールの会」がついに6月7日、解散しました。6・20後楽園大交流会は、いままでの活動の総決算となります。
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●個人情報保護新法案の国会上程を批判する
(2003年 3月28日)
修正された個人情報保護法は、3月7日に閣議決定され、政府は、今国会での成立を目指しているという。
コンピュータ社会の到来によって、個人情報が丸裸にされる監視社会が到来した時代に私たちは否応なく生きている。行政機関や国が集約して持つ個人情報が漏洩することから保護しなければならないのは当然のことだ。とりわけ8月から国民一人一人の情報を一元化する住民基本台帳が稼働、ICカードが導入されようとしている現在、ますます個人情報の保護は重要になっている。
しかしながら、この法案は、前の国会に上程され、廃案となった法案の形を変えた再登場に過ぎない。この法案の構造そのものが、公権力が個人情報を守ってやるというものであり、本来は情報の集中する公権力から個人を守るべきものであるのが転倒しているのである。このことは新しい法案でも何の変わりもない。
なぜこのような転倒が起こるのか。個人情報を管理する権利は個々人にあるのであり、公権力が個人情報を守るという大義名分で個々人に介入することは、一般市民の管理のための法律として機能させようとしているからに他ならない。すなわちこの法案は、表現者一般にたいする規制法として機能することは明らかである。
今回の法案は、基本原則を削除するとともに、フリージャーナリストや著述業などを適用除外とすることなどを盛り込んだことにより、あたかも反対意見に耳を傾けたような形をとってはいるが、憲法で保護されている言論・出版・表現の自由を中心的に担い、批判精神に富んだ報道を行なってきた出版社が適用除外に明記されていない。このことは、この法案の言論規制法としての本質を余すところなく示すものであることを、出版に携わる我々としては特に指摘しておきたい。
ブッシュ米大統領がイラクを攻撃を発表した3時間後には、小泉首相はイラク攻撃支持を表明した。これまでの外交方針の柱であった国連中心主義をいとも簡単に捨て去り、世界中の反対を押し切って、戦争でものごとを解決しようという米国に追従したのである。こうした、戦争の時代の中で、国内では有事法制三法案の再上程、教育基本法改悪などとともにこの個人情報保護法案が言論規制法として登場しているのは明らかである。
出版流通対策協議会は、こうした意味で個人情報保護法案の廃案を求めるものである。
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