リトル・ダンサー BILLY ELLIOT

★★★★★

◆監督:スティーヴン・ダルドリー
◆出演:ジェイミー・ベル、ジュリー・ウォルターズ、ゲアリー・ルイス、ジーン・ヘイウッド、ジェイミー・ドラヴェン、、

1984年。イングランド北東部の炭坑町に住む11歳のビリーは、ストライキ中のパパと兄のトニー、 ボケ始めたお婆ちゃんと暮らしている。
その生活は苦しく、去年の暮れにママを亡くしたばかりで荒んでいた。
そんなある日、ひょんなことからバレエの楽しさを知り、パパに内緒で習い始める。 ビリーの素質を見抜いた先生の勧めもあり、ロイヤル・バレエ学校のオーディションを受けたい と思うのだったが……。

まず冒頭のシーンで驚いてしまった。13歳にして、あの身体。あの脚。
さすが2000人以上の中から発掘されただけある。ダンスシーンは期待を裏切らない見事さだ。 怒りや悔しさ、抑えられない気持ちがロックの曲に乗り、少年らしい躍動感が溢れている。
パパに「普通に歩けないのか」と言われてしまう場面なんて最高だ!
このシーンは試験結果を知ったパパが通りを駈ける姿と重なっているようで可笑しい。先生と踊るブギは 心から楽しそうだ。ジュリー・ウォルターズのダンスに拍手!

家族の温かな愛も泣かせる。プライドを捨て、思い出も捨て、何とかして息子の夢を叶えようと する父親の愛。なんだかんだ言っても弟思いの兄。
ビリーのことになると急にシャキッとするお婆ちゃん。おまけに母親の手紙と泣きのツボを刺激する描写 が満載である。

単なる少年の成功物語ではないのも、いい。様々な価値観や固定観念、階級社会への抵抗。 それに伴う痛み。その結果として得られた解放と炭坑町からの脱出が描かれているのだ。
ゲイのマイケル、バレエにロックの曲という組み合わせ、男ばかりの「白鳥の湖」等、先入観や偏見を 覆しているように思える演出も見事。
「ケス」「ブラス!」「フル・モンティ」に続き、忘れ難いイギリス映画がまた増えた。

(2000年/イギリス映画)----------2001年2月22日@シネスイッチ

戻る