セイブ・ザ・ラストダンス

★★★

◆監督:トーマス・カーター
◆振付:ファティマ
◆出演:ジュリア・スタイルズ、ショーン・パトリック・トーマス

バレエを愛するサラは、名門ジュリアード音楽院の入学試験の最中に母親を事故で亡くすが、それを自分の せいだと思い込み、バレエから遠ざかる。
シカゴで暮らすミュージシャンの父親と暮らすことになり、 学校生活も一変する。生徒は黒人ばかりだ。同級生のシェニールや彼女の弟で医者を目指すデレクと親しく なったサラは、デレクにステップを習うようになる。
二人はダンスを通じて惹かれあうのだったが……。

バレエをあきらめヒップホップダンサーになる話かと思ったら違いました。
ラストのバレエとヒップホップが融合したダンスは圧巻です。
どことなく『フラッシュダンス』を彷彿とさせます。

バレエのレッスンは数回しか経験がないけれど、腹筋に力を入れ、首と背筋を伸ばし、指先やつま先にまで 意識を集中し、いつも緊張させている。
そしてバレエの最大の特徴なのが「ターン・アウト」。つま先を大きく外側に開いて立つ基本のポジション があって、これが難しい。
それに比べ、ヒップホップは脱力が基本。膝や肩の緊張を取るように努め、 だらしないダレダレした感じなのです。基礎となるステップはあるけれど、その時の気分で自由に踊るのが ヒップホップ。そんな対極に位置するような2種類のダンスを融合させるのはきっと、とても凄いこと。

「ヒップホップって何?」と思う人に見て欲しいのは、デレクがステップを伝授するシーン。 二人がクラブで踊るシーンもカッコいい。ステップを覚えることはバレエで鍛えられたサラには簡単でも、 黒人のノリには敵わない。それが、このダンスをよく表しているように思います。
服装にも「こだわり」が必要で、サラの服装を変身させたのが面白い。
何がどのように使われるのか注目です。

単なる青春ダンス成功物語ではないんですね、この映画。
『コリーナ・コリーナ』(94年)『ジャングル・フィーバー』(91年)も黒人と白人の恋愛の難しさを 描いていたけれど、人種間の壁や差別や障害は未だに存在するのでしょう。
バレエとヒップホップの融合が難しいように……。

父親ロイが、幼い頃に別れた娘のためにこしらえた部屋が素敵だった。
精一杯の愛情が良かった。 同級生のシェニールには子供がいて、若い父親の投げやりな態度も描かれているのだけれど、難しいテーマ を詰め込んでいる映画かもしれません。

娘にバレエを習わせる母親と黒人文化が好きな父親が離婚したいきさつ等も描かれていると、異文化の融合 というテーマが強まって良かったような気もします。

(2001年/アメリカ)----2001年8月某日@ニコー劇場

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