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◆監督・脚本:トニー・ガトリフ
◆トマティート(ギター)、アマッド・アルトゥミ(スーフィ音楽伝承者)
ラ・パケラ・デ・ヘレス(フラメンコシンガー)
◆出演:アントニオ・カナーレス、オレステス・ロドリゲス、アントニオ・デチェント
スペイン。アンダルシア地方。カコ(アントニオ・カナーレス)は最愛の娘ペパを亡くした深い悲しみから
立ち直ることができずにいる。 カコの兄マリオは、幼なじみのカラバカ家の長男サンドロを痴話げんか
から殺してしまい行方をくらましていた。カコの家の壁には“サンドロ お前の敵は討つ”の文字が……。
怒りは全てカコ一家に向けられているのだ。
マリオの息子ディエゴ(オレステス・ビリャサン・ロドリゲス)の命が狙われ、カラバカ家との対立は、
どうにもならない悲劇的な結末へと進んでいくのだった……。
フラメンコと言えば、あの独特の華やかな衣装を着て踊るダンサーとギターが欠かせないもの、という
イメージが強かった。そして、レストランや酒場でショーとして見せるものだと思っていた(スペインに
数年暮らした経験のある知人も、そう言っていたし……)。しかし、この映画を観ると、ずっと普段着感覚
で日常のあらゆる場面で歌い踊ることに気付かされる。 運動神経に障害をもつディエゴが仲間と道路の
真ん中で踊るシーンは象徴的である。歌やギターの音色が聴こえなくても、フラメンコのリズムが自然と身
体の中から溢れ出てくるのかもしれない。それがロマ民族(ジプシー)の「魂」であり「血」なのだろう。
ガトリフ監督の中に流れるロマの血、誇り高く激しい民族の魂を表現しているのが、カコ役のフラメンコ
ダンサー、アントニオ・カナーレスなのかも。甥っ子を守るために自らの血を流すことも辞さないカコ。
彼が踊るシーンがないのは残念だったが、エジプトのスーフィ教音楽酒場のシーンに始まり、日本の曲
を歌うアヤシい空気のフラメンコショー、船の上やトラックの荷台で踊る女性たち、全編に渡り情熱的な歌
と踊りとギターが観る者をアンダルシア地方へと導いてくれるようだ。
「心地好い」と言うと、この映画を観た時の気持ちからちょっと遠くなる。
深い陶酔の後の気分にも浸れる映画である。
(2000年/スペイン・フランス)----2001年8月某日@スガイ
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