私の天文少年時代 3
- 流星観測への取り組み -

by 内山茂男


初めての流星観測

初めて流星観測らしきことをしたのは、中学1年生のときの“ペルセウス座流星群”。このときのことは記憶には残っていないが、 残した記録には次のようなことが書いてある。
8月12日「流星観測をして7個見た。中にPer群がいくつかあった。空がすごくよく、久しぶりに“天の川”をはっきり認めた。流星観測が終わる頃、 月が出てきて天の川が見にくくなったが、このとき5等星まで見えていた。」
観測時刻も何時間ぐらい観測したのかも記録に残っていないが、流星7個というのだから30分ぐらいだろうか。 ペルセ群極大日に5等星まで見えていて流星7個というのは少ないが、初めての観測だから見落としも多かったのだろうか。 なお、この年は極大日前後数日は晴れていなかったようだ。
翌年も、ペルセ群の極大日には、5等星が見える好条件で、写真撮影に挑戦している。さらに、初めての流星痕も見ている。なお、このころの自宅付近では、 3等星までしか見えない日の方が多く、5等星まで見えるのはめったにないことだった。

高校入学後初の流星観測

私は高校時代に太陽黒点観測と木星スケッチに取り組んだことは、“まがたま39号”で書いた通り。しかし、それとともに取り組んだのが、流星観測だ。
私の通った高校の地学部では、夏休みの7月下旬のみずがめ座流星群の時期に校外合宿を行なっていた。このときに行ったところは、日光の霧降高原。 その当時は本当に空が暗く、懐中電灯を消すと足下が全く見えなかった。当然星空はすばらしいもので、夏の天の川もブツブツに見えていたくらいだ。 高校1年の夏、ここで私は初めて流星のグループ計数観測を行なった。流星のほうも、みずがめ群とはいえ実によく流れ、 ときには記録係が記録しきれなくなることもあったほどで、流星とはこんなに流れるものなのかと大変驚いたものだった。 スウ〜っとややゆっくり流れるものが多かったが、ときにはスパッとすばやく流れるものもあった。これは、すでに流れ始めていたペルセ群の流星だったかもしれない。 さらに、30秒くらい残る永続痕を見たのもこのときである。みんなとわいわい歓声を上げながらの観測は大変楽しいものだった。

流星観測に取り組む

77Orionids
77Geminids

個人的に観測に取り組みだしたのは、高校1年の10月のオリオン群から。この流星群は、ちょうど2学期の中間テストの頃に活動する。しかしテストなんか関係なし。 このときは天候にも恵まれ、20/21日から24/25日まで5夜連続で観測できた。5夜通算で観測時間は7時間、流星数は60個。このうちオリオン群は17個見られたが、 ペルセ群より速く“スパッ”と天を切り裂くように流れる姿は印象的だった。この観測結果を集計した結果、図1のようなグラフが得られた。 流星を見ることも楽しかったが、出現数の変化の様子を自分で求められ、きれいなグラフが描けたことはもっと魅力的だった。

12月にはふたご群がある。このときも2学期の期末テストがあるが、もちろんテストは関係なし。10/11日は寒空の下で2時間観測した。 このときは、地学部のE藤君も自宅で観測。そのためか、翌日は2人とも風邪をひき、頭がぼうっとしてテストのできも悪い。これはよくないと、 帰宅してすぐにひと眠り。すると、体調も良くなってきたようなので、11/12日の夜も1時間観測した。このようにして図2のようなグラフが得られた。 だいたいきれいなグラフが得られたことで、私はますます流星観測にはまっていった。

観測場所は主に自宅の庭。ただし、自宅の南側には3階建ての建物があり、あまり視界が広いとはいえない。そこで、その前の畑まで行くことも多かった。 観測は、デッキチェアという椅子にすわって行なった。この椅子は中学校のときの技術科の授業で作ったもので、流星観測にはぴったりだった。計数観測が中心だが、 プロット観測も結構行なった。あまり良い空ではなかったので、星図よりも見える星がずいぶん少なく、流星の経路を正しく判断するのは結構難しかった。 また、高校生時代はたいした防寒具も持っていなかったので、冬はとにかく寒かった。着られるだけ服を着込んでも寒いので、 汚れてもいい毛布をもらって観測専用とし、足までくるむようにしていた。それでも1時間もじっとしていると我慢できなくなり、 休憩時間をとってしばらく走っていたこともあった。しかし、冬の寒さ以上に困ったのが、夏のペルセのときの“蚊”。暑くても長袖を着ていたが、 顔は隠せない。顔の辺りにプ〜ンとくるのは嫌なものだ。虫除けスプレーなどというものもなかったような気がする。 また、透明度が良いときや流星がたくさん流れるときは観測していても楽しいが、3等星までしか見えず流星群の活動も衰えたときには寂しいもの。 1時間で1個も見られないときも2回ほどあった。また、いつもうまく晴れるわけではない。流星群の活動を長期間追っていこうと思っていても、 極大付近はぜんぜん晴れないこともある。それでも、高校3年の夏までは、自分でも感心するくらい観測をしていたものだ。流星観測以外にも、木星観測、 太陽観測をし、天体写真にも挑戦していたのだから、今では全く信じられないことだ。とにかく何でも自分でやってみたい時期であった。

当時の観測記録より

観測夜数 観測時間 流星数
1977年10月57h00m60
11月44h30m40
12月78h00m90

小計1619h30m190
 
1978年7月67h30m83
8月1014h00m161
10月713h30m51
11月811h40m62
12月77h00m22

小計3853h10m379
 
1979年1月12h30m78
7月36h25m27
8月913h35m169
10月11h00m17

小計1423h30m291
 
1980年4月33h00m14
5月54h40m26
8月11h00m9

小計98h40m49

合計77104h50m909
78Perseids 78Orionids
78Taurids
79Perseids



これは、埼玉県庁天文同好会の会報「まがたま」40号(1998年9月発行)に掲載したものを、 一部手直しをしたものです。



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