ドアミラー・ウィンカーをめぐるあれこれ
ドアミラー・ウィンカー輸入車でこのテのものが売られるようになってから、国産の新型車にも使われるようになった、いわば流行りものです。 この写真のは市販品で後から貼りつけて結線するタイプ。 私は別に興味がある訳ではないのですが、最近某所でこれが保安基準に適合するか?と話題になったので調べてみました。 あくまで門外漢が調べて解釈したレベルですので、勘違い、思い込みが含まれているかもしれません。 |
| 道路運送車両の保安基準 ←条文が掲載されているページへのリンク この法律の厳密な定義というのは分からないのですけど、公道を走る車は好き勝手に作れるわけではなく、基準に従って作られ、車検の際にはこの基準に従って検査されるスタンダードといったところでしょうか? 上記のリンク先で条文が見られますが、例によって意味不明の難解な文章で辟易させられるものです。 振り返ってみると、かなり以前に消防法の改正で意味不明な条文を解読したことがありまして、馬鹿馬鹿しいけど法律ってこんなもんよ・・と割り切ってしまうとパズルのようで面白いとも言えます。 ドアミラー・ウィンカーに関しては、もうひとつ参考になるページとしてここを挙げておきます。 保安基準関係についても簡潔にまとめられていますし、結論も納得できます。 最初に結論めいたことを書いてしまうと、どれほど意を尽くした条文でも曖昧さはなくならないから、結局は運用する人の判断に左右される・・ということです。 ・・と書くとかなり以前にユーノス・ロードスターに保安基準適合(JASMA認定)の社外品マフラーを付けてディーラーの車検に出したところ、不合格とされたことを思い出します。 ディーラーのメカニック曰く、頭の固い偏屈な検査員で純正品以外のパーツを付けるのはすべて違法改造・・というひとだとか。 争っても時間の無駄ということで、他の車の純正マフラーを取り付けて車検を通してくれました。 社外品のスポーツマフラーといっても、純正マフラーと変わらないじゃないですかぁ・・と冷やかされるくらいの静かなマフラーだったのに。 製造元にも問い合わせてみたところ、そのようなケースは今までありません、とのことでした。 最近は以前のように純正パーツ以外を使った改造には厳しくといった状態から、かなり緩やかになってきたようです。 つまり、安全上大きな問題がないかぎりは、ユーザーによる改造はある程度認めるといった具合に、現状を追認したということでしょうか。 |
| ウィンカー=方向指示器 保安基準の第四十一条が方向指示器の関係です。その昔、車の運転席の両側には方向指示器が付いていて、垂直に収納されていた赤いアームが水平に45度ほど回転して進行方向を示すのでした(^O^) 今は日常的にはウィンカーと言いますよね。条文には死語がたくさん並んでます(。。;)ゞ で、車と呼ばれる物にもいろいろあるけど、一般的な乗用車に関して言えば、ウィンカーは車の前後と両側面にペアで付けなければなりません。 第四十一条の一から三までに書かれています。 条文には例外「・・を除く」も書かれているので読みにくいですね。この部分を無視すると簡単です。 この三組の方向指示器はどこに付けても良い、どんな物でも良いということではなくて、色は橙色(よーするにオレンジ色)、点滅する回数、指定された位置から視認できること・・などといった条件がいろいろとありますが取り付け位置に関しては以下の条文です。 3-二 方向指示器は、車両中心面に対して対称の位置に取り付けられたものであること(車体の形状が左右対称でない自動車を除く。)。 車両中心面とは文脈からすると、例えば車の正面に立ち日本刀で車を真ん中からバッサリ切ったときの面といったところでしょうか。 当たり前のことですけど、デザイン面からもライト関係はシンメトリーに配置しますから、さほど難しいことではない。 日産キューブなどはフロントグリルの内側にウィンカーを配置していますが、シンメトリー配置で視認性が良ければどこでも良いということなのでしょう。 それではシンメトリーの位置にならば車体中央に近いところに左右のウィンカーが並んでいてもいいのか?というとさすがにそうではなくて、定められた距離以上は離れていないとダメみたいです(^O^) |
| サイドウィンカー もともと歴史的にはウィンカーは前後だけだったはずだけど、いつのまにかフロントフェンダーの両サイドにも付けられるようになりました。 道路が整備されて片側二車線三車線といった道路が増えてくると、左右に平行して走ること増えてきて、両サイドにもウィンカーを備えないと分かりにくい・・というあたりが理由ではないでしょうか。 で・・・、このサイドウィンカーの取り付け位置などの条件は?というと、これが分かりにくい。 2-一 方向指示器は、方向の指示を表示する方向百メートル(前項第三号、第四号(両側面の中央部に備える方向指示器を除く。)、第五号又は第六号(第四号の規定により両側面の中央部に備える方向指示器を除く。)の規定により自動車の両側面に備える方向指示器にあつては、三十メートル)の距離から昼間において点灯を確認できるものであり、かつ、その照射光線は、他の交通を妨げないものであること。 これはウィンカーの明るさ、視認性の規定で、前後のウィンカーは100m、両サイドは30mの距離から見えなくてはならないというだけのことですね。あまり明るすぎてもダメみたいだけど、具体的にダメな基準は書かれていない。 さらに、ウィンカーが見えなければならない範囲も下のように規定されています。 2-三-ロ ハ及びニに掲げる自動車以外の自動車の両側面に備える方向指示器(第三項第九号に規定するものを除く。) 方向指示器の中心を通り自動車の進行方向に直交する水平線を含む、水平面より上方十五度の平面及び下方十五度の平面並びに方向指示器の中心を含む、自動車の進行方向に平行な鉛直面であつて方向指示器の中心より後方にあるものより方向指示器の外側方向五度の平面及び方向指示器の外側方向六十度の平面により囲まれる範囲 この文章の意味が理解できる人は教えてください(^O^) 三次元空間を言葉で表現するとこんな風に難解になる。いや。このように表現できる文章能力を持っている人はすごいとも言えます。いずれにしても、これは視認できる範囲を規定したもので、取り付け位置はまた別の条文の中にある。 3-五 二輪自動車、側車付二輪自動車並びにカタピラ及びそりを有する軽自動車以外の自動車に備える方向指示器は、その指示部の上縁の高さが地上二・一メートル(大型特殊自動車、小型特殊自動車及び自動車の両側面に備えるものにあつては、二・三メートル)以下、下縁の高さが地上〇・三五メートル以上(セミトレーラでその自動車の構造上地上〇・三五メートル以上に取り付けることができないものにあつては、取り付けることができる最高の高さ)となるように取り付けられていること。 ここでは方向指示器の取り付け高さについて規定されています。大まかな言い方をすると地上から2.1m以内で0.35m以上という広い範囲のなかに入っていればいい。これはすべての方向指示器についての規定。 それではサイドウィンカーの前後の位置についてはというと・・・。 3-七 第一項第三号及び第五号の自動車の両側面に備える方向指示器の指示部の最前縁は、自動車の前端から二・五メートル以内・・・(以下、例外についてなので省略) これは分かりやすいけど、ずいぶんと大まかな規定ですね。リアフェンダーに付けてはダメよということか。 こうやって条文を調べてみると、どの車も判で押したようにフロントフェンダーの位置にサイドウィンカーを設置していますが、規定自体はかなりアバウトな感じです。 |
| 補助方向指示器 やっと本題に近づいてきましたが、正規の方向指示器以外に補助方向指示器というものも一組にかぎり取り付けが認められています。 第四十一条の二 自動車の両側面には、方向指示器と連動して点滅する補助方向指示器を一個ずつ備えることができる。 2 補助方向指示器は、前条第二項第二号並びに第三項第二号、第五号及び第六号の基準に準じたものでなければならない。 3 前条第四項の規定は、補助方向指示器について準用する。 「前条第二項第二号」は灯光の色は橙色であることという規定。 「第三項第二号」は左右対称の位置に設置するという規定。 「第五号及び第六号」は取り付け位置についての規定。 「前条第四項の規定」とは下の条文 4 自動車の両側面に備える方向指示器は、非常点滅表示灯を作動させている場合においては、当該非常点滅表示灯と同時に点滅する構造とすることができる。 補助ウィンカーはおおむね「方向指示器」として必要な要件は備えていなければならないのですけど、反面、適用されない規定もあるようです。 例えば車体前部から2.5m以内・・といった枠組みはない・・・。 |
| やっと本題 市販のカーアクセサリーとしてのドアミラー・ウィンカーの場合はこの補助方向指示器ということになりそうです。 その場合でも、「左右対称の位置」に取り付けることという規定には、厳密にいうと反するのでは?という意見があるようです。 ドアミラーは左右対称ではないから、というのがその理由。右ハンドル車の場合、運転席に近い右のミラーと遠い左のミラーとは取り付け角度が違う。 左右対称の位置という字句を厳密に解釈すると、規定に違反するとも言えますね。 このあたりは言葉の解釈でどのようにでもなってしまいそう。 もっとも、例えば車検のときを考えて、このアクセサリーに保安基準違反を指摘する検査官がいるかどうかです。 私の考えでは、さほど重要とは思えない部分をあげつらう検査官はほとんどいないのではないか、というのが私の推測です。 まっ、指摘されるようなことがあれば、取り外せばいいことなのですけどね(/_;) この手のドアミラーウィンカーを純正で装着して販売したのはベンツらしいですが、これは保安基準を厳密に解釈したのでしょうか、左右対称のドアミラーにしたとか・・・。 思うに、日本国内で最初に販売されるドアミラーウィンカー車としては、無用な軋轢を引き起こさないためには厳密に解釈しておくに越したことは無いと考えたのではないでしょうか。 その後、国産車でも続々とこのテの車が発売されていますが、同じようにシンメトリーのドアミラーにしてあるのかどうかは分かりませんが、もしシンメトリーにこだわるあまり、ミラー本来の機能が多少なりとも損なわれるようであれば本末転倒になるのじゃないか?などとも考えたりします(。。;)ゞ あ、もちろんこのように純正のドアミラー・ウィンカーは補助方向指示器ではなく側面用の方向指示器ですから、フロントフェンダーのウィンカーの代わりです。方向指示器として要求される機能と規定はすべて満足させているのでしょう。 言葉遊びのついでに、もう一度次の条文を見てみましょう。 3-二 方向指示器は、車両中心面に対して対称の位置に取り付けられたものであること(車体の形状が左右対称でない自動車を除く。)。 ここで疑問が出てくるのは、ドアミラーは車体の一部なのか?ということです。 もしそうなら、車の車幅はドアミラーを含む幅で表示するのが正しいのではないか?現実にはというと、ドアミラーを含まない車体幅で表記されているようです。 もし、車体に含まれているとしたら、車体の形状は厳密には左右対称ではない、ということになってしまいますね。 で、非対称の場合はどうするのか?という点は書かれていない・・・。 |
| 最後に どれほど詳細に規定された条文でも、煩雑な現実のすべてに対応することはできない。 可能な限り対応しようとして、条文はますます複雑怪奇なものになってゆく。そのようなものですね。 前にも書きましたが、危険物輸送に関する消防法の改正でずいぶん頭を痛めたことを思い出しました(^O^) 条文を解釈し、それに従って判断しなくてはならない末端の人たちの困惑を考えます。 |
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| 番外編 マフラーの保安基準 以前に興味を持って調べたのはマフラーの保安基準とその測定方法です。 本文は至って簡単で、車の種類ごとに音量の基準値が示されているだけです。 通常の自家用車でフロントエンジンの場合は96デシベル。 排気管が短くなってしまうリアエンジン、ミッドシップなどは100デシベルと条件が緩和されています。 測定方法は「別表第二」というところに書かれていますが、下記の通り分かりにくいものです。 別表第二 騒音の測定方法 近接排気騒音 原動機が最高出力時の回転数の七十五パーセント(小型自動車及び軽自動車(二輪自動車(側車付二輪自動車を含む。)に限る。)並びに原動機付自転車のうち原動機の最高出力時の回転数が毎分五千回転を超えるものにあつては、五十パーセント)の回転数で無負荷運転されている状態から加速ペダルを急速に放した場合又は絞り弁が急速に閉じられる場合に、排気流の方向を含む鉛直面と外側後方四十五度に交わる排気管の開口部中心を含む鉛直面上で排気管の開口部中心から(排気管の開口部が上向きの排気管を有する自動車にあつては、車両中心線に直交する排気管の開口部中心を含む鉛直面上で排気管の開口部に近い車両の最外側から)〇・五メートル離れた排気管の開口部中心の高さ(排気管の開口部中心の高さが地上高さ〇・二メートル未満の自動車又は原動機付自転車にあつては、地上高さ〇・二メートル)の位置における騒音の大きさを測定する。 自動車の騒音には「定常走行騒音」「排気騒音」「近接排気騒音」「加速走行騒音」と四種類がありますが、車検の時にチェックされるのは近接排気騒音だけです。 上記の分かりにくい条文に付いてですが、アフターマーケット向けのスポーツマフラーを製造しているメーカーが作っている業界団体、「日本自動車スポーツマフラー工業会(略称JASMA)」のホームページに大変分かりやすく解説されていますので、興味のある方は上のページを見てください。 このように図入りで平易に解説してくれれば分かりやすいのに・・と思います。 |