1.改革のグランドデザイン案  2004年10月12日、厚生労働省が発表した「今後の障害保健福祉施策について(改革のグランドデザイン案)」は身体・知的・精神の三障害に関する福祉サービス提供の一元化、均衡化を図る考え方や、入所施設等の職住分離施策の展開(住まいの場と日中活動の場の完全分離)、複雑な施設体系の見直しなど、これまで障害のある人が要望してきた制度改革への一歩を踏み出した点で、一定評価できる部分を含んでいます。  しかし、この施策の前提となっているのが「応益負担」の原則及び施設におけるホテルコスト(食住費、光熱水費)の自己負担の原則です。これら二つの原則の導入が障害当事者・家族の生活を大きく圧迫し、かつ、当事者間の支援格差を助長することとなることが懸念されています。  現在、「改革のグランドデザイン案」に対し基本的に賛同している障害者関係団体でさえも、「応益負担制度」の導入については慎重な態度をとっています。  2005年1月7日、日本障害者協議会(代表河端静子氏)は、緊急意見書「応益負担の導入に関する見解」を厚生労働大臣、尾辻秀久氏に提出しました。また、2005年1月、小川政亮(社会保障研究会代表)、真田是(総合社会福祉研究所理事長)、高島進(関西国際大学教授)、相沢與一(福島大学名誉教授)の4氏を呼びかけ人とする「障害児者施策への『応益負担』導入に強く反対し、『改革のグランドデザイン案』の慎重な議論を求める緊急アピール」が発表されました。  2005年2月4日、社団法人日本精神保健福祉士協会も、「今後の障害保健福祉施策について(改革のグランドデザイン案)」に関する見解を発表し、慎重な取り扱いを求めています。