13.一時判定について  昨年、厚労省は、障害程度や支給量決定の基礎資料となる一次判定の予備モデル事業を介護保険の認定調査書を準用して、障害者に実施しました。その結果、身体11%、知的12%、精神46%の人が非該当になりました。非害等の人は、制度利用、そのものができないことになります。厚労省は、この結果について、「肢体障害と知的障害については、ほぼ問題のない結果が得られた。精神障害と視覚障害については、必ずしも妥当な結果が得られなかった」と結論しました。  これを受けて、介護保険の要介護認定調査書の79項目に23項目追加した修正版認定調査書(102項目)が作成され、現在調査モデル事業が行われているのです。追加項目は、知的障害者・精神障害者・視覚障害者向けの項目とされています。  全身性障害など、肢体不自由の障害者に対しては、介護保険のみの項目で見る内容となっています。  (注:上記で視覚障害向けと書いた部分は、家事や外出が自らできるかどうかの設問なので、厳密には視覚障害専門の設問ではないが事実上は視覚障害者対策です。)  それにしては、精神障害者向けの設問項目は数問しかなく、これでは、精神障害者は最も軽い障害程度区分しか取れないと考えられます。一方、介護保険の要介護認定調査で問題なかったという報告のあった知的障害者むけの設問は、比較的多く加えられています。 いずれにしても、この調査書は、身体状況等、主に日常生活動作能力に重きをおいた医療モデル型の調査と言えます。  障害者が自立して生きていくには、心身の状況だけでなく、活動のパターンや社会参加の意欲等が大きく関係します。家でじっとしている人にはそれほどのサービスはいらないとしても、積極的、活発に外へ出たい人にとっては、より相応しいサービスが必要となります。  現在モデル事業で使われている調査書は、こういった生活モデル、社会モデルには対応していません。人間の生活機能と障害について、「心身機能・身体構造」「活動」「参加」の3つの次元及び「環境因子」「個人因子」等の影響因子を重視した「国際生活機能分類(ICF)」の理念に沿った調査書を用いて欲しいというのが、多くの障害者の望むことろなのです。  現に介護保険の認定基準を準用したモデル審査会の結果をみると、一次判定(コンピューター判定)の結果が二次判定(専門家による審査会判定)で変更された事例が知的障害者で48%、精神障害者で44%にのぼったことが明らかになっています。介護保険の29%に比べても変更が多く、一次判定の信頼性が疑われるところです。