2004年度10月22日 第14号(通算131号)
『作業所だより』最新号より
 前号を読まれてない方はここ、130号へどうぞ
                                   
                                     初めて出来た蝶結び
主張/作業所らしさ

 立て続けのイベントや弁当作りのために時間がなく、また書くことがなくてこの作業所便りの発行を一週間飛ばしてしまいました。申し訳ありませんでした。書いている側もしんどいのだけれど、一軒ずつ配って回る側もしんどいようで、発行延期を決めた後「ワーッ、楽になった!」と叫んでおりました。

 また東京まで生まれて初めての独り旅をして来た彼女も、今旅行記をまとめてくれています。ホテルが分からなくてたずね歩くなどアクシデントもあったようですが、自信につながったようで、次号には取り上げることができるでしょう。

 「障害」者の自立に向けて、人との交流を求めいろんな事に手を延ばしている私たちですが、先日「あれ?」と思う文章に出会いました。私たちと同じ「障害」者の作業所なのですがそこは自主製品を販売しております。それを買い求めに来た「あるお客さんは『一番作業所らしい店で、好感が持てます』と言ってくれていました」と言うのです。

 好感の持てる「障害」者の作業所らしい店とはどんなイメージを持って言われたのか、想像もつきません。言われた方もほめ言葉と受け取っておられるようです。「障害」者のやっている八百屋ではなくて普通の八百屋のようになりたいと思い続けている私たちには理解を越えてしまって決してほめ言葉とは受け止められません。

 私たちが唯一「障害」者の作業所らしい店なのは、台風の影響で野菜の高騰しているこの時期でも、「障害」者たちが計算しやすい「ひとつ100円」という100円均一の値段を崩せないところです。

 立派な大根だからと150円に値上げしたら、たちまち彼らには計算できなくなり大混乱するのが目に見えてしまいます。こんなふうに、値上げしたいけど計算できなくなるから元の値段のままというときに、「障害」者の作業所らしい店だなぁと言うのなら分かるのです。

 私たちは、「障害」者であることへの同情を売るな・良い商品を売れを合言葉に取り組んでいますから、スーパーで300円もしそうな大根を100円で売ることは合言葉どおりだとやせ我慢張っています。むしろお客様から「もう少し値上げすればいいのに」などと言っていただきながらもそうはできないのが「障害」者の店なのです。こんな安売りの店、もっと好感を持っていただきたいものだ。

 作業だってつらいです。今日は枝豆を売りました。畑から抜いて現場で葉っぱを落とします。それが無理な人はわんさと付いているカメムシ取りです。臭いのを我慢しながら葉を落とした枝豆をたたいて虫を落とさねばなりません。台風明けの畑の土は靴にこてこてにくっついて重い靴になっていくし、野菜が店頭に並ぶまでには決してきれいではない作業工程がいろいろとあります。

 その合間を縫ってイベントに参加したり、弁当の仕出しをしたり、日本一忙しい作業所だと自負しています。こういう所が「障害」者の作業所らしくないのかなあ。

 三連続弁当仕出し

 学校の秋のイベント、運動会や文化祭の教職員用お弁当は毎年私たちが引き受けるようになってきました。ただし、今年は小学校3校の運動会が9月25日と早く実施され、その日が作業所の四国旅行の最終日と重なったためお引き受けできませんでした。もしも運動会の日程が分かっていたら、私たちも旅行の企画は入れなかったでしょうに、惜しいことをしました。

 しかし、10月は2日が遅れて実施された小学校一校の運動会弁当・6日が一つの中学校の文化祭弁当・14日が二つの中学校の運動会弁当と矢継ぎ早の仕出しお弁当の取り組みとなりました。

 献立は2日と14日は別の人が食べるから同じメニュー、松茸ご飯に豚のヘレカツに鰻巻きとし、6日は14日にも食べる人がいるから栗ご飯と秋鯖の塩焼きに出し巻き卵と決めました。私たちの能力としては、メニューが変わるだけで大変な労力と気遣いが必要なのです。「食べる人が違うのならなるだけ同じメニューで」が鉄則!松茸ご飯弁当を『秋桜弁当』、栗ご飯弁当を『みのり弁当』と名付けました。

 『秋桜弁当』では国産の松茸が入れられるわけではなく、カナダ産のものになりましたが、“姿”をスライスして載せるために品質に苦労しました。虫食いや割れた物はだめだからです。80食分用意するのが大変でした。また、鰻巻きも16本作らねばなりません。7時前から二人で取り掛かってできあがったのが10時前!3時間近くもかかってしまいました。

 『みのり弁当』では、美味しい秋鯖を探すのに苦労しました。スーパーの物はノルウェー産がほとんどでして、そんな物を出して「秋鯖」は名乗れません。また塩加減がいいものでないと美味しく感じません。スーパーで探すのはあきらめて、人を介して京都の錦市場の魚屋さんにお願いしてやっと“本物の美味しい秋鯖”を用意することができたのです。教訓…本物を見つけるのはどれだけ難しいことか!でした。

 14日は中学校2校分を早い方が11時40分に納品でした。去年ある小学校の納品時刻が守れなくてご迷惑をかけております。特に運動会はタイムスケジュールがはっきりしていて、お昼ご飯が遅れることは許されません。80食をお昼までに届けるのに胃が痛くなる思いでした。

 私たちの弁当は、冷凍食品などは使わない・レトルト食品など既製品は使わない・なるだけ生産者名の明らかな食材を使う・そして「食べる当日に作る」という事を原則にしております。しかし、これらの原則のうち「その日のうちに」と言う部分は製造する食数が多い場合、あまりこだわれなくなるなあと実感しました。鰻巻きなどは前の日の夕方に作って冷蔵庫に入れて保存するという方法をとらないと、そのうち納品時刻を守れなくて、結局お客様にご迷惑をおかけしてしまうことになりそうだからです。いろいろな教訓を残しながら、忙しい10月前半が終わりました。

 みのり弁当口上書

 本日は文化祭のお弁当に私ども島本障害者共働作業所の『みのり弁当』をご利用いただきありがとうございます。早朝より文化祭のご成功を祈りつつ、お作りいたしましたお弁当の内容について、一言口上申し上げます。

 ご飯は三重県で有機無農薬米を生産しておられる鷲野さんのお米に、秋の実りの栗を炊き込みました。添えてありますのは大根の間引き菜のあっさり漬けでございます。 

 主菜は脂の乗り切った日本の近海産、焼津港に水揚げされました秋鯖を軽く塩をして焼きました。この鯖は、京都錦市場の魚屋さん『魚勢』さんのお世話になりました。

 揚げ物はエビ、EM農法のサツマイモ、そして飯田農園産のトウガラシ、カボチャ、ゴーヤをテンプラにいたしました。煮物は牛肉のすき焼き風煮でございます。焼き豆腐や糸蒟蒻は大山崎の加賀食品の物を、人参は薫りの高い飯田さんのものを使いました。添え物の酢の物はタコとキュウリと若芽のタコ酢でございます。それに秋茄子の煮浸しをつけました。

 卵料理は昆布とシイタケ、鰹節を使ってしっかりと出汁をとりました出し巻き、深みのある味を演出しましたがいかがでしょうか。

 デザートはメロンに亀岡の西村農園産のブドウ、竜宝と巨峰でございます。

 私たち素人の作るお弁当でございます。その代わり既製品は一切使わず、今日の文化祭のお昼ご飯として皆様のお姿を思い浮かべながら全て手作りいたしました。食品事故を避けるために、どうか今日の夕方までのお召し上がりくださいますようお願い申し上げます。

 水無瀬神宮秋祭りに参加

 10月17日は作業所の近くの水無瀬神宮の秋祭りでした。言うまでもなく「神宮」と言うのは天皇家に由緒のあるお宮と言うことですから氏子はおりません。お祭りも格式は高いものの内輪だけの密やかなものだったようです。しかし、去年から「地域の皆さんとお祭りを楽しみたい」という宮司の方針で、お祭りに付き物のテキ屋さんを抜きにして、近所のお店や有志の人達で模擬店を出し合う取り組みが始まりました。

 私たちも去年の出発当初から協力させていただき、今年も去年どおりラーメン屋と焼き芋屋で参加することになりました。去年は初めてのことだからたいした人出はないだろうと、ラーメンを100食しか用意せずにいたところお昼に売り切れてしまうという失態…ことしはそれに懲りて、250食のラーメンをもって臨みました。

 また去年は神宮の名水『離宮の水』を使って麺を湯がきましたので「名水ラーメン」のブランド名をかぶせて販売しました。今年はその「名水ラーメン」を特別美味しいラーメンにするために、二日前に離宮の水を汲んで来て豚の背脂、鶏ガラ、各種野菜を入れて二日がかりでスープをとりました。さらに加えて当日は、麺を湯がいているとお湯が濁ってくるのですが、その都度お湯を新しく入れ替えて麺を湯がきました。そのため、ブランド名に恥ずかしくない美味しいラーメンとなりました。お客様が美味しいという前に作っている私たちが感心しながら食べたのですから…。

 イベント全体が新しいものですから、主催するお宮の側も初々しく立ち働いておられたし、出店する私たちの側もそれぞれができることを一生懸命やるという感じで気持良く働くことができました。いつまでもこんな雰囲気でありたいものです。

 また、由緒ある神事と私たちの模擬店方式の出店との噛み合わせもうまくいき、湯神楽の神事など大勢のお客様のなかには初めて見ると言う方も大勢おられました。神宮の側の「地域の皆さんと共に」の意図はきちんと位置づいたものと感じました。

 ラーメン250食と焼き芋30kg完売して気持ち良く終わりました。

作業所短信

今月の生協は10月28日(木)です

 今月の生協店頭販売は、どうやら“芋シリーズ”になりそうです。まず販売する野菜が里芋類がメインになりそうなこと。ただの子芋だけじゃなくて、タケノコイモ、エビイモ、赤目芋など生協店内には販売していない芋を安値で販売します。

 そして今月から焼き芋を復活させます。焼くのは鳴門のEM農法で作ったサツマイモです。これは時間をかけて焼くと、身が黄金色に焼き上がりトロリとした甘さを引き出せます。値段の高い芋ですが、普通の芋と同じ100g100円の値段です。他にはない甘さ、よろしかったらこの焼き芋だけでもお買い求めください。

 もちろん定番のラーメンやチャーシュー、それに手作りのナッツケーキも販売いたします。どうかよろしくお願い申し上げます。

町文化祭にも出店します

 例によってラーメンと焼き芋!しかし今回はラーメンが400食という限界に挑戦します。これでも文化祭では売り切れるのです。しかし、いつまでも400食はやっておれないでしょうね。体力が続かなくなりそうですから!
 どうか文化祭の日の昼食は作業所の美味しいラーメンで昼食をお済ませください。

   
      


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