2008年5月13日 第4号(通算219号)
『作業所だより』最新号より
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                                作業所総会「つどい」・・・狭いところに30名!人いきれがしました
主張/この過去5年間で


 発行日の関係で少し遅れましたが4月29日に作業所で開かれた総会「つどい」の報告を中心にこの号を作りました。総会のあとに連休が挟まったために、記憶も気分も途切れがちですが。

 3面に読者の皆様にお世話になって、いろいろな商品をお買い求めいただいているその収益金(「障がい」者の作業による工賃とも称します)を5年前のものと見比べる報告をしております。この5年間に私たちの稼ぎはどう変わったのか知りたいと思ったからです。

 悲しいかな年間の収益金は5年前に比べて約30万円落ちておりました。この号ではその辺りの分析を私なりにしてみたいと思います。

 まず、当時5名だった「障がい」者従業員が現在8名に増えているのだから、本当なら収益も上がって当たり前だと考えてしまいます。ここが「障がい」者作業所の悲しいところで、従業員が増えれば増えるほど彼らに手がかかり作業所全体の生産性が落ちるという現実があるのです。

 5名の頃は、今の時間帯どの人は何をしているかが頭に入っていて、気をつけてやらねばならないこともすべて把握できていました。ところが8名になった今は、「彼は今することがなくてぼんやりしているな」と分かっていても与える仕事がないという場面がよくあります。一つの仕事に10の力を必要とするなら、そのうちの8ぐらいは私たちがやり、残りの2を噛み砕いて彼らに任せるという感じで進めています。それが5人なら50として40の仕事を私たちがやり、10を5人にさせていた・・・それが8人になり80の仕事を用意するとなればどうなるかご理解いただけると思います。

 もちろんそれだけではありません。私たち自身が5年間のうちに年をとり体力を落としてしまったことも大きな要素です。特にイベントの参加などのときに痛切に感じます。私は週の半ばに休みを取らないとしんどくて仕方ない体になりました。

 また、退職して10年目となり、学校の先生方を相手に販売していたパンやラーメンの売り上げが落ちております。これも仕方のないこと。年度当初に目にする教職員の方々の異動表を見ても「転勤教職員」のお名前には知らない方が多いのに「退職教職員」のお名前には知った方が多いという現実!いつまでも学校に寄りかかってはおれません。

 5年前に比べて作業収益が減ったことはショックではありますが、めげておれません。創意工夫を凝らして収益のアップを図りたいと思っています。「障がい」者従業員も5年10年という幅で見ればしっかりと伸びてきております。後は彼らに意欲がわけばなあ!

4月29日「つどい」の話から


 場所が作業所の奥の部屋でやったものだから、30名近い人が入ると満杯状態。人いきれのする状態で定刻に開会されました。作業所代表の挨拶の後ただちにこの一年間の活動報告と会計報告が通して行われました。

 農産物関係では、飯田農園の生産力の限界が見え始めたし、これ以上の収益を上げることの難しさが報告されました。今回端境期に野菜を送ってもらった徳之島との取引のようなことを、年間通して他の地域に広げて模索することもやってみたいです。商品を仕入れて販売するのは利益が薄くなるうえ、売れ残すと損が出るなどリスクが高くなるのですが、タンカンのようなヒット商品を見つけたいものです。

 定期販売品(パンやラーメンなど)は学校関係の取扱量が多かったのですが、年数が経つにつれて減少傾向に陥り、今では最盛期の半分以下の売り上げとなっております。しかし、家庭を対象にした鷲野さんのお米などは右肩上がりです。これからは家庭を対象にした販売を重点におかねばなりません。

 その他「障がい」者従業員が8名となって起こるいろいろな課題や問題点が報告され補助金が止まったときの給与保障のあり方が提起されました。

 続いて作業所の日常的な取り組みから上がる収益について報告がありました。補助金や寄付金などを除く収益は年間約360万円で、前年度と比べると15万円ほど下がっておりました。この収益金は補助金を使えない経費に使われており、その大部分(3分の2強)が従業員たちの給料になっています。

 内訳を見ると野菜が大きく落ち込んでいるのが目を引きましたが、どうやら竹の子の生産者との利益配分の計算ミスがあったらしい・・・飯田さんが「今年はしっかり儲かった」と言っておられたのと対照的にうちは竹の子の伸びが悪かったのです。一緒に儲かるはずなのに。果物ではタンカンがよく売れましたがイチジクが裏作で収穫量がとても少なかったのがこたえました。またラーメンやパン、カレンダーの販売による収益も年々下がっております。

 結局トータルして、メンバーが増えたことによる給与保証などの支出が増えたため。70万円の赤字でした。

 引き続き討論に移りましたが、去年までの09年度を前にして、小規模福祉法人化して法制度の中に組み込まれてしまうのか、NPO法人格をとって別の道を探るのか、それとも今のまま突っ走るのかと熱のある討論は影を潜めました。それはこれまでの作業所の動きの中で「障がい」者のために作業所であり続けたいという意思がはっきりと固まってきたことにあります。だから内容は「高い家賃の現在の建物から引っ越す話」や「従業員の自覚の高まり」など、現実的な話が交わされました。

 結論は出ませんでしたが、補助金が止まったからと言って作業所は閉まらないし、今の状態を創意工夫しながらできるだけ長く続けるということだったと思います。そんな結論をまとめるようにして、共働センターの代表が「作業所を率いるお二方が、できるだけ元気に長生きしてもらうことが今、一番の課題だと思います」と挨拶され、笑いを誘っておりました。

5年前と今年の収益金の比較
                (「つどい」資料から)


 つどいで報告された作業所としてみんなで働いて得たお金、つまり収益金を5年前の同じ資料と比較してみたら、現在の問題が見えてくるのではないかと思います。 収益金比較表     (単位は円)

 

2002年度

2007年度

繰入金

312,999

120,406△

寄付金

442,000

 90,000△

借入金

   0

700,000

収益金

3,981,448

3,681,879△

補助金

5,560,000

5,560,000

利息

   62

 1,833

収益金の内訳

野菜等

1,300,000

1,539,270

焼き芋

 96,700

 86,380△

古物

512,528

 13,000△

ケーキ

 44,300

 57,800

清掃業務

 35,000

 60,000

ラーメン

1,092,000

768,613△

弁当仕出

150,000

298,679

 68,000

267,000

パン

122,000

 79,780△

昼食提供

 56,000

 54,089△

果物

233,400

159,473△

カレンダ

 92,000

 27,000△

喫茶

148,000

 75,000△

粉石けん

 7,200

 25,100

その他

 24,320

179,839

*02年度と07年度とでは取り組み内容が違いますから、そのどちらかにない取組みは「その他」としました。


*「古物」」とは{リサイクル」の取組みのことです。5年前まではまだリサイクル品が残っていましたし、この年、ある企業から提供を受けた中古のパソコンを売り、利益を得ました。現在の13000円は、古本などの販売益です。

*減少した項目に△をつけました。

*07年度の野菜には、竹の子なども含め、徳之島の奥村農園の野菜も入っています。

*02年度に焼き芋の窯を作ってもらい本格的に焼き始めました。鳴門まで出かけてEM農法の芋を手に入れ、焼き芋に力を入れていました。

*作業所のある建物の2階から上のマンション部分の清掃を、02年の途中から搗きに5000円で請け負って取組みを始めました。

*02年の果物は青森の無農薬リンゴが主役でしたが、その後リンゴ栽培の中心だったおじいさんが亡くなられ生産がストップしてしまいました。

 *「喫茶」とは、02年当時喫茶店であることを触れ回り、それなりにお客もあったのですが、だんだんと忙しくなりまして、お客がめったに来なくなりました。現在の「喫茶」は毎日のコーヒータイムにみんなが100円払って飲むその代金が「喫茶」の収益金の中心になっています。


アスパラガス物語


 ネット仲間にKaneさん(ネット上のニックネーム)という福岡県在住の方がおられます。若い頃の交通事故で脊椎損傷者となられ、車椅子生活なのですが、職業が競走馬の飼育育成です。仕事柄、競走馬の買い付けに北海道はもとより、アメリカやオーストラリアへ出張なさいます。彼の牧場には「障がい」者が従業員として複数で働いておられ、そんな関係からもうちの作業所の行き方は正しいと共鳴してくださっています。

 去年、福岡で闘牛大会が開かれたとき、闘牛大会のお手伝いをされ、闘牛会場をバリアフリーにするために尽力されていました。そんなことから彼の持ち馬を作業所の競馬好きの応援団が応援してニンジンを送ったりという交流が生まれています。

 そのKaneさんが、端境期に悩む島本障害者共働作業所を心配して北海道の農家とつないでくださいました。早速北海道の農協に出入りする方からアスパラガスが10kg見本だと送られてきました。作業所で昼食時に試食したところ、一口食べた従業員から「甘い〜」「マヨネーズなんかいらん」と絶賛の声。本当に美味しかった。

 そこで、ご紹介いただいた別のアスパラ農家に電話を入れて話し合いました。私の方の趣旨は、農協ではねられる規格外のアスパラガスを安い値段で分けてもらえないかということ。北海道の農業を知らない私の願いは彼らにとって珍奇な願いだったらしい・・・「ハァ?そんなことしてたら手間がかかって仕方ないんですよ」今度はこっちが「ハァ?」・・・アスパラ畑は5ヘクタールあり、露地栽培しているらしい。それを刈り取り道具でひとつかみバサッと25cmの長さに切ってビールケースにそのまま入れて、何10ケースも農協に持っていくそうです。選別は農協が機械をつかって流れ作業でやるそうで、そこではねられたものがどうなるのか知らないとのこと。要するにゴミ扱いなんでしょうな。その他アスパラは切り口から1日1cm硬くなるから収穫日が推測できる話とか、露地栽培のアスパラは農薬を撒くと高くついて農薬倒れする話などいろいろ聞けました。

 そういうことなら、農協へ出荷する太さの不ぞろいなアスパラガスを、横流しする形で安く送ってもらえないだろうかとさらに押しました。そしてうちの作業所では農作業も仕事にしているのだと話したら、彼の農場にも近所の「障がい」者たちが手伝いに来て、とても明るく働いているのだと一気に親しみを感じてくださいました。そして、送ったことがないからアスパラガスの品質を落とさない方法があるなら送ってあげましょうとのこと。クール便で送れば間違いがないからと一気にお願いしてしまいました。

 後で生協の北海道のアスパラガスを産地から直送するというチラシを見てびっくり!うちが卸してもらう値段の3倍ほどしていました。これなら商売になるかもしれません。とにかく最盛期は5月末からだそうで、その頃になると安値で送ってあげられるからもう少し待っていてくださいとのこと。他にも真夏の白ネギなど、島本では作れない野菜が北海道では旬を迎えるようです。

 ネットのつながりがさらに北海道まで広がった楽しい物語でした。

      


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