2008年6月10日 第6号(通算221号)
『作業所だより』最新号より
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                            トマト畑に防鳥ネットを張りました・・・45m×18mほとんど50mプール
主張/これでええんや


 写真入りの「主張」は初めてのことです。しかし、今日は写真を入れたほうが面白いし分かっていただけるかなあと思って型破りをします。

 タクは今、野菜の配達から帰ってきて、集金してきたお金を計算しています。頚椎に異常が見つかり、もしものことがあれば寝たきりになるなんて医者に言われて以来、筋肉労働から遠ざけておりますのでこういう事務的な仕事が出来るようにと考えています。

 彼は店長から午後の配達の「勘定奉行」をおおせつかっているのです。ところが彼のこの仕事は、他の従業員にとっても憧れの仕事であり、ちょっとしたミスを起こすとその勘定奉行の仕事も危うくなる・・・彼もそのことはよく知っており、他のものには触らせまいと一生懸命です。

 彼は抽象数の計算になると指を動員しないと計算が難しいほどの力量です。店番していてもお客様に手伝ってもらうことがあります。

 でも、この仕事では間違いを犯すわけにはいきません。一生懸命お金の顔つきを覚え、お金同士のつながりを考えながらほぼ間違いなく勘定奉行の仕事をこなしております。300円のお買い物されて1000円札を出され、おつりがなかなか出てこない彼が・・・です。

 こういうことって作業所で働いているとよく目にする光景で、言葉を使った意思疎通の出来ないR君も、昼食代の1000円札はよく理解して、コンビニで昼食を買ってきます。数えさせれば4までしか数えられない彼ですが。

 教育学者や心理学者が、数理解の発達として集大成した指導法とは全く別な理解方法があるのだと思います。それは、机に向かって紙を前に筆記具で書きながらでは決してできないものらしい。写真をご覧ください。トラックの荷台が彼の勉強の場所なんです。

 野菜便りの余りを横に、今回ってきた家々を思い出しながらでしょうか、並べたお金を順に手にとっていくのです。カメラを向けながらからかっても顔もこちらに向けずに考えています。

 自分に与えられた仕事をやり遂げて、自分の領分を守るためには、これまで生きて経験したことを総動員して、学校で習ったとおりの算数の計算ではなくても自分流の計算でやってしまう。おそらくはとんでもない遠回りの思考を巡らしているのでしょうが、とてもたくましいと思うのです。これでええんですわ。

ある日の調理実習から


 実習生M君の調理実習でした。彼は「何を作りたいか」を必ず家で考えてきて作ってみたいものを言います。自由に考えるから予想外のことを言い出すこともありますが、そのことから調理実習のマンネリ防止に役立つこともあるのです。

 しかし、その日は「いくら考えても冷しうどんしか思いつけませんでした」と言いました。ちょうど昼ごろには雨が降るから、それまでにジャガイモの収穫を終えておこうという日でしたから、冷しうどんよりも簡単なざるソバを提案し彼も了承してくれました。相撲部屋みたいな作業所です。ざるソバだけでは足りない人が続出するからお米も少し炊くことにしました。

 私の思いつきで、「真っ白なご飯だけでは面白くないから自分の手でおにぎりにして食べることにしよう」と提案しました。するとM君、「ぼくは生まれてからおにぎりは作ったことがないから自信ありません」ときっぱり拒否。「作ったことがないからやるのやないか。君はこれから先も、おにぎりを作ったことがないまま死んでしまってもええのか?」すごい話になりまして、彼もしぶしぶ首を縦にふりました。

 買出しに行くと袋入りの蒸しソバの賞味期限切れ寸前というのが28円で売ってありそいつを15玉購入、そばつゆは既製品にし、天ざるにしようと100円の掻揚げを人数分買って帰りました。米を5合仕掛けたのですが、考えてみればソバ15玉にご飯5合ということは20人前・・・大丈夫かな?と不安が過ぎりましたがやってみればさすが相撲部屋、ぺロリでした!

 ざるソバを食べ終わった人からおにぎり作り・・・これが面白かった。農作業を終えてみんなが帰るまで時間があったからM君にコーチして作らせたら生まれて初めてなのに、上手にまん丸おにぎりを作れました。M君のおにぎりを見たタク、張り切りすぎて具を中に入れ忘れ横に貼り付けてました。F君はいつもどおりチョコチョコッと指先にしか水を付けないからおにぎりにまとまらない。おにぎりより手についた飯粒のほうが多い!後で食べるのに難儀しておりました。

 次に居眠り君、太い分厚い手で手を震わせるほどに力を入れて握りましたが、これまた具を横へ貼り付けておりましたl

 新入りのK君、彼は弱視で見えにくいようでご飯をしゃもじにすくうのが大仕事。なんとか手にしたご飯を、小指を立てながらそれでも上手に握っていました。

 聞けばみんな初めてのおにぎりだったようで、楽しい取り組みとなりました。

野菜に半泣き状態  虫食い野菜・採れすぎ野菜・急ぎの野菜


 2月から4月にかけての端境期の野菜にも泣かされますが、初夏を迎え端境期の話を忘れそうな今、こんどは贅沢に泣かされています。

 5月の終わりの火曜日、配達野菜を採りにサニーレタスの畑に入って感動!30mほどの2畝に4列、一抱えもありそうなサニーレタスがずら〜りとなっています。40軒分大喜びで収穫しました。そして次の金曜日、期待をこめて畑に入って根に鎌を当てたら、夜盗虫がバラバラッと零れ落ちました。まさに「うっそ〜!」です。

 まさかと思いながら次々と切っていくとどれもこれも夜盗虫だらけ。「何でやねん」と葉をむしると出てくる出てくる、サニーレタスはまさに夜盗虫(写真)の食事つきアパートか「お菓子の家」状態。彼らが外にウンチしに出てくれればそれほどの問題じゃなく「無農薬の証明だ」と開き直りもできるのですが、行儀悪くその場でウンチしてしまう。その溜りに貯まったウンチの部分から腐れが広がりまして、使い物にならない。


 畑を振り返れば、あの見事な畑がサニーレタスの累々たる屍で覆いつくされていました。

 結局その日は配達野菜に入れる予定をしておりましたので会員さんにはお気の毒だけどそのままマシなのを選んで入れ、お詫びの印にニンジンの間引き菜を入れておきました。

 次の半泣きの原因は、野菜を作っている畑が6月の半ばから水田になりますから、畑に置いておくことができない。「さあ、タマネギ採ってくださいよ」「雨が降る前にあそこのジャガイモは全部収穫しますから」次々と下知される飯田さんの指示に、作業小屋も飯田家の納屋も作業所も野菜であふれかえっています。

 タマネギは風通しを良くしておかないと腐り始めますし、出来るだけ括りタマネギにして吊るすのですが、もう飯田さんのお宅にも作業所にもかけるところがない。早く売りたいけど季節は梅雨に入り、雨の日が多くて売りにくい。

 ジャガイモは光に当てると緑色に変色し、味が落ちる上に緑の部分は体によくない成分が生じているとの事。段ボウルの箱に入れてもわずかな光に反応するし、と言って密封すればこれまた腐り始める。5kg10kgと買ってくれるお客様もいない。

 実は毎年、吊るす場所がなく箱詰めしたタマネギや、段ボウルで保管して光に当たって緑色になったなどが原因で、廃棄処分せざるを得なかったものが結構出ています。もちろんもったいないですから、調理実習などで傷んだ部分を取り除いて一生懸命消費しているのですが。

 端境期もつらいけど、虫に追われ、収穫に追われ、傷みに追われる今の時期もそれはそれで結構辛いものがあるのです。


6月、そよ風パンが値上げ!


 世の中、物価の上昇のニュースであふれかえっている中で、この作業所だよりまでもが値上げの話・・・どうも申し訳ありません。原油の天井知らずの高騰は、間もなくガソリン代が1リットル200円になるだろうなんて。それに海外のバイオ燃料による穀類の値上がりとが重なり小麦などは手の施しようがない状態です。そよ風パンは国内産小麦を使っていますが、外国産小麦の値上がりは必然的に国内産にも影響するわけで、まともに私たちの仕事まで直撃しています。

 客離れも怖いし、なるだけ安易な値上げに走るまいという気持ちが表れているパンの値段改定で、大きさを変えて値段据え置くパンも結構多いようです。どうぞ、ご理解のうえ、これまでどおりのお買い上げをお願い申し上げます。

 実はこれを書いている今、チャーシュー用の豚ばら肉4枚が届きました。前回100g単価95円だった肉が13円一気に上がって108円になっていました。配達してくれた営業マンに聞くと、豚の飼料代も輸送費も上がっているから95円では原価割れしてしまうのですとのこと。そのうえ商社もちょっぴり上乗せしているみたいだしとも言ってました。「うちもちょっぴり上乗せしたいな」と冗談を言いながら、「お宅は?」と聞きたかったです。

 チャーシューとラーメンで言えば、小麦粉を使う麺代も初めの頃より10円以上値上がりしていますし、経営的には売り上げ量が減り続けていることも重なって利益がどんどん薄くなっています。まだやせ我慢張っていますが、さらに値上げが追い討ちされるともう「商売」ではなく「サービス」になってしまいます。なんとか材料代の値上げがこの辺りで止まってほしいし、ラーメンやチャーシューの値上げに走る前にそれらの販売回数を減らして様子を見るのも正解かなと思っています。

 ご自分お一人で取り組んでおられるからはっきりとは見えないしおっしゃらないのですが、飯田農園の種や苗の仕入れ代金や鶏糞などの肥料代金もずいぶん上がっているのじゃないでしょうか?もっと突っ込めば、野菜を配達するトラックの燃料費だってガソリン代が200円にもなれば馬鹿にはできません。

 こうなれば値上げする口実はいくらでもあるわけで、ガソリン代が安定し穀類の高騰が収まったら値下げされるのかというと必ずしもそうでないところにとても腹立たしい思いがするのです。私たちは安易に値上げしない方法(なんてあるのかないのか知りませんが)を模索します。

6月20・25日弁当仕出し決定


 ある組合の定期代会のお弁当の仕出しを頼まれました。毎年引き受けているお得意様のお弁当です。仕出す時間帯が夕方なので、早朝出勤しなくてすむのがありがたいですし、時間にせかされない分「障がい」者たちに任せる仕事を見つけられればいいなと考えております。20日は野菜の配達日だし、25日はパンの販売日なんだけど、なんとか移動させずにできないかと思っています。

      


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