2008年8月5日 第10号(通算225号)
『作業所だより』最新号より
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| スイカの宣伝に舞台に上がったけど「どこの作業所さんですか?」に「・・・」笑われました |
| 主張/お礼の気持ち |
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ある日のことでした。居眠り君が「これ・・・」と袋に入れたビンを私に差し出しました。中を開けるとフランスワイン・ボージョレヌーヴォー(2007年物)でした。珍しくも私にくれるというのです。
わけを聞くと、私は自分の犬のために餌を手作りしているのですが、時々おすそ分けで彼の犬にも食べてもらっております。とても喜んで食べるらしい。そのお礼だとの事。
いや、うれしかったですね。「3200円の定価を半額にして売っていたから」という手の内を聞かされても、このワインが毎年新酒を開栓する日が決められていて、時差の関係でフランスよりも日本が先に飲めると大騒ぎして飲んでおり、あと三ヶ月ほどでその時期が来るからダンピングされることを知っていてもうれしかったです。
彼らは、「障がい」を持っているがゆえに親だけでなく周囲の人たちからも大事にされてきています。例えば、作業所で応援団の人たちで飲んでいるところに入ってきても「おお、お前も飲むか?」とグラスを出され「つまみも食えよ」とただ酒を振舞われる。外へ出かけても、「出しといてやるから」とおごってもらえる。
「ボクも出します」「ここはボクが支払います」という経験がないのです。ご馳走になって当たり前・人に振舞ってもらって当たり前の世界に生きています。しかしこれは彼らが悪いのではありません。一見気前のよい周囲の我々が悪いのです。
だから、作業所ではことのほか厳しく金を出させます。旅行のお土産のお菓子をいただくと、誰からのものか必ず報告します。飲み会のときなど綿密な計算をして割り勘にしています。応援団が飲んでいる場に来合わせた「障がい」者にも、きちんと分担させ、自分の飲むビールは自販機で買って来させます。
居眠り君の餌の場合もそうでした。初めてあげた後、私が餌の材料を買い込んでいるのを見て「また作ってや」と言い寄りました。私は「人に頼むときは、お前の家で採れた野菜を持ってきて『恐れ入りますが』言うて頼むもんじゃ」と突き放し、それ以来はお父さんに直接手渡しておりました。
お父さんにこの出来事を話すと、「何やワインがどうのこうの言うてましたな。こっちから持っていけなんて言うてません」とのこと。彼なりの思いのワインだったようです。
他人に依拠して金をだしてもらい、作ってもらい、世話になるのが当たり前では自立を目指しているとは言えません。その点で彼は、今回自分の考えでお礼の気持ちを伝えることができた・・・一歩突き抜けて他人からの自立を踏み出したと言えるでしょう。
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| 真夏のイベント三弾報告 |
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ずっと真夏日の続く7月でした。2週間連続で週末のイベントが開かれました。この暑い中でのイベントはスタッフの大変なことは当たり前として、参加してくださる人たちも大変でした。以下、それぞれ出来事や感じたことを報告します。
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No.1・7月26日
反核平和人権フェスティバル
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フェスティバル全体としては7月20日の講演会(敗戦後の島本のくらしについて地元農家の長老の話)を皮切りに、一週間の掲示物の展示期間を経て26日の夕方から本番として模擬店や舞台の取り組みで締めくくるというものです。作業所としては展示と模擬店に参加しました。
作業所は野菜の販売と冷しスイカにトマトをその場でジュースにして販売。ぴいぷるしまもとは生ビールにおでんです。おでんは前日から仕込みました。
去年のおでんは全てを一つの寸胴鍋に入れて販売し、底に何があるか分からずかき回しているうちに砕けてしまうし、まだ残っている事に閉店後に気がつくということがありましたので、今年は具材毎に込みました。もちろん出汁は鰹節と昆布でしっかりととり、6つの鍋を出してきて煮込み、当日また出汁を合わせて味を統一してから別々に煮込むというていねいさ。
バザーは夕方4時から開始でして、若者たちに設営に出てもらい、私たちは屋内で仕込み作業。昼から現場に出ました。フェスティバルは例年どおりの展開で、人出も結構多くて野菜もジュースも生ビールもおでんもよく売れました。
ここからが問題です。作業所の売り上げは11,800円でした。そのうち7000円は生産者の取り分ですから利益は5000円足らず。フェスティバルに参加するための場所代として1万円払っていますので、5000円の赤字でした。場所代1万円稼ごうと思えば野菜を25000円売らなければならないのでした。ぴいぷるの方もおでんで約8000円稼ぎ、ビールで12000円稼ぎましたが、そこから場所代として一万円払うと半分になってしまいました。まあ、お祭りですから赤字にならなければ良しとしなければならないでしょう。しかし、作業所の赤字というのは辛いものがあります。作業所の野菜単価で言えば250個売らないと収支トントンにならないのがね。
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No.2・8月2日
小野薬品労組「ふれあいフェスティバル」
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12時半搬入なので早昼を食べて12時20分に作業所を出発し、トラックで運んだ野菜を手運びでケリヤホールに運び込みました。去年も参加したこの催しは労組の「社会貢献部」主催で、私たち近隣市町村から5つの「障がい」者作業所が招かれ店を出します。八百屋は私たちだけなんだけど、何分野菜ですから、持ち帰るためには商品が重いのが不利でしたなあ。 

初めにインタビューによる店の紹介がありましたが、島本障害者共働作業所は例によって「障がい」者従業員にインタビューを受けてもらいました。彼らの受け答えは立て板に水とはいきませんが、聞かれる程度のことは見てもらえば分かるだろうというわけです。その後2回ほど、商品紹介や売れ行き状況などインタビューされましたがすべて彼らに任せました。居眠り君など、スイカを抱えて舞台に上がったものの「どちらの作業所さんですか?」の質問に自分の所属先が出てこなくて立ち往生して、笑いを誘っていました。これで良いのです、主役は彼らなんだから度胸をつけ、物怖じしないでしゃべれるようになるチャンスです。うちの従業員は得をしています。
この日の出色の出し物は、風船人間のパフォーマンスでした。テレビで見たことがあるのですが、大きな風船の中にチョップリンさんが入り込んでしまい、飛んだり跳ねたり・・・最後は自ら風船の空気を抜いて破って出てきました。従業員達も大喜び!
売れ行きは、夕方からの「しまもと祭」と日程が重なっていたせいか、人出が少なく、売れ悩みました。でも労組の皆さんがたくさん買ってくださり、3時間で17300円ありましたから良しとせねばと思います。
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No.3・8月2日
作業所ビアガーデン
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同じ日の夕方に、毎年恒例の作業所ビアガーデンをやりました。「ふれあいフェスティバル」を終えて作業所に戻ると、すでに女性応援団がおつまみ作りに余念がありませんでした。私は一眠りしてから、朝から用意した素麺汁に加えて生姜をすりおろしたり作業に参加しました。夜の8時ごろに素麺を出すのが私の仕事です。

5時過ぎからやってきた飲兵衛さんたちでなし崩しにビアガーデンは始まりました。2週連続で夜までかかる土曜日の取組みでしたから、くたびれたのか「障がい」者従業員の参加は二人だけでした。いや、彼らだけでなく全体的に参加者が減る傾向にあるように見受けました。もちろん参加者数の問題ではなく、楽しく飲めたかどうかなのですが、それでも数が減るのはもう少し検討の余地を残す取組みだったと思います。
2樽を空けたところで飲むピッチが衰え、参加者の数を考えると3樽目を開けるのは無理でもったいないことになるかもしれないからと、一旦お開きにして室内に移動し、遅くまで飲みました。
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毎日新聞に取り上げられました!
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7月の中ごろだったか、東京の毎日新聞から作業所に電話があり店長が受けました。どうやらうちのホームページを見て、電話取材をかけてきたようです。趣旨は物価の高騰が作業所の経営にどのように影響を与えているかについてで、店長は伝票など見ながら応対しておりました。東京の毎日に載るので、掲載されたら送りますという話で終わりました。
そして24日付の新聞に掲載されたからと、28日に東京毎日新聞が送られてきました。記事の内容は、東京都昭島市と東村山市の作業所に加え、私たち大阪の島本障害者共働作業所が取り上げられ、いずれの作業所も値上げラッシュに利益が減ってしまって苦労していると言う内容をまとめて報告するものでした。
新聞を追いかけるようにして今度は大阪の毎日新聞社から電話が入り「今度東京のこの記事を大阪にも転載して載せることになったが、写真が東京のものなので大阪の作業所の写真に入れ替えたい。カメラマンが行くのでよろしく」とのこと。翌日の午前中に「今これから島本に向かいます」とカメラマンから電話。
さすが新聞社というのでしょうがあわただしい話です。まあ、前もって分かっていても準備することなんて何もないのですが、ただ皆にも伝えて心の準備というものがあります。火曜日の野菜の配達日でしたから、朝からその準備に追われてみんなと話をする間もなくカメラマンがタクシーでやってきました。梅田からタクシーで来て、待たせたまま取材ですから、なんともリッチというかあわただ
しいというか・・・。
野菜の仕分けしているところや、野菜を運んでいるところ、お客様が来るのを待っていて販売活動の場面など、若干“やらせ”もふくめて何十枚も撮影しました。みんなもだんだん乗り気になってカメラマンの指示通り動いておりました。しかし・・・新聞に載るのはこのうちの一枚だけです。私は、この作業所だよりに載せるために取材するカメラマンを取材させてもらいました。そのときの様子を載せておきます。大阪毎日には8月2日付の夕刊に掲載されましたので、お気づきの方もおられたのじゃないでしょうか。あの記事の通り、本当に値上げには泣かされております。
(なお、記事の詳細は夏期休業明けの19日発行の次号に取り上げます)
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