2008年9月16日 第13号(通算228号)
『作業所だより』最新号より
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                          速報;9月14日福祉大会・・・この行列すべてラーメン屋のもの!
主張/同じ釜の飯


 夏の間、イベントでジュースを販売することもあって、ジュースやコーヒーなど各種買い揃えて一部冷蔵庫で冷してありました。エアコンのない暑い作業所ですから、まるで首タオルが「ユニフォーム」でして、冷蔵庫のお茶(無料)やドリンク(百円)で水分補給しておりました。もちろん、この間中はめいめいが好きな時に飲んでおりましたから、三時のお茶の時間は無しでした。

 しかし最近、涼しくなると「コーヒー飲みたい」とお茶の時間が請求されるようになりました。「冷蔵庫にまだドリンクが残っているやろ?あれがなくなったら茶をしばく時間作るから」と断っています。どうやら皆でテーブルを囲んで同じものを食べ、飲む時間がほしいようです。ほかにも月曜日には交代で取り組む調理実習があり、月に二回の昼食提供日があるのですが、これまた確実にあってほしいらしい。

 調理実習は当番の人に私が介助について、献立を決め人数分の昼食を介助の私と二人で作って仲間たちに試食してもらうというもの。本来は、親がいなくても一人で食べ物を作って生きていけるようにという趣旨ですが、実際十年ほど付き合ってきて感じますのは、指導の方法もあるのでしょうが調理技術はほとんど身についていませんな。

 ご飯を炊くことひとつとってみても、日ごろ家では親が当たり前のこととしてやってしまうから、ややこしい彼らが手を出すことがないし、まして他の切る・刻むなどになると「あ〜見てられへん、あっち行っといて」になるのは火を見るより明らかです。

 そしていつも言うことですが、コンビニやスーパーではいくらでも弁当を売っているし、彼らに必要なことは湯を沸かしてカップラーメンを食べられるようになることができたら十分じゃないかということです。

 総合して、彼らに調理が出来るようになってもらうという意味での調理実習はあまり期待しておりません。しかし、どうやら別の意味での意義のようなものが出てきているような・・・

 それが冒頭の「みんなで茶をしばきたい」という要求と重なるのです。仲間の作ったものをみんなで食卓を囲んで食べることに意義を感じているらしい。朝来るなり「今日は○○クン当番!」と勢い込んで確認しております。同じ釜の飯を食う仲間なんですなあ。

 おかげで、これまで昼食を毎週木曜日に作ってくれていた女性が辞めたあとも、木曜日に形を変えて提供することが今も、息も絶え絶えに継続しております。期待が大きくて止めるわけにはいかないのです。

 この事が、従業員同士力を合わせて助け合い、困っているときには手を差し伸べる仲間意識となっていけば言うことなしなのですが、そこが難しい!

楽しかったふれあい夜店


 9月の第一土曜日の6日に人権文化センター主催のふれあい夜店が開かれました。島本町の夏の最後の夜を飾るイベントです。前号でも書きましたように、うどん屋と焼き芋屋と、ぴいぷるしまもとから「チャーシューご飯」(五目飯にチャーシューを入れたもの)を出しました。

 今年の8月末以来の天気は全国的に“ゲリラ豪雨”などと言われており、この日の天気予報でも「変わりやすい天気」ということで最後まで心配しました。午前中は店長が従業員の力持ち(に見える人たち)を連れ出して、うどんの釜やプロパン、机や椅子の運搬、店のレイアウトを終えてくれました。私はうどんの油揚げを煮込んでいました。

 天気が心配だから、買出しも当日の午後、ぎりぎりになって「こんなに日が射しているんやから大丈夫、行こう!」とトラックを出す始末。冷凍うどんから卵やかまぼこ調味料一切を買い込んできて3時から出汁をとりスープの味付け。湯が沸くまでの間、私は忘れ物を取りに何回作業所まで往復したことか・・・4時に芋に火をつけまして、うどんスープも4時45分に仕上がりました。ここまで応援団の女性は全員作業所でチャーシュー飯にかかりきりですから、現地での女性はHさんだけ。かまぼこを担当して薄く手切りする仕事、上手にこなしておりました。

 5時になる前からおばあちゃんが一人だけ並び始めました。一人でも待たれると何かソワソワしてしまう気の弱さを乗り越えないと、本物の商売人ではありませんな。だいたいが、作業所で刻んでいるはずのネギを取りに戻ったまま店長が帰ってこない。「5時からですから」「それにまだネギが来てません」なんて言い訳しながらそれでもなんとかネギもチャーシュー飯も届き、5時には開店できました。

 うどん屋のお客様は暑い日でもあったせいか、行列も数名程度でラーメンよりも気楽に取り組めました。

 うどんは楽です。ラーメンの場合、前々日からチャーシューを仕込み、前日は一日がかりでスープを取り、味卵を仕込みと取組みが大変ですが、うどんの場合は一日で仕込みができます。労賃や光熱費を考えると利益率はうどんの方がはるかに高い。しかし、他のイベントでは以前から「うちはうどんを出店する」という組織団体が決まっていますからどうしても作業所の商品の宣伝を兼ねたラーメンになります。たまたまふれあい夜店は、以前やっていた団体が参加しなくなったからうどん屋を出せるのです。

 焼き芋は4時に仕込んだ芋が5時には焼け、初めは担当の従業員達が夜店参加者の交代任務である自転車の整理に行っていたため売れ行きは鈍かったけど、それが終わると飛ぶように売れました。チャーシュー飯も、二つ三つとお土産にするのでしょうかまとめてお買い上げくださる方が多かったです。

 ふと、居眠り君がいないのに気がつきました。みんなにたずねても「どこへ行ったのやろ・・・知らんわ」と言います。探したらおりました。生垣のレンガに腰をかけていつもどおりの姿。きっちり写真に収めてから起こしました。私のカメラを構えた姿に皆さん笑っておられました。写真に撮ってから起こすのは意地が悪いのかなあ。でも、その後の彼は、照れ隠しのように焼き芋を売っておりました。

 うどんの販売をしていると、行政の福祉関係におられた方や、もっと上の役職の方が店長や私に「障害者自立支援法」完全施行後の作業所の取り組みを心配して話しかけてくださいました。法制度上では今のままの島本障害者共働作業所の形態では補助金がストップし、存在が危うくなるからです

 住民や行政が、私たちのような存在を必要と認めるなら何らかの形で残ることができるでしょう。しかし、もしも必要ではないと思われるのなら、私たちとしては精一杯存続に努力するにせよ、力尽きたらそれまでのこと・・・そんな対応をしました。

 実際、今回のふれあい夜店には一つの作業所は不参加だし、もう一つの作業所も職員だけの参加。作業所と応援団ぐるみで全力を挙げて参加しているのはうちだけでした。「障がい」者従業員もみんな、夜店にやってこられるお得意様や顔見知りと声を掛け合い、とてもよい交流をしておりました。そんな彼らが作業所に金を払ってサービスを受けに来る人になり、私たちにとっては「利用者様」になってしまう仕組みになっている法律にねじ伏せられるわけにはいきません。このようなポリシーをもつ私たち島本障害者共働作業所は不要だと住民の皆さんや行政側がいうのなら消滅してしまうことも仕方のないことです。

 夜店では真っ先にチャーシュー飯が売り切れ、続いて焼き芋の最後の窯が売り切れて、7時にはうどん200食も完売しました。夜店の終了は8時です。何もかも売り切れた私たちは、他の店をのぞきに行く人、テントのなかで談笑する人、他の店で販売中の生ビールで喉を潤す人、それぞれが自由に過ごしました。店長が一人、後片付けの段取りをしておりました。

 7時半には売り切れの店が次々と出たため、実行委員会の判断で終了宣言が出されました。その後は一斉に道具を片付け、机や椅子をもとあった場所に戻し、トラックに持ち帰る荷物を積み込み終わったのが8時。居眠り君を中心にみんなで輪になって三本締め・・・なぜ彼が輪の中心にいるのか、彼はリズム感がなくて三本締めの手拍子が取れないのです。大きな体で手をパチパチパチパチ叩くのが愉快でみんなの笑いを誘うのです。もちろん本人もニコニコしながらやっています。全員その様子を見て、笑顔で「おめでとうございました」と解散しました。

飯田さんの無農薬への努力


 今年はナス畑とトマト畑を取り囲むように「ソルゴー」というキビに似た植物を植えられました。目的はナスなどに付く害虫を防ぐためです。どうやらソルゴーは害虫が好んで食べる植物らしくて、作物よりもそちらにたかるらしい。

 幼い頃の田畑には夏になると「誘蛾灯」が灯され下に置かれた油に落として殺していたのが、今では同じ誘蛾灯でも、光に飛び込んだ虫を瞬時に焼き殺すようになっています。また、ビニルハウスなんかだと天敵をハウスの中に離して害虫を食べさせるという方法をとっているところもあるそうです。

 それらに比べてなんと穏やかで優しい駆除なんでしょう。ソルゴーというのはわが身を呈して人間の食べ物を守るというまるでウルトラマンみたいに感動的なヒーローの植物なんですな。

 もともとアメリカなどで動物の飼料として作られているもののようですし、徳之島では「緑肥」として使っているそうです。徳之島の知人が「ソルゴーにそんな働きがあるのか!」と驚いておりました。

 で、その効果ですが、確かに今年はナスもトマトも虫食いが少なかったです。代わりにソルゴーには虫が一杯!黒い服を着てソルゴーに触れると、虫やその糞がつくし、その虫や糞にたかるのでしょうか、ハエが止まっておりました。

 徳之島のソルゴー経験者に言わせると、穂を切り取っておかないと翌年すごい勢いで増えるから気をつけなさいとのこと。飯田さんは「来年芽を出すころには田んぼになってますから大丈夫ですよ」と言いますが、まだ経験してないから分からない。ソルゴーの穂をはさみで切り取って回るぐらいなら、うちの従業員の仕事になりますからというと「そらあええわ、たのんまっさ」と笑っておられました。

 飯田さんも無農薬で野菜を作ることについては、いつも神経を使い頭を使っておられます。「このソルゴー、白菜なんかにも効かへんかなあ」と期待しておられますが、発芽の時期が問題だし、夜盗虫みたいなのがソルゴーの葉を食うのか疑問です。しかし、何事も実験・・・薬を使わない農業に挑戦し続ける飯田さんです。

次号予告


実はこの号の発行予定の16日火曜日は代休日なので、印刷は12日に済ませます。その関係で13日の弁当・14日の福祉大会が取り上げられず30日発行の次号回しになります。ところがその次号は北海道旅行についても報告特集を組みたい。どうもうまくいかないなと頭をかかえております。

次号は福祉大会をメインに、北海道旅行記は次々号と連載で掲載することにします。

      


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