2009年5月26日 第4号(通算246号)
『作業所だより』最新号より
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| 一生懸命イチゴを摘んでいるかわいい腕白坊主 |
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| 主張/臨時休業期間中 |
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新型インフルエンザの感染者が島本町にも出たというニュースを聞き、「これは役場の福祉から何か言ってくるぞ」と身構えていた朝、役場を飛ばして大阪府から直接、知事名で「一八日より二五日まで臨時休業にしてほしい」という『要請書』がファックスで送られてきました。行政用語の『要請』は『命令』に等しいのだそうで、仕方なく知事の『要請』を受け容れることにしました。
問題なのは、一週間臨時休業してしまえばその間の野菜の会の配達や予約を受けているえんどう豆、イチゴなど配達できません。畑では野菜がどんどん成長してしまいます。臨時休業は「障がい」者従業員だけと理解して、専従の二人でそれらの処理をすることに決めました。そう、期間限定とは言え「障がい」者が来ない障害者作業所になったのです。

翌日からの専従二人だけでの作業は楽でした。彼ら「障がい」者従業員たちがやってくれていた部分まで全てを自分たちの手でやらねばならず、忙しいのですが、言葉の指示がいりません。野菜の配達をしてもいちいち降りていくのはめんどうですが、チャイムを鳴らし、野菜をお渡しする行為には言葉数が少なくてすむ。「このお宅は留守の場合ドアノブにかけずに床においてください」「了解」だけのやりとり。その後のお客様との対応を見ておく必要もないし、注意したり叱ったりすることも起こらないし・・・精神衛生上とても楽なのです。
収穫作業でもそうです。配達野菜用にタマネギ2個ずつと、およその見当をつけながら必要量だけを収穫できる。終わると何も言う必要がなく自分でトラックまで運べばいい。これを彼らにやらせると、人に指図するだけで自分では運ぼうとしない人や、軽いのだけを選んで運ぶ人たちへの注意など最後まで見ていないといけません。トラックへの積み込みだって点検の必要がなく言葉が要らないのですね。そりゃもうどれだけ心が楽なことか・・・禁断の木の実を食べてしまったようなもの。
しかし「島本障害者共働作業所」を名乗りながら、この楽を求めて彼らを外に出さず、私たちだけで仕事をしてしまうのは、いくら「障がい」者従業員への給与保障のためと言っても詐欺みたいな行為です。詐欺という意味では「障がい」者団体のための低料第三種郵便の制度を使ってダイレクトメールを大量に発送していた会社と同じレベルですな。
やはりいくらしんどくても、注意し、怒鳴り、叱りつけ、神経すり減らして彼らと一緒に働くことに意義があり、彼らの人間としての変革を目の当たりにできるし、社会もそれを期待してくれていると思うのです。この期間中、こんな当たり前のことを復習しました。
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まさに椿事、作業所一週間の臨時休業!
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5月18日は月曜日でタク君の調理実習でした。例によって「ハヤシライス」ですから米洗いを頼んで私は歯医者の治療に出かけました。出る前に店長と「島本町に新型インフルエンザの感染者が出たというから、役場の福祉から何か言ってくるだろうな」と話し合っていたのですが、治療中にメールが入り「大阪府知事から直接『臨時休業の要請』が来ました」とのこと。
大急ぎで戻って店長と相談しました。店長の話では、「行政用語では要請は命令と読み替えないといけない」そうでして、大阪府から補助金をもらう立場だから受け容れることにしました。休業期間は18日から24日までです。しかし、米は洗ってあるし調理実習を済ませてから帰らせることにしました。調理実習の助っ人をしながら、保護者への臨時休業のお知らせや作業所の前に張る紙を用意してしまいました。

みんなでできたハヤシライスを食べながら「最後の晩餐かもしれないぞ」と言いながらその様子を写真撮影・・・皆さんやっぱり休みになるのがうれしいようで、笑顔が多かった。すかさず農園の息子・居眠り君に「家からなるべく出るなということだけど、畑はお前の家同然。お前は毎日畑でお父さんの仕事を手伝うこと」というと「ハーイ」とは言っておりました。
臨時休業にさせられても、野菜の成長は止められません。また休業補償があるわけでもありません。イチゴとえんどう豆の収穫期であり、予約注文が殺到しているのです。それにサニーレタスなど、採らなければトウが立ちますから、野菜の会の配達野菜として消化しなければどうにもなりません。専従である店長と私は出勤することに決めて、翌日から作業所の仕事に当りました。さて彼らが出勤しなくて、2人だけで働く作業所がどれだけ楽だったかは1面の主張でごらんください。
さて、休業中の居眠り君ですが、畑では一度も会わず何回電話してもつながらず、着信履歴を見ているはずなのに無視され続けました。お父さんの話では散髪に出たりうろうろごろごろしていたらしい。その他家族が野菜の会に入っておられるタク君とK君には配達のときに会いましたが、暇そうでした。F君はお母さんと一緒に一日援農に来てくれました。HさんとR君にも一度も会えないままでした。

20日の朝、バイクで出勤途上の私が突然飛び出した車(右の写真)に激突するという交通事故に出遭いました。バイクが衝撃の全てを吸収してくれて全損しましたが、私は打撲と翌日からの腕と肩の凝りに悩まされた程度ですみました。(年令の割に身体が柔らかいのですな)そのため、当日は欠勤、翌日は農作業ができない状態だったのです。店長1人でどうなることかと心配していたら、ちゃんと作業所の応援団が両日とも3人ずつ援農に駆けつけてくださり、いつもどおりの営業をすることができました。このような体勢がすぐにできてしまうところが島本障害者共働作業所の財産だといえるでしょう。とてもありがたいことでした。
一週間の“「障がい」者のいない島本障害者共働作業所”の体験は貴重なものだったかも知れません。とにかくエピソードがなにもないという一週間でしたからね。25日からこれまでどおりにぎやかな、怒声が飛びR君のさえずりが止まない作業所に戻りました。本当にほっとしております。これからもずっと、にぎやかに元気に作業所らしく過ごして行きたいものです!
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恒例のイチゴ畑の開放日
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5月23日、6月から田んぼに生まれ変わるイチゴ畑を野菜の会の会員さんに開放しました。不公平があってはいけないからと、10時から11時半までの時間設定で行いました。ルールは畑で食べるイチゴは食い放題、収穫したイチゴは全てジャム用いちごの価格(価格破壊の1kg300円!)でお持ち帰りということです。

とてもよいお天気の日で、開始時刻にはすでに昨年以上の人々が集まってくださいました。例年この催しには20名前後の参加者なのですが、今年は50名に近い参加者がありました。これはおりからの新型インフルエンザの流行で、人ごみを避けるという機運があったせいでしょう。皆さん子ども連れで、なんとイチゴ畑が人ごみになってしまっておりました。
例年参加しておられる方が「今年のイチゴ畑は狭い」とおっしゃっていましたが、そのとおりなんです。イチゴの苗の数が足りなくて少し狭くなっておりまして、そこへ例年の倍以上の人が入ったのです。始まる前にチェックしたところでは、結構大粒の美味しそうなのがあったのですが、あっという間に採りつくされ、遠く京都から遅れてやってきた人が入る頃にはジャム用だけ。
11時には畑には赤い色のイチゴがなくなってしまいました。京都の人たちはジャムにするからと白っぽいのまで収穫・・・お気の毒でした。あんなのでも美味しいイチゴジャムになったのでしょうか。

イチゴは採り終えたもののまだ収穫意欲が満足できない人たち、今度は収穫期を迎えているえんどう豆を採ってもいいかと言い出しまして、飯田さんの許可を得てハサミを持って畑に入り込みえんどう豆に挑戦。1kgほどの豆を、これは普通の価格で買ってくださっていました。
思えば住まいの近く、自転車で行けるところにこのような場所があり、作業所のような開かれた“施設“があるというのは、住民にとって幸せなことです。参加者ご自身でそのように話し合っておられる方がいました。日本の都会の近郊でこのように交流しながら安心安全な農作物を手に入れられる幸せを、お互い大切にしなくてはなあと考えます。
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マスク250枚
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巷では新型インフルエンザ予防のためか、ほとんどの人がマスク姿になっています。うちの作業所では、患者になれば周囲の人たちに飛沫感染をさせないためにマスクは必要だけど、患者でもない人がしてもあまり意味がないという意見に依拠して基本的に個人の自由ということにしています。まあ、マスクをまともにできない人もおりますからそんなしょうもないことで叱るネタを増やすまいという気持ちもあります。また、マスクで大きく顔を覆うと、彼らの表情が読み取れないのです。言葉を使った自己表現力が乏しい人たちが多 いですから、マスクは困るのです。
町の薬局にはマスクが売り切れてないという状態を30数年前の石油ショックのときのトイレットペーパー騒ぎに重ねて苦々しく思っておりました。
21日、町の社会福祉協議会から台湾が震災のときのお返しにと100万枚日本に贈ってくれたマスクのうち250枚が届きました。50枚入りの箱5つを前にして「どないする?」「前で売ったらよう売れるで」という悪い冗談。
結局、従業員の家族に患者が出てはいけないという立場で一部を持ち帰らせ、残りはマスクがなくて困っているというお客様に手渡すことにしました。台湾から贈られた目的は、不足している人たちにどうぞというものですから、寄贈の目的から外れていると思えないのです。もしもお金をとって渡せば営利目的となりますから違反でしょう。無償で、台湾からの寄贈品ですと明らかにして手渡せばいいと判断しました。それは結果的には顧客サービスになり、作業所としても宣伝活動になりますから、「障がい」者作業所への支援にもつながります。
もしもマスクが手に入らず不安な方がおられましたら、作業所へお越しになったときに遠慮なく「マスクありますか?」とたずねてみてくださいね。あればお渡します。日本が台湾からいただいたものであって、誰に配れば良いか明確にならないから作業所を経由して配るというだけの話なんですから。
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