| 2009年7月7日 第7号(通算249号) 『作業所だより』最新号より 前号を読まれてない方はここ、248号へどうぞ |
|
![]() |
|
| トウモロコシがもうすぐ実ります! | |
| 主張/街の心のオアシス | |
最近、島本障害者共働作業所が街中に存在している意義をしみじみ感じます。このことは以前にも書いているのですが、お金の計算が出来ない人が店番をこなしているのが普通の店にはありえないところです。 先日もお客様が野菜を400円分買い求めて、500円玉を出されました。彼は手の平を下に向けて手で500円を作りました。そしてもう一方の手でキュウリの200円の指とナスの200円をつかんで、お釣りが100円であることを確かめ、お客様に手渡しました。お客様は根気よくニコニコしながら答えが出るのを待ってくださいました。 別のとき、お客様が細かいのがなくて恐る恐る一万円札を出されました。指が100本はありませんから大変です。お客様は「誰か分かる人いないの?」ではなくて、紙と鉛筆を持ってこさせて筆算でさせようとなさいました。お客様と彼が紙を前に四苦八苦しているところへ店長が戻ってきて、「こいつに一万円はまだ無理ですわ」と、計算の出来なかった本人もお客さまも一緒になって大笑い。確かに彼は筆算以前に、四桁以上の数字の読み書きが難しいから、いくら紙を持ってきても筆算そのものが成り立たないわけ。 ![]() そんなにも頼りない店員が店番をしていて、手間取るから困るとおっしゃるお客様はスーパーで買い物してくださればいいのです。あそこなら機械がすべてやってます。 でも、うちにはスーパーにはない新鮮な商品があるし、スーパーの値段を参考にそれよりは安値で販売しています。お客様が少しだけテキパキした忙しい気分を捨てて、ゆったりした気分になっていただければ、うちは最高のテンポで販売する心のオアシスです。 電卓はあちこちに置いてありますし、使おうと思えば使える人が多いのですが彼らは使いませんね。学校で習った計算方法は身に付かなかったから、彼らなりの自己流の計算方法を身につけようともがいているのです。だって彼ら自身が買い物するときに電卓はありませんから、暗算に頼らなければ仕方ない。そのうち身に付くだろうと私たちも自由にさせています。習うより慣れろですね。 最近はこういう事情を分かったうえで買い物してくださるお客様が増えました。私たちが教えなくてもお客様が教えてくださっています。もちろん、つり銭をごまかす人がいるかもしれない。でも、そんなリスクを考えて彼らを販売活動から締め出すよりも、「障がい」者店員とお客様の、このほのぼのとした交流こそが島本障害者共働作業所の存在意義だし、「障がい」者の生き甲斐や成長につながると信じています。だから私たちは出しゃばりません。 |
|
|
広がりとつながりを求めて |
|
作業所のオーナー氏が作業所のこれからを考えて、色々な方を紹介してくださっております。その中にお一人、Oさんという福知山で無農薬露地栽培をやっておられて産直のお客様をたくさん持っておられる方がいると情報をくださいました。端境期の野菜など相談に乗ってもらえるかもしれないということです。 早速お聞きした電話番号にかけてみたけどつながらないから、自己紹介と作業所の取り組みを書いた作業所だよりを同封してお手紙を出してみました。すると向こうからお電話をくださいました。露地栽培農家はどことも同じで、冬の端境期には野菜の調達に苦労しているとのこと・・・話の尽きない電話になり、その中で6月28日には京都の上賀茂神社で「手作り市」というのがあり、そこに出店するとのお話。「じゃあ、私も行きますからそこでお話を聞かせてください」と電話を切りました。 ![]() オーナー氏に報告したら、お茶を回してくださる方の娘さんも「手作り市」に野菜入りパンで出店されるはずだから、ついでに会ってくればということになりました。 前日から大阪府人権協会のTさんご夫妻が私の家に泊まられたので、28日の日曜日はご一緒に上賀茂神社に向かいました。手作り市は思ったよりも大規模で、境内の3分の1ほども使っているのではないかと思うほどでした。テーマが「手作り」ですからアクセサリーから植木、食料品と種類も数も多いし、長く続いていて固定客が多いのか大変な人出です。その中からOさんを探すのは大変でした。 Oさんのお住まいの「大江町」という看板が目に付いたので行ってみると、どうもそこがOさんの店らしい。何種類かの野菜と地場物の野菜や山菜を加工した食品が並べられ、他のどこの店より繁盛しておりました。固定客も多いらしく、「あれもうないの?せっかく楽しみにしてきたのに」「いえいえ、ちゃんととってありますよ」などと目的を持ってわざわざ楽しみに出かけてこられるらしいお客様との会話も聞こえました。 ![]() しばらく様子を見てから、それらしき方に「Oさんですか?」と名乗りながら声をかけました。やはりそうでした。「やあやあ」とお互い手を握り合い、旧知の仲のようです。初めは当たり障りのない話をしている間にもお客様が私の足元の梅を指して「それいくら?」「350円です」ととっさに値札を見て応える私。よその店なのに梅を売ってしまいました・・というほど繁盛しているのです。 さて、忙しい中手を止めていただいてお話をうかがいました。ご自分の畑のものだけではなくご近所の同じ趣旨で生産しておられる農家の野菜も引き受けて、遠くは兵庫県の川西市など数箇所に産直で野菜を配達しておられるそうです。今はいいのだけど、冬の端境期になると提携している農家の方をいくつかのグループに分けて、少しずつ野菜を回してもらって配達するのだとか。売れた野菜の取り分を聞いてびっくり!手数料として10%だけいただいていますとのこと。 思わず「そら、無理やわ!ガソリン代にもならないでしょう」というと「遠くまで走ると赤字ですね。でも、生産者と消費者をつなぐことに意義があると思うし、加工食品もありますから」とおっしゃる。彼のポリシーは作業所と同じです。 マンガンジの袋詰めを手にしながら、「こんなに曲がっているのは全部農協でははねられるのですよ。でもうちのお客様は当たり前のように買ってくれます」と おっしゃいます。「うちもその通りなんですよ、曲がりや傷物のほうが多いのだから当たり前ですよね」「あのジャガイモ見てください。」と小さな芋ばかりが入ったケースを指差して「作っている人は小さいからと全部捨ててしまうのですが、これがほしい人もいるのだからと言ってもらってきます」・・・ここも私らとそっくり!その数ある加工食品から私は「鬼味噌」(にんにく味噌)というのと「フキノトウの佃煮」を買い求めて家で食べてみましたが、癖になりそうな美味しさでした。先ほどの「せっかく楽しみにして来たのに」とおっしゃるお客様に納得でした。 それらの加工食品は、自家製なのですが家で製造すると保健所がうるさいそうで、村に出来た加工場へ持ち込んで、滅菌された設備で最後の抜気した瓶詰めなどまでやるそうです。それを家に持ち帰って内容物などを記したシールを貼り、包装して販売に備えるのだそうで、この日のために家で一日がかりの仕事でしたと笑っておられました。 お忙しそうだし、私にも同行者がおりましたから10数分のおしゃべりで切り上げました。別れ際に野菜パンの店は今日はどこに出ているのかおたずねすると、 忙しいらしくてここ数回は出店しておられないようだとのこと。パンの店はあきらめつつ「Oさんはネットはしておられないのですか?」と聞いたら「あれはどうも苦手でして」と頭をかいておられました。これからはまた電話や手紙で連絡取らせてくださいねとお願いして、Oさんの店を後にしました。彼から端境期の野菜の入手するのは難しいと分かりました。しかし、自家製の野菜などを使ったいろいろな加工食品は一度学習させていただく価値がありそうです。作業所で作ることは今の体制では無理ですが、作業所で仕入れて販売させてもらうことも含めて考えていきたいと思います。また、産直での販売活動の中に、私たちが教わる内容もありそうに思いました。 機会があれば野菜パンを作っておられる方にもお会いして、そのお話を聞き、島本町で飯田農園の野菜入りパンを作ってくださる方を見つけ育てることができれば地産地消になるし、そよ風パンだけに頼るパン販売を膨らませることができそうです。 人との出会いはつながりを作り、作業所の仕事に夢を持たせてくれます。夢が夢で終わってもいいのです、つながりそのものが作業所の財産なのですから。 |
|
|
6月26日経営委員会の話題 |
|
|
|
|