2002年度12月13日 第19号(通算86号)
『作業所だより』最新号より
 前号を読まれてない方はここ、85号へどうぞ
                                   
                                    お目見えした「作業所ラーメン屋」の暖簾 
主張/職場体験実習

 最近の学校は『総合学習』と言うカリキュラムが組まれており、テーマを決めて教科の枠を取り払った学習態勢が組まれます。その一環として『職場体験実習』ということで、私たちの作業所にも中学校や高校から実習生が年中行事のようにやってきます。一般企業と違って、うちのような所は実習生がやってくると従業員が活気づくし、普段にはない華やいだ雰囲気になり、学校の依頼状にあるような「ご負担」だとか「ご迷惑」など感じることはまずないと言えるでしょう。

 ただ、やってくる実習生が必ず「障害」児なんです。今年度も1月に来るのですが、養護学級在籍生徒です。つまり、彼の「将来の職場」として体験するということなのでしょうかね。意向打診のアンケートにはわざわざ「うちは、障害者が放っておいても行き所がなくてやってくる所です。むしろ、私どものような障害者の作業所に一生足を踏み入れることのないような生徒に来てほしい」と書いておいたけれど、やはり結果的には「障害」児が来ることになっていました。

 いや、別にどんな子が来てもかまわないのです。おそらく実習先を選ぶのは、本人の意思も入ると思うし、うちが選ばれないだけの話かも知れません。ただ、将来にわたって「障害」者の進路選択がこのような扱いを受けるのじゃないかと…そんな心配をしてしまいます。私たちの作業所は、本当に行き所がなくなった時の避難場所であります。行き所が本当にないのかどうか、努力した上で「仕方なく選択」されるべき場所です。

 そのためには、中学校や高校は不況下とは言え彼の就職先を探してやり、ハローワーク(職業安定所)にも求職登録をして、就職できなかった場合「失業者」の一人としての位置付けを受けた上で、就職できるまでの一時しのぎとして私共の作業所を「やむなく選択」してほしい。私共は、彼が来たその後も「求職活動」をさらに続けていくのです。

 もちろん現実はそんなに甘いものじゃないことは分かっているつもりです。しかし、原則は原則です。一人の人間の公教育終了時に、真の意味での労働の場を探す営みがあったのかどうか、それはその人の人生にかかわる営みだと思います。言うならば、20数年前、義務教育への就学が困難だと言われ、あきらめの気持ちから『就学免除願い』を書かされた親の立場にもつながる大切なことではないでしょうか。ほとんどすべての障害児が就学できている今から思えば不思議な『就学免除願い』は、我々の側から書くものではなかったはず。

 不況下の社会ですから、親も含めたあきらめ状態があるのは確かです。しかしそのことが、障害者は障害者作業所へ行かせなければ仕方ないという思考停止状態につながることを恐れています。

 たかが「職場体験実習」。私どもの職場が選ばれない原因は私どもにもあるのかも知れないのに、なじるような書き方に受け取られては不本意なのですが。実習手当がわりのお土産に、いつもリンゴや焼き芋を持ち帰ってもらうのだけど、あれでは足りないのかなあ!

  12月8日(日)のお昼にラーメン屋の出前しました!   

  特別養護老人ホーム・Yの郷からの依頼で、12月8日のお昼ご飯にラーメン屋の出前をしてきました。何分在所者の半分はベッドに着いたままの方だと言いますし20食くらいというぼやけた話。それに職員の分を20食ほどという注文でした。

 朝私たちの半分が設営に走り、残りの半分が作業所に残ってチャーシューなど刻みました。何分、お年寄りに出すラーメンは、すべて小さく切って出してくれとの依頼です。仕方ないのでラーメンの麺は5センチの長さに、チャーシューは厚さ1ミリに切り、なるともモヤシもチョンチョンに切り刻みました。こんなのでラーメンと言えるのかいなと思いながら…。

 10時半に設営していたグループと合流しました。場所は二階のベランダで、ガラス戸を開けるとそこは食堂になっています。ガラス戸に手作りののれんをかけて、テープに録音したチャルメラの音を鳴らすようにしてあります。話では11時半頃にお年寄り向けのをいっせいに作ってくれとのこと。それまで湯を沸かしながら、おしゃべりしたりスープのチェック。私たちスタッフの服装も、いつもより厳重にしました。全員頭を覆い、マスクにビニルの手袋をつけてもらいました。

 11時半になると、第一陣の注文が来ました。刻んだ麺は、お年より向けだからいつもより少し長めに湯がいて出しました。どの丼も刻んだ具をトッピング。たちまち待ったなしの注文になり、20食のつもりで用意した丼では足りなくなりました。結局お年より向けのラーメンは、27食出ました。

 食堂に入って、ラーメンを食べているお年よりたちにお願いして写真を撮らせてもらいました。どの方も実に美味そうに食べていらっしゃいます。頭にタオルを巻き、マスクをした私をスタッフと認めてくださった方は「ごちそうさまです」とごあいさつしてくださいます。「私はラーメンが好きでねえ、よく食べに行きました。」とぺろりと平らげて、にこにこしながら話しかけてくださった方もおられました。

 後で施設長が「イヤー、寝たきりの人や食欲がわかない人も多くて20食ぐらいかなあと思っていたけど、皆さんよく食べておられました。予定よりも7食も多く出ましたねえ。皆さん美味しいラーメンだと、とても喜んでくださいました」とのこと。

 その後、職員の方々の昼食を17食作って終わりました。職員の皆さんからも「おいしいラーメンでした」とおほめいただき、「あの卵はどのように作るのですか」と質問をいただき、作り方をお教えして帰って来ました。ひょっとしたらホームのメニューに載るかも知れません。

 今回の催しは、時節柄寒い日でしたので、ガラス戸を開けっ放しにできず、障害者とお年よりの直接の交流はできなかったけど、“業者”としての障害者作業所が老人施設を相手に対等に営業できたと言う点では画期的なものがありました。

 また、呼びかけたわけじゃないのに、応援団が全く自主的に4人も駆けつけてくださり大助かり。この辺りは島本障害者共働作業所の実力と言えるでしょう。ただし、おかげで「障害」者の仕事が少なくなって“お運びさん”をやってもらいました。風邪などで「障害」者のお休みが多く、その仕事がちょうどよかったのかも知れません。

 実習生余話

 12月4日、T養護学校高等部の3年生の女性が私たちの作業所に一日だけの実習に来ました。私たちもよく存じ上げている方の娘さんで、言葉数は少ないけど、にこにこした笑顔のかわいい女性でした。

 作業の実習としては、ちょうどパンの販売日だったから、午前中彼女の出身中学校でパンの販売をしてもらいました。卒業してから3年ですから、うちの誰が行ってもこうは売れないと思うほどたくさん売ってくれました。午後は、リンゴなどいろいろな物の配達と、八百屋の店の手伝いをしてもらいました。

 作業所の女性と言えば40歳代以上…その中に舞い降りた18歳の女性ですから、20歳代前半の男性従業員達のハッスルぶりは明らかに違いました。一番若い従業員と彼女は中学時代からの顔見知りだから、彼を頼りにして笑顔で話しかけます。でも他の男性従業員とは面識がないから緊張も遠慮もあって自然におしゃべりも笑顔も少なくなります。

 突然、一番若い従業員のマフラーが行方不明になりました!たたんで置いてあったのが忽然と消えたのです。「マフラーがない」と大騒ぎしながら一日を終えて、みんなが帰り支度をしました。

 実は、焼き餅を焼いた一人がマフラーを隠し持っていたのですね。帰り道こっそり返していたようです。いや、つまりそれほど若い娘さんが来ると男性陣がわくわくするし、元気づくという話。「パンの売れ行きもよくなるし、若いのを入れていかないとアカンなあ」とは翌日に話し合っていたことです。

作業所短信

 1月から定休日を日曜日に変更

 前号に書きました定休日を現行の月曜日から日曜日に変更する件、経営委員会で承認されました。異議を唱えられたのは、他職に就いておられる作業所の代表だけでした。彼の気持ちは「平素仕事があってお付き合いが難しい作業所のメンバーと、日曜日に会えるのが楽しみだったのに、それが難しくなる」とのこと。全くそのとおりです。それは私たちも困ったことなんですが、「しかし、ここで働く人達の気持ちや考え、仕事のはかどり具合が大切だから、それ以上は言いません。]と付け加えられましたので、全体を見て、定休日を日曜日に変更することとしました。

 これで火曜日からの4日間で取り組んでいたことが、月曜日からの5日間の取り組みに散らばす事ができそうです。読者の皆様、1月からは日曜日は作業所は開いておりませんのでどうかお間違えのないようにお願い申し上げます。


 15・16日泊まりがけの忘年会

 この年末、何回も「もしもペリカン便やっていたら今頃は…」と言う話が出ます。そう、忙しいけど気分的には本当にのんびりとして仕事に取り組んでいます。そしてこれまでやりたくてもやれなかった忘年会を、少し盛大にやることにしました。9月以来お弁当にイベントに全面的に支援していただいた『ぴいぷるしまもと』にも声をかけて、合同で行います。場所は作業所から75km離れた、京都府北桑田郡美山町にある「河鹿荘」と言う公的施設です。

 車5台に分乗して出掛け、15日の昼に忘年会をします。2時頃終わって後は近所を散策したりきれいなお風呂(露天風呂付き)に入ったりして、16日に仕事がある人々はお酒を飲めない人の運転で帰宅します。残って泊まるのが15人。翌日は美山町の町おこしの取り組みなど見学して帰ります。


 生協店頭販売日は12月26日

 去年までは生協さんが「年末は歳末用品の販売など特別な取り組みを店頭でするから」と、私たちの店頭販売は12月の初めの方にやるようになっていました。ところが今年は26日という押し詰まった日程を空けてくださいました。こんな“年の瀬販売”の機会はめったにないことだからと、張り切っています。

 私たちが考えているのは、飯田農園の「正月用野菜」、「年越蕎麦・お正月の箸休めとしてのラーメン」、「お節料理に肩ロースのチャーシュー」「お正月来客用の手作りナッツケーキ」などなど、同じ商品でもこの特別な時期なら見方を変えて販売できます。「お正月リンゴ」も日もちのする無農薬『ふじ』がどっさり届きました。この辺りで毎年九州から届く『おばあちゃんが孫のために作った完全無農薬ミカン』が着くと申し分ないのですが…。

 皆さん、他に何か“年の瀬販売品目”としていいアイデアはありませんかね?

   
      


皆様のご意見ご感想、その他何でも お聞かせ下さい。
 または 


TOPへ戻ります