住民訴訟の巻(2005年1月4日提訴)


 違法な再議に伴う損害賠償等代位請求事件 訴状本文全文(1月4日提訴)

               訴  状

                           2005(平成17)年 1月 4日

東京地方裁判所民事部 御中

当事者の表示
(原告)
〒184-0011 東京都小金井市東町5丁目15番7号
      高木 章成
      (電 話 番 号 ) (042)3**-****
      (ファクシミリ番号) (042)301-7447
(被告)
〒184-8504 東京都小金井市本町6丁目6番3号
      小金井市長  稲葉 孝彦

   違法な再議に伴う損害賠償等代位請求事件(住民訴訟)
     訴訟物の価格  金1,600,000円(算定不能による見なし額)
     貼用印紙額   同   13,000円
     予納郵券         6,400円

第1 請求の趣旨
1 被告小金井市長は、東京都小金井市を代表して、訴外稲葉孝彦(後述先行行為の時点で小金井市長の地位にあった者)及び訴外森戸洋子(後述先行行為の時点で小金井市議会議長の地位にあった者)に対して、共同して金371,739円及びこの金員が支出された日の翌日から支払済みまで年5分の割合による金員の請求せよ。
2 平成16年小金井市議会第3回臨時会及び同第4回臨時会、又は同第3回臨時会を招集した被告の行為は違法であり、無効であることを確認する。
3 訴訟費用は被告の負担とする。
 との判決を求める。

第2 請求の原因
1 当事者
(1) 原告高木章成は、東京都小金井市の住民である。
(2) 被告小金井市長は、小金井市の執行機関であって、小金井市の財産を管理する一般的権限を有するものである。

2 本訴の対象となる先行行為の経過
 小金井市長の地位にある訴外稲葉は、2004年3月に開催された同年第1回市議会定例会に提案し、否決された平成16年度小金井市一般会計予算を、同年5月24日より開催の第2回市議会臨時会を招集して改めて議案第27号として提案した。同議案に対して議員提案により武蔵小金井駅南口再開発関連予算と東小金井駅北口区画整理事業関連予算と予備費を減額することを主たる内容とする修正案が提出され、賛成多数でこの修正案と修正部分を除く原案が可決された。
 これに対し、訴外稲葉は自らの政策意思に反するとして、議決の直後に地方自治法(以下、「法」という。)第176条第1項の規定に基づき、再議に付す旨を本会議で表明し、小総総発第20号「議案第27号平成16年一般会計予算に係る再議書」(以下、「前段再議書」という。)を別紙理由書を添えて即日、小金井市議会議長の地位にある訴外森戸に送付し、訴外森戸はこれを受理した。前段再議書の取り扱いについて、訴外森戸は市議会議会運営委員会に諮問したが、同委員会は前段再議書を法第102条第5項の規定に基づき急施事件とは認定せず、前段再議書は本会議に上程されないまま、同臨時会は25日に会期を閉じた。
 尚、訴外森戸は、小議発第29号により議案第27号が修正可決されたことと議決予算を訴外稲葉に通知しているが、前段再議書の取り扱いについては文書では何ら通知していない。
 翌26日、訴外稲葉は平成16年小金井市告示第80号により第3回市議会臨時会を招集し、小総総発第21号「議案第27号平成16年一般会計予算に係る再議書」(以下、「後段再議書」という。)を別紙理由書を添えて提出した。
 翌27日、後段再議書は本会議で採決にかけられ、法第176条第3項に規定により、再議決の結果、同議案は、修正可決の通り決定することは出席議員の3分の2以上の同意が得られず否決され、続いて議案第27号原案についても否決された。同日、訴外森戸は、小議発第33号により議案第27号が否決されたことを訴外稲葉に通知した。
 この通知を受けて、訴外稲葉は平成16年小金井市告示第85号により第4回市議会臨時会を招集して、議案第30号「平成16年度一般会計暫定補正予算(第1回)」を提案するに至った。同臨時会は、同31日に1日間開催され、議案第30号を全会一致で修正可決した。

3 本訴の対象となる先行行為を前提とする財務会計上の行為の経過
 同年5月分の「時間外勤務伺及び命令書」によれば、第3回市議会臨時会が開催された5月26日には、正規の勤務時間の終了する午後5時30分以降、翌27日未明にかけて、市長部局2名、議会事務局7名が臨時会開催に係る事務を担うために時間外勤務を命じられている。また、第4回市議会臨時会が開催された5月31日には、正規の勤務時間の終了する午後5時30分以降、19時52分にかけて議会事務局2名が、臨時会開催に係る事務を担うために時間外勤務を命じられている。
 その対価として、「小金井市職員の給与に関する条例」(昭和26年条例第3号。以下、「給与条例」という。)に基づき、「小金井市職員の給与の支給に関する規則」(昭和41年規則第11号。以下、「給与規則」という。)第15条第3項に定めるところにより同年6月18日には、「9 違法な支出額の特定」で示す額が、時間外勤務手当として支給された。
 同年7月5日付けで、株式会社大和速記情報センターより、第3回市議会臨時会の録音テープ反訳料、43,000円及び第4回市議会臨時会の録音テープ反訳料、10,750円が小金井市長宛に請求されている。また、同7日付けで、同社より、同年5月開催分委員会録音テープ反訳料、計32,250円が小金井市長宛に請求され、内16,125円が第3回市議会臨時会、内5,325円が第4回市議会臨時会のものである。
 同年9月13日付けで、同社より、第2回乃至第4回市議会臨時会及び第2回市議会定例会会議録の印刷製本費、101,232円が小金井市長宛に請求されている。また、同日付けで、同社より、同年5月開催分委員会記録の印刷・製本費、計58,500円が小金井市長宛に請求され、内7,000円が第3回市議会臨時会、内2,000円が第4回市議会臨時会のものである。さらに、同日付けで、同社より、会議録検索システム調整料、計32,004円が小金井市長宛に請求され、内6,000円が第3回市議会臨時会、内1,920円が第4回市議会臨時会のものである。

4 違法行為の所在
 「6 当該先行行為の違法性」で後述するように、訴外稲葉による違法な再議権の行使(以下、「当該先行行為」という。)を前提とする平成16年第3回市議会臨時会及び第4回市議会臨時会、又は第三回市議会臨時会を招集した行為は、地方自治法第102条第3項及び第4項に定める臨時会の招集要件を欠く。因って、当該先行行為に基づいて招集要件を欠く市議会臨時会を招集し、これに係る金員を支出せしめた訴外稲葉の行為は違法である。
 また、訴外森戸も、再議制度に関する適切な認識を欠き、市議会会議結果の適正な通知を怠ったことは、過失であったとしても市議会を代表する議長の行為として不適切であり、訴外稲葉による違法行為を助長せしめたものである。
 本件財務会計上の行為は、上述の訴外稲葉による当該先行行為を前提に行われたものであるから、当然に違法性を帯びるものであり、訴外森戸も当該先行行為を助長せしめたのだから、その責は訴外稲葉及び訴外森戸により共同して負うべきものである。
 尚、前置住民監査請求においては、訴外森戸に対する措置は求めていないが、同請求の後の調査により、違法な先行行為についてこれを助長し、共同して形成されたと考えられる可能性が生じたことから、1998(平成10)年7月3日最高裁判決に基づき、措置の相手方に加えるに至った。

5 先行行為の違法性と後行する財務会計上の行為との関係
 当該先行行為及び当該先行行為を前提に市議会臨時会を招集した行為は、地方自治法第242条に定める財務会計上の行為に直接にはあたらない。蓋し、当該先行行為がなされなければ、「9 違法な支出額の特定」で示す支出はなされなかった訳で、当該先行行為の違法性は、後行する財務会計上の行為に継承されるものである。
 最高裁判所は、1985年9月12日判決の川崎市退職金支払住民訴訟において「右の行為が違法となるのは、単にそれが直接法令に違反する場合だけではなく、その原因となる行為が法令に違反し許されない場合の財務会計上の行為もまた、違法となるのである。」と判示している。さらに、先行行為である再議に付した行為と市議会を招集した行為は同一の機関である市長の行為であり、それに基いて公金の支出に至った行為も市長の権限に基づいてなされたものである。
 よって、当該先行行為とそれを前提とした財務会計上の行為とは、違法性の継承という観点から、また同一機関による行為であることから一体のものであるといえる。

6 当該先行行為の違法性
 本件財務会計上の行為の前提となる当該先行行為は、以下、(1)乃至(3)に述べるところにより違法である。

(1) そもそも当該再議は市長の権限の濫用である。
 法第176条第1項は、議会における条例の制定若しくは改廃又は予算に関する議決について異議があるときは、自治体の首長は再議に付すことができる、としている。然るに訴外稲葉の行為は、同項に基づく行為はあると外見上認められるが、次に述べるところにより、権限の濫用であり、当該先行行為は違法である。
 議案第27号の修正のうち、武蔵小金井駅南口再開発関連予算と東小金井駅北口区画整理事業関連予算の減額については、実質的には予算の一部否決であり、否決に対する一般的再議を法は認めていないと解されることから、減額を理由とする再議は違法である。なぜなら、否決に対する再議を認めたならば議会は現状の変更に対する否認である否決の効果を維持するために3分の2以上の反対者を確保しなければならなくなってしまう。逆にいうならば、議員の3分の1超の賛成者があれば少数の意思で現状の変更を可能ならしめてしまう。
 本件の事案では、市議会は議案第27号を否決しても武蔵小金井駅南口再開発関連予算と東小金井駅北口区画整理事業関連予算の減額という目的を達成できる。この場合においては、市長は再議に付すことができず、議会の議決が確定する。しかし、一般会計予算の否決は市民生活に少なからぬ影響を及ぼすことは明らかである。議会の多数が予算の特定部分について争点化し同意できないときに、その部分のみ減額して修正可決することは、予算全体を否決するのと比して影響は小さいものである。争点化したものと無関係の予算を、特定部分を否認する目的により否決しまうことは、極めて妥当性を欠くものである。
 また、この減額については、爾後、これらの事業について地権者をはじめとする市民合意を得た上で一般会計補正予算として提案する途が残されている。議案第27号の修正可決によって、議会は原案の約95パーセントを原案可決している。これを再議に付すことは、この部分まで効力を失わせ、これにより市民生活に支障を来すことになることは明らかである。第一、予算の提案権は首長のみに属するものであり、議会が原案可決した部分については、市長と議会という二元代表制原理のもと両者の意思が一致しているのである。
 原案が容認された部分まで無に帰す当該先行行為は、例え市長であっても許されるものではなく、法の立法趣旨にも反するものである。前段再議書別紙及び後段再議書別紙で示された政策意思は、補正予算の提案によって、市民生活に支障を来すことなく実現できる可能性が十分にある。それにもかかわらず、再議権を行使したことは、権限の濫用であり違法である。
 当該先行行為が権限の濫用であり、法の立法趣旨に反する理由を補足するならば、法第1条において目的として、「この法律は、地方自治の本旨に基づいて……(中略)……地方公共団体における民主的にして能率的な行政の確保を図るとともに、地方公共団体の健全な発達を保障することを目的とする。」としている。訴外稲葉が、修正可決をされた議案第27号を減額修正が自らの政策意思に反することを主たる理由にして再議に付し、市民生活に必要な予算の成立を無効同然にしたことは、「能率的な行政の確保」を阻むとともに、小金井市の「健全な発達」を害したものである。この点からも、当該先行行為は権限の濫用であって違法であり、効力を有しない。
 さらに、予備費の減額については、歳入歳出を同額とするための調整のために行われたものであって、この減額を再議の理由とすることは違法である。

(2) 前段再議書、後段再議書ともに提出方法に瑕疵がある。
 法第176条第1項は、予算の「議決についてその送付を受けた日から十日以内に理由を示してこれを再議に付する」としている。ところが、訴外稲葉はその送付を受けることなく、第2回市議会臨時会で当該予算が修正可決されたと直後に後段再議書と標記番号と提出日を除き内容を同一とする前段再議書を提出し、翌26日にも後段再議書を提出している。このことは、小金井市議会会議録「平成16年第2回小金井市議会臨時会第2号」122頁右段21行目以下で示された議事内容でも明らかである。
 法は、「その送付を受けた日から十日以内」としているにもかかわらず、議決予算の送付を待たずに前段再議書を提出し、さらに標記番号と提出日を除いて内容を同一とする後段再議書を重ねて提出しており、その方法に瑕疵があることから後段再議書は当然に無効である。無効である後段書を前提とする第3回市議会臨時会の招集は、地方自治法第102条第3項の招集要件を欠くものであり、違法である。また、当該再議書が無効である以上、議案第27号平成16年度小金井市一般会計予算は修正可決により成立しており、平成16年度一般会計暫定予算を補正する臨時会の招集は、その必要すらない。


 

(3) 議案第27号及び前段再議書は第2回市議会臨時会において既に廃案になっている。
 蓋し、第2回市議会臨時会に提出された前段再議書が有効であったとしても、同臨時会においては前段再議書は急施事件に認定されておらず、議決に至っていない。このことは、小金井市議会会議録「平成16年第2回小金井市議会臨時会第2号」122頁右段29行目以下及び小金井市議会「議会運営委員会記録 平成16年5月25日」1頁右段29行目以下で示された議事内容で明らかである。
 因って、法第119条は事件不継続の原則を定めており、前段再議書は会期中に議決に至らなかったことから、審議未了となり廃案となる。また、再議は原議決について効力を失わせるものであり、議案第27号についても前段再議書の廃案と同時に事件不継続の原則が適用されるものである。
 よって、効力を持たない議決について再議に付すことは考えられず、後段再議書は無効である。無効である再議書を前提とする臨時会の招集は、法第102条第3項の招集要件を欠くものであり、違法である。仮に(3)のみが理由として認容される場合においては、第3回市議会臨時会の招集に伴う財務会計上の行為とその前提となる先行行為についてのみ、違法性を主張する。
 尚、従前から、小金井市議会においては事件不継続の原則が適用されており、議案第27号及び後段再議書についてのみ、この原則が適用されなかったとすれば、明白な違法である。
 また、訴外稲葉が後段再議書を提出したことは、前段再議書が効力を有していないという前提に立っていることを示している。本来、再議書は撤回することも議会が議決しないことも許されないと解されており(行政実例昭和43年11月28日自治行第103号)、この観点を欠いた訴外森戸の議会運営及び結果の通知を怠った行為は、当該先行行為を助長せしめたものである。

7 違法な支出額の特定
 本件財務会計行為の結果生じた違法な支出による損害額は、以下のとおりである。

(1) 議会運営に関する経費、会議録作成に関する経費について
 第3回市議会臨時会及び第4回市議会臨時会について、議会運営に関する経費、会議録作成に関する経費を示す。尚、第2回乃至第4回市議会臨時会及び第2回市議会定例会会議録の印刷・製本費、101,232円については、会議録のページ数の総計246ページ中、第3回市議会臨時会分が53ページ、第4回市議会臨時会分が19ページ、その余が174ページであることから、この比率で案分して算定する。
 第3回市議会臨時会に係る議会運営に関する経費、会議録作成に関する経費は、以下のとおりであり、その合計額は93,935円である。
  本会議録音テープ反訳料   43,000円
  委員会録音テープ反訳料   16,125円
  委員会記録印刷・製本費    7,000円
  会議録検索システム調整料   6,000円
  本会議会議録印刷・製本費  21,810円
 また、第4回市議会臨時会に係る議会運営に関する経費、会議録作成に関する経費は、以下のとおりであり、その合計額は27,814円である。
  本会議録音テープ反訳料   10,750円
  委員会録音テープ反訳料    5,325円
  委員会記録印刷・製本費    2,000円
  会議録検索システム調整料   1,920円
  本会議会議録印刷・製本費   7,819円

(2) 議会事務にあたった職員の人件費について
 本件に係る第3回市議会臨時会及び第4回市議会臨時会の事務のために、時間外勤務を命じられ、所定の時間外勤務手当を支給された職員は、市長部局に2名、議会事務局に7名である。これらの時間外勤務手当は第3回市議会臨時会及び第4回市議会臨時会が開催されていなければ、当然に支給する必要がなかったものである。
 個々の職員の給与の額は、個人情報であり、一住民である原告はもとより、職員給与事務に携わらない職員にも教示されるべきものではなく、各々の額及びその総額は被告である小金井市長でなければ知り得ない。
 よって、給与条例別表1を参考に、当該職員の平均給与額を時間外勤務手当の積算に含む調整手当及び住居手当込みで月額50万円として、個々の時間外勤務手当を算定する。
 給与条例第15条による勤務1時間当たりの給与等の額の計算式は、以下のとおりである。尚、「小金井市職員の勤務時間,休日,休暇等に関する条例」(昭和26年条例第3号。以下、「勤務時間条例」という。)第7条に規定する休日の合計日数は20日間である。

(1時間当たりの給与額)=(当該職員の平均給与額)×12÷(1週間の勤務時間×52−勤務時間条例第7条に規定する休日の合計日数×8)
            =50万円×12÷(2100−160)
            =3093円

 給与条例第12条第1項による時間外勤務手当の計算式は、以下のとおりである。

(ア)正規の時間が割り振られた日における時間外勤務
 (1時間当たりの給与額)×(125/100)×(勤務時間)

(イ)正規の時間が割り振られた日における午後10時から翌日の午前5時までの時間外勤務
 (1時間当たりの給与額)×(150/100)×(勤務時間)

 これらの計算式にあてはめて、個々の職員の時間外勤務手当の額を算定する。円位未満の端数は四捨五入した。尚、(分類1)乃至(分類7)が議会事務局の職員、(分類8)及び(分類9)が市長部局の職員である。
 同年5月26日の正規勤務時間終了後から翌27日未明にかけての時間外勤務手当の額を求める計算式は、次のとおりである。
(分類1)   3093円×(125/100×4.5+150/100×2.0)
       =26677円
(分類2)   3093円×(125/100×1.2)
       =4640円
(分類3)   3093円×(125/100×4.5+150/100×3.4)
       =33172円
(分類4)   3093円×(125/100×4.5+150/100×3.3)
       =32708円
(分類5)   3093円×(125/100×4.5+150/100×3.3)
       =32708円
(分類6)   3093円×(125/100×4.5+150/100×3.3)
       =32708円
(分類7)   3093円×(125/100×4.5+150/100×3.3)
       =32708円
(分類8)   3093円×(125/100×4.5+150/100×3.5)
       =33636円
(分類9)   3093円×(125/100×4.5+150/100×3.5)
       =33636円

 また、同31日の正規勤務時間終了後の時間外勤務手当の額を求める計算式は、次のとおりである。
(分類1)   3093円×(125/100×2.7)
       =10439円
(分類7)   3093円×(125/100×2.5)
       =9666円

 これらの職員に支払われた時間外勤務手当の合計は、次の額である。
 (26日分の時間外勤務手当)
 =26677円+4640円+33172円+32708円×3+
33636円×2
 =229885円
 (31日分の時間外勤務手当)
 =10439円+9666円
 =20105円

(3) まとめ
 よって、議会運営に関する経費、会議録作成に関する経費及び議会対応にあたった職員の人件費の合計額が違法な支出の総計であり、その額は金371,739円であり、本件違法な財務会計行為に係る返還額である。
 また、仮に第3回市議会臨時会に関する財務会計上の行為のみが違法であるとするならば、違法な支出の総計は、金323,820円である。

(4) 遅延による損害額の特定
 議会運営に関する経費、会議録作成に関する経費については、支出の日が特定できないので、住民監査請求の提出日の翌日である2004(平成16)年10月2日より起算して遅延による損害額を特定すべきである。
 議会対応にあたった職員の人件費については、給与規則第15条第3項により時間外勤務手当は翌月の給料の支給日に支給されることから、翌6月の給料の支給日の翌日である2004(平成16)年6月19日より起算して遅延による損害額を特定すべきである。

(5) 損害額の特定が困難な場合の認定
 損害額の特定については、上述してきたとおりであるが、仮に損害額の特定が困難であるとするならば、民事訴訟法第248条の規定により、本件において裁判所の職権による認定を求めるものである。

8 住民監査請求前置
 原告は、2004(平成16)年10月1日に小金井市監査委員である訴外小川英長、訴外重永邦敏、訴外篠原煕宛てに「東京都小金井市職員措置請求書」を提出して住民監査請求を行い、甲第1号証に示すとおり同年11月29日付け小監発第59号で棄却の決定がされ、同年12月2日に通知書が送達された。
 尚、住民訴訟において監査委員の監査の結果に不服がある場合の出訴期間は30日以内であるが、民事訴訟法第95条第3項の規定により、2005(平成17)年1月4日火曜日である。

9 結論
 以上、本訴は、被告小金井市長に対し、法第242条の2第1項第4号に基づき、違法な再議の結果より生じた、議会運営に関する経費、会議録作成に関する経費及び議会対応にあたった職員の人件費の支出について、本件財務会計上の行為の前提となる先行行為に責任を有する訴外稲葉及び訴外森戸に対し、小金井市が被った損害を賠償する請求がなされること求める(請求の趣旨1号)とともに、同第2号に基づき、再議が違法であり無効であったことの確認を求める(請求の趣旨2号)ものである。
 原告は、本訴により二元代表原理が機能不全に陥っている小金井市政に警鐘を鳴らすことを意図するとともに、本訴が認容されることにより、小金井市政の正常化と一層の発展を切に願うものである。

第3 証拠方法
 甲第1号証  小監発第59号「小金井市職員措置請求に係る監査結果について(通知)」
 以上のほか、口頭弁論期日において、必要に応じ提出する。

第4 添付書類
 甲第1号証の写し  1通

                                       以上



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