セミの図鑑      

チッチゼミ
(チッチゼミ属)

分布域 北海道、本州、四国、九州
大きさ(全長) オス、メスとも25〜30ミリ程度


解説

7月終わり〜8月中旬から現れ、10月中旬まで、ところによっては11月はじめ頃まで聞くことができる、沖縄を除く国内最小のセミ。ツクツクボウシ以上に典型的な秋のセミ。山間部では出現がやや早いようである。北海道南部から九州まで分布するが、九州では分布は非常に限られ稀。場所によっては多産する。オス、メスとも全身黒く、中胸背に左右2つの黄色い点がある以外斑紋らしいものはない。複眼は茶褐色。大人の指の関節一つの長さであるが、メスがオスよりもやや大きい。腹部腹面はオレンジ色に近い褐色。腹部は硬質。メスの産卵管は比較的短い。とまったときに後翅が前翅のすき間から上に飛びだしている。マツ林でチッチッチッチッ・・・と抑揚なく長く鳴く。知らなければセミとは思わないような鳴き声。パルス的で、体の大きさに似合わず良く通る声だが、音が高いせいか、近くのセミの鳴き声と同期するためか、鳴き声の出所を突き止めるのが意外と難しい。エゾチッチゼミのように鳴きながら飛んで移動することもある。V字型の交尾が観察されている。飛翔力はあまりなく、水平状態から飛び上がることは苦手。

マツを好み、マツ林にしか生息しない(ただしマツ林周辺の木にもとまる)。しかも産卵は林床のツツジ類などの生枝に行うため、林床にツツジ類があるマツ林が生息のための必須の環境である。広島周辺ではコバノミツバツツジやネジキがアカマツ林に多く自生しており、これらに産卵するところが観察される。このようにいわゆる里山の象徴、マツとツツジに依存しており、里山に適応したセミといえるだろう。北海道に近縁のエゾチッチゼミが生息している。

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Last Modified: Dec. 21, 2006