【 曲 名 】ノクターン(全21曲)
【 作曲者名 】ショパン ( F. F. Chopin 1810-1849)
【 参考楽譜 】ドレミ楽譜出版 ショパンピアノ作品辞典
G.HENLE VERLAG CHOPIN NOCTURNES
【データ作成者】井上大輔(MXA01755@niftyserve.or.jp)
【 データ形式 】RCP VER2.5
【 対応音源 】SC55,SC55mk2,SC88(SC55mk2で作成)
【 転 載 】転載前にメールで連絡して下さい
【 圧縮形式 】LHA2.13
2年ちょっとかけてやっと全曲完成しました(^^)。完成とは言いましてもかなり
前に作ったものには不満がいっぱいでして、棚上げモードでのアップロードですが、
どうかお許し下さい(^^;。1曲くらい聴けるデータがあれば良いかな、などと思っ
ております(^^;)。
【曲目解説】
「ノクターン」はアイルランドのピアニスト、ジョン・フィールドが創作した形
式で、左手の簡素な伴奏に乗せて甘美な旋律が歌われます。一説によると、フィー
ルドは当時新しく出来た広い音域を持つピアノの宣伝マンをしていて、そのピアノ
が引き立つような曲として、ノクターンを書いたと言われています。
ショパンは17歳から他界する3年前までに21曲のノクターンを書きましたが、
その大半はパリで演奏活動を行うようになってからのもので、聴衆の求めに応じて
数多く作られました。初期のノクターンはフィールドの模倣の域を脱していません
が、全盛期の作品にはバラードにも迫るような規模と内容を持つものが見られます。
次に各曲の簡単な紹介をします(括弧内は作曲年です)。
◎第1番 変ロ短調 Op.9-1(1830) ラルゲット 6/4 三部形式
絶えず左手で繰り返される6連符に乗せて、右手が甘く感傷的な旋律を綴って行
く、フィールドの影響が最も強く表れた曲です。この曲を含む作品9の3曲は、シ
ョパンがフランスに旅立つ直前に着手され、到着の直後に書き上げられたと考えら
れています。
◎第2番 変ホ長調 Op.9-2(1830) アンダンテ 12/8 ロンド風形式
ショパンのノクターンといえば、まずこの曲を想い浮かべるほど有名な曲で、こ
こにもまた、フィールドの影響が感じられます。旋律はロマンティシズムに溢れ、
サロン的な甘さを持っています。
◎第3番 ロ長調 Op.9-3(1831) アレグレット 6/8 三部形式
前2曲とは異なり夢想的な曲想から離れスケールが大きくなり、ショパン独自の
ノクターンの形式や内容が確立され始めた作品です。付点リズムを伴う舞曲調な旋
律ではじまり、中間部では短調のアジタートに変わり、劇的な感情が表出されてい
ます。
◎第4番 へ長調 Op.15-1(1831) アンダンテ・カンタービレ 3/4 三部形式
左手の3連符に乗って単旋律で素朴に歌われる第一部と、激情溢れる第二部との
対比が印象的です。
◎第5番 嬰へ長調 Op.15-2(1831) ラルゲット 2/4 三部形式
第2番とともに良く知られた曲で、美しい装飾は旋律の中に包含され、ため息の
ようなパウゼ、抑えられた感情など、最もノクターンらしい曲といえます。
◎第6番 ト短調 Op.15-3(1833) レント 3/4 二部形式
ノクターンには珍しく二部形式で、ほの暗い哀愁を帯びた第一部の後に、やや明
るいなぐさめの気分を感じさせる第二部が続く、瞑想的な雰囲気の曲です。今は失
われてしまった自筆譜には、「ハムレットの上演の後で」と書き込まれ、後にショ
パン自身の手で消されたと言われています。
◎第7番 嬰ハ短調 Op.27-1(1835) ラルゲット 4/4 三部形式
ショパンのノクターンの最高傑作とも言われ、夜の暗黒面を表しているのか全曲
を通して暗い雰囲気が支配しています。sotto voceと指示されたミステリアスな前
半部、後半部と、嵐のような中間部の対比が見事な作品です。
◎第8番 変ニ長調 Op.27-2(1835) レント・ソステヌート 6/8 ロンド風形式
2つの主題が3回繰り返して登場し、3度、6度の重音などで華麗に装飾されま
す。この美しさの極みというべき魅力的な旋律から、「伯爵夫人のノクターン」と
呼ばれています。
◎第9番 ロ長調 Op.32-1(1836) アンダンテ・ソステヌート 4/4 ロンド風形式
楽節ごとの途絶えるようなフェルマータと、コーダにおけるレチタティーヴォ風
のカデンツァが印象的でな作品です。
◎第10番 変イ長調 Op.32-3(1836) レント 4/4 三部形式
グラズノフの編曲によりバレエ「レ・シルフィード」の中で使われ、一般に知ら
れるようになりました。まずワルツを想わせる三連符の伴奏に乗って、気品のある
テーマが歌われ、激しい感情のこもった中間部に移ります。その後、第一部の反復
はアジタートのフォルティッシモで開始され、次第に静けさを取り戻して終わりま
す。
◎第11番 ト短調 Op.37-1(1838) レント 4/4 三部形式
ジョルジュ・サンドとの逃避行のなかで書かれ、もの悲しい嘆きの歌のようであ
り、出版時には「ため息」の標題がつけられました。繋留音が多用される左手の伴
奏に乗って憂いを込めた旋律が歌われ、コラール風の中間部ではフェルマータが印
象的です。
◎第12番 ト長調 Op.37-2(1839) アンダンティーノ 6/8 ロンド風形式
幻想的なバルカローレのリズムで書かれたこの曲には、マジョルカ島への航海中
に書かれたという説があります。重音の響きが美しい主題の後に、単純な伴奏に乗
って波間を漂うような主題が続きます。
◎第13番 ハ短調 Op.48-1(1841) レント 4/4 三部形式
パリ時代の円熟期の傑作で、全ノクターン中最も雄大な規模を持ちます。大胆な
転調や3連符の連打が多用され、全体に堂々とした力がみなぎっています。
◎第14番 嬰へ短調 Op.48-2(1841) アンダンティーノ 4/4 三部形式
同じ形で繰り返される伴奏の上に、息の長い旋律が淡々と歌われる第一部と、和
声的な主題が巧妙な転調を持って3度表れる第二部からなります。その後、第一部
の反復では、姿がかなり変えられています。
◎第15番 へ短調 Op.55-1(1843) アンダンテ 4/4 三部形式
形式のシンプルさと叙情性に富んだ愛らしい旋律のため、ピアノ学習者に愛奏さ
れています。
◎第16番 変ホ長調 Op.55-2(1843) レント・ソステヌート 12/8 自由な形式?
他のノクターンのような三部形式をとらず、自由な形式となっています。バルカ
ローレのような伴奏に乗せて、ゆったりとした旋律が即興的に展開されて行きます。
◎第17番 ロ長調 Op.62-1(1846) アンダンテ 4/4 三部形式
熟達した技法、豊かなハーモニー、自由な形式と晩年の特色が良く表れています。
一見華麗な奥にショパンの人生と病への疲れが潜んでいるようにも聴こえます。
◎第18番 ホ長調 Op.62-2(1846) レント 4/4 三部形式
初期の作品を想わせる簡素な旋律で始まりますが、和声は微妙な色彩を持ち、形
式は単純な反復をせず、複雑に変化します。
◎第19番 ホ短調 Op.72-1(1827) アンダンテ 4/4 三部形式
ワルシャワ音楽院時代の作品ですが、後年の音楽を想わせる規模と豊かな旋律を
持っています。
◎第20番 嬰ハ短調 レント・コン・グラン・エスプレッシオーネ(1830) 4/4 三部形式
姉のルドヴィカが協奏曲第2番を練習する手引きとして作曲されたと言われてい
ます。協奏曲第2番以外に自作の歌曲「乙女の願い」からの引用も含まれています。
深い情感に溢れています。。
◎第21番 ハ短調 (1837) アンダンテ・ソステヌート 4/4 三部形式
Op.32の1曲として作曲され、後に削除されましたと言われています。単純な中に
もチャーミングなメロディを持ちます。
【推奨音源】
データはSC55mk2で作成しました。GS音源ではほぼ問題なく再生できると思います
が、それ以外の音源ではバランス、エフェクタの関係でさらに聴き苦しいものにな
るかも知れません(^^;)。
ご意見・ご感想は当該会議室までお願いいたします。辛口大歓迎ですが、かなり
前に作ったものが多く、真っ当なお返事がかけるかどうかわかりません。最近作成
した第1番などに頂けると嬉しく思います。
最後に、バイナリ攻撃を快く受けて下さったり、会議室やRTで叱咤激励して下
さったFMIDICLAの皆様に、この場を借りて厚く御礼申し上げます。どうにかひとま
ず全曲完成にこぎつけたのは、皆様の励ましによるものと思っております。どうも
ありがとうございました。
1996.5.3 井上大輔