クスノキの春
 
 
           南風が春を告げる
           子供の歓声は止み
           木陰のブランコは
           遊び相手を探して
           体を揺らしている

           陽の光は穏やかに
           時間の流れを止め
           子供のいない間を
           暖かな瞳で見つめ
           次の季節を待った

           桜の蕾がふくらみ
           誰もいない校庭の
           大きなクスノキは
           冬の装いを脱いで
           迎えの準備をする


                       (1994年3月2日)