夏の列車
 

           ディーゼルの列車は 夏の山を駆ける
           緑の匂いが 吹きつける風に乗って
           車両のなかに 森をつくりだす
           木々のあいだを レールに沿って駆け抜け
           ふと 潮風が香ってきた
           ああ 海が近いんだ
           だが 夏の日本海に 出会う前に
           睡魔は 瞳の扉を閉じてしまった

                       (1993.8.20)