沼
気がつくと そこは
ドロドロとした青緑色の
沼地の淵だった
魔物に追われていた
夢中で走っていた
目前には陽の光が降り注ぐ
高原の一本道が延びていた
だがそれは魔物の見せていた
幻覚でしかなかったのだ
道は深い森の中にあり
鋭利な岩や刺のある樹木が
裸足の足を切り裂いていく
そして次の一歩の先には
毒々しい色をした沼があった
沼は腐臭を放ち
私の次の一歩を心待ちしている
気がつかなければ私は
その沼に足を踏み入れ
二度と戻ることはできなかったろう
ああ 足を上げ 前に重心を倒す
今まさにその瞬間である
そのまま硬直し バランスを後ろへと
しかし背後には魔物が迫っている
手に剣をとるか 沼に飲み込まれるか
私は 沼の淵に立っているのだ