林道入口(駐車地点)林道入口(駐車地点) 林道終点の水場林道終点の水場 不入山山頂不入山山頂 幽谷コース幽谷コース

高知県にある不入山は四国カルスト県立自然公園に属し、日本最後の清流といわれる四万十川の源流部を抱える山である。 山名は土佐藩が樹木の伐採および山への立ち入りを禁じたことに由来する。 いわゆる御留山(おとめやま)であるが、今以上に水源が重要であったことを考えると当然であろう。 漢文表記が残っているあたりも、その歴史を感じさせてくれる山名である。

四国カルストの源氏ヶ駄馬にある一等三角点「薊野峰」を訪れた後、県道48号四国カルスト公園線および国道439号を経由して不入山へ向かった。 矢筈トンネルを抜けた先で右折して村道中村線に入る。 村道と書かれていたが、仁淀村は2005年に合併して仁淀川町となっているので正確には町道である。 この道を2kmほど進むと、道は名称の上では県道378号仁淀東津野線となる。 この県道起点部分には「四万十源流点」の案内板と右手に不入山の登山口に通じる船戸林道入口がある。 さらに林道入口部分には林野庁が選定した「森の巨人たち百選 四万十源流の大モミ(No.77)」の案内看板が設置されているので見落とすことはないだろう。

当初は船戸林道終点まで車で入って山頂を往復するつもりでいたが、入口すぐ奥に黄色い車止めが設置されており車が入ることはできなかった。 仕方なく県道起点部の路肩まで戻って駐車する。 路肩はわずかに広くなっており、ベンチも設置されている。 ここが不入山の実質的な登山口になっているようだ。

この日は朝から雨が降ったり止んだりの天気であったため、傘を持って林道を歩きだした。 林道は未舗装ではあるものの荒れた箇所や狭い箇所もなく、比較的歩きやすい道である。 時折持ってきた傘を広げ、林道を雨中の散歩感覚で歩いていると足元にサワガニが動いていた。 さすが、清流の源流部である。 さらに奥へと進み、林道起点から30分ほどで大モミ入口にやってきた。 せっかくなので行ってみようかとも思ったが、歩道わきの草木についた雨粒が気になってあきらめることにした。 おそらく林道から見えている背の高い木がそうなのであろう。

大モミ入口からさらに15分ほど歩くと林道の終点に到着した。 朽ちたベンチと水場があり、四万十川へそそぐ一滴でのどを潤しながら休憩することができる。 しかし、雨まじりの水や濡れたベンチで休憩する気もおきず、そのまま通り過ぎる。 幅員がいっきに狭まって登山道になると、すぐに分岐点が現れた。 それぞれ「槙尾根コース」と「幽谷コース」と名付けられており、正面に見えている幽谷コースは直登コースのようだ。 時間的には大きく変わらないので道標に「おすすめコース」と書かれた槙尾根コースを選んだ。

苔むした石や木々があって「不入」の名残を感じるものの、荒れた山というほどでもない。 立ち入り禁止といっても、それなりには手入れがなされていたのだろう。 登山道もしっかりとした道が付けられているものの、槙尾根コースもなかなかの直登であった。 巻きながらゆっくり登るのだろうと勝手に思い込んでいたが、幽谷コースと時間的な差がないのもうなずける道であった。 しかし、急な登りも長くはなく、ひと登りしてしまうとすぐに幽谷コースと合流してしまった。 この先は尾根伝いに見事な樹木やツツジを眺めながらひと歩きすると山頂であった。

山頂部にはベンチと祠(跡?)、そして一等三角点があった。 展望がよいというほどではないが、四国カルスト方向が開けており、手前の鳥形山は確認できた。 鳥形山は登山道途中で見たとき、山頂部が平らで白いのでカルストの一部かとも思っていたが石灰採掘地なのだそうた。 なんとも豪快なことである。 山頂からも四万十源流点へ下れるようで、手作り道標が設置されていた。 しかし、あいにくとこの道の情報を持ち合わせていなかったので、無難に往路と同じ道で帰ることにする。 同じといってもせっかくなので、途中「幽谷コース」で下ってみた。 想像通り谷間にまっすぐ付けられた道で、苔がついた石も多いので下りよりも登りに使うとよい道のように感じた。

再び長々とした林道歩きを終えて駐車地点に戻ってみると、自分の車の後ろにマイクロバスが一台停まっていた。 ナンバーから推測すると岡山から来た団体さんのようだ。 途中会わなかったことから、ちょうど幽谷コースを下山中に槙尾根コースを登っていたのだろう。 登山ということに限定すれば、他県からくるほど魅力的な山には思えなかったが、やはり四万十源流点の影響は大きいのだろうか。 帰りは県道378号から下ったのだが、源流点へ向かうのであろう何台もの他県ナンバーの車やレンタカーとすれ違った。

コースタイム

登山口(09:28) 〜 (09:54)「四万十源流のモミ」入口 〜 (10:09)林道終点 〜 <槙尾根コース> 〜 (11:02)不入山(11:19) 〜 <幽谷コース> 〜 (12:00)林道終点 〜 (12:13)「四万十源流のモミ」入口 〜 (12:34)登山口

参考マップ

「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図200000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用した。(承認番号 平21業使、第95号)」