シ ロ [2001/08/19]
小さいとき、猫がいた。
名前は「シロ」。真っ白で毛の長いねこだった。
右の目と左の目の色が異なっていた。そういう猫には耳が聞こえないことが少なくなそうで、シロもそうだった。仕事から帰ってきた父の車が近づいても、寝そべっていて起きないことがしばしばあった。
シロは、便秘だった。2〜3ヶ月に一度、父が浣腸をしていた。
注射器より太い浣腸に水とワセリンを入れ、シロのお尻に入れる。
いれた液がなじむ様にお腹を揉んでいると、お腹にたまっていたものがドバッと出る。ある程度すっきりしたところで、ようやく解放される。 シロを押さえるのは母や子ども達の役割。
(私の左手首には、シロを押さえているときにひっかかれた傷後が今でも残っている)
シロがいた頃、うちは練炭コタツだった。
シロの長い毛に、練炭の穴もようの焦げ目があるのを見て、ゆうべも練炭の上で寝たんだなと思ったことが何度かあった。
かまどの灰も好きだった。
かきだした灰は暖かいので、それに入るんだ。「シロ」でなくて「はいいろ」。
そんなシロは、私が大学1年の夏、犬にかまれて死んでしまった。
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