XG・88等表記についての解説。
はじめにご理解いただきたいのは、MIDI データは通常のオーディオデータと決定的に違い、何らかの音を録音したものではないということです。
電子ピアノや音楽キーボードなどがありますが、MIDI ファイルはああいう類の自動演奏データ(電子楽譜)のようなものなのです。
この MIDI データを受け取って演奏を行うものを総称して、音源と呼びます。
パソコン上で使われる音源は、音声入出力部であるサウンドカードに内蔵されているもの、音データを HDD (ハードディスクドライブ)に置き CPU に演算をさせるもの、外付けの専用もの(鍵盤を省いた音楽キーボードのようなもの)などがあります。
これらはピアノやギター、ドラムなどといったものの音の録音データ(波形)が入っており、MIDI データに書かれた演奏データによってそれらの音をエフェクタなどと組み合わせて、実際の演奏がなされます。
音データを含まないゆえ、一瞬一瞬の音の波形を厳密に記録したオーディオデータに比べはるかに軽量という特徴があります。
しかし音源を作る会社ごとの音・エフェクトの特徴やクセによって、演奏結果が大幅に変わってしまうのは欠点といえるかもしれません。
当サイトに限らず、MIDI サイトには概ね対応・形式といった形で、GM, GS, XG といった表記が見られます。
これらは規格等の名称などで、大まかに汎用的な GM データ、Roland 社の音源用の GS データ、そして YAMAHA の音源用の XG データとわけられます。
GM データ以外は、指定された音源以外で演奏するとおかしな演奏になることがあります。
わたしが製作に使っている音源は YAMAHA の MU50 という XG 音源互換の、DS-XG Synthesizer というサウンドカード内臓のもので、作るデータは基本的に XG 対応 MIDI データが主です。
もしくは XG と GM の併用データ(表記 XG/GM )になっています。
ただしこれらは GS 音源や後述の Microsoft Synthesizer では、十分な演奏が出来ない場合が多いので、一応それらでもそれなりに鳴るように最低限調整して作ったものが GS 用データや 88/88Pro 用データです。
以下表記と説明を書きました。ご自分の MIDI 音源にあったデータをお選びください。
自分の音源がなんであるかは、スタート→設定(またはマイコンピュータ→))→ コントロールパネル→サウンドとマルチメディア(マルチメディア)という個所で調べることが出来ます。
上にあるタブから「オーディオ」という部分を押せば、表示されるはずです( Windows95/98 の場合は MIDI というタブです)。仔細は MIDI系コラム 3.ソフトウェアMIDI を使う前の注意に画像込みで載せてあります。
最近のパソコンならば、大概Microsoft GS Wavetable SW Synth(Microsoft Synthesizer)という音源だと思われます。GSと書いてありますが、古いGS音源のGM音色を使っているだけなのでこれはGM音源です。
Windows98 と Me の一部、そして Win2000/XP で標準の MIDI 音源として搭載されています。はっきり言って低品質です。
また下記の高品質な音源が搭載されているにもかかわらず、これが設定されている場合が多々あるようです。ご注意を。
基本的に XG 用や GS 用データを演奏させようとすると、音量バランスが悪かったり音抜けが起こったりするなどが起こるので、GM 用データをお聞きするのが無難です。
または YAMAHA の AC-XG Synthesizer, DS-XG Synthesizer という音源が搭載されている場合もあります
こちらは専用の外付け XG 音源 MU50 を元にしている互換品なので、上記 MS Synth と比較して圧倒的に音質がよいです。
NEC やソニーのパソコンに搭載されていることが多いらしく、XG 用データも高い精度で演奏ができる素晴らしいものです。もちろんその他のパソコンメーカーでも搭載されていることはあるでしょう。これが搭載されていたらラッキーです♪
その他には YAMAHA SXG Driver, YAMAHA XG WDM SoftSinthesizer という場合もあり、これはサウンドチップではなく CPU で音色を組み合わせて演奏するソフトウェア MIDI 音源(ソフトウェアシンセサイザ)というもので、基本的には上記と同じ MU50 の互換品でよい音を出してくれます。
さらに Roland VSC というものは、専用の外付け GS 音源、SC-88Pro の廉価版的なソフトウェア MIDI 音源で、廉価ながら GS 音源用 MIDI の再現度はこれらの中で一番高いでしょう。
もちろんこの他にもいろいろあるでしょうが、基本的に YAMAHA とあれば XG 音源、Roland とあれば GS 音源だと思って間違いないと思われます。本当にその他は、大概 GM 音源だと思います。
実は以前は音源会社ごとに、各演奏データはバラバラで互換性のないものでした。つまり Y 社の音源用データを R 社の音源で演奏できないといったものです。
それを改めるために、SMF(Standard Midi File) が標準データとして使われるようになり、最低限の互換性を得る為にデータの規格として GM(General MIDI) 規格が策定されました。
この GM 規格に沿ったデータを GM 用データと呼び、一応どこの音源でもそつなく演奏がなされる・・ということになっています。
しかしながら GM 規格は本当に最低限のことのみを策定した規格だったために、規格としての力不足は否めず、規格策定前夜に Roland 社が脱退して、独自の拡張を施した GS 規格を策定してしまうという事態も起こってしまいました。
何気に GS 規格の方が、GM 規格より先行しているのです。
この GS 規格に沿って作られた SC-55, そしてその上位機を GS 音源と称し、このGS音源向きのデータを、GS 用データと、上位機、SC-88, SC-88Pro, SC-8850 などの固有の音色・機能などを使用したデータを、88 用データ、88Pro 用データ、8850 用データなどと呼びます。
そして Roland に遅れること数年、音楽業界の大御所である YAMAHA が策定したのが、XG 規格です。
これに沿って作られたMU80、そして MU50 を XG 音源と呼び、対応データを XG 用データと称します。
GS 音源が上位機用の専用データを下位機種でまともに演奏できないのに対し、XG 音源は下位互換が図られており、下位機種でも下位機種なりの演奏はできるようになっています。