電磁石釣り堀ゲームの改良

電磁石釣り堀ゲームの改良

1 単元名  電流のはたらき(6年生)

2 教材開発の意図


電磁石の学習の導入として釣り堀ゲームを取り入れる方法があります。これは釣り針の代わりに電磁石のついた釣り竿を使い,重さの異なる魚を釣り上げるゲームです。ゲームをする中で子供達は「電磁石はフェライト磁石のように金属をくっつける働きがあるけれど,電気を切るとくっつかなくなる」ことに気付きます。また,重い魚がなかなか釣れないことから「電磁石をもっと強くするにはどうすればいいだろう」という願いをもつようにもなります。しかし一方で,学習指導要領にあるB−(3)−ア「…電流の向きが変わると電磁石の極が変わること」という内容については関心を持ちにくい導入の活動でもあります。
そこで,今回取り組んだのが釣り堀ゲームの改良,というよりは正確には釣り上げる魚の改良です。魚にはフィルムケースを用い表のように6種類のものを作りました。
│ │ 得 点 │おもり│ ふた │
│@│ 100点 │ 大 │磁石(N)│
│A│ 70点 │ 小 │磁石(N)│
│B│ 50点 │ 大 │ 鉄 │
│C│ 30点 │ 中 │ 鉄 │
│D│ 10点 │ 小 │ 鉄 │
│E│−100点│ 小 │磁石(S)│
B〜Dのフィルムケースの上面には,鉄製のワッシャーをボンドで貼りつけており,中には粘土をおもりとして入れています。
Dはおもりが小さいので容易に釣り上げることができます。
Cは少し重いのでそのままでは釣り上げることが出来ません。コイルの巻き数を増やすか,電池の数を増やすかのいずれかの工夫が必要です。
Bはさらに重いので,巻き数と電池の数の両方とも変えなくてはなりません。
@AEのフィルムケースの上面にはフェライト磁石を貼っています。
@Aの磁石はN極を上向き,Eの磁石はS極を上向きに貼っています。釣り竿の先に付いている電磁石はN極が下向きになるように作っているので,Eの魚は電磁石が近づいてきただけで自分の方から飛びついてきます。
これに対し@Aの魚には電磁石が反発して近づこうとしません。しかし,子供達のなかにはうっかりと,あるいは意識して電磁石のスイッチを切って@Aの魚に電磁石を近づける子供がいます。すると,ただの鉄心になった電磁石はフェライト磁石にくっつき,軽いAは釣り上げることができるようになります。
最後に残った@だけは,電流の向きを変えなければ釣り上げることが出来ません。
以上のような釣り上げる魚の設定により,子供達の意識にとって無理なく以下の単元が流れていくのではないかと考えます。

3 単元計画(全12時間)

1次 クレーンゲームで遊ぼう
・クレーンゲームで遊ぶ
2次 クレーンゲームの必勝法を考えよう
・コイルの巻き数や電池の数を変えて電磁石の強さが変わるか調べる。
・永久磁石と比較しながら電磁石の性質について調べる。
3次 強いクレーンを作ろう

4 実践と結果


12月に伊島小で調査授業を行い,導入時の釣り堀ゲームで子供達が次にどんな事をしたいと思うのか調べました。その結果は次のようになりました。(児童30人,複数回答)
・コイルの巻き数を増やしたい(26人)
・電池をもっと増やしたい(21人)
・電磁石にフェライト磁石のような極があるのか調べたい(12人)
・電池のプラスとマイナスを変えるとどうなるか調べたい(5人)
・別の材料(導線・芯材)で電磁石を作ってみたい。(4人)
・別の釣り竿を作りたい(4人)

5 成果と課題

導入時の釣り堀ゲームの活動に上記のような改良を加えたことで,これまで興味を持ちにくかった電磁石の極の性質に児童の目が向くようになりました。これにより児童の意識にとって無理なく単元が流れるのではないかと考えます。(12月現在では,導入の活動の調査を行っただけなので,単元全体についての考察はまだできていません)
今後の課題としては,フィルムケースに入れる粘土の重さと釣り竿の電磁石の強さを調整し,子供達がより活動への意欲を持てるようなゲームにしていきたいと思います。