4年生「1.あたたかくなると」
[03/03/10 福井]

  長くなりますが,まずは教科書の記述を載せます。

  春になると,花がさいたり新しい芽が出たりする植物や,活動するこん虫などが多く
  見られるようになる。
  あたたかさによって植物の成長やこん虫などの活動のようすは,どうなるのだろうか。
  これから1年間,観察していこう。
 
 1.植物の成長のようすを調べよう
    3年生では,春にたねをまいた植物は,夏には大きく育って花がさき,やがて実を
    つけた。これからたねをまく植物は,あたたかくなるにつれて,どのように育って
    いくのだろうか。
       植物の成長は,あたたかさと,どのような関係があるのかな。
         たねをまいたら,すぐに芽が出て,どんどん大きくなるのかな。
         暑くならないと成長しないのかな。
   観察1 ヘチマを育てて,成長のようすとあたたかさについて,調べていこう。
        @ヘチマのたねをまいて,育てる。
          ・小さいはちや入れ物に,たねをまく。
          ・水をかけて,いつも土がしめっているようにする。
          ・日光によく当てる。
        A成長のようすを観察して,記録する。
        B空気の温度をはかって記録し,成長とあたたかさとの関係を見ていく。
     ヘチマのほかに,ヒマワリを育てて,同じようにして調べていくのもよい。
     ●記録カードのかきかた
          ・調べるものの名前をかく。
          ・月日と時こく,天気をかく。
          ・空気の温度をはかって,かく。
          ・調べた場所をかいておく。
          ・観察したものを絵で表す。
          ・気がついたことや感じたことなどを,文で表す。
          ・絵は,黒いえんぴつでかいたあと,色えんぴつで色をつける。
     ●空気の温度のはかりかた
          ・空気の温度をはかるときは,温度計に日光があたらないようにして,
           はかる。
          ・自分のからだで,日光をさえぎる。あるいは,下じきなどで温度計
           に当たる日光をさえぎってもよい。
          ・温度計に息がかからないように,20〜30cmはなす。
          ・温度計のえきの高さがからなくなったら,温度を読みとる。
       注意 えきだめは,こわれやすいので,ものに当てたり,おとしたりしない
          ように,気をつける。
     ヘチマの芽が出て,葉が3〜4枚になったら,花だんや大きいプランターに植え
     かえよう。くきがよくのびるのは,いつごろかな。

[03/03/11 福井]
  4年生「1.あたたかくなると」は,大単元「あたたかさと生き物」の春版です。大単元
  「あたたかさと生き物」では1年を通じて植物と動物の生活史を継続観察していきます。
  誤解を招くのを承知で書くと「観察」は「実験」にくらべて地味です。
  問題点がはっきりしていて,それを解決するための行為である実験が子供の意欲を喚起
  しやすいのに対し,観察は動機付けをしっかりしなければやらされてやりましたという
  ことになりやすいと思うのですが,いかがでしょう?
  教科書には「あたたかさによって,植物の成長やこん虫などの活動のようすは,どうなる
  のだろうか。これから1年間,観察していこう」と書かれていますが,はたしてこれが
  1年間の観察の原動力となる動機付けとして十分なものなのだろうか? というのが今回,
  福井の問題提起です。
  みなさまのご意見をお聞かせ下さい。

[03/03/12 津下]
  第1時 春を見つけに行こう(松本先生案)
      指 「春」と聞いて,思い浮かぶものをノートに書きます。
         3つ書けたらもってきましょう。
      指 かけた人から,黒板に書きましょう。
        →あたたかい,花,さくら,うれしい,ちょうちょ等。
      指 今から春を見つけに行きます。
        そのときに見つけた春をノートに書きましょう。
     ○校庭へ移動。
      指 先生は朝礼台の前にいます。
        3つ書けたら,一度先生のところに持ってきましょう。
     ○あとは,たくさんかけた子をほめまくる。
      評価 春をたくさん見つけることができたか。
  第2時〜 季節によって植物はどう変わるだろう。
      発 今の季節を何といいますか。→春
      発 他にどんな季節がありますか?→夏,秋,冬
     ○教師が黒板に桜の絵(概略図)を描く。
      発 桜の花はずっと咲いていますか?→いいえ。
      発 では,桜の花びらが落ちるのはいつでしょう?→夏,秋,冬,すぐ
      指 桜の木が季節によってどう変わるかを予想します。
        夏にはどうなっているかをノートにかいてごらんなさい。
     ○といって,幹だけ描いてやる。
      指 かけた人は先生のところに持ってきましょう。
      指 夏が書けた人は,秋,冬もかいておきましょう。
      指 すべて書き終わって人は,黒板に書きましょう。
     ○黒板に書かれた意見を検討する。
     ○この予想があっていたかどうかを1年かけて見ていくことを伝える。
  反省点 ※夏=暑い,秋=すずしい,冬=寒い,など,季節ごとのイメージを膨らま
       した方が,予想しやすかったのではないか。
      ※予想はしたものの,その後の観察に生かせませんでした。
       一年を見通した計画が必要。
  第3時 ヘチマを育てよう
     ○ヘチマの種を見せる。
      発 何の種でしょう。→すいか,桜,きゅうり,ヘチマ等。
        ここでは正解をいわない。
     ○ヘチマの殻をみせる。(ここでかなり驚きの声あり)
      指 さっきの種は,このようになります。
      発 これ何か知っている人→ヘチマ
      指 そう,ヘチマです。今日はこのヘチマを植えます。
      発 では,一週間後には,この植木鉢はどうなっているでしょう。
        予想をノートに書いてごらんなさい。
     ○鉢の絵を板書して,ヘチマがどうなるかを予想する。
      指 かけた人は,先生のところに持ってきましょう。
      指 黒板に書きましょう。
     ○今後,種がどう成長していくかを観察していくことを伝える。
  反省点 ※スケッチがなかなかかけない子がいた。既有の知識が足りないこと,絵に
       対する苦手意識などが原因である。この点に対する配慮が必要。

[03/03/12 福井]
  文中の指は「指示」,発は「発問」ということでいいですか。
  教師の意図がはっきりしていてハキハキした感じがしますね。
  また,授業の様子がとても分かりやすい書きぶりですね。 とても参考になります。
 第1時 春を見つけに行こう(松本先生案)
    この春探しを,春,初夏,梅雨,夏,初秋,秋,晩秋,冬…と言う具合に年間を
   通してやり,気温や天気などのデータも合わせて記録させておけば生き物の生活史を
   ある程度概観できそうですね。
    また,校長先生の許可をもらって一定区域をロープで囲い,手をつけないビオ
   トープを設定し,その中   での動植物の変移を定量的に調べてみるのも一計かも。
 第2時〜 季節によって植物はどう変わるだろう。
    前の教科書は「私の木」を決め,枝にビニールテープを巻いて印をつけ年間を
    通して観察する活動がありましたが,これは良かった。 (剪定されないものを
    選ばなくてはいけないけど…) 現行の教科書には載っていないけど,ぜひこれは
    やりたいですね。
    自分の枝をよく見て絵を描くことは観察記録のスキルとして大切だけど,デジカメ
    で定点撮影しておくこともお勧めします。客観的資料として年度末に使えます。
 第3時 ヘチマを育てよう
    どうしてヘチマなのか? 伊島小学校では児童数の関係でヘチマは学級に数本。
   「私のヘチマ」にはなっていません。やはり「自分の」ということを大切にしたいと
    思います。 指導要領解説理科編には「季節によって成長に伴う変化が明確で身近
    な植物を数種類扱うようにする」(p.33)と書かれています。
  何もヘチマである必要はないわけです。もっといい植物をご存知の方はおられませんか?


[03/04/10 福井]
  『子どもがのってくる』楽しい理科の導入の工夫(初等理科教育5月号増刊号)には,
  大単元名『季節と生き物』として次のような活動が紹介されています。
   ・地域自然マップ作り
     模造紙数枚を張り合わしたものに地域,もしくは学校内の地図を描き,教室の壁
     に年間掲示する。地図の上にはクリアーポケット(生活科などでよく使われる
     透明な袋)を何カ所か貼っておき,子ども達が活動して気づいたことを観察カード
     にして入れていく。クリアーポケットによる観察カードの年間掲示はよくされる
     ことですが,これを地図の上に貼り付けたところはいいアイディアだと思います。
     場所と動植物の様子と気温の変化が立体的にまとめられたら学級全員で作る一種
     のポートフォリオとして学級全体の学習評価につながると思います。

[03/04/11 福井]
  TOSSランドで調べたところ大堀真という人のプランがありました。
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  発問1 今の季節はなんですか。ノートに書きなさい。 
      子どもたちは「春」だという。
  指示1 春だと考えるのですね。ノートに「わたしは、今の季節は春だと考える。
      その理由を書く」と書きなさい。 
      「思う」のは自由。「考える」のなら理由、根拠を示さなくてはいけないと
      いう短い説明をした。
  指示2 これから、校庭に出て、「春だ」という証拠を探してもらいます。
       (1) 〇〇だから、春だ
       (2) ●●だから、春だ
      のように箇条書きでノートに書きなさい。一つ書けるたびに先生のところへ
      持って来なさい。
       「学校の敷地から出ないこと」「自分の目で見、肌で感じたことを書くこと」
      「〇時〇分になったら教室に戻ること」など、最小限の注意を与えた。
  代表的な子どもの反応 (教室へ戻って発表させた)
    レベル1 (〇〇がある〜というレベル)
          1 たんぽぽが咲いていたので、春だ。
          2 ナズナが咲いていたので、春だ。
          3 ありがいたので、春だ。
          4 風があたたかいので、春だ。 
    レベル2 〇〇になってきた(変化に気づいている)レベル  
          1 風が冷たくなくなって来たので春だあ。
          2 プールの氷がとけたので春だ。
          3 さくらのつぼみが、もう咲きそうになって来たので春だ。
    レベル2 (〇〇も〇〇もなので春だ。)
          1 ナズナも、チューリップも、タンポポも咲いているので春だ。
          2 風もあたたかいし、モンキチョウも飛んでいたので春だ。
    評 価   レベル1の考えには、ノートを持って来たら「よくみつけた」と言って
          マルをつける。
          レベル2の考えには「これは優秀な答えだ」と言って、二重丸をつける。
          このようにすると評価情報は子どもに伝わり、変化に気づいた答えが
          増える。 
    説明2  四年生の理科の学習は、このように「変化に気づく、変化を調べることが
         大事なのだ。」と説明して授業を終えた。 
         ちなみに、三年生の理科の基礎技能は「二物を直接比較すること」である。

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4年生 1.あたたかくなると(10時間)

1.ねらい ・1年を通して植物の様子の変化と気温の関係について観察しようという意欲
       を持たせる。
      ・記録カードの書き方,気温の測り方などの基礎的な技能を身につけさせる。
      ・ヘチマやヒマワリの種を植え,継続的に世話をさせる。
      ・校内や学区の植物の様子を調べ,定点観察の計画と見通しを立てさせる。

2.主な活動
  ●春を探そう
   → 春をイメージする動植物の様子をたくさん探し,学習への動機付けを行う。
     校内や学区の大型掲示物を作り,その上に年間を通して発見カードを貼っていく。
  ●私の木を決めよう
   → 1年間継続観察する自分の木を決めて枝にビニールテープを貼り,学習カードに春の
     様子を記録する。デジカメでも撮っておく。剪定をしないように了承を得ておく。
  ●ヘチマを植えよう
   → ポットに種まきをし,本葉がでたら花壇に植えかえる。活動時の気温も記録する。
  ●ビオトープを作ろう
      → 了承を得てビオトープを作り,年間を通して変化の様子を観察する。
     ロープなどで区域を囲い,看板などで趣旨を示しておく。除草はしない。